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高画素化に伴うメモリカード買い替え問題をひとまず解決!
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


高画素化は嬉しいが、メモリ的には悲しい

 デジタルカメラの高画素化が著しい昨今だが、そんな昨今に合わせて俺も次々と高画素デジカメを購入しがち。のっけからぶっちゃけた話になるが、なんだかんだ言ってもやはり高画素デジカメは“潰しが利く”のだ。

 デジタル画像のピクセルサイズが大きければ、当然だがまず印刷するのに向く。それからディテールの精細さを求められるからレタッチの素材としても向く。また、小さく縮小して使うにも良く、最初から640×480ピクセルで撮ってそのまま使うのと、2240×1680で撮ってこれを縮小して使うのとでは、結果として得られる640×480ピクセルの画像に明らかな画質の差が見られるものだ。あるいは、二度と遭遇しないかもしれない光景ゆえ、なるべく高品位なイメージで残しておきたいって向きも多い。大は小を兼ねる理論を正しく証明しちゃってるのが、デジカメ画像のピクセルサイズだと言えよう。

 なのでデジカメの高画素化は嬉しく、またこの高画素化がけっこー高画質化を伴って起きているのは、やはり多くのデジカメファンにとって嬉しいことだ。が、この嬉しさの裏には多くのデジカメファンに共通する悲しさ辛さもある。

 それは、毎年毎年撮像素子画素数が増えて魅力的になるデジカメって結局ハードウェアとしては短命じゃんってことや、デジカメばっかり買ってるけど写真の腕が全然上がらないなぁってことや、よく考えたらデジカメ1台買おうとしたら上等なフィルム式一眼レフ買えちゃうよなぁってことなどではなく、メモリ容量不足の悲しさだ。高画素化したデジカメの良さを発揮すべく高ピクセル数の画像を撮影しまくると、すぐにメモリカードが満タンになっちまいやがって、かーっ結局は大容量メモリカード買わなきゃなァ、と。


 例えばCFメモリカードの場合。レキサーメディア社の価格表を見ると、ぜひ欲しい気がしてならない320MBのメモリカードの価格が8万2000円となっている。新型の3メガピクセルデジカメが1台買えちゃう価格と言えよう。でも、メモリカードは安いからどうの高いからどうのってモンでもない。

 2~3メガピクセル機を使い、JPEGの最高画質で写真を撮ったりすると、わりとライトな感覚で撮っても、64MBのCFカードなんか1日でいっぱいになってしまう。気合入り写真野郎の場合なら数時間でいっぱいだ。怒濤の写真野郎の場合は数十分でいっぱいなのだ。メモリカードがいっぱいになるとどうなるかと言えば、それ以上写真が撮れないのだ。撮るためのデジタルカメラなのだ。結局、必要な分だけ確保しないとデキるはずのコトがデキなくなるわけだから、メモリカードは必需品なのであり、メモリカード代はどーしても出ていっちゃう費用なのだ。

 そうかそうだよメモリカードは必需品でメモリカード代はデジカメ使用のために必ず要る費用なんダ!! じゃあ8万2000円の320MBのCFメモリカードを2~3枚……も買えないから困るのだ。ふざけんなデジカメ!! 勝手に高画素化してんじゃねえよ欲しくなるだろが!! 欲しくなって手に入れると320MBのメモリカードとか欲しくなるだろが!! そして買ったら借金苦の可能性が増えるだろうが!! やいデジカメメーカー俺の借金肩代わりしやがれ!! という心情になっているとある種の狂人と言えるので、我々は最も経済的な方法でメモリカード必要でお金かかる問題をどーにかせねばならない。


いろいろあるけど結局はコレ

Digital Wallet本体。輸入物なので表示等は全て英語。ただ、機能的にさほど複雑でないので、操作上迷うこともなさそうだ。Mac Letで購入した正規輸入品には日本語で印刷された簡単なマニュアルが含まれる。4つの操作ボタン類は本体右側上部に集められている
 俺の場合、以前はそーんなに切実ではなかった。128MBと160MBのメモリカードがあったし、より小容量のメモリカードを十枚近く持っていたからだ。が、D1Xとか、E-10とか、あるいはOptio330とか、3メガピクセル以上のデジカメをメインに使うようになってから、メモリ不足は本格的に切実になった。

