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体験の価値アリの映像美!
世界初、有機ELテレビ「ソニー XEL-1」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


世界初の有機ELテレビ、ソニーXEL-1

XEL-1は11V型の有機ELパネルを採用したテレビ。地上/BS/110度CSデジタルチューナを搭載したデジタルテレビで、発売直後から品薄状態であって、拙者は買いたいんであるが、買えない状態っス
 2007年10月1日に発表されたソニーのXEL-1。世界で初めてテレビに有機ELパネルを採用したという製品ですな。俺的には有機ELには興味があったものの、11型で20万円かぁ~、解像度が960×540ドットなのかぁ~、と微妙な気分でXEL-1を思ってきた。

 が、発売前に実機を借りることができたので、モノは試しって感じで使ってみた。ら!! これがッ!! イカスんですよマジで!! 試用開始後すぐに現実的なXEL-1購入を考え始めたほど。

 さておき、以降、XEL-1の使用感をレポートしてみたい。なお、XEL-1の詳細についてはソニーの製品紹介ページをご覧いただきたい。また、AV Watchでも詳しいレポートが読める。


常々目に触れるハードウェアとして、イイ!!

 まずですね、XEL-1、電源を入れる前からいろいろな驚きがあったりする。ぶっちゃけ、美しいっすコレ。余計な意匠はほぼナシって感じで、自己主張するようなアク(イヤらしさ!?)がない。が、静かにしっかりとした存在感を醸し出している。こういうモノをクールっつーんじゃないだろうか?


直線的なデザインを施されたXEL-1。黒とシルバーのカラーリングっていうか素材感は、どこに置いても周囲の雰囲気を崩さなそうである。ボタンや刻印等も非常にシンプルだ 後ろから見ても美しい。ケーブル類をつなぐとXEL-1の美しさ16%ダウンって感じだが、背面までこんなにキレイなテレビってちょっとナイですな 薄型のリモコンが付属する。ソニーエリクソン製のGSMケータイみたいな感じでカッコイイ。操作感・ボタン押下感も良好

 こういう外観、小型・超薄の有機ELパネルだからこのカタチができた、とは思うんだが、ナゼこのよーな風情のテレビが出てこなかったのか!? とか思う拙者。このプロダクトデザインはかな~りイケてると思うので、ぜひ実機をその目&手でアレコレしてみて欲しい。

 外観を眺めつつ改めて驚くのは、パネル面の薄さ。最薄部は約3ミリなんだそうで。VAIO typeTかオマエは、とか思いつつパネル面を動かすと、垂直から下向きに15度、上向きに55度チルトする。ここまで大きくチルトしてもごく限られた使用状況でしかメリットを感じないとは思いつつも、カッコイイから許すことにした。

 けど、一瞬、左右に首振りしないのは少し残念だと思った。例えば本体底面が回転式で、本体毎左右に向きを変えられたらさらにイカシてるのに、とか。しかもリモコンで自動チルト&左右回転だったら20万円という値段でもちょっとOK度が高くなりそうな気がしたが、気のせいかもしれない。


前側に15度、後ろ側に55度、パネル面が傾く やや高い位置に置いたXEL-1をベッドに寝たりして観るにも、膝の高さとかのテーブルの上に置いたXEL-1をソファに座って観るにも、十二分対応するチルト角度だ チルト動作は非常にスムーズ。パネル面の端を指先で押してチルトさせても、パネルが歪んだりしない──十分な剛性がある。全体的に高級感がある触り心地ですな

 この超薄パネルだが、パネル面全体に十分な剛性があると感じた。パネルの端っこをつまんでチルトさせても、パネルが歪んでヤバそう、てな印象はない。チルト時の抵抗もちょうど良く、指先で容易にチルトでき、チルトさせた位置でスッと固定される。

 やや余談だが、XEL-1に何かを表示させた状態で人に見せ、次いでそのパネルの薄さを見せると、ほぼ100%の確率で「おぉ~」とか「うわ~」とか驚きますな。別に薄きゃぁイイってモンでもないとは思うが、この未体験の薄さ、そしてこーんなに薄いのにこーんな映像(後述)、という事実には、2007年現在の現代人を驚かせるに十分なインパクトがある。


体験の価値アリの映像美

 XEL-1の外観をひととおり見たあたりで、拙者の物欲はわりと汗をかいていた。11型かぁ~ヒトリ用テレビにジャストなサイズだなぁ、しかも外見カッコイイし、ソニー製品のエッセンスがあるっつーか、モノとして買いたい気分だなぁボカァ……とか思いつつ電源を入れてみると。

