山根康宏の「言っチャイナよ」
シャオミの激安「1000元5G機」やキャリアブランドモデルが登場
2023年7月18日 00:00
世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。
2023年6月に発表・発売された5Gスマートフォンは前月までの多数の新製品と比べると4機種とわずか。なお6月以前に発売された2機種も今月発表になったため合わせて紹介する。合計6機種の内訳はシャオミ1機種、vivo 1機種、その他4機種。
シャオミは1099元(約2万1000円)の激安機を投入、vivoはカメラフォンをマイナーチェンジ、中国キャリアの中国電信が自社ブランドモデルを2機種投入した。ZTEの衛星対応AXON 50 Ulrraは4月に発表された製品で、今月発売になった。
キャリアブランドのセキュリティ強化5Gモデル「Tianyi Platinum 10」
中国キャリアの中国電信は自社ブランド端末「Tianyi / 天翼」シリーズをこれまで毎年1-2機種製品化してきた。
過去のモデルは1000元を切る格安機だったが、2023年モデルの「Tianyi Platinum 10(天翼鉑頓10)」は国産をうたうUNISOCの上位チップセットを搭載し、Android OSと中国国産の高セキュリティOSをワンタッチで切り替え可能な安全設計を売りにしている。
政府や金融機関などビジネス層をターゲットにしており、本体はカメラ性能も高めて価格もミドルハイレンジクラスとなっている。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年5月17日 |
価格 | 3099元(約6万1000円)から |
チップセット | UNISOC T820 |
ディスプレイ | 6.67インチ2400 x 1080ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 5000万広角+800万超広角+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 1300万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+256GB、12GB+256GB |
バッテリー | 5000mAh、65W充電(有線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 164.3 × 75.4 × 8.6mm。198g |
ZTEの新ミドルレンジシリーズ「V70」
ZTEから突如登場した「V」の型番をつけたモデル「V70」はミドルレンジスペックの5Gスマートフォンだ。遠航シリーズとして展開しているキャリア向けモデルを一般販売向けとした製品と考えられ、トリプルカメラに1600万画素のフロントカメラと写真性能も悪くはない。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年6月4日 |
価格 | 未定 |
チップセット | MediaTek Dimensity 810 |
ディスプレイ | 6.67インチ2400 x 1080ピクセル、90Hz |
リアカメラ画素数 | 6400万広角+800万超広角+500万マクロ |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+256GB |
バッテリー | 5100mAh、65W充電(有線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 163.9 x 76.2 x 8.3mm。192g |
ファーウェイエントリー機を5G化したキャリアモデル「Maimang A20 5G」
中国電信が販売するもう1つのブランド「Maimang」シリーズ最新モデルが「Maimang(麦芒)A20 5G」だ。
Maimangはファーウェイ製品の派生モデルとして販売されており、Maimang A20 5Gもファーウェイ「Enjoy 50z」をベースに同モデルを5G化したエントリーモデル。なお中国国内のファーウェイストアの一部店舗ではこのMaimangシリーズが展示販売されている。また2023年4月に「Maimang 20 5G」と名前の似たモデルを出しているが、こちらのA20 5Gとは別製品だ。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年6月15日 |
価格 | 1299元(約2万5000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 700 |
ディスプレイ | 6.52インチ1600 x 720ピクセル |
リアカメラ画素数 | 5000万広角+200万マクロ+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 500万(水滴型ノッチ) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 5000mAh |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 164.28 x 75.8 x 8.94mm。188g |
カメラフォンのチップセットのアップグレードモデル、vivo「X90S」
2022年11月に発売したvivoのフラッグシップカメラフォン「X90」のチップセットをマイナーアップグレードしたモデルが「X90S」だ。X90のチップセット「Dimensity 9200」を最新の「同9200+」へ換装。
本体のカラバリはX90の4色のうち青の代わりに緑を加えた。最低メモリ構成はストレージ128GBを廃止、同じ8GB+256GBモデル構成ではX90より200元の値上げとなった。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年6月26日 |
価格 | 3999元(約7万7000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 9200+ |
ディスプレイ | 6.78インチ2800x1260ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 5000万+1200万超広角+1200万2倍望遠 |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB |
バッテリー | 4810mAh、120W充電(有線) |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77(3300-3800MHz) / n78 |
サイズ | 164.1x74.44x8.48mm、8.88(赤)mm。197.5g(赤)、201.5g(黒)、202.2g(緑)、203.5g(白) |
シャオミからも激安5Gスマホ「Redmi Note 12R」登場
1000元前後の激安5Gスマートフォンが他社から毎月のように発売される中で、シャオミから1099元の「Redmi Note 12R」が登場した。シャオミは1000元以下の格安機は4Gモデルで対応していたが、市場はすでにエントリーユーザーも5G機を買う時代になっているわけだ。
チップセットはメディアテックではなくクアルコムのエントリー向けであるSnapdragon 4 Gen 2を初搭載。格安ながらメインカメラは5000万画素と、このクラスの製品では高いコスパを誇る。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年6月29日 |
価格 | 1099元(約2万1000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 4 Gen 2 |
ディスプレイ | 6.79インチ2460x1080ピクセル、90Hz |
リアカメラ画素数 | 5000万+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 500万(水滴型ノッチ) |
RAM/ROM構成 | 4GB+128GB、6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 5000mAh |
5G NR対応バンド | SA : n1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n78、NSA : n41 / n78 |
サイズ | 168.0 x 76.28 x 8.17mm。199g |
ZTE初の衛星通信対応ハイエンド機「AXON 50 Ultra」
2023年4月に発表されたZTEのフラッグシップ「AXON 50 Ultra」が6月に発売となった。6400万画素を含む高画質トリプルカメラを搭載、ディスプレイは144Hz駆動、80W急速充電にも対応。またZTEとして初の衛星通信にも対応し緊急時に携帯ネットワークがなくともSMSの送信が可能だ。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年4月13日 |
価格 | 6299元(約12万2000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1 |
ディスプレイ | 6.67インチ2400x1080ピクセル、144Hz |
リアカメラ画素数 | 6400万+5000万超広角+5000万2倍望遠 |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 12GB+256GB、12GB+512GB |
バッテリー | 5000mAh、80W充電(有線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 161.83 x 73.1 x 8.92mm。199g |