山根康宏の「言っチャイナよ」

エヴァンゲリオンスマホ発表、3万円を切る5Gモデルが続々登場

 スマートフォン市場で勢いを増す中国メーカーの新製品の動きを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏がまとめる「言っチャイナよ」。今回は2020年5月に中国で発表されたスマートフォンのうち、5Gモデルを紹介。有名キャラクターとコラボしたスマートフォンの発表も相次いだ。

OPPOからエヴァンゲリオン、Vivoからトランスフォーマースマホが発表

 OPPOは4月に発表した5Gスマートフォン「Ace 2」のエヴァンゲリオン特別モデル「Ace 2 EVA限定版」を5月29日に発表した。発売台数は1万台限定。エントリープラグをイメージしたパッケージを梱包する段ボール箱まで凝った仕上げとなる本気で作られた製品である。Ace 2本体には専用の待ち受け画面やテーマをプリインストール。専用ケースやエヴァンゲリオンカラーのヘッドフォン、充電器も付属する。RAM8GB+ROM256GBモデルのみで4399元(約6万7000円)。

 またVivoは2月発表の「iQoo 3」のトランスフォーマー限定版を5月20日に発表。トランスフォーマーイラストの箱やケース、充電器が付属する。RAM12GB+ROM128GBモデルのみで3998元(約6万1000円)。

Meizuから初の5Gスマートフォン「Meizu 17」「Meizu 17 Pro」発表

 Meizu初の5Gモデル。インカメラを横に4つ並べ背面を左右対称の美しいデザインとしている。またインカメラは2000万画素と高画質にも拘わらず、ディスプレイに埋め込むパンチホールの穴径を2.99mmと小さくし目立たない存在にしている。なおMeizuのスマートフォンはこれまでディスプレイにノッチをつけたモデルは数機種しかなかった。Meizは中国市場でも販売不振が続いており、このMeizu 17シリーズはディスプレイデザインを変えることで製品イメージを変えようとしているのかもしれない。

Meizu 17
主な仕様
発表日2020年5月8日
価格3699元(約5万6000円)~
チップセットQualcomm Snapdragon 865
ディスプレイ6.6インチ2340x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+1200万深度測定+800万超広角+500万マクロ
インカメラ画素数2000万(パンチホール)
メモリ(RAM)/ストレージ(ROM)構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4000mAh
5G NR対応バンドn41 / n78 / n79
Meizu 17 Pro
主な仕様
発表日2020年5月8日
価格4299元(約6万6000円)~
チップセットQualcomm Snapdragon 865
ディスプレイ6.6インチ2340x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+800万望遠+3200万超広角+300万深度測定
インカメラ画素数2000万(パンチホール)
メモリ(RAM)/ストレージ(ROM)構成8GB+128GB、12GB+256GB
バッテリー4500mAh
5G NR対応バンドn41 / n78 / n79

Vivo「G1」はセキュリティー強化の政府・企業向け5Gスマホ

 プライベートモードとセキュリティーモードの2つを切り替えて利用できるVivo「G1」は政府関係機関や企業向けにセキュリティーを強化したスマートフォン。アプリケーションやデータをそれぞれのモードで別々に利用・保存できるため、私用でSNSのチャット中に端末内に保存した仕事の重要なデータが外部に漏れるといった事故を防ぐことができるという。

G1
主な仕様
発表日2020年5月7日
価格3498元(約5万3000円)~
チップセットSamsung Exynos 980
ディスプレイ6.44インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+800万超広角+200万マクロ+200万深度調整
インカメラ画素数3200万(水滴型ノッチ)
メモリ(RAM)/ストレージ(ROM)構成8GB+128GB
バッテリー4500mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n41 / n77 / n78

