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ワンセグも観られる名刺サイズラジオ「ソニー XDV-G200」
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スタパ齋藤 1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。 |
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■ ワンセグも観られる名刺サイズラジオ
電波を受信するという行為自体が好きな俺なので、ソニーから出たXDV-G200を思わず買ってみた。ワンセグ視聴も可能な名刺サイズAM/FMラジオですな。位置付け的には、ソニーの“ブラビア・ワンセグ”ことXDV-D500の弟分?
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ソニーのXDV-G200。ワンセグも視聴可能なAM/FM名刺サイズラジオだ。2008年4月14日現在の実勢価格は26,000円前後
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XDV-G200は、2008年4月10日発売予定となっていたが、どーもそれよりかなり早く発売開始したもよう。ともあれ、購入してから既に半月ほど使っているので、以降はXDV-G200の機能・使用感について書いてみたい。
まず本体だが、サイズが約5.8×9.2×1.4cm。前面はほぼカードサイズで、立体物としてはタバコの箱を半分くらいの厚みにしたというイメージだ。質量は内蔵電池を含めて約87g。名刺サイズラジオとしてはフツーな感じだが、ワンセグ端末にもなることを考えるとヤケに軽いという印象が残る。
なお、主な付属品は充電スタンド、キャリングケース、ステレオイヤホン、ACアダプタ、ヘッドホンアンテナアダプタとなる。
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本体サイズは約58×92×14mmで、質量は約87g(内蔵充電池含む)。持った感じは(やや高機能気味の)名刺サイズAM/FMラジオと同等だ
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スタンド機能付きの専用ケースが付属する。セミハードケースってよりもソフトケースに近い感じ
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電源は内蔵充電池のみなので、使用前に充電スタンドに乗せて充電する。充電時間は約3時間で、電池持続時間(イヤホン使用時)はワンセグ受信時で約8時間、FM受信時で約18時間、AM受信時で約22時間となっている
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携帯性はメチャ高いですな。小さく軽い。また、後述するが受信感度もけっこー良くて、操作性も平易だ。ワンセグ録画には非対応ってのはプチ残念だが、ポケットラジオ常用派には魅力となる点が多いXDV-G200である。
■ 3つのジャンルの放送を受信
前述のとおり、XDV-G200はワンセグに加えてAMとFMの受信にも対応している。また、基本的には本体にプリセットされた周波数をボタン一押しで選ぶ(選局する)ので、ま、数度ボタンを押せばワンセグ観られたりラジオ聴けたりするヨ、てな感じ。
ワンセグ、AM、FMをそれぞれ受信したところ。AM/FMは、周波数を選択後、画面表示が消えてから音声が聞こえる。画面を表示しつつの音声出力は行なえないようだ
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選局は、プリセットから選ぶ。使用する地域を設定すると、その地域で受信可能な局が自動的にプリセットとして選べるようになる。なお、AM/FMに関しては、手動での周波数指定も行なえる
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使用開始時、XDV-G200を使用する地域を設定する必要がある。その地域で受信可能な局をプリセットとして自動設定すために、ですな。
地域(プリセットリスト)は3つまで登録可能。例えば、主に東京で使うが、時々大阪で使うし、たまに札幌でも使う、という場合。プリセットリストを変更するだけでその地域で受信可能な局をサクッと受信できるというわけだ。
なお、プリセットの選択は、本体前面のジョグレバーもしくは本体上面の選局ボタンの押下で行なう。操作ボタン類は、本体背面にホールドスイッチのみがあり、その他は本体前面・上面・左右面にある。
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本体左側面にはイヤホンジャック(特殊形状)、イヤホン・スピーカー切り替えスイッチ、ノイズカットスイッチがある
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本体前面・上面には、主に選局のためのボタンがある
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本体右側面には、音量調節、受信ジャンル切り替え、画面表示切り替え、設定のためのボタンが並ぶ
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操作感は、細かな設定を行なう時以外は、ほぼ説明書レスで使える平易さがある。ので、ま、ラジオを使ったことがあるなら、全体的に無問題で使い始められるだろう。
受信のためのアンテナは、ワンセグは専用のヘッドホンアンテナアダプタを使い、FMはヘッドホンアンテナアダプタ+ステレオイヤホン等を使い、AMは内蔵バーアンテナを使う。単体のイヤホンをつなぐミニジャック等はなく、AM放送を内蔵スピーカーで聴く場合を除いて“ヘッドホンアンテナアダプタ”と呼ばれる中継コード兼アンテナが必要になる。
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ヘッドホンアンテナアダプタ。本体とステレオイヤホン等を接続するためのアダプタであり、かつ、ワンセグおよびFMを受信する場合のアンテナ(FMの場合はその一部!?)となる。コレをなくしたりすると、XDV-G200がAM専用ラジオになっちゃう!?
