|
|
|
俺的最強に強まったマシンを自作!! (その3)
|
|
|
|
スタパ齋藤 1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。 |
|
組み上がった!! 問題ナシ!!
|
やったぁ完成! とくに問題ナシ!!
|
快適なコンピューティング環境を求め、ハイパワーかつ機能満載な自作パソコンを組み立てるべく、どーんと大胆にパーツ選びをし、ガーンと思い切って出費し、組み立ての準備は万全に整った。かなり久しぶりの自作なのでどーなることやら!? と思ったものの、雑誌やネットを活用し、情報収集をしつつ、万全を期してキッチリと組み上げた。でもけっこー時間かかった感じ。確認に次ぐ確認をしつつの組み立てだったので、パパパッと自作って感じではなかった。ゆっくり楽しみつつ&苦しみつつ組み上げたというイメージだ。
ともあれマシンは完成し、電源を入れ、OSをインストールし、デバイスドライバなんかを最新のものにして、チョチョイとテストしたが、これと言って問題ナシ!! すなわち大成功!! やったぁデキたよ作れたヨ!! と。
完成直後の印象としては、マシンの処理能力とか機能とかってことよりも、むしろWindows XP Professionalの良さ。非常に多くのドライバを内包し、挿したカードの多くを勝手に認識し、ハードウェア(カード)によっては最新ドライバをどんどん探してきてくれてたりする。また、ドライバインストール後にも簡単にモトの状態に戻せるロールバック機能があったりして、このあたりも自作指向ユーザーには有り難いし安心。Windows 95が登場した時も「あーコレは自作を助けてくれるOSだなぁ」と喜んだが、XPは自作野郎にさらに大きな安心感と楽勝感を与えてくれるOSだと言えよう!! ていうか言う!! 言っていきたい!!
細かいコトだが、Windows XP、その新しい外観はいまひとつ馴染めないものの、いきなり好きになったのがXPのサウンド。例えばUSBデバイスやIEEE 1394デバイスを接続した時に出る「ポコッ」という認識音。かなりイイ感じですな。久しぶりにアイコンやアラートサウンドを自作したくなったりした拙者。楽しげなOSである。
さぁて、組み立てもうまくいったし、OSも実に快適。お次は一気にお仕事環境および趣味の環境を構築すなわち常用ソフトウェアをガンガンインストールするゼ!! と、CD-ROM類をガサガサ出し始めた時、ある異変に気づいた。
ハ、ハモってる!! ハモって鳴ってる!!
|
ケース前面の2個のシャーシファンが共鳴するように騒音を立てていた模様
|
組み立て完了からOSインストール・最初の各種設定あたりまでは、自作時のある種の興奮から、見えてるのは煌々と輝くディスプレイだけであり、聞こえてるのはOSのアラート音くらいなモンなのである。テンションが高いので、他の細けー要素は目にも耳にも入らない。しかし、組み立てがうまくいって一息ついたら、非常に耳障りな音が聞こえてきやがった。
それは、マシンの騒音である。
わーいカッコイイな~と思えてならない俺のマシンは、実はエアコンよりずっとうるさい風切音を発していた。ブーンとかコーッとかいった生やさしい音ではない。ヴゥゥゥゥゥ~ンという、その存在を主張するかのようなサウンドなのだ。たまたま電話をかけてきた友人から「その音ナニ!?」と不審に思われるほどデカい音だ。この音を録音して誰かに聞かせて「製材所の音だヨ!!」と言えば信じちゃうかもしれない。
常用の仕事用・遊び用のソフトウェアをインストールしようとCD-ROMを出してきた俺だが、こーんなにうるさいマシンじゃ仕事も遊びもできやしねえ!! だからパソコンOFF!! ……ああ何て静かなんだ静寂はいいなぁこれからはパソコンをOFFにしてパソコンを使うことにし……できねーよ>俺。すなわち、どうにか騒音対策をせねばならない。
まずどこからこの騒音が出ているのかを調べるために、組み上げたマシンのケースを開け、耳をそばだてる。すると原因がすぐにわかった。ケースのファン=シャーシファンがうるせーのだ。
俺が使っているケースは、オウルテックのOWLPC-60GTRというタワー型のアルミケースだ。このケースには合計3つのシャーシファンが付いていて、本体前面に2個、本体背面にひとつある。で、試しに背面のファンを止めてみたら、騒音がちょっとだけ減少。さらに前面のファンをひとつ止めたら、騒音がかなり減少。最後にシャーシファンを3つとも止めたら、騒音がほぼ消えた。どうやら、ケース前面2個のシャーシファンが共鳴するように騒音を立てていたらしい。
ちなみに、それ以外の騒音源は見つからなかった。例えばCPUの冷却ファンは非常に静か。Pentium 4のリテールファンってイケてるじゃん!! と。多くの騒音PCの問題の中心となりがちな電源ファンは、もしかしたらCPUファンよりも静か!? と思えるほど静穏。電源にはSeasonicの400W電源のSS-400FSを使っているが、コレはちょいとしたカルチャーショックを受けるほど静かである。400Wでこの静かさってどーなってんの!? みたいな。
あと、ビデオカードのG550はファンレスのカードなので問題なし。最初に「きっとアレが騒音のモトだろう」と目を付けた5台のHDD、BarracudaのST360021Aは、壊れてるのかも? と疑いたくなるほど激サイレント。これは流体軸受け・7200回転のドライブだが、ヘッドシーク音が少しゴリゴリと音を立てる(というよりも振動がケースに伝わる)程度で、全然騒音なんかしやがらねえのだ。5台つないでたってちーっともうるさくなんかない。驚異的な静かさとはこのことだ。
効果絶大ファン交換!!
