スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

電動アシスト・ドライバーが非常に快適♪

やっと買えたゼ「電ドラボール」!

 2018年12月にベッセル(VESSEL)から発売された「電ドラボール(No.220USB)」(公式ページ)。普通のドライバーと電動ドライバーの間に位置する感じの、わりと斬新なUSB充電式のドライバーです。ネジを速く回すのを電動で行い、本締めなどは手動で行うというもの。2019年正月頃にダラダラとネットサーフィン(←死語?)していた時に見つけて「あっ凄く良さそう!」と思ったものの、時既に遅しの品薄状態でした。↓こんなの。

ベッセルの「電ドラボール」。形状的にはボールグリップドライバーで、先端は標準的なビット(対辺6.35mm/片頭・両頭ビット)と交換して使えます。赤いスライドスイッチにより、ビットが自動回転(正転/逆転)し、自動回転しない状態では普通のドライバーと同様に力を込めての手動ネジ回しを行えます。
パッケージとしては2種類あり、型番No.220USB-1がビット1本付きで、型番No.220USB-5がビット5本と専用ACアダプター付きです。どちらにも充電用USBケーブル(microUSB)が付属します。転売などのボッタクリでない実勢価格は、No.220USB-1が税込4000円くらいで、No.220USB-1が5000円くらい。

 これが買えなかったんですね~。品薄で。3ヶ月待ちとかそういう買えなさっぷり……というか人気ぶり。買えるようになる気配が一向になかったので、そのうち諦めて忘れちゃいました。

 ところが最近は普通に買えるようになった感じ。とは言っても現在も人気の製品のようで、ボッタクリ的な価格の電ドラボールもけっこうあるようです。でもまあ、在庫無しってわけではなく、市場に流通している状態。

 というわけで、筆者は最近購入。そして使ってみたら、最初に思った「あっ凄く良さそう!」のとおり、いや、それ以上の使用感でした。やべーすげぇ捗る! みたいな。以降、この電ドラボールについてアレコレ書いてみたいと思います。

電動の力でネジ回し作業をアシスト!

 電ドラボールは、いわゆる電動ドライバーとはちょっと違う。電気の力でドライバーがネジ締め作業を行ってくれる、のではなく、電気の力でユーザーの手間を少し省いてくれるというニュースタイルの電動工具です。

 メーカーは「早締めは電動モーターで、本締めは手動のドライバー感覚で」と謳っており、つまりは「ネジをギュッと締めるまでのクルクルクルクル……の手作業を肩代わり」してくれる製品で、「最後の本締めは手動で行う」というわけです。電ドラボールを握っているだけでネジ締めが完了する、ということではありません。

親指付近の赤いスライドスイッチを操作すると、ビット部分が正転/逆転します。一般的な右ネジに使う場合、スイッチを前方に押せば右回転してネジ締め、スイッチを手前に引けば左回転してネジ緩めとなります。
USB充電式で、空の状態から約60分で満充電。満充電の状態では「M4×20mmネジを約200本締め付けできる」とのこと。暗い場所でもネジ締め作業を行いやすいLEDランプ(回転スイッチ連動)を内蔵しています。

 具体的な使い方としては、ネジ締めの場合ならばネジの抵抗が強くなる位置まで電動でクルクルクルクルとネジを押し込んでいき、ネジに抵抗が出た後の最後の締め込みは手動でギュッギュと締めます。最後の締め込み(本締め)も電動の力でできる場合もありますが、電動ドライバーとしてはトルクが強くなく、クラッチ機構(ネジ締め過ぎ防止機構)もないので、本締めを電動で行うには向いていません。

 ちなみに、電動でのトルクは2N・mで、あまり強くありません。また、手動での耐久トルクは10N・mで、かなりグイグイ締め込める耐久力があります。

あら~便利! もう1本買おう!!

