石川温の「スマホ業界 Watch」
記念ギフトも配布、26日オープン「アップル梅田」をひと足早く訪れてみた
2025年7月25日 00:00
アップルは2025年7月26日、関西では大阪・心斎橋、京都に続く3店舗目となる「アップル梅田」をオープンする。
7月26日午前10時のオープニングから、先着順でトートバッグとピンバッジ、ステッカーが入ったギフトが配られる。配布数は明らかにされていない。
場所はJR大阪駅前にある複合ビル・グランフロント大阪。JR大阪駅からデッキを渡り、グランフロント大阪の南館、入ってすぐのところにある。
大阪に20年、住んでいるというアメリカ人のストアリーダー、スコット・ノルマンディー氏は「大阪駅前という絶好のロケーション。通勤や通学中の方だけでなく、観光で訪れる世界中の方に利用してもらえるのではないか」と胸を張る。
実際、世界でいくつかのアップル直営店を見てきたが、ここまで立地がいいアップル直営店は、ニューヨークのグランドセントラル駅ぐらいではないだろうか。
スコット・ノルマンディー氏が言うように、とにかくアップル梅田の前を通る人の数が多い。JR大阪駅前は再開発が進んだことで、より一層、人が多い印象だ。ひょっとすると「世界で最も来店客の多い、売り上げも世界一のアップル直営店」になりそうな気がしている。
店内の特長としては「駅側から奥まで、世界一長いアップル直営店」(関係者)なのだという。確かに、グランフロント大阪の手前からビルの入り口まで、かなり長いつくりとなっている。
Genius Barも
さらに注目なのが“Genius Bar”だ。
その昔、Genius Barというトラブル対応をしてくれるカウンターが存在していたのだが、いまのアップル直営店ではそうした専用カウンターがなくなっていた。
アップル梅田では、専用カウンターが設けられているだけでなく、高さの異なるカウンターとなっている。
実はあちこちのテーブルが高さが違っているのだが、これは「車椅子の人に配慮したデザイン」なのだという。車椅子でも店内を動きやすくなっているなど、間隔を空けて、テーブルが配置されている。
国内唯一のApple Vision Pro体験スペース
また、国内唯一となるのが「Apple Vision Proの体験スペース」だ。
これまで店内に専用のソファが置かれただけであったが、アップル梅田では壁に囲まれた体験専用のスペースが設けられている。これにより、周りのお客さんからジロジロと見られることなく、Apple Vision Proの体験に集中できる。
ここからは筆者の穿った見方になるが、この秋、配信される「visionOS 26」では、“ウィジェットを壁に貼り付けられる”という新機能がApple Vision Proに搭載される。
つまり、体験スペースの三方をあえて壁にすることで、壁に貼り付けられるウィジェットの利便性を実感してもらいたいのではないだろうか。
どこまでOSのアップデートと、店舗の設計がきちんとシンクロしているのかは不明だが、そんな見立てをしたくなるような体験スペースであった。
強みは個人向けだけではないアップルの店舗
やはり全世界に直営店を持っているというのはアップルならではの強みだろう。
全国11店舗ある直営店で、身近に製品を気軽に体験したり、修理を依頼できるというだけではない。
アップル直営店では毎日「Today at Apple」という無料セミナーを実施している。iPhoneやiPad、Macなど製品の活用法などを学べるというものだ。
この夏休みには「Appleサマーキャンプ」として、6〜10歳の子供たちを対象に「友情をテーマにしたオリジナルの映画をiPadでつくろう」というワークショップが開催されている。
先週末、うちの8歳児を参加させてみたが、すぐに別に参加していた子供たちと仲良くなり、一緒にiPadでiMovieを操り、カメラで撮影した動画を編集したり、効果音を入れて1本の作品を完成させていた。11人の子供に対して、4人のスタッフがつき、盛り上げながらワイワイとサポートしていたのが印象的であった。
これまで自宅にあるiPad Proは子供に触らせるとゲームかYouTube専用端末にしかなってなかったが、Appleサマーキャンプから帰宅するとすぐにiPad Proを持ち出し、自分一人で撮影、編集作業をしていた。
筆者が居住している街は、GIGAスクールにおいてはChromebookを使っているためか、iPad Proで映像編集が手軽に簡単にできることが、よほど楽しかったようだ。
また、アップル直営店では各店舗にビジネスチームが存在する。法人向けにアップル製品の相談や導入などを請け負っている。例えば、アップル直営店で行われている無料のセッションもグループでの予約が可能となっており、iPhoneやiPadなどの導入、活用を検討する中小企業がグループで受講するということもできるのだ。
アップル梅田オープン前の特別セッションに登壇した伝統産業である播州織のビジネスを展開するtamaki niime 代表である玉木新雌氏は「普段、忙しい中で製品にどんな機能があるか調べられない時でも『こんなことで困っているけど、なんとかならないか』という無茶ブリをしてもキチンと解決策を返してくれる」という。
大阪・関西万博でショップを出す際、会場に送ったはずの決済端末が届かないというトラブルがあった。しかし「iPhoneのタッチ決済機能を思い出し、手元のiPhoneでなんとか決済を受け付けられた。その場で簡単にできて、商品をなんとか売ることができた」(玉木新雌氏)という。
買い物するだけでは、普通のショップのように見えるアップル直営店だが、実はビジネスチームによって、法人営業もしっかりと展開しているようだ。









