|
|
|
とびきりコンパクト、満足いく使用感「ペンタックス Optio330」
|
|
|
|
スタパ齋藤 1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。 |
|
Optio330を買った理由
|
高級感のあるステンレスボディ。ポケットやバッグに入れるのに適したサイズ・形状だ。サイズは92(幅)×59(高)×31(厚)mm、質量は205g(電池、CFカード含まず)
|
最近の俺はD1XとかFinePix6900Zとか、比較的に高画素な撮像素子を持つデジカメを使いまくり。これらのデジカメ、性能的にも画質的にも大満足と言えるが、はて、現在は真夏の真っ直中であって、つまり暑いのであり、デジカメと気温の話を絡めている俺は間違ってるように見える。
が!! 間違っちゃいねえ!! 高気温と高画素デジカメは字面上では似ているが、密接に関係している存在!! しかも相反する存在!! なぜならばッ!! 次の図式をご覧頂きたい。
(1)暑い→消耗→弱まる→ダメな俺 (2)高画素→高機能・デカい→要気合→消耗→弱まる→ダメな俺
(1)は気温と拙者の関係を示している。(2)は高画素デジカメと拙者の関係を示している。そして(1)であると同時に(2)であった場合、俺は単なるダメな俺ではなく、いつもより増してダメな俺になるのであって、これすなわち最強にダメな俺となってしまうのだ。いわばダメダメな俺であってヘボヘボであって糞な俺だと言えよう。
この糞暑い状況において本人が糞化するほど糞忌々しい状況はないので、これを回避していきたい。とすると、まず(1)の状況を変える方法が考えられるが、これは気象相手であって気温相手なのでかなり無理度が高い。では(2)の状況を改善だ。となると、弱まらないようにする → 消耗しないようにする → 気合が不要であるようにする → デカくもなく高機能でもないものにする → あ!! Optio330が発売された!! というわけで、今回はOptio330だ。ってなんか脳味噌が沸騰した人が考えたような論理展開ですな。ていうか拙者脳味噌沸騰中!! もうすぐ蒸発するヨ!!
|
使用するメモリはCFカード。バッテリーは専用のリチウムイオンバッテリーパックとなる。バッテリーパックはCFメモリカード2枚分程度の容積で、複数持ち歩いても邪魔にならない
|
さて、脳が蒸発してダメ未満な俺となってしまう前に、Optio330を買った理由などを。例によってOptio330の詳細に関してはペンタックスの製品紹介ページを参照していただきたい。
梅雨入り後のボーナス商戦において、Optio330と似たよーな感じのコンパクトデジカメがビシバシ出てきたのだが、俺がサクッとOptio330を選んだのは、まずそのサイズ。なんつっても世界最小・最軽量なのだ。ん~IXY Digital 300は3倍光学ズームレンズでナイスなんだけどサイズ的にはIXY Digital 200がイイからこの夏の糞暑さにおいて200の方を買い直……てなことは一切考えず、最強に小さくて光学3倍ズームでしかも334万画素原色CCD搭載のOptio330買えば細かい悩みはスコッと解消。さらに微妙な悩みである、コンパクトデジカメにおける外見的カッコ良さにおいてもOptio330は(俺としては)抜群。考えることすら面倒であるこの季節において、まさに非常にわかりやすく買いやすく納得しやすい製品なのだ。
プラス、メモリにCFを採用した点も汎用性において好きだったりする。また、バッテリーとして専用のリチウムイオンバッテリーパックを使う点も、スタミナの面で好きだったりする。あとイメージキャラクタの川原亜矢子ファンだったりして、さらにはいつかはペンタックスのAuto110というカメラを使ってみたかったりして、いろいろな後押し要素もあって、Optio330を買ったのであった。
毎日持ち歩けるお散歩デジカメ
|
デジカメっていつの間にこんなに小さくなっちゃったんでしょうねぇ、と遠い目になってしまうコンパクトさ。それでいて一般の2メガピクセル機を凌ぐ画質。いろいろな意味で凝縮感がある製品だ
|
Optio330を手にしてまず思ったのは、これならいつも携帯して持ち歩きまくれるってこと。サイズも重量も十分にポケットサイズだし、持ち物として外見的にも質感的にも良い気分で持ち歩ける。妙な話だが、PENTAXブランドという点も、ちょっとマニア心をくすぐる感じ。微妙な話ではあるが、Optio330の外見的な静かさは、他のメーカーのコンパクトデジカメに見られる、ある種奇を衒っていて目立っているイメージとは逆の、ストイックな美しさがある。このあたりの冷静さを伴うクールさは、俺が抱くPENTAXブランドのクールさと共通するのだ。
物理的な面では、小型・軽量ってところが常時携帯に向くデジカメだが、それ以外にも持っていて安心できる点がいくつかある。例えば間違って押しちゃうことがないやや奥まった電源ボタンとか、比較的に硬くて不意に回しちゃいにくいモードダイヤルとか、あるいは本体各面がスムーズに面取りされていてバッグやポケットにスルッと収納できる点など。完全に沈胴するレンズ部と、やや窪んでいて外部から押されにくいレンズシャッター部もいいですな。
まあともあれ、これなら何にも気を遣いたくない猛暑であっても気楽に持ち歩けるゼ、と。カッコイイし気分イイし気楽ってことになれば、積極的に持ち歩く気になるゼ、と。まずはそういう好ましい印象を得た。
気にすればするほど……
|
ありがちな鍵束と比べてもこんなサイズなのに、決してメモ撮り用の画質ではなく、鑑賞に堪える写真が撮れる。ちなみに、得られる写真のピクセルサイズは2048×1536、1024×768、640×480の3種類だ
|
久々に非常に気持ちよく持ち歩けるデジカメを得たってことで、早速いろんなモンを撮りに出かけて撮って撮って撮りまくって危うく熱射病になるところだった俺だが、さて、その画質は!?
