山根康宏の「言っチャイナよ」
温度計を内蔵するスマホや紫外線殺菌モジュール対応のスマホ、世界初のジンバル搭載5Gスマホなど
2020年7月7日 06:00
スマートフォン市場で勢いを増す中国メーカーの新製品の動きを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏がまとめる「言っチャイナよ」。今回は2020年6月に中国で発表された5Gスマートフォンに加え、時代を反映した機能を搭載した4G端末も紹介する。
ZTEの「AXON 11 SE 5G」は中国第4キャリアの5Gにも対応
ZTEは2019年8月5日、中国市場で最初となる5Gスマートフォン「ZTE Axon 10 Pro 5G」を発売した。2020年6月1日に発表した「AXON 11 SE」はまたもや中国初となる栄誉を受ける製品となる。それは中国第4の通信事業者「中国広電(CNB、China Broadcasting Network)」への対応だ。中国広電は新規事業者として免許授与され今年中にサービスを開始予定。NRの周波数はバンドn28(700MHz帯)で、AXON 11 SEはこの広電対応を正式にアナウンスした最初の製品なのだ。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年6月1日 |
価格 | 1998元(約3万円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 800 |
ディスプレイ | 6.53インチ2340x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万広角+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 4000mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n28 / n41 / n78 / n79 |
5Gスマホの世界に早くもサイズ合戦、世界最薄「Vivo X50」登場
6月1日にVivoはX50シリーズ3機種を発表。それぞれスペックが異なるので別々に紹介する。X50は5Gスマホで現時点最薄となる7.49ミリのボディーサイズが大きなアピールポイント。カメラはシリーズ共通でクワッドカメラを搭載する。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年6月1日 |
価格 | 3498元(約5万3000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 765G |
ディスプレイ | 6.56インチ2376x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万広角+800万超広角+1300万2倍望遠・ポートレート+500万マクロ |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 4200mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n41 / n77 / n78 |
世界初のジンバルカメラを搭載したVivo「X50 Pro」
X50 Proは1月に発表されたコンセプトモデル「APEX 2020」で告知された、手振れに強いジンバルをカメラに内蔵。デュアルボールサスペンション機構で光学よりも3倍の手振れ補正が可能だ。また望遠は1300万画素の光学5倍ペリスコープカメラを内蔵する。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年6月1日 |
価格 | X50 Pro:4298元(約6万5000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 765G |
ディスプレイ | 6.56インチ2376x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万広角(ジンバル内蔵)+800万5倍望遠(ペリスコープ)+1300万画素2倍望遠・ポートレート+800万超広角・マクロ |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 4315mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n41 / n77 / n78 |
Snapdragon 865搭載のハイスペックモデル「X50 Pro+」
Vivo X50シリーズ最上位モデル。SoCをSnapdragon 865とし、カメラはX50 Proのジンバル内蔵の代わりに、サムスン製1/1.3インチの大型センサー5000万画素に変更。ペリスコープカメラもX50 Proの800万画素より高解像度な1300万画素を搭載。メモリ12GBモデルも投入される。ディスプレイのリフレッシュレートは120Hzと高速。背面をビーガンレザーで仕上げた高級バージョンもある。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年6月1日 |
価格 | 4998元(約7万6000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 865 |
ディスプレイ | 6.56インチ2376x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 500万広角+1300万5倍望遠(ペリスコープ)+3200万画素2倍望遠・ポートレート+1300万超広角・マクロ |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB |
バッテリー | 4315mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n41 / n77 / n78 |
Playシリーズのコスパ5Gモデル「Honor Play 4」発表
6.81インチの大型ディスプレイを搭載し、カメラも最大6400万画素と高画質ながら2000元以下の価格を実現した。なお2020年6月末時点で、Honor Play 4より大型のディスプレイを搭載したスマートフォンは6.89インチのVivo「NEX 3S」や7.1インチのBlack Shark「Black Shark 3 Pro」など数モデルしか存在しない(折りたたみ型端末を除く)。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年6月3日 |
価格 | 1799元(約2万7000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 800 |
ディスプレイ | 6.81インチ 2400 x 1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万広角+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 6GB+128GB、8GB+128GB |
バッテリー | 4300mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n38 / n41 / n77 / n78 /n79 |
体温を測定できる5Gスマホ「Honor Play 4 Pro」
Honor 4 Playと同時に発表されたものの、本体サイズやカメラデザインなど共通点は無い。SoCはハイシリコンのミドルハイレンジ向けとなるKirin 990を採用。背面に非接触型の温度計を搭載したモデルもあり、マイナス20度から100度までの測温が可能。簡易的に体温も計ることができる。フロントカメラは3200万画素の広角と800万画素の超広角でセルフィーをより楽しく撮影できる。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年6月3日 |
