|
|
|
こりゃヤケにカッコいい!! 「PowerMate」
|
|
|
|
スタパ齋藤 1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。 |
|
こりゃカッコいい!!
|
一見、オーディオのボリュームに見える本体外観。ていうか、本体の作りはまさにボリュームそのもので、アルミ削り出しの美しさは高級オーディオに通じるものがある
|
|
ボリュームノブは回転はもちろん、押下(クリック)が可能。また二度連続の押下(ダブルクリック)や、押下しながらの回転など、合計6つの動作それぞれに機能を割り振れる
|
今年に入ってからMacintoshコンピュータ野郎の皆さんの間でちょいと話題のモノと言えば、Griffin Technology社のPower Mateであろー。
PowerMateは、外見的には高級オーディオのボリュームツマミ部分といった感じ。アルミ削り出しのクールでソリッドでハイファイな雰囲気の、ちょいとカッコ良いデバイスである。機能としては、USB経由でMacにつなぐと、Macのボリュームコントロールができたり、あるいは起動ができたり、あるいはムービーの再生や一時停止ができたり、あるいは……つまり多くのアプリケーションの細々した制御を行なえるようになる。The Ultimate Assignable Controller、カスタマイズ可能な究極のコントローラー……とまでは行かないが、かなりの自由度を持って好き勝手に設定・使用可能なカッコいいコントローラーである。
この製品が登場した当初、俺は「ああっ!!」とか思って急激に最強に欲しくなったが、多くの報道で「PowerMateをMacに接続すると」とか「Macintosh用のUSBコントローラーで」と書かれていて、ロクに調べもせずに「なーんだMac専用かよ」と思ってPowerMateのことを忘れていた。
そんなある日、日本で最もPainterを使いまくっている落書き番長こと寺田克也さんから画像付きメッセージをいただいた。画像はPowerMateの写真で、メッセージは「PowerMateいいよーん、金属削り出し感触サイコー」的なもの。そうスか寺田さんはMacユーザーだからMac用ガジェットに手ぇ出しまくれていいなぁなどと返事をしたら「ナニをおっしゃいますやらPowerMateはWindowsにも対応してるんですヨ!!」と速攻で返事をいただいたので速攻で確認したら速攻でPowerMateがWindows対応製品だったので速攻で[購入]ボタンを押して速攻で手に入れてみた!!
PowerMateのパッケージ開封一番感じたのは、PowerMate本体がヒジョーにナイスでグレイトでスプレンディドであること。すなわち、こりゃカッコいい!! と。写真で見るよりもずーっと高級感がありかつ緻密な作りだ。パソコンと接続なんざぁしなくても絵になる金属系小物なのであった。
なお、PowerMateの詳細についてはGriffin Technology社のウェブサイトや、日本での販売元のフォーカルポイントコンピュータの製品紹介ページをごらんいただきたい。
こりゃヤケにカッコいい!!
|
本体裏側には半透明の樹脂ベースが貼られている。その内部に青色LEDがあり、パソコンにUSB接続すると青く光ってカッコよし!! ちなみに樹脂ベースの机上に密着する面は、シリコンと思わしき材質で、ちょっとやそっとじゃ滑らないようになっている
|
|
サイズはこんな感じ。やや高級なミニコンポのボリュームのようなサイズだ。ちなみにボリュームノブ上部の直径は約45ミリ、台座底面の直径は約55ミリだ
|
現在、PowerMate用のデバイスドライバは、Mac用としてOS X対応のバージョン1.OとOS 9対応のバージョン1.0、それからWindows用としてWindows2000/XP対応のバージョン1.0b3とWindows98対応のバージョン1.0b4が用意されているようで、Griffin Technology社のダウンロードページから入手できるし、パッケージ付属する何となく怪しいCD-Rと思わしきメディアの中にもドライバが入っている。
で、PowerMateのセットアップだが、これはカンタンで、PowerMateをWindows(98/2000/XP)マシンのUSBポートにつなぎ、ドライバをインストールするだけだ。しかし、PowerMateユーザーの多くは、ドライバをインストールする直前、すなわちPowerMateをマシンのUSBポートに接続した直後、しばらく時間を食うっていうか食われるっていうか、つまりインストール作業を中断することになるだろう。
なぜならば!! PowerMateは!! USBポートにつなぐと!! その底部が青く光るんだよアニキ!! 青色LEDなんだよアネキ!! これがヤケにカッコイイんだよブラザー!!
