山根康宏の「言っチャイナよ」
3万円を切る5Gスマホが続々登場、レノボのゲーミングスマホも
2020年8月7日 06:00
スマートフォン市場で勢いを増す中国メーカーの新製品の動きを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏がまとめる「言っチャイナよ」。今回は2020年7月に中国で発表された5Gスマートフォンを紹介する。レノボがついにゲーミングスマートフォンに参入したほか、2000元(3万円)を切る低価格モデルが多数登場した。
7.09インチの大画面を搭載した5Gモデル「Honor X10 Max」発表
ファーウェイのサブブランドであるHonorの最新モデル「Honor X10 Max」はMaxの名が表すように7.09インチの大型ディスプレイを搭載している。5000mAhの大型バッテリーも搭載しながら本体の厚みは8.3mmに抑えられている。ファーウェイの自動車向けインフォテイメントシステム「Hi Car」にも対応し、ダッシュボードのカーオーディオからHonor X10 Max内の音楽などコンテンツ再生操作も可能だ。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年7月2日 |
価格 | 1899元(約2万9000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 800 |
ディスプレイ | 7.09インチ2280x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万広角+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 800万(水滴型ノッチ) |
RAM/ROM構成 | 6GB+64GB、6GB+128GB、8GB+128GB |
バッテリー | 5000mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n38 / n41(2496-2690MHz) / n77 / n78 / n79 |
Dimensity 800搭載の格安5G機「Honor 30 Youth」
「Honor 30 Youth」はチップセットにMediaTekのDimensity 800を搭載した低価格モデル。カメラをトリプル仕様とすることでコストをさらに抑えた。Honor 30シリーズは複数のモデルが展開されているが、その中で最下位に位置する入門機となる。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年7月2日 |
価格 | 1699元(約2万6000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 800 |
ディスプレイ | 6.5インチ2400x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万広角+800万画素超広角+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 1600万(水滴型ノッチ) |
RAM/ROM構成 | 6GB+64GB、6GB+128GB、8GB+128GB |
バッテリー | 4000mAh |
5G NR対応バンド | 非公開(中国移動、中国電信、中国聯通対応) |
Snapdragon 765Gで2万円台の5Gスマホ「Vivo iQoo Z1x」
1000元台の低価格5GスマートフォンのほとんどがメディアテックのDimensity 800シリーズを搭載しているのに対し、VivoのiQoo Z1xはSnapdragon 765Gを採用しながら1599元という価格を実現した。先に発売された「iQoo Z1」(Dimensity 820搭載)よりカメラ性能も落としている。しかしディスプレイはiQoo Z1と同じ120Hzのリフレッシュレートに対応し、ゲーミングスマートフォンブランド「iQoo」の名に恥じない製品となっている。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年7月9日 |
価格 | 1598元(約2万4000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 765G |
ディスプレイ | 6.57インチ2408x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万広角+200万マクロ+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 6GB+64GB、6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 5000mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n41 / n77 / n78 |
低価格5Gスマホのラインナップ強化モデル「Vivo Y51s」
「Vivo Y51s」は5月に発売された「Vivo Y70s」の下位モデルという位置づけでカメラスペックを下げて価格も引き下げ、1000元台の低価格5Gスマートフォンのラインナップを増やす目的で発売される。ゲーム利用も意識し冷却システムを内部に搭載する。なおYシリーズは型番の最後に「s」の付くモデルが5G対応機となっている。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年7月24日 |
価格 | 1798元(約2万7000円)から |
チップセット | Samsung Exysnos 880 |
ディスプレイ | 6.53インチ 2340 x 1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 4800万広角+200万マクロ+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 800万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 6GB+128GB |
バッテリー | 4500mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n41 / n78 |
レノボからゲーミング5Gスマホ「Legion Phone Duel」登場
レノボのゲーミングパソコンブランド「Legion」の名を冠した5Gスマートフォン。本体の横中央にポップアップ式カメラを備え、ゲームプレイ中に自分の顔を撮影するなどゲーム配信に考慮した設計。5000mAhのバッテリーは2つのモジュールからなりUSBケーブル2本をそれぞれに接続することで90Wの超高速充電も可能だ。最上位モデルはRAM 16GBを搭載する。なおグローバル向けには「Legion Phone Pro」の製品名で販売される。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年7月22日 |
価格 | 3499元(約5万3000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 865 Plus |
ディスプレイ | 6.65インチ2340x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万広角+1600万超広角 |
インカメラ画素数 | 2000万(ポップアップ) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、12GB+128GB、12GB+256GB、16GB+512GB |
バッテリー | 5000mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n41 / n78 / n79 |
冷却効果を高めたヘビーゲーマー向け5G端末「Red Magic 5S」
3月に発表され日本でも7月から発売となったNubiaのゲーミングスマートフォン「Red Magic 5G」をマイナーチェンジしたモデル。冷却システムを強化し、銀メッキ冷却版の採用や新たにペルチェ素子を使う外付け冷却ユニット「Ice Dock」も提供。ディスプレイのタッチ感度は2Red Magic 5Gの240Hzから320Hzへと感度を高めた。SoCは残念ながらSnapdragon 865 Plusへのアップグレードはされず、Snapdragon 865のまま。なお価格は据え置かれている。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年7月28日 |
価格 | 3799元(約5万8000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 865 |
ディスプレイ | 6.65インチ2340x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万広角+800万超広角+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 800万 |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB |
バッテリー | 4500mAh |
5G NR対応バンド | n41 / n78 / n79 |
OPPOもエントリーラインの5Gスマホを強化、「A72 5G」を投入
OPPOのベーシックモデル「Aシリーズ」2機種目となる5Gスマートフォンが「A72 5G」である。4月に発表した4G対応モデル「A72」と同じディスプレイを搭載しつつ、メディアテックが7月23日に発表した低価格5G端末向けチップセット「Dimensity 720」を世界で初採用。カメラも1600万画素を含むトリプル仕上げとして低価格化を図った。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年7月31日 |
価格 | 1899元(約2万9000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 720 |
ディスプレイ | 6.5インチ2400x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 1600万広角+800万超広角+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 800万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB |
バッテリー | 4040mAh |
5G NR対応バンド | n41 / n77 / n78 / n79 |
Snapdragon 865 Plus搭載のアップグレードモデル「Black Shark 3S」
Red Magicの動きに対抗するかのように、こちらも3月に発表された「Black Shark 3」のマイナーチェンジモデル。基本スペックを高めた上位モデルという位置づけになる。SoCはSnapdragon 865 Plusを搭載、ディスプレイのリフレッシュレートは90Hzから120Hzへと引き上げた。またRAM8GBモデルを廃止しRAM12GBモデルのみとした。価格はBlack Shark 3の同メモリ構成より400元(約6000円)高くなっている。
主な仕様 | |
発表日 | 2020年7月31日 |
価格 | 3999元(約6万1000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 865 Plus |
ディスプレイ | 6.67インチ2400x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万広角+1300万超広角+500万深度測定 |
インカメラ画素数 | 2000万 |
RAM/ROM構成 | 12GB+128GB、12GB+256GB |
バッテリー | 4040mAh |
5G NR対応バンド | n41 / n77 / n78 / n79 |