 例えば数日どっかに遊びに出かけて、D1XあるいはE-10をメイン機として、サブに小型の3メガピクセル機なんかを使ったりすると、128MBや160MB程度のメモリカードなんか速攻でいっぱいになっちまうのだ。じゃあ160MBとかのメモリカードをもう数枚……いやどーせ買うなら256MB……いやいや先々のことを考えたら320MB!! とは思うが、先々のことをもっと考えると320MBでも足りなくなっちまうのは時間の問題っぽい。それに、大容量メモリカードなんか買いまくると先立つものが先立ちまくって遊びに出かけられなくなる可能性も大だ。

 ならばサブノートを携帯して画像データを転送!! これを数度やったが、結局すぐにやめた。第一、仕事で出かけてるんじゃないのである。あくまでも遊び。そういうスタンスにおいて、デジカメ2台とサブノートなんて装備になると、写真を撮るついでにちょっと遊ばうかな的な本末転倒状態になる。撮影旅行だ!! ってんならそこまでやるのもおかしくはないと思うが、デジカメを楽しむための必要機材としてサブノートなどが加わってくると、嵩張るわフットワークが重くなるわでデジカメを楽しめなくなる。

 そして最終的な解決策として選んだのが、Minds@Work のDigital Walletである。コレは、デジカメ野郎にはけっこー知られているメモリ不足問題解消機器だが、わりと最近まで海外通販でしか購入できなかった。でも最近ではフォーカルポイントコンピュータが代理店となり日本国内で売られるようになったので、購入時のお気楽度が急上昇。ちなみに拙者はMac Letで購入した。

 Digital Walletは、バッテリー内蔵で動作するPCカードスロット付き携帯型ハードディスクだ。デジカメ使用中にメモリカードがいっぱいになったら、そのメモリカードをPCカードアダプタに装着し、Digital Walletに挿せば、メモリカード上のデータがDigital Walletに丸ごとバックアップされるという製品。高画素時代のデジカメユーザーにおけるメモリ不足を、ハードディスクへのデータバックアップという方法で解消しちまうゼという製品である。

 Digital WalletはHDD容量と筐体の色の違いで、現在合計6種類のモデルがある。色はグレーと青のトランスルーセントで、容量は3GB10GB20GB。Mac Letでの価格はそれぞれ、4万7800円、5万9800円、7万2800円となっている。モノとしてはPCカードスロットとHDDの組み合わせ製品なのに、けっこー高いっスねと思ったが、使ってみたらけっこー妥当な価格って気がしてくる、なかなかイケてる製品なのであった。


メモリカードが1枚で十分になる利便性

サイズは約130×90×28mmで重量は約340g。タバコの箱と比較するとこんな感じ。冬の上着ポケットにならすっぽり入りそうな大きさ。重量の印象はけっこー軽い感じ
 Digital Walletの使い方は超簡単。デジカメ画像等でいっぱいになったメモリカードをPCカードアダプタに装着し、これをDigital Walletに挿し、Digital Walletの電源を入れ、Digital Walletの画面表示を確認してボタンを押すだけ。これで、メモリカード内のデータがDigital Wallet内に全部ダウンロード(コピー)される。

 Digital Walletの起動時間は、電源ボタンの長押しを含めて5秒程度。メモリカードからDigital Walletにデータをコピーするダウンロード操作は、160MBのCFいっぱいに入った画像データの場合で80秒程度かかった。すげぇ速く処理終了!! ってわけじゃないが、待たされるって感じもしなかった。ちなみに、Digital Walletのバッテリー持続時間は、内蔵バッテリー(ニッケル水素)満充電時で120分となっている。ただ、使った感じではトータルで1時間くらい持ったかなぁという印象。しかしそれでも、160MBのメモリカードを30回はダウンロードできるので、実用性は十分だと感じる。

