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いよいよ本格化! すげー快適なETC
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スタパ齋藤 1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。 |
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いよいよ本格化のETC
ようやく来た!! コレだよコレ!! このよーな環境の到来を待っていたんだよ!! てなふうに俺が喜んでるモンと言えば、有料道路自動料金支払いシステムことETC(Electronic Toll Collection System)。高速道路の料金支払所において、クルマを停止させずにノンストップ通過ができる例のあのシステムである。
ちなみにこのETC、多くの人は「イーティーシー」と呼(読)んでいるが、国土交通省式に読むと「イーテック」だ。イーテックが正式な愛称なのである。E電みたいだよネとも言えがちだがさておいてさらにちなむと、ETCは財団法人道路システム高度化推進機構ことORSE(Organization for Road System Enhancement)っつートコロが推進しまくり中だ。ちなみついでにもう一度ちなむと、ORSEは「オルセ」と読む。てなわけで、ETCについての詳細はORSEのウェブサイト(http://www.orse.or.jp/)を参照いただきたい。
さて、ETCは去年2000年の4月からその運用が始まったのだが、当初はまだまだ試験運用風味満載っていうかつまり実用的とは言えないものだった。シクミとしては問題なさげな雰囲気だったので、物好きな俺などは速攻で使おうと思ったのだが、しかし、肝心のETC対応の料金所??ETCゲートがあるインターチェンジってのがヤケに少なかった。ETCゲートを見たことあるっつーだけで自慢になるほど少なかったのだ。
ねえねえETCゲートって見たことある? ボクは見たことないなぁ。つうかETCってもう始まってんの? まだなんじゃない!? いや始まってるハズ。あっそー言えばオレ見たよこないだ千葉の方で見たよでも閉鎖されてた。とかいう会話を交わしがちだったETC運用当初であった。そんな状況はわりと去年の秋口まで続いていて、「ETCっていつになったらマトモに使える(ゲートが増えるってことですな)のか?」、「ETCって終わっちゃうんじゃないだろうか」てな感じであった。
が!! しかし!! なぜか去年の暮れ頃から突然、各地にETCゲートが出現しまくり!! ココにもソコにもアソコにもアッチにもという勢いで、マジで物凄い勢いでETC対応の料金所が増えていった。てなわけでこれを早速使用。ETCユーザーとなってこのホットなITS(Intelligent Transport System)を試してみた。
ETCはすげー快適!!
ETCを使い始めてから約3カ月が経った俺だが、現在のETCの使用感を言えば、一言、「すげぇ快適」である。ホントに便利。そして気持ちイイ!! アーンド、わりかしお得!! 登場当初は「ダメじゃん」的な印象があり、また、当初のユーザーの感想を聞いても「ん~イマイチ」みたいな意見が多かったが、今現在の俺においては高速道路利用時の大きな快適さとして、ETCを感じている。
ETCを使うには、後述のETC車載器とETCカードが必要で、これを搭載したクルマでETCに対応した(ETCゲートがある)料金所を通ればよい。それだけで、これまであった料金所通過の手間の多くが省けるのが非常に良い。
最強に良いのは、料金所でクルマを一時停止する必要がないという点。止まらなくて良いのだ。そのまま通過しちゃってOKなので、高速への乗り降りが非常にスムーズ。ETCゲートは一般のゲートと同じ幅で、通過する時に前方の制御棒(遮断機みたいなゲートですな)の開閉がある。なので、時速60キロとか70キロで通過することはできず、まあ普通は時速30キロ程度での通過となる。思い描いていたほどはスコーンと通過できないのだが、しかし、スピードさえある程度落とせばほとんど何も考えずに通っちゃってイイってのが快適だ。
ETCでは通行券の物理的な受け渡しを必要としない(電子的かつワイヤレスにそれらの情報をやりとりする)ゆえ、料金所でクルマを止める必要がなくなる。それだけのことなのだが、そこにはけっこー意外なほど多くの快適要素がある。前述のようにスッと通れちゃうコトは走行上のストレスを大きく減らしてくれて快適だが、これまで料金所通過に付随した他些細な面倒や不快の多くが一気になくなるのだ。
例えば、雨が降ろうが雪が舞おうが北風が吹こうが窓を開ける必要がない。料金所のおじさんを牽制して音楽のボリュームを下げる必要もない。サイフに手をやる手間もない。左ハンドル車のドライバーならマジックハンドみたいな道具を使ったり後続車のプレッシャーに焦ったりするコトもないし、小柄なドライバーならクルマを発券機などにギリギリまで寄せたりシートベルトを外したりする必要もなくなる。どれもETCを使うと初めて感じたりする快適さなのだが、逆にこれまでの料金所ってのはいかにも不便なシクミだったんだなぁとわかる。
そんな快適さに次いで、あるいはこれから数ヶ月先までかも!? と思える“今ならでは”の快適さもある。去年末のETCユニットセットアップ件数は10万件だそうで、そこから考えるとETCユーザーも10万人程度ってことになる。ETC対応のクルマは、高速道路を通るクルマ全体から見たらまだまだごくわずかだ。しかし、大都市圏やその近郊のインターチェンジなどにはETC車専用レーン(料金ゲート)があったりする。ETC車専用のゲートは、ETC対応のクルマしか通れないわけで、つまりは料金所手前が渋滞しがちな時間帯なんかでも、ETC車専用ゲートはガラ空き。周囲にETC非対応車が渋滞の列を作る中、ETC対応車だけはススーッと料金所を通過できちまうのである。
