山根康宏の「言っチャイナよ」

背面の色が変わるスマホや、グローバル製品のベースモデルが登場

 世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。2025年1月に発表・発売された5Gスマートフォンは4機種。月末(1月29日)が旧正月ということもあり少なかった。内訳はシャオミ1機種、realme 1機種、vivo 2機種。

 realmeは業界初の温度で色の変わる顔料を背面に使った「realme 14 Pro+」を投入、本体カラーの変わるモデルにまた新しい技術が登場した。vivoの2機種はマイナーチェンジで既存モデルの部材から新製品の投入で目新しさをアピールしている。シャオミはREDMI新機種を発表、日本でも出たPOCOのベースモデルだ。

ミドルハイレンジのシャオミ「REDMI Turbo 4」は「POCO X7 Pro」のベースモデル

 シャオミのサブブランドREDMIシリーズの高性能モデルが「REDMI Turbo 4」だ。メディアテックの高性能チップセットを搭載し、本体内部は3Dアイスシール冷却機構でチップセットやメモリの発熱を速やかに放熱する。

 ディスプレイは3200nitsと輝度を高めた。背面はラインを入れたスポーティーなデザインだ。なおグローバルでは「POCO X7 Pro」として本体カラーや仕上げを変えたモデルが販売されている。

項目内容
発表日2025年1月2日
価格1999元(約4万1000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 8400-Ultra
ディスプレイ6.67インチ 2712 x 1220ピクセル、120Hz、3200nits
リアカメラ画素数5000万広角+800万超広角
インカメラ画素数2000万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー6550mAh、90W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28 / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78
サイズ160.95 x 75.24 x 8.06mm。203.5g

価格を抑えたマイナーチェンジの5G入門機、vivo「Y200+」

 vivoのベーシックライン「Y」シリーズの中核モデルは現在「Y300」番台のモデルが次々と出ているが、昨年型番の200台を付けた最新モデルとして「Y200+」が登場。2024年4月発売の「Y200i」の本体をベースに解像度を落としたディスプレイを搭載し価格を下げた。

 6000mAhの大容量バッテリーやカメラ性能は同等だが、背面デザインを大きく変えスタイリッシュな外観にまとめている。

項目内容
発表日2025年1月2日
価格1099元(約2万3000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 4 Gen 2
ディスプレイ6.68インチ 1608 x 720ピクセル、120Hz、1000nits
リアカメラ画素数5000万広角+200万深度測定
インカメラ画素数500万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー6000mAh、44W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ165.7 x 76.0 x 7.99mm、8.09mm(オレンジ)、199g

6400mAhデカバ搭載の高性能モデル、vivo「iQOO Z9 Turbo Long Life Edition」

 vivoのゲーミングモデル「iQOO」シリーズのミドルハイレンジシリーズ最新モデルが「iQOO Z9 Turbo Long Life Edition」。実は過去モデルのマイナーチェンジモデルであり、ベースとなるのは2024年4月発売の「iQOO Turbo Z9」。

 同モデルは9月にチップセットをメディアテックDimensity 9300+とし、バッテリー容量も6400mAhに高めた「iQOO Turbo Z9+」にアップデートされた。そして今回、iQOO Turbo Z9+のチップセットを再びiQOO Z9と同じにしたモデルとしてiQOO Z9 Turbo Long Life Editionが登場した。

 各社から次々と新製品が出てくる中で、消費者に飽きを与えず常に新製品を投入する姿を見せるため、このようなマイナーチェンジの動きも中国ではよく見かける。

項目内容
発表日2025年1月3日
価格1099元(約2万3000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8s Gen 3
ディスプレイ6.78インチ 2800 x 1260ピクセル、144Hz、4500nits
リアカメラ画素数5000万広角+800万超広角
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー6400mAh、80W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ163.72 x 75.88 x 7.98mm。196g

色の変わるボディーをまとった「realme 14 Pro+」

 realmeのメインラインである数字型番ラインナップの、2025年モデルとして真っ先に登場したのが高性能機となる「realme 14 Pro+」だ。チップセットはミドルレンジながら、5000万画素デュアルカメラを搭載。

 ホワイトカラーのモデルはサーモクロミック顔料を背面に使用。業界初となるこの顔料は、16度の温度で色が変わる。透明ケースを付けていても外気温などで本体の表情を変えることができるのだ。

項目内容
発表日2025年1月9日
価格2599元(約5万3000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 7s Gen 3
ディスプレイ6.83インチ 2800 x 1272ピクセル、120Hz、1500nits
リアカメラ画素数5000万広角+800万超広角+5000万3倍望遠
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー6000mAh、80W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ163.51 x 77.34 x 8.29mm(黒)、7.99mm(白)。196g(黒)、194g(白)
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。