 さて、この電ドラボールを使った印象です。電ドラボールを知った当初は「あっ凄く良さそう!」と感じました。でもまあ、率直なところ「あれば便利だろうなあ」という感じ。ネジ回しの部分的な手間がなくなって良さそうだなあ、くらいな印象でした。

 ところが使ってみたら、これが非常に便利。ネジ回しの部分的な手間だと思っていた、本締めのところまで「クルクルクルクル」と軽くネジを回し続ける作業。あの作業を電ドラボールがやってくれるわけですが、「あのクルクル作業がネジ締め・ネジ緩め作業の手間の大半だったのか!」と思い知らされました。

 あのクルクル作業、ドライバーの軸を指で摘んで速く回そうとしたり、あるいはドライバーなど使わずにネジ頭を指で摘んで回したりしてませんでした? 筆者はそうすることが多かったです。微妙にスムーズでないネジとかだと、ドライバーのグリップ部を指でグルグルしたりも。L型のヘックスレンチとかも同様で、レンチの軸を指でつまんでクルクル……あっ滑って落としたチャリーン! みたいなことも。

 電ドラボールだと、このクルクル作業がほとんど自動化。電ドラボールのビット先端をネジに軽く押し付けてスイッチを前方にスライド。それだけで何の苦労もフラストレーションもなく、ネジを本締め直前まで回していける。最後は手回しでギュッと本締めして完了。あら~便利!

 ネジを緩めるときも同様です。最初は手回しでギュコッと緩めて、その後はビット先端を軽くネジに押し当てつつスイッチを後方にスライド。あら~簡単にネジが緩んで抜ける~♪

 やや余談ですが、本締め位置までネジを回していく感じも良好。軽く握っていると本締め手前あたりで本体がクルッと回ってしまうんですが、それと同時にスイッチから指が離れて回転が停止してくれて好都合です。使い慣れると、ドライバー本体がクルッと回転した瞬間が「本締め開始位置」だとわかるんですね。

 ちなみに、無負荷時の連続使用時間は40分となっています。一日中ネジ回しをするとかだと足りない電池容量ですが、まあ素人がフツーに使うくらいなら十分だと感じます。

 あと、ネジを回転させていく作業をラクにする工具って、なかなかナイんですよね。グイッと押すと回転してくれるオートマチックドライバーとか、握ると先端が回る仕掛けのドライバーとかはありましたけど、重かったり大きかったり嵩張ったり。電動ドライバーも大きめだったり重めだったり。でも電ドラボールは一般的なドライバーのグリップ部と同様のサイズ。邪魔にならないのもイイです。

 結果、電ドラボール使用後は、もう普通のドライバーを使うのが面倒に。いや普通のドライバーも使用箇所・対象によっては必須なんですが、多くのネジ締め・緩め作業で電ドラボールを使うようになりました。というわけで、追加のもう1本を購入。現在は2本使用しております。

2本体制だゼ~!! 1本の電池が切れてももう1本が使えるし! 1本壊れても予備があれば「え~クルクルクルクルって手でやるのぉ~?」というフラストレーションがわかないしネ! それと、一般的なビットならたいてい使えるのも実用的。
携帯工具などに付属する短いビットも、アダプター類を介せば電ドラボールで使用可能。短いヘックス(六角)やヘックスローブ(トルクス)のビットも電動化できちゃって便利♪
ドリルの類もちょっと電動化。本気の穴あけとかは、さすがに普通の電動ドリル類が効率的ですけど、下穴をちょっと開けるとかプラスチック板の軽い加工などなら、電ドラボールで十分やれちゃいます~。

 一見、普通のドライバー+非力な電動ドライバーという感じの、なんか中途半端感のある電ドラボールなのですが、意外にユーザーを幸せにしてくれる「ネジ回しの面倒を打ち消してくれる新機軸の電動工具」だと思います。コレ、ネジ回し作業が多めで、あのクルクルクルクル回転作業にイラつきがちな方に特にオススメです。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。