俺の場合、中央自動車道の八王子料金所や、関越自動車道の練馬料金所なんかをよく使う。これらの料金所、朝や夕方はかなり混雑し、五十日なんかは特に混みまくり。それなりにレーン数の多い料金所だが、混んでる時はまあいつも20台くらいの列の後ろで順番待ちをする感じだ。が、ETC専用レーンだけは違う。ほとんど0台の状態でガラ空き。冗談みたいにスンナリとこれらの混みがち料金所を通れちゃうのであり、これは時間的にも速度的にも心情的非常に快適!! ETC対応車でホントに良かったなァ~と思える瞬間なのであって料金払ってるというのに何だか楽しくなる。
ETCを使うには……
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ETCを利用するにはETCカードが必要。JCBの場合はETC専用のカードと一般の買い物にも利用できるカードの2種を発行しているが、こちらはETC専用タイプ
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ETCは、文字通り“高速道路の通行料金を自動的に徴収するシステム”だ。前述のように“料金所で停止することなしに料金の精算などができる”というもの。これを実現しているのが、ETC車載器でありETCカードでありETCゲートとなる。
なのでETCを使うためには、ETC車載器とETCカードとETCゲートが必要なわけで、個人でETCゲートを買うのは高いぜ高いぜ高くて死ぬぜーッというボケはさておき、ETC利用にはETC車載器の購入とETCカードの作成と多少の手間が要る。
まずETC車載器。ETCゲートと電波による情報交換をする装置っていうかちっこい箱で、クルマとの接続も単純なので買ったショップで即取り付けてくれる感じ。ETC車載器自体の付加的機能は大したコトなく、通行料金履歴を参照できたり使用時に単純なメッセージを表示したりピピッとな鳴ったりする程度だ。機種によってはプリンタと接続して料金明細を印刷できるものもある。まあ単純な装置なので、使用上迷ったり間違ったりすることはないだろう。ただし、どの機種も価格がけっこー高い。平均的な価格帯は3万円前後。この価格はETC普及の足枷となっており、また、ETCゲートガラ空きでETCユーザー大喜びの要因となっているよーな気がする。
さておき、ETC車載器を買えばすぐにETCを利用できるかと言えば、そうでもない。ETCカードが必要になるのだ。ETCカードは、その表面に金属接点を持つICカードだ。種類としては、クレジットカード会社が発行するETCカードと、道路公団などが発光するETC別納カードがある。たぶん、普通一般多くの人は、クレジットカード会社が発行するタイプを使うことになるであろー。そちらの方が発行時の手続きがカンタンだし、カード利用額に応じたポイント制度などを使えたりするし、何かと楽勝感が高いのでは、と。
で、例えばクレジットカード会社に電話したりウェブで申し込んだりして、後日、ETCカードが発行されたとする。よっしゃ揃ったゼETCカードをETC車載器に入れ……ても、ETCを利用できないケースがある。ETC車載器は、単に買って取り付けただけじゃ使えないのだ。利用するには“セットアップ”という処理が必要になる。セットアップは、ETC車載器の中に車両情報(車体番号とかナンバーとか)を書き込む作業で、これをやらないとETC車載器を利用できないのである。ちなみに、ETC車載器のセットアップができるのは、セットアップ取扱店のみで、自力でやったりすることはできない。
ただ、フツーは、ETC車載器を売ってるショップがセットアップ取扱店だったりすることが多い。なので、ETC車載器の購入と、取付と、セットアップは、まとめて行える。なので、車載器を取り付けてもらって、ETCカードもゲットしたのに、セットアップをやってなくてETCが使えないってのは非常に少ないケースだと思う。
でもしかし、ETC車載器購入・取付・セットアップは、同じショップでまとめでやってもらえるが、日時やショップによっては、同じに日にやってもらえない場合がある……ていうかETC車載器の当日セットアップ完了なんて、フツーはできない。スーパーオートバックス東雲なんかだと驚異の当日セットアップができるらしいが、通常は申し込んでから数日かかる。なので、ETC車載器購入と同時にセットアップ申し込み→数日してETC車載器のセットアップが済んでから取付、もしくは、ETC車載器購入と取付とセットアップ申し込み(で車載器だけショップに預ける)→数日後セットアップ済みの車載器を取付、とかいうパターンになるわけで、結局は2度ショップに出向くことになる。
結局、ETC車載器の購入と取付、ETC車載器のセットアップ、ETCカードの入手の3つが必要になるわけで、ちょいとばかり手間と時間がかかるというわけだ。もうちょっと手軽かつ短時間で導入できればいいなぁと思うのだが、まあ、セキュリティのことなどを考えたらしょーがないのかもしれない。
あ、ちなみに、俺が使っているETC車載器はパイオニアはカロッツェリアのETCユニットことND-ETC1。メーカー価格は4万2000円で、実売価格は3万円程度。同じく使用中のカロッツェリアのHDDサイバーナビと組み合わせると、料金所通過後にナビが料金などを読み上げてくれるなどのちょいとした連係機能があってなかなか便利なのだ。
やっぱり実用的!! そしてけっこーお得!?