 この時点でXEL-1触るの中止してソッコーでネット通販ショップ検索モードですよ。買うゼーッ!! と。マウスボタン連打で探しまくり。だが、時既に遅し。もはや品薄であり簡単には買えない感じ。

 さておき、もーね、XEL-1の画質なんですよ決め手は。コントラスト比100万:1以上とかSuper Top Emission技術とか難しいコトにはピンと来ねぇ俺っすけど、見れば明らかにわかるXEL-1の表示品位。けっこー初体験な感じ。特に黒の締まりというか、黒が黒であって白が白であって、途中の明るさはシッカリと途中であって、というリアルさ。これにピーン!! とキまくりである。


デモのMPEG動画を表示させた例。XEL-1の画素数からは予想できなかったリアルさが感じられた。動画は画素数じゃないのかも!? コントラストなのかも!! とか思ったりして。……でも、写真だと非常にわかりにくっスね。デジカメのラチチュードでは、XEL-1のコントラスト比を写せません~


 こういう映像は、文章と写真でイメージを掴むとか、他人の感想から想像するとかじゃなく、実際にアナタの目で確かめるのが大吉であろう。いや、確かめる、というより、体験しに出かけるという感じで、期待してショップにゴーと言えよう。凄いからコレ。……でも、一応、拙者が驚いた映像的美しさのレポートを。

 拙者環境で特に驚いたのが、最近購入したソニーのHDDフォトストレージであるHDMS-S1Dと接続した時の、XEL-1の表示。XEL-1上にデジカメ画像を表示してみたんですな。

 XEL-1での表示は、ヤケに存在感があって艶めかしいのだ。キャリブレーションを取ったPC用ディスプレイでの表示と比べると、XEL-1側はやや彩度が高いようにも感じるが、色が飽和するとかいった違和感はない。XEL-1での表示はコントラストがヤケに高く感じられたりもするのだが、そんなわけでもなく、明暗階調は実に滑らかだ。てか、なんか、ルーペでリバーサルフィルム見てるみたいに。


ソニーのHDMS-S1DとHDMI接続してのデジカメ画像表示例。パッと見の印象は拙者が今まで使った個人向け液晶製品の中ではダントツにイイ。明るいところも暗いところも階調が失われず、特に黒がガッチリとブラックに出るトコロがステキ


 まあ、ディスプレイの解像度は、PC用が1,600×1,200ドットでXEL-1は960×540ドット。大差があるので、細部をよーく見ると、XEL-1の方が粗い。んだが、しかし、映像的な存在感はXEL-1の表示の方がずっと大きく見える。デジカメ画像を精査するためのモニタとしては高品位なPC用ディスプレイがいいと思うが、鑑賞して脳内記憶をくすぐるならXEL-1のほーが圧倒的に愉快、という印象を得た。


小さいテレビとして

 XEL-1をテレビとしても試用してみた、ってヘンな言い方ですけど、地デジとかを観てみたってコトですな。

 率直なところ、42インチ・フルHDパネル(1,920×1,080ドット)・ドットバイドット表示のハイビジョンテレビっていうか拙者使用中のREGZAと比べると、地デジ等々視聴におけるXEL-1の表示品位はそーんなに印象に残らない。

 紀行モノとかゆっくりジックリ観ればまた印象が変わるとは思うんだが、フツーの番組とかだとテロップあたりに目がいっちゃう──おそらくはスケーリング処理からくる文字エッジの僅かなザラつきやボヤケ感ばかり印象に残り、XEL-1の持ち味は地デジ等々のデジタル放送ではよく見えてこないという感触。

 あと、コントラスト比の高さからか、通常の表示モードだと観ているとちょいと疲れますな。明るすぎる鋭すぎるというイメージで、ダラッと観るには映像が鮮烈過ぎる感じ。だが、明るさやコントラストを調整すれば違和感なく楽しめると思う。

 それと、有機ELの残像感のなさだが、今時的液晶パネルと比べて明らかに……という印象は薄い。確かに速い動きの場面でも一瞬の残像感が少なく感じられるが、そう感じられた瞬間に改めて「残像感、どうかな?」と目をこらすと、やはり残像っぽいモノを感じたりして。とは言っても、一昔前の液晶パネルとは比べものにならない表示追従性があるとは思う。

 なお、有機ELパネルの特性上、視野角はヒジョーに広い。ていうか視野角という概念を当てはめるのはお門違いとも言えるが、真横から観てもほぼシッカリと見えたりするのは新鮮だ。