 なお、Digital Wallet上では、一度のダウンロード操作につき、新たにひとつのフォルダが作られ、メモリカード上のデータは丸ごとそのフォルダにコピーされる。ダウンロードの回数分、フォルダが作られることになる。また、ダウンロード操作はファイル類の移動ではなくてコピーなので、ダウンロード操作後もメモリカード上にはデータが残る。なので、デジカメで使う場合はデータをダウンロードした後に、そのメモリカードをフォーマットするなどの操作が必要になる。

 それから、Digital WalletはUSB接続のHDDとしても使える。なので、ダウンロードした画像をパソコンへ転送するのも非常に簡単。パソコンとDigital WalletをUSB接続し、一般のHDDを扱うときのようにデータを転送すればいい。また、Digital Walletはデジカメ画像保存向けの製品だが、単なるUSB接続HDDとして考えれば、どんなデータを入れても問題ない。データ持ち運び用のストレージとしてフツーに利用できるわけだ。使い方によっては、PDAなどと組み合わせてデータ保管用の大容量ストレージとして利用するのもおもしろいかもしれない。

 そのほかDigital Walletの機能としては、ダウンロードしてDigital Wallet内にためた一連のファイル(フォルダ単位)は、再度メモリカードに書き込むこともできる。出先で写真を撮って撮って撮りまくってDigital Walletにダウンロードしまくっても、さて一休みって時にDigital Wallet内のファイルをメモリカードに書き戻せば、デジカメ上でゆっくりと画像を閲覧できたりするわけだ。

 それから、モバイルデバイスってことでありかつデータストレージってことだけあって、パスワードによるセキュリティ機能が備わっている。万が一Digital Walletをなくしたりしても、大切なデータ類を盗まれにくいので比較的に安心。Digital Walletはボタン類が少なく、非常に単純な操作しかできないが、パスワードは4ケタの数字なので、入力が面倒ってことはさほど感じられなかった。


本体右側のフタを開くと、PCカードスロットにアクセスできる。写真はPCカードを少しだけ入れた状態。さらに押し込めるが、いちばん押し込んだ状態(ダウンロード時)でも、PCカードの端が約1センチ程度出っ張る
 そんな内容のDigital Walletを使ってみると、なるほどこりゃ便利と感じる。ていうか、Digital Walletがあればもうメモリカードを複数用意する必要がなくなる。デジカメを使っていてメモリがいっぱいになったらDigital Walletに転送。これを繰り返せばメモリ不足問題は解消するわけで、最低限1枚だけメモリカードがあればいい。ただ、実用上、32MBや64MBなど比較的小容量のメモリカードだと、使うデジカメによってはわりと頻繁にDigital Walletを使うことになる。撮影中に何度もダウンロード操作をするのはいかにも効率が悪いので、ある程度大きめのメモリカードを2枚程度使うスタイルになるよーな気がする。

 ともあれ、Digital Walletを買ってからというもの、俺はメモリカードを買おうとはあまり思わなくなった。最初からそうではあるが、メモリカードなんてモノは所詮、一時的にしか使わないモンなのだ。デジカメが生成した画像データを一時的に蓄え、間もなくパソコンなどに転送してしまうという存在なのダ!! ということがよーく理解でき、メモリカード欲が急激に減退した。これからはDigital Wallet使い倒してメモリカード代節約ッ!! みたいな。


実に便利だが、よりいっそう洗練を!!