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ヘッドホンアンテナアダプタを抜いた状態で使おうとすると、こんな表示が。XDV-G200利用にはかなり必須度の高いヘッドホンアンテナアダプタ様なのであった
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多くのケースで、このような状態で使うことになる。イヤホンで音を聴く場合、ヘッドホンアンテナアダプタの先にイヤホンを接続する
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XDV-G200使用時には必須な感じのヘッドホンアンテナアダプタだが、短く邪魔にならないアダプタ・アンテナなので、大きな違和感はない。が、本体につなぐコネクタ部が特殊形状なので、断線したり消失したりすると、専用の代替えパーツを買うしかないですな。その点だけ、なんかこう、残尿感に似たモヤモヤが残る。
あと、コレ、基本的にはイヤホンで聞く受信機かな、と。内蔵スピーカーもあるが、なにせ小径なので、高音が目立ちがち。聴きやすいという印象ではなく、一応スピーカーから音も出せる、という感じだ。
■ 比較的に良好な受信感度
受信感度だが、AM/FMにおいてはまずまずといった感じで、フツーかナ!? と。
しかし、ワンセグはけっこー粘り強く受信してくれるようで、ワンセグ受信難な拙宅仕事場でも、やや窓に近い位置なら受信できたりする。拙者が持ってるワンセグ対応機器の中では、最も感度が良いかも!! みたいな。
外出時にも試してみたが、AM/FMにおいてはまずまず。っていうか、驚くような受信状態ってのがナイだけで、フツーに問題なく受信できるってことで“まずまず”っす、前述の“まずまず”も合わせて。
屋外でのワンセグ受信だが、こちらも良好。短いヘッドホンアンテナアダプタだけプラプラさせておいても、そうそう動画が途切れることがなかった(←拙者が試したエリア・状況では)。ちっこいワンセグ受信機なのに、いろいろな場所で常々ガンバリを見せてくれるという印象だ。
ただ、電車内だと状況によってかなり違って、経路によっては途切れまくりだったり受信不能だったり、意外に受信し続けたりする。周囲に人がいっぱい居たりすると受信状況が悪くなったりも。こればっかりはしょうがないですな。
でもコレ、やっぱり室内(特に鉄筋構造)では受信がキツい。窓際でも、窓ガラスに鉄線が入ってたりすると、やはり厳しい感じ。充電スタンドに乗せたまま充電しつつのワンセグ垂れ流し状態もOKだが、室内でワンセグ受信するにはソレナリの工夫or機材が必要になった。
で、拙者が試したのが次のふたつの方法である。
■ 室内で強引にワンセグを観る!!