撮った写真をザッと見て感じたのは、このサイズのコンパクトデジカメとしては非常に目に鮮やかでキレのいい画質が得られたということだ。200万画素クラスのコンパクトデジカメとは明らかに違う、ある種、開放感さえも感じる克明さと色の透明感がある。お散歩デジカメだから、コンパクトデジカメだから、という自分への説得材料みたいなモンは不要。さすが3メガピクセル機、しっかりした写真が撮れる。
おーイイ色じゃん鮮明じゃん!! と思いつつ、あっそうだコレって3メガピクセル機だったっけぇ~と改めて考えたりしていると??しかもパソコンで画像を鑑賞しつつ机上で考えたりしていると??今度はOptio330で撮った写真を3メガピクセルデジカメの写真として考え始めた。すると、いくつか細かい点が気になってくる。
例えば、Optio330で撮った写真のどれもがそうなのだが、JPEG画像特有のノイズ感が気になってくる。特に明暗差や色の違いが強い部分のエッジに、滲みのようなボケのような、そんなノイズが見られる。最近の中級機以上の3メガピクセル機などではあまり見られなくなった、解像感のない、甘い感じのエッジ描写だ。Optio330の画像をパソコンの画面上で拡大すればするほど、このいまひとつシャキッとしないエッジが見えてくるので、少々残念。
こういう観察を続けると、今度はレンズ性能も残念感も見えてきたりする。というのは、色収差というのだろうか、画面の周辺の高コントラスト部に、微妙な色の滲みが見えるのだ。ホントに微妙でありすこーしって感じだが、像がぼやけると同時に色のズレというかブレのようなものが見えてくる。
まあ、レンズが小さくて光学的な性能を追求できないうえに、その撮像素子は高精細なのだから、アラが見えてしまうのもしょうがないのだろう。また、これらのノイズ感や色収差のようなものは、写真のディテイルをじーっくり観察してやっと見える程度のもの。3メガピクセル機とは言え、Optio330はサイズ優先のデジカメなので、その画像を細かくじーっくり観察してアラを見つけるという行為自体が酷だとも言える。
でもしかし、そうではなく、フツーにパッと見た分には、明らかにOptio330の画像は他のコンパクトデジカメと比べると鮮明で色も美しく感じられる。ただ、3メガピクセルということだけ考えて、他の3メガピクセル機と同列に画質だけを見ていくと、見劣りするのは確かだ。2メガピクセルのコンパクトデジカメよりはずっとキレイに写るけど3メガピクセル機(中級機以上)ほどはイケてないデジカメ、とか思っちゃったんですけど拙者は。
ああ、あと、ついでだからっていうか、もうひとつOptio330のイマイチ点を挙げておくと、オートフォーカスのキレというかキマリかたというか、これが今ひとつな印象だ。というのは、特に光量が足りない環境では、オートフォーカスがビシッと働かない傾向がある。例えば少々薄暗い室内だと、オートフォーカスが合焦しなかったり、合焦した状態(液晶表示やランプ点灯など)になりはするものの実はピントがズレてる、など。明るい屋外でも、合焦する対象が逆光の暗めの部分だったり低コントラストだったりすると、やはり同じようにオートフォーカスが合いにくかったり合ったよーでもピンボケだったり。
このオートフォーカスの残念現象、いつも起きるってわけではなく、感覚としては「たまーにオートフォーカスがコケるなぁ」という感じ。だが、今時のデジカメにしてはけっこう頻繁に起きるとも言えよう。1日中Optio330を使っていると2~3度は体験しちまう現象なので、ちょいとイラついたりする。どーにかなんないモンなんでしょーか、と思っていたら、ペンタックスから正式な告知が出された。ファームウェアのアップデートでそのうちどーにかなるようなので、サポートを期待していきたい。
満足のいく使用感
|
多用されるボタン類は本体上部に集められている。最もよく使われるモード変更ダイヤルは本体上面にあり、大きいが、不意に回ってしまわないようやや硬めの設定になっている。電源ボタンも間違って押してしまわないよう、やや引っ込んだ位置にある。モードダイヤルボタンの陰にあることも、誤操作防止につながっている
|
いくつかネガティブな要素を書き出してみたが、実際のところ、これらはこだわればこだわるほど気になってくる不都合(!?)で、気楽・軽快にお散歩デジカメを使うというスタンスで考えれば、そーんなには気にならない点だと思う。逆に、気軽・軽快に使えて、しかも同サイズのデジカメよりもワンランク上の写真が撮れちゃうって点では満足がいく。また、使用感においても快適な点が多い。