パソコンとの接続(USB)や充電をするには、付属のアダプタを接続する必要がある。UBS接続用ドライバは同梱されている
 内容的には便利だしグッドアイデアなDigital Walletであり、デジカメ野郎に共通する比較的に深刻な問題=メモリカードにお金かかってイヤーン問題を解決してくれるってことで、ヒジョーに有り難い製品だ。俺の場合、10GBモデル(MacLet価格/5万9800円)を買って、その利便にはヒジョーに満足している。なんせ、10GBのメモリカードに近い働きをしてくれるのだ。メモリカードを買うことに比べたらヤケクソに経済的なのである。

 しかし、ハードウェアとしてDigital Walletを見ると、なーんかちょいと物足りない気がする。例えばまず、その作りがいまひとつ良くない。高級感とかいうコトとは全然関係ない外観で、触ったときの質感もけっこうチープ。筐体も微妙にグラグラしている感じで、やはり安っぽいのだ。

 まあそのあたりは便利さに免じて目をつぶるとしても、もうひと工夫してくれよ!! と思う使いにくさが多々見られる。ひとつは、インターフェイスの不親切さ。まずボタン類になーんも表示がないのである。ボタンは4つしかなくて、そのうちひとつは電源ボタンなので、一度ボタンの機能を覚えれば問題ないのだが、でも日本製品を使い慣れた多くの日本人ユーザーは、これを「作りがテキトーだなー」と思うような気がする。

 ソフトウェア的なインターフェイスは、これもまあ慣れれば使いにくいことはない。単純な内容なので迷うこともほぼないと思われる。が、せっかく液晶画面が付いているんだし、起動時にはロゴのアニメーションなんかもできているんだから、例えば画像の簡易表示機能なんかも欲しい感じ。そこまで行かなくても、現在どのメニューを使っているのかパッと見でわかるような表示が欲しい。

 それと、PCカードスロットがイマイチだと思われる。というのは、PCカードスロットにPCカード(アダプタ)を挿すと、これが途中までしか入らない仕様になっており、つまり、PCカードのお尻部分1センチ程度がはみ出しちゃう。この件について機能的な問題はないのだが、携帯時はPCカードアダプタをDigital Walletに入れっぱなしにできないあたり、なーんか煩雑感がある。ついでに言えば、PCカードスロットのフタ部分も、なんかこうすぐに壊れそうなチープさがあってやや心配である。

 あと、重量が約340gというのは、まあさほど気にならないのだが、筐体のサイズが約130×90×28mmというのは、なーんかこう、ちょっと大きめって感じ。ポケットサイズとは言えない印象だ、って誰も「Digital Walletはポケットサイズですよ」なんて言ってないが、もうちょっと薄くするなどボリュームダウンができそーな気がしてならない。


 あーどうせだから書いてしまうと、これは個人的な印象ではあるが、Digital Walletはカッコ良くないっていうかカッコ悪いっていうか、デザイン的にどーなのだろーかと思った。あと充電時およびパソコンとの接続時は付属のアダプタを装着するのもどーなんだろうか。あとアダプタ接続用のコネクタが、Digital Wallet携帯時には何のカバーもないのはどーなんだろうか。と、前述の「メモリ容量不足解消に関しては非常にグレイト」ということがなければ決して買わないハードウェアじゃなくなくなくなくないですかぁという洗練されてなさがけっこー見受けられるのであった。

 って俺ったら今回ちょっと言い過ぎですか!? でもですね、この10GB HDD+PCカードスロットみたいな感じの製品がですね、前述のように5万9800円(税別)ってことなんですよ。6万くらいする製品の役立ち方としてはまあ納得できるわけですけどね、6万くらいする製品のモノとしてのクオリティが……ちょっと……ね、みたいな。

 まあ、独自製品であってプロセッサやらOSやらが入ってるってことはわかるが、俺の正直な意見としては、こーゆー製品こそ日本のメーカーが作るべきであって最初からある程度のクオリティで出してきて欲しいゼ、と。そんなことを思いつつ、でもやっぱりDigital Walletは実用的だしメモリ代節約にすげー役立つ製品だなぁって感じで手放せなくなっている拙者であった。


・ Digital Wallet製品情報(英文)
  http://www.mindsatwork.net/products1.htm
・ MacLet
  http://www.maclet.com/index.php3
・ スタパ齋藤常時出演中!!「スタパトロニクスTV」(impress TV)
  http://impress.tv/it/article/stv.htm

2001/09/03 11:21

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