ケータイ用語の基礎知識

第1004回:iPhone 15がサポートするワイヤレス充電規格「Qi2」って何?

Qi2対応アクセサリが今年冬に出ます。

 iPhoneは、iPhone 12から「MagSafe」というApple独自規格のワイヤレス充電充電器に対応していましたが、iPhone 15以降は「Qi2」にも対応すると発表しました。

 また、各社からQi2(またはQi v2.0)対応のアクセサリが今年内に発売予定になっています。最初に登場するのは高速ワイヤレス充電機などでしょう。Qiは「チー」と発音します。その名前の通り「気」、中国語でエネルギーを意味するそうです。

Qiとは?

 Qiとは、このコーナーの「第515回:Qiとは」でも解説した通り、ワイヤレス給電規格です。

 Wireless Power Consortium(WPC)という団体が標準化を行っています。

 Qiは「電磁誘導」を利用して、ケーブルなしでスマートフォンに電力を供給します。異なるメーカーのQi準拠製品間でも充電が可能で、たとえば、ワイヤレス充電器と充電用カバーのセットが発売されたり、あるいはQiでの充電が可能な携帯電話も発表されていました。

 ちなみに2010年に発表された規格v1.0では最大5W、2015年にはBaseline Power Profile(BPP)は5W、Extended Power Profile(EPP)は15Wと規格が分かれるなどしてます。(ちなみにEPPの方は、Samsungが「Fast Wireless Charging」という名前で出していたりします)

そしてQi2とは

 2023年にWPCによって発表出されたのQiの新規格が「Qi2」です。

 特徴としては、アップルのMagSafeをベースとしていることが挙げられます。

 従来の「Qi」充電器の問題として、充電器とスマートフォンの位置がずれると充電効率が落ちてしまうことがありました。「Qi2」では、改善された磁気カップリングで、無駄な電力を減らし、充電の効率をアップさせます。

 Qi2に対応すると発表したスマートフォンは2023年9月27日現在、iPhone 15が「対応予定」とした以外はまだ発表されていませんが、いずれ出てくることが期待されます。

 また、Qi2は、AR/VRヘッドセットのような新しい製品形態もサポートする予定です。

 なお充電機器に関しては、エレコム株式会社などが「Qi2」に対応するワイヤレス充電器を2023年内に発売予定としています。

MagSafeとQi2の違い

 これまでiPhoneユーザーにとってワイヤレス充電といえばQiよりも「MagSafe」の方が馴染みがあったかもしれません。

 MagSafeはiPhone 12以降が標準で対応しているワイヤレス充電です。

 Magsafeにはさまざまなメリットがあります。充電の際に磁力によって正確な位置決めが可能で、Qiのように充電機の位置がずれたために充電効率が落ちてしまう、というようなことがありません。また、最大出力15W(Made for MagSafe認証品の場合。認証のない製品は7.5Wまで)と旧Qi1.0よりも効率の良い充電が可能でした。

 ただ、MagSafeが事実上Apple製デバイス専用であったのに対し、Qiは業界標準としてすべてのデバイスメーカーに開放されていました。

 Qi2が標準になれば、多くの機種(Androidスマートフォンなど)でもiPhoneユーザーがMagSafeを利用してきたような便利さを享受できるでしょう。

 これからの製品発表が待たれますね。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)