例えば、比較的にクイックな動作が心地よい。起動は4~5秒程度でまずまずの速さ。撮影インターバルも1秒程度と短い。最大ピクセル数(2048×1536)で撮ると、2枚撮った後くらいで2~3秒だろうか、待たされるものの、スナップを撮り歩くぶんには特に気になる待ち時間でもない。スナップ撮りとして使いやすいピクセルサイズ(1024×768)なら、連続して撮っていても撮影インターバルは1秒程度なので、テンポ良く写真を撮ることができる。
クイックさで気持ちイイのは、画像再生時の操作。撮った写真を順繰りで再生していく時、この順送り(逆送りも)操作に全然ストレスがなく、すげー速いのだ。撮影済み画像の順送り(や逆送り)は、本体背面の方向ボタン(の左右)で行うが、これを思いっきり速く連打しても画像再生が追従するのにはビビった。パパパパパパパッと次から次へと画像が現れる。ただし、画像表示は、最初にやや粗めの画像が表示され、その後(1秒くらいで)鮮明な画像が現れる。なので、方向ボタン連打の連続表示時は粗い画像の連続切替って感じになる。でもまあ、超クイックにブラウズしていける快適さがあるので、粗い画像→精細な画像という切り替わりでも問題ない。ちなみにこの画像再生の速さはニコンのD1Xと同等でマジで本気でクイックなのであった。
|
本体背面。撮影時に多用されるボタンが本体上部に集められていて便利だ。再生時に使われるボタン類は画面横に集められている。光学ファインダーは視度調節も可能であるあたり、光学機器メーカーならではの仕様だ
|
それから、インターフェイス面では、ハードウェア的にもソフトウェア的にも非常に使いやすいと感じた。ハードウェア的なボタン類は、使用頻度の高いボタンと使用頻度の低いボタンがうまい具合にレイアウト分けされているので、押下時に迷うことがない。また、前述のようにダイヤル類はある程度硬くなっていて、ボタン類も間違って押せないように引っ込んでいたりやや硬くなっていたりして、誤操作っつーコトになりにくくて快適だ。このあたりの使用感の良さは、コンパクトなカメラを多数世に送り出してきたペンタックスならではの持ち味か。非常にこなれた操作感だと感じる。
ソフトウェア的なインターフェイスも非常にわかりやすく、迷いにくい。基本的にはMENUボタンを押し、方向ボタンとその中心のOKボタンで操作するだけで本体の機能設定を行えるのだが、各項目が単純な機能カテゴリ分けされ、また、階層も浅く設定されているので、スンナリと理解・設定できる。
設定項目で特に便利だと感じるのは、個々の動作モードを保持するかしないかを決めるモードメモリ機能だ。これは、ストロボ、ホワイトバランス、AFエリア、マニュアルフォーカスの位置など、比較的に多くのデジカメだと電源オフ時にデフォルト設定に戻っちゃいがちな設定を保持しておく機能。で、どの設定を保持させたいかを細かくユーザーが指定できるあたりが便利。ユーザーの使用方法に合わせてカメラをカスタマイズできる感覚がイイ。
全体的にお手軽かつスムーズに使えるOptio330なのだが、凝った撮影もかなり得意だ。というのは、わりと本格的なマニュアル撮影モードを搭載している点。これはシャッタースピードと絞りの両方をユーザーが設定するもの。完全なマニュアル撮影となる。これに加えて、マニュアルフォーカス(手動のピント合わせ)モードも持っていて、マニュアル撮影モードと組み合わせて使える。つまり、ピントから露出まで全部手動で行なえるフルマニュアルデジカメとしても使えるのだ。
高画素デジカメとなると、お手軽スナップから凝りまくりマジ撮影までいろいろやりたいという欲求が出がちだが、そーゆー状況において本格的なフルマニュアル撮影ができる点は有り難いし、つぶしもきくってやつだ。欲を言えばシャッタースピード優先オートや絞り値優先オートも……と思ったが、Optio330の場合、絞り値がF2.6~F4.8までと幅が(すげー)狭く、マニュアル撮影時でも絞り値を2段階に変えられるだけなので、まあ、あまり細かい機能は求められないのかもしれない。
ともあれ、超コンパクトで気軽に持ち歩けるわりには、他の2メガピクセルコンパクト機にはマネできない画質と機能と使用感を持つOptio330、実際に使っていて満足度の高い製品だと感じる。本格的な3メガピクセル機までは要らないが、手軽・簡素ばかりがウリの2メガピクセル機ではちょっと……と思ったりする、ほんの少しマニアックなユーザーに向くのではないだろうか。
・ ペンタックス Optio330製品情報
http://www.digital.pentax.co.jp/optio330/
・ スタパ齋藤常時出演中!!「スタパトロニクスTV」(impress TV)
2001/08/13 00:00
|
|
|
|
|