騒音を出しまくるシャーシファンは、コレを取り替えちまうのが手っ取り早い。もちろんより静かなファンに交換するわけだ。
シャーシファンが出す騒音の度合いは、そのファンの回転数と公称の騒音dB数からだいたい掴める。例えば既に付いているファンがウルセーなぁ交換しようかなぁと思った場合、現在使用中のファンの型番を見て、ネットでその型番を検索してファンの回転数やdB数を調る。で、回転数やdB数がなるべくその数値より低いファンを見つけ、交換してしまえばいい。
で、俺の場合、どーせ交換するなら最強に静かなファン、ということで探し回った。結果、NidecのBETA SL (D08A-12PS6A)が良さそうってことが判明。回転数は毎分1450回転で、騒音は13dB(←コレってマジ超静かじゃないスか!?)。一般に売られている“静音ファン”の中でもとりわけ低回転・低騒音のファンだ。お値段は2100円だった。これ以外に、もうひとつ、ENERMAXのUC-8FABという回転数可変ファンも良さそーだったが、激品薄で手に入らなかった。ちなみにこれらのファンのサイズは8センチ。ケースによって取り付けられるファンのサイズが異なる(8センチとか10センチとか)ので、サイズについても要チェックと言えよう。
さておき、拙者のハモってうるせーファンを、スペック的にすげー静かと言えるNidec BETA SL(D08A-12PS6A)とリプレイスしたら、これがですね!! タイヘンなんですよ!! 超超超静か!! 風切音なんざぁ全然しない!! 微妙にフーッという音が聞こえるが、低い音なのでよーく聞かないと耳に入らない程度!! ファン交換だけでこんなに静かになるなんてビックリ!!
ただ、ちょっと気になるのが、筐体内の温度が異常に上昇したりはしないのか!? ってコト。シャーシファンの回転数が下がったってことは、ケース内部に送られる(冷却のための)空気の量も減ったということだ。これがマシンに致命的な影響を与えたりしたらどーしましょ!? と気にしつつ、後日もたびたびファン近くに手をかざしたりして異常な温度上昇がないか気を配った。また、ケース内部の通気効率が少しでも高まるよう、ケーブル類をできる限りスマートケーブルの類(幅広のフラットケーブルではなく細いケーブルですな)に変えたり、結束バンドなどを使って配線をキッチリまとめてケース内部の気流を妨げないようにした。で、努力の甲斐があったのか最初からヘーキだったのか、俺のマシンの場合はどうやら全然へっちゃらの様子。てな感じで大満足。
満足したのは確かなのだが、後日、しばらく使っていたら新たな問題が出た。というか新たな問題を見つけてしまった。どーも耳障りな新たな騒音が聞こえちまったのだ。それは、ケースのビビり音。周期的に小さく微妙にジジジ……ジジ……ジジジ……と聞こえるノイズだ。それと、ケース全体がうっすらと低い唸りを上げているようにも聞こえる。試しにケースをグッと手で押さえるとそれらのビビり音や周期的な唸りが止まる。
軽さゆえハンドリングが良く、外見的にもちょいと高級な雰囲気を醸し出し、イザという時の加工も比較的にラクで、プラスチック外装のケースよりも放熱効率が良いというアルミケース。扱いやすさやカッコ良さなど、確かにメリットが多いとは思う。が、その軽さが仇となり、ケース自体が振動をよく拾って、その振動を音に変換しやすいのだ。
さておき、この問題も解決せねばならない。ケースのパーツ??筐体本体とサイドカバーなどが振動しつつ接触して出しやがるビビり音は、隙間にビニールテープでもカマせれば解決する。速攻で試してみたら解決した。なーんだ楽勝じゃんケース騒音対策!! と思った俺が甘かった。ビビり音はなくなったものの、ケース全体から出る唸りのような騒音はなくならない。なくならないどころか、もしかしたらさっきよりデカくなってるかも!? てな印象。
やはりケースを重くするしかない。ファンやHDDから伝わる振動エナジーで、ケースが震えるから音が聞こえてきちゃうのだ。ファンやHDDの振動エナジーくらいじゃ震えねぇってほど重ければ、振動は音にならないのダ!! てなわけで、日曜大工系用品が揃ったホームセンターへ直行。最初は鉛板を買ってケース内面にベタベタ貼って重量化しようと思ったが、より手軽そーな製品を発見。エアコンの室外機や冷蔵庫などのビビビーとかジジジーとかいう(振動からくる)騒音を消すための防音材だ。これをケース内側にビッシリと貼り付けることに。
結果、こちらも効果絶大。ケース全体から聞こえてきたちょいと気になる振動音やノイズがスカッと消えた。そして俺の自作マシンは超静音マシンになった!! こないだまで使っていた液晶デスクトップパソコンより静かなのダ!! いやーん嬉しーッ!!
