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XP時代のFMV BIBLOノート 「MG8/800」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


Windows XPに半信半疑……じゃなくて半好半嫌

Windows XP Professionalパッケージ。店頭価格はHome Editionが25800円、Professionalが35800円前後
 いよいよWindowsがビシッとひとつにまとまるのかーッ!? てな感じで、他のパソコン野郎様と同様、俺もWindows XPに興味津々。

 俺の場合、現在はWindows 2000を使っているのだが、その安定性の高さ、それからシステムとしてのわかりやすさ&スッキリ感で、Windows 2000大好きであってハラショーNT Tecnology!! みたいな心意気。かつてはDOS野郎であり、サラリーマンだった頃にはUNIXの端末を使ったりして、MacOSは漢字Talk時代から使い、Windowsは95から使っている俺にとって、トータルバランスでいちばんイイと思えるOSがWindows 2000。意固地なほどの安定性ってことでは、たぶんUNIX系OSやDOSの方がイイとは思われるものの、でも、GUIとしてのラク度、市場に出回る周辺機器類との親和性の高さ、それからWindowsの中ではかなりハイレベルな安定性、あと今時のネットワークOSとしての使いやすさなど、多くの面で非常に実用性の高いOSだと感じている。

 そのWindows 2000の良さをそのまま受け継ぐのがXP。ドライバ類がチョー増えていっそうラクなプラグ&プレイができたり、ネットワーク系機能が充実したっつーかブロードバンドを睨みつつ愉快なコミュニケーションツールを多く持っていたり、小難しい雰囲気がなくなっていたり、非常に興味深い面が多い。NT系のWindowsの安定性と、95/98系Windowsの便利さを併せ持ったというイメージで、こりゃやはりヒキがすげぇ強いゼ、と。てなわけで早速使い始めてみた。

 で、XP(Home Edition)を使った直後に感じたのは、ずいぶんユーザーに歩み寄ってくる感じのOSだなぁということ。それが好きか嫌いかは別として、とっつきやすい表示や効果音が印象的。何となく押してみたくなるボタンやアイコン、イベントごとにけっこーイイ音出してくれる効果音、フッと現れて適宜スッと消えるバルーンヘルプ……じゃなくてえーと吹き出しとメッセージなど、これまでのWindowsのむっつり押し黙った雰囲気がない。

 ユーザーにラクをさせてあげよう!! という姿勢も各所に感じられる。たいていのハードウェアはとりあえずつないじゃえばどーにかなる雰囲気。非常に多くのハードウェアに対応してプラグ&プレイしてくれて、また、OKボタンだけの無意味度の高いダイアログなんかもほとんど出ない。コンピュータと周辺機器が何をどうやり取りするのかっつーコトをあまり意識しないで使えていける雰囲気がある。


 楽しげな雰囲気で、何から何まで面倒を見てくれるOS、という印象で、まあこれは初心者には非常に有り難いことだと思う。なのだが、ずっとWindowsを使い続けてきて、ある程度Windowsの使い方や作法を心得ている中級者以上にとっては、ん~どうだろう、ハッキリ言うとウザい面もあるような。例えば従来のWindowsとは違う、XP流のスタートメニューやウィンドウ類のデザイン。WindowsというOSにヘンなスキンをインストールしたみたいで、表示系を中心に見られる“従来のWindowsとの微妙な操作感の違い”が、俺としてはなーんかシックリ来ない。

 また、前述のようにXPは「よかれと思って」という感じで、ユーザーの先回りをして設定とか表示なんかを積極的にやっちまってくれる。便利でイイのだが、これまでずっとWindowsを使ってきたユーザーとしては「何をやったのだろう? ちゃんと設定されたんだろうか?」という微妙な不安が残る。結局はXPがちゃんとイロイロやってくれているわけだが、ユーザーが自分の手でやってない感覚が(これまでのWindowsと比べると)強いので、なんかこう、家から出かけたけどガスの元栓閉めたっけかナ感、あるいは時間がない時にトイレに入って出た後の微細な残尿感、もしくはくしゃみが出そうな時に人から声をかけられて……あれ? 何の話でしたっけ? ともかく、XPにはなーんかちょっぴり、実害とはほとんど関係ないけど、気持ち悪さや居心地の悪さも感じた。

 でも、実用性においてはかなりイイ感じがするのだ。例えば、にぎやかな絵や音を出すわりには、いろんな部分が思った以上に軽快。俺の場合はノートパソコン上でXPを使っているのだが、特にスタンバイや休止状態に入ったり、そこから復帰したりするのが高速で快適。起動は思ったより速くはない印象だが、ログオフからシャットダウンまでもけっこースピーディで快適。新しいバージョンのOSが出るたびにその動作が重くなっていくというのがこれまでの常識だったが、XPはそーでもないかも!? と思わされる面が多い。