世界初のSnapdragon 768G搭載5Gスマホ「Redmi K30 5G 極速版(Speed Edition)」

 クアルコムのミドルハイレンジ向け新SoC「Snapdragon 768G」を初踏査したモデル。価格は1899元と他社も含めた5Gスマートフォンの中で最も安い。なおオリジナルの「Redme K30 5G」はSnapdragon 765Gを搭載、2019年12月30日に発表された。本体カラーは「青」「白」「紫」「緑」の4色展開。

Redmi K30 5G 極速版(Speed Edition)
主な仕様
発表日2020年5月11日
価格1899元(約2万9000円)
チップセットQualcomm Snapdragon 768G
ディスプレイ6.67インチ 2000 x 1200ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+800万超広角+500万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数2000万広角+200万深度測定(パンチホール)
メモリ(RAM)/ストレージ(ROM)構成6GB+128GB
バッテリー4500mAh
5G NR対応バンドn41 / n78

Vivoのゲーミング5GスマホにメディアテックSoCモデル「iQoo Z1」が追加

 4月に発表した「iQOO Neo3 5G」のSoCをSnapdragon 865からDimensity 1000+に載せ替えたモデル。メディアテック製SoCに載せ替えたことで本体価格は500元引き下がった。ディスプレイは高速な144Hz駆動だが他のiQooシリーズが搭載する本体側面の感圧式のゲーム用タッチボタンは省かれている。

iQoo Z1
主な仕様
発表日2020年5月14日
価格2198元(約3万4000円)~
チップセットMediaTek Dimensity 1000+
ディスプレイ6.57インチ 2408 x 1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
メモリ(RAM)/ストレージ(ROM)構成6GB+128GB、6GB+256GB、8GB+256GB
バッテリー4500mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n41(2515-2675MHz) / n77(3300-3600MHz) / n78(3300-3600MHz) / /n79(4800-5000MHz)

ファーウェイ「Honor X10」はポップアップカメラ搭載の格安5Gスマホ

 1899元(約2万9000円)の5G対応スマートフォン。これまで5Gスマートフォンの最低価格モデルはシャオミの「Redmi K30 5G」の1999元で、それをさらに100元下回る価格で登場する。ディスプレイのリフレッシュレートは90Hz、GPUターボ機能も備えゲーム利用も得意とする。フロントカメラはポップアップ式でディスプレイは全画面表示が可能だ。また5G NRは上りを高速化するためSupplementary UpLink(SUL)Bandの N80(1800MHz)、n84(2100MHz)へも対応する。なおファーウェイによるとオンラインストアで予約を開始したところ、8分間で10万台のオーダーを受けたとのこと。

Honor X10
主な仕様
発表日2020年5月20日
価格1899元(約2万9000円)~
チップセットHiSilicon Kirin 820
ディスプレイ6.63インチ 2400 x 1080ピクセル
リアカメラ画素数4000万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(ポップアップ)
メモリ(RAM)/ストレージ(ROM)構成6GB+64GB、6GB+128GB、8GB+128GB
バッテリー4300mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n38 / n41(2515-2675MHz) / N77(3300-3800MHz) / N78 / N79 / N80(SUL) / N84(SUL)

ファーウェイ最安値の5Gスマホ「Enjoy Z 5G」もメディアテックSoCを搭載

 ファーウェイの「Enjoy」シリーズは若年層をターゲットにしたシリーズ。Enjoy Z 5GはチップセットをMediaTekのDimensity 800とすることで価格を1699元まで引き下げた。カメラスペックはHonor 10Xと同等だがバッテリー容量は4000mAhと少ない。

Enjoy Z 5G
主な仕様
発表日2020年5月24日
価格1699元(約2万6000円)~
チップセットMediaTek Dimensity 800
ディスプレイ6.5インチ 2400 x 1080ピクセル
リアカメラ画素数4000万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(水滴型ノッチ)
メモリ(RAM)/ストレージ(ROM)構成6GB+64GB、6GB+128GB、8GB+128GB
バッテリー4000mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n41 / n77 / n78 / n79