良かったパーツあれこれ
|
デスクトップは液晶ディスプレイを2枚並べてこんな感じ
|
組み立て完了、静音化も完了、各種ソフトウェアのインストールも完了し、現在はヒジョーに快適にこの自作マシンを使用中の俺。やはり自作して良かったゼと思える点をいくつかご紹介したい。
まず、全体的に無難なパーツで揃えたので、非常にトラブルが少ないってコト。どのソフトウェアを使っても(ハードウェアが原因の)問題が起きるようなことはほぼない。現在のところ、問題はひとつだけあって、Sound Blaster Audigy Platinumのマイク入力に、プチ……プチ……プチ……プチ、という規則正しく繰り返されるプチノイズが入ること。OSのボリュームコントロールでマイクをミュートすれば問題ないのだが、マイクを使うと絶対にノイズが乗るのが残念。
Sound Blaster Audigy Platinumはカード本体とフロントベイ用のコネクタをケーブル接続しているが、そのケーブルがノイズを拾っているのか!? なーんとなくRAIDカード上のLEDの点滅とシンクロしてるよーな気がするノイズなので、RAIDカードとサウンドカードの相性が悪いのか!? ともあれ、そのうち絶対解決してやる!! とか思いつつUSB接続の外部サウンドインターフェース使えばいいじゃん>俺、とも思ったりする。
問題はこれくらいで、他は絶好調!! そのうち特に絶好調なのは、MatroxのビデオカードG550/DUAL DVI/32MB AGPと、2枚の液晶ディスプレイ。G550のDUAL DVI版は、2系統のデジタル出力が得られるビデオカードで、これにEIZOのL465とL461をデジタル接続し、デュアルディスプレイ環境としている。まあ単にWindowsのデスクトップが横2倍になり、最大で1280×2048ドットのデスクトップが使えるってことなのだが、やはり広いデスクトップは劇的に気持ちよい。しかもビミョーな滲みやジラつきもないデジタル接続なので、全く実に完全に快適。なお、G550は3D描画性能はまずまずっていうか大したことないっていうかいわゆるモンスターカードってのにはほど遠いが、2D表示させるなら何ら速度的な問題はなく快適に使えている。
それから、HDD。BarracudaIV(ST360021A)を5台使っていて、4台をRAID5ディスクアレイとし、1台を日々のバックアップ用に使っている。RAID5ディスクアレイのほうは、まあ安心感の獲得って点では良いが、速いわけじゃないのでまあフツー(とは言ってもヘタなHDDよりは速かったりするんだヨ!! キャッシュも128MB載せてるのでほどほどサイズのファイル操作は超快適!!)。それよりもむしろ、単体でIDE接続している1台のBarracudaIVが速くて快適。ビデオ録画用のディスクとして良し、デカいファイルを待避させるに良し、しかも超静かで良し。このよーなHDDが1万円チョイで買えるんだからマジで良い時代だと実感する。
あと、地味ですけど、メモリ1GB載せたんですけど、1GBくらいあると非常に快適っス。Photoshopでビシバシ画像開いても複数のアプリを開きまくっても、ディスクスワップがほとんど発生しないこの感覚は素晴らしい!! 特にNT系のOSだとメモリはあればあるほどシアワセになるってのは本当だ。そのうちきっと2GBにしていきたい!! などと思う。
それから、これもやや地味ですが、前述のSound Blaster Audigy Platinum、それとアルミケースのOWLPC-60GTR、これらに共通した使用感の良さ。というのは、Sound Blaster Audigy Platinumではフロントベイ用のコネクタパネルが使えて、ケース前面下にはUSBやIEEE 1394などのコネクタが並んでいること。つまり、けっこー抜き差しの多いコネクタは、ほぼ全部、マシンの前側からのアクセスだけで済む。マシンの裏側に回り込む必要ナッシング!! これが実に快適・安楽!! 外付けデバイスが多いユーザーには、こういうフロントアクセス性ってのはかな~り重要だよナと再確認した。
このほか、マザーボードであるIntel D845BGLは、速くブートできたりしてなかなかナイスであると同時に、CPUもマザーもインテルにしたためか動かなかったり調子悪かったりするサウンド系ソフト・ハードが今のところ全然ナシってのも気持ち良さのひとつだ。このマシンの中で、唯一なーんとなく問題起こしそうな気がしなくもないハードウェアであるPCカードスロット、REX-PCICA1 PC CARD adapterも、問題ナシで快調に使えている。新機種のMP5125Aが出ちゃって残念感アリのリコーMP5120Aも、活躍頻度が高いわりにはノートラブルでナイス。
そんなわけで、けっこーお金かけちゃった自作マシンだが、自分で組んだだけあって内容を把握しやすく、また、プレーンなパーツで組んだゆえ動作も素直で快調。納得ずくで気分良く使えるマシンに仕上がったと思う拙者である。
2002/05/08 15:20
|
|
|
|
|