XP時代のFMV BIBLOノート

オールインワンスリムノート「FMV BIBLO MG8/800」。富士通の直販サイトFM WORLD WEB MARTでの価格は23万9800円(12月25日現在)
 Windows XPについては、もう少し本腰を入れてみないとハッキリ結論を出せない点が多い。既存の周辺機器は比較的に問題なく使えたりするものが少なくないが、中には裏技的にWindows 2000用ドライバをインストールして使うとかいうケースもある。まあ来年に入ればどんどんXP用ドライバが出てくるだろうから、このあたりは時期待ちというか時が解決するのであろー。

 それと、前述のようなXPの見てくれの好き嫌い、動作やインターフェイスの微妙な違和感なんかも、たぶん慣れの問題だと言えよう。考えてみれば、新しいOSってのはいつもそーゆー違和感を含んでいるモンなのだ。てなわけでこのあたりも時が解決する説が有力だと言えよー。

 あと、安定性についても、やはり3~4カ月は使ってみないとどーとも言えない。XPを使い始めて1カ月以上経つが、実際その間特に何ともなく快適に動作しているので、なーんとなくは非常に安定しているOSっぽいのだが、まあもう少々様子を見てから判断したいところ。これもやはり時が解決するコトであった。

 ところで、俺の場合、いちばん多くXPを使っているマシンと言えば、富士通の新型ノートことFMV BIBLO MG8/800だ。このマシンを使いがちな理由は、コトバは悪いがどう使ってもヒジョーに無難であるということ。MG8/800はA4のノートマシンなのだが、内容的にはオールインワンノートとしてもサブノートとしてもイケる柔軟性がある。俺のように「XPはどーなのかな~」とか思いつつデスクトップでガリガリ使ったり、あるいはモバイル指向で使ったり、時にはテストマシンとしてアレコレとハードウェアやアプリケーションをインストールするにも向いたオールマイティなノートだ。


 MG8/800の詳細については富士通の製品紹介ページをご覧頂きたいのだが、このマシン、家でも外でもかなり快適に使える。例えばCD-ROMドライブ。CD-ROMを読めるのはもちろん、実はDVD-ROMも読めて、さらにはCD-RやCD-RWも読み書きできるというコンボ……じゃないのかトリオドライブ? トリニティドライブ? ともあれ現在主流になりつつあるドライブを搭載している。CD-R/RWドライブとしてはバッファアンダーランエラー防止機構付き。デフォルトでCDを焼けるOSを使うにはヒジョーに手っ取り早いし便利なドライブだ。

 またこのドライブ、富士通のモバイルマルチベイという交換式のドライブで、DVD/CD-RWドライブを外してFDDやバッテリー、あるいは軽量化のためのカバー(中身は空洞となる)など各種ユニットと挿し替えられる。MG8/800の公称駆動時間は約4時間だが、モバイルマルチベイに増設バッテリーユニットを装着すると約8時間まで延長できる。実際使うと(標準バッテリーで)4時間までは動かない感じだが、それでもラクに2時間以上使えるあたり、これは富士通のおかげなのかXPの省電力機能のおかげなのか……低電圧版Mobile Pentium III(800MHz)のマシンとしては意外なほど長時間使える。FDDユニットは実はスーパーディスク対応だったりして、単なるFDDを取り付けたマシンよりもなーんかお得感がある。ともあれ、こういう交換可能なドライブが用意されていると、家の中でじっくり使うにもモバイルするにも、何かとブツシが利くというわけだ。


何でも来いの無指向性が安楽

 MG8/800は、外見的には最近流行りの大画面スリムモバイルノートだ。液晶画面は13.3型のTFTで、表示画素数はXGA(1024×768ドット)。かなりデカい画面サイズであり、モバイルマシンとしてもデスクトップリプレイスメント的ノートとしてもイケる画素を持つ。でもまあまあ薄くて最大の厚みは約30ミリ。重量は持ち運びにギリギリ苦にならない感じの約1.7キロ。

 この外観を見ると、どちらかと言えばモバイル寄りというイメージなのだが、実際使ってみるとそうでもない。というのは、このサイズのマシンにしては非常に充実したインターフェイスを持っているのだ。