最初に試したのは、ケーブルテレビや屋外アンテナから受信した信号を“XDV-G200に伝える”という方法だ。契約先のケーブルテレビ会社によってはデキナイ場合もあるが、比較的に単純っていうか原始的な方法なので、誰でも作れる&試せると思う。
細かい話は抜きにして、作るモノを言うと、一般のアンテナ用同軸ケーブル(75Ω)の一端を14.5cmに剥いたものである。この片側を室内のアンテナジャック(屋根の上のアンテナやケーブルテレビから来ているアンテナ端子)に接続。もう片側の剥いたほーを、XDV-G200のヘッドホンアンテナアダプタに近づける。
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75Ωの同軸ケーブルを使う。一端は壁等のアンテナジャックに接続するので、両端にプラグがあるものを流用(片側のプラグを切り落として使う)してもよさげ
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このように同軸ケーブルの一端を14.5cm(λ/4長)に剥き、シールド線のみを除去する。中央の銅線部はそのまま14.5cm残るようにする。なお、このケーブルを使う場合、中央の銅線と外側のシールド線はちゃんと絶縁することが大切。接続するとアンテナの効果が出ない他、分配器経由で接続されている機器の故障につながる可能性がある
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シールド線を除去し、テキトーに処理を施せば完成。なお、14.5cmなのは、おおよそワンセグの波長の1/4の長さとしたため、なん、です、けど、違ってます? イマイチ自信ナイっす。てか大雑把&テキトーですいません
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受信アンテナ→アンテナジャック→剥いたケーブルの先まで信号が伝わり、剥いたケーブル先端14.5cmのところから電波が出るっつーか漏れて、XDV-G200のアンテナ(ヘッドホンアンテナアダプタ)に伝わるであろー、と。
ただし、この自作ケーブルをアンテナジャックや分配器等とつなぐ場合、“ケーブル中央の銅線と周囲のシールド線が確実に絶縁されているか確認すること”が肝要。絶縁されていないと、うまく働いてくれない他、このケーブルがつながっている先の機器の故障を招く恐れがある。てなわけで、試すなら自己責任でヒトツ。
さて、結果、なかなかうまく行った。ワンセグを全く受信できなかった室内で、XDV-G200のアンテナ棒マークが2~3本立って良好に受信できた。gigabeatでも試してみたが、同様に受信できた。見栄えは悪いが、室内でのワンセグ受信をケーブル+コネクタ代程度で実現できるケースが多い気がする。周波数パススルー方式でケーブルテレビ局からの信号を受けているなら、恐らく問題なくデキる予感。
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拙宅室内ではほとんどワンセグを受信できない。感度が良いと思われるXDV-G200でも無理っス
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自作のヘンテコな線を近づけると……このようにシッカリ受信できるように。ただ、自作のヘンな白い線とXDV-G200のヘッドホンアンテナアダプタをほとんど密着させないと効果が出ない
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アンテナマークも良好状態。とりあえず室内でもワンセグ受信がOKに!!
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それからもうひとつ、買えば即使えるワンセグ・地デジ用の室内中継アンテナも使ってみた。ココで買ってみた。具体的にはパーソナルタイプというのを。
コレ、やはりケーブルテレビや屋外アンテナからのジャックと接続する機材だが、ポイントはアンテナからの信号を室内でいったん発射するトコロ。超小型放送局を室内に設置する感じですな。上記の自作のヘンな同軸ケーブルのように、XDV-G200と線とかを密着させる必要があまりない。ので、便利であろー、と試してみた。
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本体サイズは10.7×2.6×5.6cm。付属ACアダプタとともに使う、ワンセグ・地デジ用の室内中継アンテナなのだ
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本体にアンテナ線を接続すると、アンテナ線から入ってきた信号を電波にして飛ばす。それをワンセグ等受信機が受信する。で、ワンセグ等が観られるというシクミだ。なお、ケーブルテレビ局からの信号(アンテナ線)の場合、その信号が“同一周波数パススルー方式”でないと利用できない
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このように、室内でもワンセグを受信できるようになった。機器間の距離はある程度が近い必要があるが、ここまで接近させなくてもよい
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結果、便利っす。ただ、安定性に関しては、前述の自作同軸ケーブル(@拙宅環境)の方が高い。この室内中継アンテナだと、周囲に置いてあるモノや電気製品からのノイズ等により、良好に受信できないチャンネルが出てきたりするもよう。また、場合によってはプラスドライバーで微調整を行なう必要がある。市販の家電品、というほどはサクッと無問題&快適には使えないかもしれない。
でも、既に室内にあるアンテナ線に分配器を追加して、この室内中継アンテナをつなぐ程度で、これまで無理だった室内ワンセグ受信がOKになるってのは非常に有り難い。どんどん普及&高性能化して欲しいハードウェアのひとつですな。
とか、大きく横道に逸れちまいました。
さて、XDV-G200。画面が小さいので、字幕も小さいとかテロップが読みにくいとかって難点もある。が、実質、名刺サイズラジオで、内容的にも今時的ポータブルラジオで、さらにワンセグも観られるとなると、ラジオ派の人はこーゆーハードウェアへの買い換えも現実的ですな。
実勢価格は26,000円前後と微妙に高めだが、現状、拙者環境にてけっこー活躍中だったりする。てなわけで、こちら方面がお好きな人は、一度チェックしてみるとおもしろいと思う。
■ URL
ワンセグ視聴も可能な名刺サイズAM/FMラジオ「XDV-G200」製品情報
http://www.sony.jp/products/Consumer/oneseg-radio/products/XDV-G200/
2008/04/14 14:12
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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