低価格ながらゲームユースを考えたVivo「Y70s」

 2000元切りの低価格ながらゲームユースを意識した若い世代向けのモデル。水冷管とグラファイトパネルでCPUを10度以上冷却可能。ゲームごとに環境やネットワーク状況をAIにより最適化するvivo Multi-Turbo 3.0機能も搭載する。

Y70s
主な仕様
発表日2020年5月25日
価格1998元(約3万円)~
チップセットSamsung Exynos 880
ディスプレイ6.53インチ 2340 x 1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+800万超広角+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
メモリ(RAM)/ストレージ(ROM)構成6GB+128GB、8GB+128GB
バッテリー4500mAh
5G NR対応バンドn1 / n41 / n78

価格を抑えたハイスペック5Gモデル「Relme X50 Pro Player Edition」

 2020年1月に発表されたRealmeのフラッグシップモデル「Realme X50 Pro」のカメラ構成を変更し価格を引き下げた製品。本体サイズやSoC、ディスプレイ性能はそのままに、クワッドカメラの構成を6400/1200/800/200万画素から4800/800/200/200万画素に、フロントカメラも3200/800万画素から1600/200万画素へと引き下げている。

Relme X50 Pro Player Edition
主な仕様
発表日2020年5月25日
価格2699元(約4万1000円)~
チップセットQualcomm Snapdragon 865
ディスプレイ6.44インチ 2400 x 1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+800万超広角+200万マクロ200万深度測定
インカメラ画素数1600万広角+200万深度測定(パンチホール)
メモリ(RAM)/ストレージ(ROM)構成6GB+128GB、8GB+128GB、、12GB+128GB
バッテリー4200mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n41 / n77 / n78 / n79

業界最安値5Gスマホ「Redmi 10X」と「Redmi 10X Pro」登場

 ファーウェイよりもさらに安く、1599元と現時点で業界最安値となる5Gスマートフォン「Redmi 10X」をシャオミが発表。チップセットはメディアテックの最新モデル「Dimensity 820」で業界初となる5Gデュアル待ち受けに対応する。フロントカメラは2000万画素と性能も高い。上位モデルとしてカメラを4つにした「Redmi 10X Pro」も同時に発表された。

Redmi 10X
主な仕様
発表日2020年5月26日
価格1699元(約2万4000円)~
チップセットMediaTek Dimensity 820
ディスプレイ6.57インチ 2400 x 1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+800万超広角+200万深度測定
インカメラ画素数2000万(水滴型ノッチ)
メモリ(RAM)/ストレージ(ROM)構成6GB+64GB、6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4520mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n41 / n77 / n78 / n79
Redmi 10X Pro
主な仕様
発表日2020年5月26日
価格2299元(約3万5000円)~
チップセットMediaTek Dimensity 820
ディスプレイ6.57インチ 2400 x 1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+800万超広角+800万(望遠)+500万マクロ
インカメラ画素数2000万(水滴型ノッチ)
メモリ(RAM)/ストレージ(ROM)構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4520mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n41 / n77 / n78 / n79

1999元5Gスマホをさらに値下げした「Redmi K30i 5G」

 シャオミの低価格ブランド「Redmi」シリーズの中で、上位モデルとなるのが「Redmi K」シリーズ。2019年12月に1999元という低価格で発表した「Redmi K30 5G」のマイナーチェンジモデルが「Redmi K30i 5G」である。K30 5Gの6400万画素カメラを4800万画素に落とすことで価格も200元引き下げた。

Redmi K30i 5G
主な仕様
発表日2020年5月27日
価格1799元(約2万7000円)~
チップセットQualcomm Snapdragon 765G
ディスプレイ6.57インチ 2400 x 1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数2000万広角+200万深度測定(パンチホール)
メモリ(RAM)/ストレージ(ROM)構成6GB+128GB
バッテリー4500mAh
5G NR対応バンドn41 / n78

山根康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。