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拙者の場合はHDDサイバーナビの別売ETCユニット(ND-ETC1)を利用。ゲートを通る前後に、料金などを読み上げてくれる
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料金所をスコッと通れちゃうし、何しろ料金所絡みの手間が省けて快適だし、手間がないってコトが安全=サイフ出したり領収書どっかに入れたりする一瞬の焦りがないことにつながったりするし、ETC黎明期状態ならではのオイシさ=ガラ空きのETC専用レーンを突っ走れるし、やはり何かと便利なのである。ETC車載器の価格が高いってことがネックだが、サービスの便利さ快適さは車載器価格をも納得させがちだったりする。
さて、ETCを使ってみよーかなーと思うと細かな疑問が出てくるが、出がちな疑問の多くはORSEのウェブサイトにあるFAQにより解消すると思われる。が、一応、拙者自身が特によく質問される事柄について書いておきたい。
まず、ETC利用時の料金について。ETCは便利かもしんないけど割引とかどーなってんの? ハイウェイカードの方が安上がりなんじゃないの!? みたいな。
これについては、高速道路利用頻度によるだろう。結論から言えば、ビシバシガシガシとことんまで高速道路を使うなら、ハイウェイカード使った方が確実にお得。5万円のハイウェイカードを買えば、5万8000円分使える。8000円お得。5000万円分ハイウェイカードを買えば800万円もお得!! 5000億円分のハイウェイカードを買うと、何と800億円もお得なのだ!! タイヘンだこりゃ!! 今すぐ買わなきゃ!! いやその前に5兆円分のハイウェイカードを買った場合……ってもう不毛な計算はヤメロ>俺!!
ETCにも通行料金割引制度があり、その詳細に関してはココを参照願いたいが、具体的には通行料金が20パーセント割引になる。通行料金が1000円の区間なら200円お得。割引は、通行料金支払いの都度適用になるので、本来1000円の通行料金に対して、そのばで800円払えばいいことになる。5000円の区間なら1000円もペイバックって感じでお得!! でも5000億円の通行料金の場合に1000億円お得かと言えばそうでもない。ETCの通行料金割引制度にはいくつか制限があるのだ。
そのひとつは、日本道路公団・首都高速道路公団・阪神高速道路公団の高速道路について、それぞれ割引上限1万円までとゆー点。3つの公団合わせて最大3万円まで。また、割引は期間限定で、平成13年11月30日から平成16年6月30日まで。この間の通行料金が、上記3つの公団それぞれ最大で1万円までなのだ。最強に得しても上限3万円までであり、ハイウェイカードのように使えば使うほどお得金額が増えるっつーことじゃないのであった。なーんだ3万円までかよ……3万円ってちょうどETC車載器の相場価格ですけど……ん~あまりお得感がない感じ。
ちなみに、このお得感薄めの期間限定割引、ETCユーザー全員が受けられるものの、申し込みをしないと適用されないので要注意。また、申し込み期限が平成14年(今年ですな)の6月30日までとなっているあたりにも要注意。……ていうか割引額が低いうえに制限たっぷりでしかも申し込みが必要で申し込み期限まで設けているあたり、なんかこう、マジでETCを普及させる気があんのかこのタコとか思っちゃうんですけど、ていうかていうか「ETCを使わせてやらないこともない。そして料金を割り引いてやらないこともない。だが制限は設けさせてもらう。そして儲けさせてももらう。わかったな。申し込みを受け付けてやるからせいぜい急いで申し込め」とか言われてんのかもーと思ったりなんかもするんですけど、皆さんはどーですか?