USB、IEEE 1394、LANポートやモデムポートなどは本体右側面に配されている

 MG8/800のインターフェイスは、マニア的にもXPをゴリゴリ使うヤツ的にもちょいと嬉しい感じ。具体的には、まずサウンド系ではマイク端子、ラインイン端子、ヘッドホン端子が並ぶ。A4ノートにしてはやや豪華って程度だが、ラインイン端子は光デジタルオーディオ出力端子としても使えるあたり、むむむ!! と思わせる。それから、アナログRGBの外部ディスプレイ端子があってさらにビデオ出力端子まであるあたりは、重量級全部入りクラスのノートの装備と言えよう。この他、IEEE 1394(S400の4ピン)やふたつのUSBポート、PCカードスロット(タイプ2)がある点は、この厚みのノートにしてはゴージャス。今時のマシンとして当然のようにLANコネクタ(RJ-45/100BASE-TX・10BASE-T)を搭載しているあたりも抜け目ナシ。ていうか、このくらい豊富なインターフェイスを備えていると、俺のようにXPでいろいろ試してみよう!! ってヤツにも、家でも外でも使えるマシンを求める人にも、いわば“非常に無難”と感じる。

 実際の使用感としては、これもまた無難。際立つ特徴とか自慢できるギミックってのはあまりないものの、例えば前述の13.3型でXGA表示ってのは実用的であると同時に非常に見やすくて安楽。A4サイズで13.3型ってたぶん最大級っつーかこれ以上デカくしたらA4じゃなくなると思うのだが、このデカさでXGAというのが物理的に見る時の疲れがない。このサイズでSXGAだと、たぶん文字などがちょっと細かめで、家ではいいかもしれないがモバイルだと目が疲れる&無用に広いということになるだろう。サイズと画素数のバランスにおいても、やはり無難というわけだ。ちなみに、個人的には液晶周辺の筐体の余白がない点にも気持ちよさを感じる。液晶面は全体的に液晶ばっかり!! というムダのなさは、まあ細かいっちゃぁ細かいところだが、モノとして納得しちゃう感じ。


キーボードはフルキーボードと基本的には同じサイズでピッチやストロークは十分
 キーボードやポインティングデバイスは、平均点プラスαといったところ。特に目立った良さってのはないが、ココがヘンとかココが使いにくいってところもない。キーボードは基本的にはフルキーボードと同じサイズで、一部の記号キーがやや細めとなった日本語配列。強めに押下するとキーボード全体が微妙にしなるが、ストロークが十分あり、クリック感も適度にあり、音も静か。ポインティングデバイスは、やや大きめで、パッド自体の操作感もスムーズ。ディスプレイ画素数とマッチしていると思える使用感だ。細かい点だが、クリックボタン類がやや硬めで不意の誤操作をしにくいってあたりも、心得た作りだと言えよう。

 それから、XPを使うにおいて最大の無難スペックと言えば、MG8/800には最初から256MBのRAMが搭載されているという点。XPはもっと少ないメモリでも動くが、そこはホレ、NT系Windowsってことで、メモリはある程度多い方が快適に動作する。世間一般では128MBだと少々不快で、256MB以上あれば十分快適で、さらに512MBくらいまであると何をやっても超快適と言われているXP、どーせ使うなら256MBくらいは欲しいゼというユーザーの欲望を事前に処理してしまっているのであった。まあ、128MBのノート買ってメモリ増設しようと思ったら最初の128MB捨てて256MB1枚入れるハメになる、とかいう悲しみを味わわないところがイイとも言えよう。

 MG8/800には800MHz駆動の低電圧版Mobile Pentium IIIが搭載されているが、XPを使うにおいてこの処理能力は快適だ。時々「遅いか……な!?」と微妙なストレスを感じるのはHDDアクセスによるものだったりして、他は動作的な遅さを感じない。

 惜しむらくは、前述のように、MG8/800が何となく平凡なマシンに見えがちっつーコトだ。何かすげぇ強いハードウェア的なヒキがあると、その強みを中心に他の要素の充実ぶりが見えてくるものだ。が、ハードウェアに特徴的な部分とかアクがないと、全体の充実ぶりが“単に無難なだけ”という平凡さとして見えちゃう。つまりMG8/800をバッと出して「このマシンを使っているんだぜーッ!!」という自慢ができなくて少々残念であり、結局その程度の惜しさしかないとも言える。

 でもまあ、ハードウェア的なヒキは強いけど使ってみたら不安定とか見てくれだけとかいう一発屋的なマシンが多い中、強い個性はないものの、実は非常にバランスが良い=良い意味での平坦さを持つ=でも一見無難なだけ、というマシン、けっこー貴重かも~とか思いつつさらにXPがどーなのかを追求し続ける拙者である。


・ FMV BIBLO MG8/800製品情報(富士通)
  http://www.fmworld.net/product/hard/pcpm0110/biblo/mg/index.html
・ FM WORLD WEB MART
  http://www.fujitsu-webmart.com/
・ Windows XP製品情報(マイクロソフト)
  http://www.microsoft.com/japan/windowsxp/
・ スタパ齋藤常時出演中!!「スタパトロニクスTV」(impress TV)
  http://impress.tv/it/article/stv.htm

2001/12/25 14:49

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