外見はストイックとも言えるほどシンプルなデザインで、その感触には高級オーディオを思わせる重厚さがあり、しかもマシンに接続すると底部がボワ~ッと青く光る!! イカス!! ぜひ部屋の明るさを一段落として青く光るPowerMateを観察していきたい!! そして観察するとよりいっそうイカス!! これをじっくり眺めつつグラスを傾けていきたい!! そして一杯飲りながらPowerMateを愛でるとさらりとてろイカスれ~かっこいのら~わー酔っぱらちゃっぱーヒック!! このように、アルミ削り出しの小粋なガジェットが青く光りやがるってぇと、ドライバをインストールする以前にずいぶん楽しめちゃうのであった。
さて、泥酔して気を失って爆睡して頭の奥に鈍く重い痛みを感じつつ二日酔いの朝を迎えると、あらま、まだPowerMateは青く光り続けており、ドライバーのインストールを待っている。なので、マウスをダブルクリックしてインストールを済ますと……こりゃまたさらにカッコイイ!!
PowerMateは、パソコン上のアプリケーションの各種機能を比較的自由に割り振れる風変わりなコントローラーなのだが、その実用的機能よりも愉快なのは、前述の青色LEDの点灯状態をユーザーが選べる点だろう。例えば、システム起動中は単に点灯させるだけ(消灯も可能)で、システムがスタンバイ(スリープ)の状態なら点滅させる、といった設定が可能だ。また、点滅のスピードも調整でき、わりと速めの点滅から、点滅してるのかどーなのか十数秒観察していないとわからないような、ゆ~っくりとした点滅までに設定できる。
机上に置いてよし、マシンに接続して青く光らせて楽し、そしてLEDを明滅させて嬉し。実売価格が9000円を切っているにしては、そのデザインや存在感だけでかな~り楽しめてしまうUSBガジェットなのである。
基本的にはボリュームとして
|
カスタマイズのためのインターフェイスも、PowerMate本体同様、シンプルでわかりやすい。うまくカスタマイズすれば、パソコンをもっと楽勝かつ安楽なフィーリングで活用できるだろう
|
実際にPowerMateを利用して感じるのは、こういうハードウェアインターフェイスすなわちボリュームのようなアナログライクな操作感は、意外なほどコンピュータの操作をラクにしてくれるということだ。
例えば、PowerMateのドライバ(コントロールパネルのプロパティ)は、デフォルトの設定のままで多くのサウンド系アプリケーションのボリューム調節に対応している。WindowsMediaPlayerを起動し、CD-DAなりWAVなりMP3なりのサウンドを再生させ、そこでPowerMateのボリュームを回すと、音量の調節ができる。また、PowerMate(のボリュームノブ)は押下することができ、サウンドを再生している状態で押下すればサウンドのミュート(消音)を行なえる。
まあ、WindowsMediaPlayerなどのサウンドアプリには、ボリューム調整やミュートなどのインターフェイスが備わっているので、それをマウスで動かせばいい。いつもはマウスで行なう操作をPowerMateでヤルだけの話だ。
が、パソコン以外の非常に多くのハードウェアに、当然の常識のようなフィーリングでついているボリュームというインターフェイスが、パソコンっちゅーやや風変わりなインターフェイスの装置にも流用できるというのは、けっこう快適。意外なほどスムーズ。何を考えるでもなく意識するでもなく、「音量をどうにか」と思った瞬間PowerMateに手が出ているってのは、何かこう、自分とコンピュータとの間にあった、ほとんど気にならないけど無視はできなかった垣根がパッと取り払われた感じで、とても安楽である。
PowerMateを使っての(サウンド系アプリに対する)音量調整は、PowerMateのノブを回すだけで良いが、アプリによっては、そのボリューム調整バーが動かないケースもある。WindowsMediaPlayerがそうだった。ボリューム調整バーが同じ位置なのに、ボリュームが変わるのは、何となく違和感があったが、しかし短時間で違和感を感じなくなった。
というのは、PowerMateでアプリやシステムのボリュームを調整すると、その音量に応じて、ななな何とPowerMateの青色LEDの明るさが変わるのである。具体的には、音量に比例して青色LEDの輝度が高まる。PowerMateが明るい青ならボリュームは大、暗い青ならボリュームは小、消えてればボリュームがゼロ。この青色LEDの明るさは、ボリュームノブを回すとリアルタイムでスムーズに明るくなったり暗くなったりする。ボリュームを最大限に上げると、PowerMateが一瞬青くフラッシュするあたりもわかりやすい。
てなわけで、アプリケーション上のボリューム調整バーを見なくても、PowerMateの明るさを見ればおおよそのボリュームがわかるのだ。……まあ、ドライバがさらに洗練されて、どのアプリのボリューム調整バーもPowerMateと完全に連動してくれれば言うことナシではあるが。
カスタマイズは要工夫
|