価格 | 2899元(約4万4000円)、温度計内蔵版2999元(約4万6000円) |
チップセット | HiSilicon Kirin 990 |
ディスプレイ | 6.57インチ 2400 x 1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4000万広角+800万3倍望遠 |
インカメラ画素数 | 3200万広角+800万超広角(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB |
バッテリー | 4200mAh |
5G NR対応バンド |
シネマサイズ動画撮影にも対応する5Gスマホ「OPPO Reno4」
2019年12月に発表したOPPOの中国国内向け初の5Gスマートフォン「Reno3」シリーズが半年で早くもバージョンアップした。Reno 4はセルフィーを強化しフロントカメラはデュアルカメラとなった。またメインカメラではシネマサイズの21:9モードを追加。背面のガラスは指紋が付かず耐摩耗性に優れたReno Glow加工をしている。65Wの急速充電にも対応。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年6月5日 |
価格 | 2999元(約4万6000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 765G |
ディスプレイ | 6.4インチ 2400 x 1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4000万広角+800万超広角+200万白黒 |
インカメラ画素数 | 3200万広角+200万深度測定(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 4020mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n41 / n77 / n78 / n79 |
高速駆動ディスプレイに高性能カメラの「OPPO Reno4 Pro」
Reno 4のカメラを強化した上位モデル。ディスプレイは左右をカットしたエッジデザインとなりサイズもアップ、90Hzの高速駆動タイプ。背面のReno Glow仕上げはそのままに、Pantoneと提携したGreen Glitterのカラバリも用意される。21:9の動画撮影モード、65W急速充電など基本性能は同等だ。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年6月5日 |
価格 | 3799元(約5万8000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 765G |
ディスプレイ | 6.5インチ 2400 x 1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万広角+1200万超広角+1300万望遠 |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB(Green Glitter以外)、12GB+256GB(全色) |
バッテリー | 4000mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n41 / n77 / n78 / n79 |
カジュアルに5Gを使いたいユーザー向け、ファーウェイ「Enjoy 20 Pro」
わずか4週間前、5月24日に発表された「Enjoy Z」のリブランドモデル。基本スペックは変わらず、ブラック(幻夜黒)、ブルー(深海藍)のカラバリも同じ。Enjyoy Zにあったピンク(櫻雪晴天)に変わり、Enjoy 20 Proではギャラクシーシルバー(星河銀)が加わった。Enjoy Zより重量は100g重くなり、同じメモリ構成では100元高い。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年6月19日 |
価格 | 1999元(約3万円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 800 |
ディスプレイ | 6.5インチ 2400 x 1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4000万広角+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 1600万(水滴型ノッチ) |
RAM/ROM構成 | 6GB+64GB、6GB+128GB、8GB+128GB |
バッテリー | 4000mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n38 / n41 / n77 / n78 / n79 |
Nubiaがヨーロッパ向けに低価格5Gスマートフォン「Red Magic 5G lite」発表
Nubiaが中国向けに販売している5Gスマートフォン「nubia Play 5G」を、ヨーロッパ向けに「Red Magic 5G lite」として発表した。Nubiaはゲーミングスマートフォンブランド「Red Magic」を展開しており、ヨーロッパではNubiaの名前よりもRed Magicのブランドを大きくアピールしている。Red Magic初の5Gモデル「Red Magic 5G」の下位モデルとしてVodafoneスペインからまずは発売される。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年6月18日 |
価格 | 594ユーロ(約7万2000円) |
チップセット | Snapdragon 765G |
ディスプレイ | 6.56インチ2340x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万広角+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 1200万 |
【メモリRAM/ROM構成】8GB+256GB | |
バッテリー | 5100mAh |
5G NR対応バンド | 非公開(Vodafoneスペインの5G対応) |
紫外線殺菌ランプを取り付けできるOukitel「WP7 8000」
本体背面の専用端子を使い、ライトモジュールを追加で合体できる4Gスマートフォン。「Ultra Flashlight Modular」は11000ルーメンの超強力なLEDライトでアウトドアの利用に威力を発揮する。「UVC Sterilization Modular」は6個の紫外線ライトを内蔵し、照射すると99.9%の殺菌効果があるという。タフボディーのアウトドア向けデザインでナイトビジョン(暗視撮影)カメラも搭載。5Gには非対応。デュアルSIM対応だがSIMトレイは左右に1つずつと分離している。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年6月 |
価格 | 499.98ドル(約5万4000円)から |
チップセット | MediaTek Helio P90 |
ディスプレイ | 6.53インチ 2340 x 1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4000万+800万(ナイトビジョン)+30万(深度測定) |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB |
バッテリー | 8000mAh |
5G NR対応バンド | 5G非対応 |