このように、どんな向きから観ても、表示の色が変わるようなことが非常に少ない。これは有機ELパネルが、それを保護するガラス素材面のすぐ後ろで発光しているからだ


 他、XEL-1はDNLA対応だったりフォト再生機能があったり、番組表なんかもけっこー見やすかったり、クロスメディアバーでサクサクッと使えたりする。シンプルながらも実用的な機能を多々搭載している感じですな。


XEL-1の番組表表示。設定により、同時に7、5、4チャンネルの表示を行なえる。7チャンネル表示にしてもけっこー見やすいですな 機能設定等はおなじみのクロスメディアバー・インターフェイスで行なう 写真、音楽、動画を外付けのUSB機器から再生することもできる。USBメモリに入れた動画や写真をXEL-1に挿せば、XEL-1で再生できるのだ

 でも拙者的には、テレビとしてのXEL-1には、この小ささがかなりイイ味出してるんではなかろーか、とか思う。デジタル放送時代に、テレビが11V型のみ、ってのは微妙に寂しいので、パーソナルユースのサブテレビって感じで。こういう表示クオリティがあって、このくらいコンパクトでカッコイイテレビって、他にナイじゃないスか。そういう意味で。


HDMIで汎用AVディスプレイとして

 俺の場合、もはやXEL-1を超欲しい買いたい使いたいと考え中である。その理由は、第一に有機ELの(というかXEL-1の)表示クオリティ。第二にディスプレイサイズと外観。第三はテレビとしてだが、正直なところ、デジタルチューナーでテレビ放送観るってより、HDMI対応AV機器を接続して使いたいという欲求が強い。

 例えばハイビジョンビデオカメラ。あるいは前述のようなフォトストレージ製品。画像再生のためにPCとHDMI接続して使う(んならDLNA使えよ>俺!?)ってのも良さそう。ちょっとつないで、高画質で再生して、ひとりで楽しむ、という使い方によく向くXEL-1だと感じる。また、実は恐らく最強に高画質なデジタルフォトフレームとしても秀逸な機構・性能を持つとも思う。


前述のフォトストレージ、ソニーのHDMS-S1Dと接続中。デジカメ写真を手軽かつ高画質(というか好印象)で楽しむにはベストマッチな機器類だと思う ソニーのHDD式ハイビジョンビデオカメラ、ハンディカムHDR-SR8と接続中。ちょっとつないでちょっと楽しむ、という感覚で使える。XEL-1は音もなかなか良いので、本腰入れて鑑賞!! とまでは行かないスタンスで観る時、この11V型・高画質が大きな魅力となる パナソニックのフルHDビデオカメラ、HDC-SD7と接続中。HDMI対応AV機器ならだいたい何でもつながるヨ!! って当然ですな

 あと、これは拙者の超個人的な嗜好かもしれないが、XEL-1ってかな~り小さいのである。上の写真、XEL-1の近くに置いた小型の各AV機器と比べていただければ、XEL-1のサイズが掴めると思う。

 で、ですね、こういう小さいディスプレイに、非常に美しい映像が表示されたりするのって、良くなくなくなくなくないですか? 現実的に、デスクサイドに置いて個人的に美麗映像を楽しむため、というニーズはあると思うが、それとは別に、このサイズの表示装置でありかつ高画質って、良くなくなくなくないですか? 映像系データ表示装置としてカッコ良くて小さくて高画質って、良くなくなくなくないですか? しかも!! テレビとしても使える!!

 ……って本末転倒な俺ですけど、こういうパネルサイズであり、ハイビジョン系AV機器を容易に接続可能であり、前述のとおり明らかに斬新的美麗映像を表示するとなれば、やはりHDMI対応汎用モニターとして使いまくりたくなる拙者だ。

 きっと、今後、XEL-1よりも大きなパネルサイズの有機ELテレビが出てくると思う。ま、この画質観ちゃうと、より大画面、より高画素(例えば1,920×1,080ドットのフルHDパネル)の有機ELテレビが欲しいと思うのは拙者も同じ。だが、小さいサイズの高画質テレビも残って欲しいっていうか作り続けて欲しいんですよ。

 てなわけで、XEL-1には十分満足であり、品薄状態でなくなったら買おうかナと思っておるわし。また、XEL-1の高画素版なんかが出てきたら気絶した瞬間……と予想される拙者だが、“こういうサイズで高画質”という点もぜひ継続して欲しいと思う次第だ。



URL
  有機ELテレビ「XEL-1」ニュースリリース
  http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200710/07-1001/
  有機ELテレビ「XEL-1」製品情報
  http://www.sony.jp/products/Consumer/oel/
  夢の超薄型有機ELテレビ。ソニー「XEL-1」を試す(AV Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20071015/xel1.htm

2007/12/03 14:02

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