インストール後、コントロールパネルに追加される項目。実は、アンインストールした時に、この項目が消えなかったりした。使い続けるつもりなのでいーやと言えばイイのだが、んーなんかこう、ちょっと(汗)、みたいな
|
PowerMateは単なるUSB接続汎用音量調整器具ではない。コントロールパネルのPowerMate項目から、PowerMateをどう動かすとアプリがどう反応するかという、いわば細かな動作カスタマイズを行なうことができる。
PowerMateのハードウェアインターフェイスとしての動作は、合計6アクションとなる。ボリュームノブ右回転、ボリューム左回転、クリック(ノブの押下)、ダブルクリック(ノブの二度連続押下)、ノブを押下しながらの右回転と左回転、となる。で、これらそれぞれの動作に、アプリの機能を割り振ることができる。ただし、割り振れる機能は、キーボードショートカットを含むキーボードから操作可能な機能だけになる。
例えば、PowerMateでテキストエディタを(部分)制御するとすれば、ボリューム回転を上下スクロール(カーソルの上下)に設定し、クリックを保存(ctrl+s)に設定する、なんてことができる。
これらの機能カスタマイズは、コントロールパネルのPowerMate項目内、Configurationにアプリケーションを登録し、アプリケーションごとにカスタマイズできる。常用するアプリで、よく連続して使う機能を、PowerMateの回転や押下に登録しておくと、マウスやキーボードを使うよりも快適にアプリを活用できるかもしれない。
ちなみに拙者は、PowerMateのクリックをアプリの保存に設定しておくのがちょいと好きだ。PowerMateをクリック→ファイルが保存される→安心、という流れに慣れると、なんつーかこう、PowerMateが“とても安全でユーザーの味方っぽいボタン”みたいな存在になってきて、穏便な心意気でファイルを作っていける。
アプリに応じてPowerMateの動作をいろいろカスタマイズできて楽しいし便利なわけだが、前述の6つの動作を全部使い切れるかと言えば、それはちょっと疑問だ。というのは、“クリック”と“押下しながらのノブ回転”が、機能的にカブるのである。
例えば、動画再生系アプリで、クリックを一時停止、押下しながらのノブ回転を早送りや早戻しに設定した場合。動画を再生中に早送りをしようとして、押下しつつノブを回すと、最初は早送りにならないのだ。“押下→ノブ回転”という動作の“押下”にアプリが反応し、まずは一時停止になってしまう。アプリによってはそのままノブを回転させると早送りなどができたりもするが、できなかったりもする。てなわけで、そのあたりの、機能のカブりかたをよく考えつつ設定しないと、気持ちよくPowerMateを使うはずが、PowerMateによって気持ち悪い動作となってしまってガックシと言えよう。
|
静かで美しいデザインなので、マシンの周辺に置いてもミョーな感じがしたりしない。机上常設のアクセサリ兼実用品として、かなりイケてるのではなかろーか!?
|
現在のところ、俺の環境では、PowerMateを問題なく使えている。のだが、思い返してみれば、PowerMateってなんだかこう、今時のUSBデバイスとしてはちょっと原始的(!?)なところがあるようなないような……。
具体的には、WindowsマシンにPowerMateをインストールした後、接続するUSBポートを変更すると、PowerMateの機能が動作しなくなってしまう。ああそうか、ポートが変わったから、そのポートに対して再度ドライバをインストールしないとイケナイのか、とか思って再度インストールしてもちゃんと動かなかったりした。結局、接続するポートを変更したら、一度ドライバをアンインストールし、再度インストールし直せば動くことが判明。いわゆるひとつの“タコなドライバ”を使うUSBデバイスにはたまーにあるよーなヘボい現象だと言え……言っていいんでしょーか!? ともあれ、たぶんドライバ周辺の問題だと思われるので、このあたり、速攻でビシッとキマったドライバを提供していただきたいとか思う次第だ。
その他、まあこれは何となくしょーがないのかも、とは思うが、前述の機能カスタマイズをしたときの些細な問題もある。アプリによる(ような印象=再現性がイマイチない)が、カスタマイズ後、すぐにそのカスタマイズ内容が動作に反映されないことがわりと多い。アプリを一度終了し、再起動してからでないと、カスタマイズが反映されないことが多いなぁ、と。
ポート変更の件と、カスタマイズ後の挙動、これらに注意していれば、あとは特に問題なく使える、と思う。外見も感触も使用感もヒジョーにイケてるデバイスだけに、さらなる洗練を求めたい。
あ、ついでに、PowerMateはUSB接続で、つまりはそのボリュームみたいな本体からUSBケーブルが延びているのだが、このケーブルがなくなればさらに超グレイトで凄くイカシたデバイスになると思われる。ぜひ無線化を!! とか思いつつ、しかし唯一無二でオンリーワンのカッコ良さを持つPowerMateを毎日楽しんでいる俺であった。
2002/04/01 15:53
|
|
|
|
|