この他、手持ちのETCカードを他人のETC車載器で使えるんスか? って質問もよくされる。これについては問題なく使えるようだ。友達のクルマにETC車載器があって、そこに自分のETCカードを挿しても使える。会社のクルマとかレンタカーのETC車載器に自分のETCカードを挿しても使える。もちろん、通行料金はETCカード所有者へ請求される。ETCカードを持っている人は、ETC車載器が搭載されているクルマならどれでもETCを利用できるってわけだ。
ちなみに、ETC車載器には前述のセットアップ時に車両番号やナンバーなどの車両情報が書き込まれている。要は“そのクルマ専用の装置としてのETC車載器”ということで、ETC車載器とクルマはセットとして考えられている。一方、ETCカードにはユーザーを判別するための情報が書き込まれている。誰が料金を払うべきかって情報ですな。
話はちょいとズレるが、結局、ETCカードはどのETC車載器でも使えるゆえ、ETCカードの取り扱いにはチョー注意しなければならない。ETCカードは現金と同じなのだ。ただ、ETCカードを盗まれて、盗んだ奴に好き放題高速道路を使われちゃうって心配はそーんなにないかも。ETC車載器内の情報から速攻でクルマの所有者がわかるので、誰が勝手にETCカードを使いやがったのかわかるからだ。この点で言えば、クレジットカードを盗まれちゃうよりは安全っていうか事後に犯人をとっ捕まえてブン殴れる可能性が高まるので安心と言えよう。
ETC車載器などがETCゲート通過時にうまく動かないことはないのか? みたいなコトも質問されがちだが、俺の場合はまだナイ。以前はそういうトラブルが多少あったようだが、現在はトラブったって話を全然聞かない。ただ、ETCゲートを通過できないってことはすこーしある。
例えばETC車載器とかETCカードがどうって話ではなく、ETC車専用ゲートにETC非対応車に乗ったオバチャンとかが入っちゃったりしてる状況。あーETC専用ゲートだ速攻で通過だゼと思ったら、なーんかゲート内で止まってるクルマがあったりして、そこに係員が走ってきたりして、何だかモメてる様子、みたいな。せっかくのETCもずうずうしいオバチャン等によって台無しなのであった。
あるいは、ETCゲート側のトラブル。ETCゲートなのになーんか混んでるっぽいなぁ……と思ったら間もなく係員がわらわら出現するわゲートに赤ランプが点くわでゲートが一時閉鎖に。以前に比べるとETC関連のトラブルが激減している現在においても、たまーに見られる状況である。
ともあれ、今のところ、ETC車専用ゲートってのは超ウルトラガラ空きなのである。また、ETC車も一般車も通れるゲートは、他のゲートと同様かそれ以上にクルマの流れがいいものだ??ETC車の分だけ流れがいいと言うよりは「なんかETCとかナントカって書いてあるから別のゲートを行こう」と牽制する人が多少いるからだと思われる。そのよーなETCゲートの後方にミョーに長いクルマの列ができていたら、きっと誰かがトラブってるわけで、もしかしたらゲート自体に不調があるわけで、間もなく閉鎖かもって予測が立つわけで、ETC車も一般車もソコを避けるが吉だと言えよう。
それから、ETCゲートって全然なくなくない? てな指摘。ほんの数カ月前は全然ありやがらねえって感じ、もしくは、あってもずーっと閉鎖中というフィーリングだったが、前述のとおり最近はいろーんなところにある。俺がよく使う高速道路??関越自動車道、中央自動車道、首都高速道路には過剰と思えるほど豊富にETCゲートがある。先日は長野方面に出かけたが、ETCゲートがないもしくは稼働していない料金所の方が少なかったという印象だ。首都高速道路の入口ではETCゲートがないところもまだけっこーあるようだが、それでもETCゲート増設には「えらい勢いだなぁ」と感じられるものがある。
そんな感じで、まあ料金面には「もーちょっと割引してくれヨ」てな印象があるものの、システム自体はすげぇ便利で一度使うと病みつき確実という快適さゆえ、十分満足しつつETCを利用している俺であった。
・ ETC関連情報(ORSE)
http://www.orse.or.jp/
・ カロッツェリア HDDサイバーナビ(パイオニア)
http://www.hdd-cybernavi.com/hdd_navi/lineup/product/avic-h09.html
・ スタパ齋藤常時出演中!! 「スタパトロニクスTV」(impress TV)
2002/02/04 13:11
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