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なかなかイイじゃんコレ!! 「NTTドコモ eggy」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


おもしろそう!! だけど……

eggy

 ドコモの動画配信サービスに対応した端末「M-stage visual」。PHSに接続して利用する。コンパクトフラッシュ Type IIスロット装備なので、P-in Comp@ctも利用可能
 去年の暮れにさしかかろうという頃、ドコモが新しいストリーム動画配信サービスのM-stage visualを発表したと同時にケータイWatchでもそれが報じられた。で、それを見た俺は、とりあえず「むむむっ!! いよいよマジでヤルつもりか!!」と気合上昇。

 M-stage visualの詳細についてはココを見ていただきたいが、ともかく、コレはアレだ、ドコモとゆーお金を持ってるキャリアがマジメに始めた、ひとつのビデオオンデマンドサービス。ユーザーが「これ見たい!!」とリクエストすると、サーバーが動画を送ってくれるという、非常に個人的スタンスからインタラクティブに利用できる動画配信サービスなのだ。ビデオオンデマンドサービスに関してはもう何年も前から話題と想像と実験が繰り返されているが、なんかM-stage visualによってイキナリその第一歩がドガンと踏み出された感じ。

 まあ、ホントは、ネット上にレンタルビデオ屋があって、ユーザーがいつでも好きな動画(映画とかネ!!)を観られるのが、いわゆるビデオオンデマンドサービスのイメージだ。MPEG4動画のストリーム配信サービスは、このイメージよりもかなりチープな印象ではある。でも、とにかく、かつてはフツーには利用することができなかったテクノロジーとサービスが、今、出てきた。だから、これは、やはり、試してみたい!! やってみるしかないだろう!! どんな感じか知りた~い!! ということで、さっそくこのM-stage visual対応端末ことeggyをゲットし……と思ったが、迷いが生じた。非常におもしろそうなんだけど……今手を出すのって、どうなの!?

 M-stage visualが発表された去年の暮れにおける来年、つまり今年は、IMT-2000が具体的に始まっちゃう年。高速、高品位、グローバルな通信網が実際に広がり始める年。ドコモ的に言えば、W-CDMA開始の年でありFOMA元年だと言えよう。つまり、従来にはない速さでデータ通信が可能なFOMAサービスが始まるので、M-stage visualみたいなマルチメディア系の配信サービスはこっち(W-CDMA)とかを使った方がいろんな面で便利・快適なのだ。

 とゆーコトは、やはり、PHSで64kbpsとかでやるM-stage visualは、FOMAのための実験的行為!? ていうかFOMAのための起爆剤!? あるいはFOMAのための客寄せ!? みたいな気がしてくる。とりあえず始めてそのコンセプトや内容を知らしめるということを主眼に置いたサービスなのかも、てのは誰もが感じるところだろう。

 でもやっぱ使ってみたい!! もうソコにあって、実際に使って試して楽しめそうなサービス!! くわッ!! 関係ねえよ!! 興味があったらヤルしかねえ!! そうなんだよアニキ!! やるんだよアネキ!! ということで、バーッと買っちまいました、M-stage visual対応端末ことeggy。ちなみに、年末ってコトで超忙しくて出歩けないって感じで、やっぱネット通販で購入。インプレスダイレクトドコモコーナーで2万3800円なり。


ふぅぅぅ~ん、のM-stage visual

eggy

 背面のコンパクトフラッシュ Type IIスロット。「製造 シャープ株式会社」の印字がある
 eggyは、前述のように、M-stage visual対応端末。と言うよりもむしろ、M-stage visualの動画配信サービスを利用するためには、今のところeggyを使うしかないわけで、M-stage visual=eggyみたいな感じだと言えよう。eggyの詳細についてはドコモの紹介ページをご覧いただきたい。スペックの詳細はこちらの方が読みやすいかもしれない。

 ともかく、まずはeggyでM-stage visualを体験してみた。eggyで使える通信回線は、ドコモのPHSのみで、M-stage visualを利用するためには、eggy以外に64K対応(32Kでも可)のPHS端末が必要になる。eggyへのPHS端末の接続は、ケーブル接続でもいいし、eggy本体のCFカードスロット(Type2)にP-in Comp@ctを挿してもいい。俺の場合はP-in Comp@ct。使い始めるには、ドコモの携帯電話・PHS専用のプロバイダーサービスのmoperaおよびM-stage visualへの加入が必要で、基本的には加入した翌日からM-stage visualを利用できるようになる。


eggy

 電源は専用リチウムイオン充電池。連続動画撮影約65分、連続通信時間はP-in comp@actで約60分、ドコモのPHS端末と専用ケーブルで接続した場合は約70分
 とは言え、手順としては簡単で、例えばeggyとP-in Comp@ctがあれば、ドコモに電話するなりしてmopera(およびM-stage visual)へ加入し、その翌日にeggyのクイックスタート(通信設定ウィザードみたいなモン)を使えば、すぐに動画配信を受けられるようになる。

 さて、M-stage visual、しばらく試してみた結果の率直かつ個人的な印象は、積極的に観たくなるようなコンテンツがあんまり多くないというコト。コンテンツ自体はかなりいっぱいある。コンテンツ一覧ページを参照していただければ話が早いが、とにかく、毎日観ても見尽くせない数があると感じる。が、単純に「このコンテンツすげーおもしろいなぁ」と感じられる動画がなかった感じ。

 M-stage visualは、現在のところ(キャンペーン期間中!?)は1分15円のPHS通信料金だけでいろんな動画を観まくれる。多くの動画は1~2分程度の長さ。15秒CM的な短い動画もある。なので、まあ、1コンテンツ観るのに10円とか20円程度しかかからない。わりと安い感じなのだが、その分(なのかどうか不明だが)、コンテンツ自体がなーんかお座なりな印象がある。手持ちの動画をテキトーにMPEG4化してテキトーに用意してるよーな気がしたりして……。こーゆー言い方はコンテンツ提供者さんに対して失礼かもしれないが、比較的に“期待して観てみたらガックリ”みたいな内容の映像が多い。

 まあ、どこをどうおもしろがるかつまんながるかは、観る者の主観によるところだ。だからもしかしたらアナタにとっては最高におもしろいコンテンツだらけという可能性もある。また、中には役立ちそうなコンテンツ(ニュース系とか情報系)もあり、ユーザーによってはすっげぇ便利ってコトになるかもしれない。でも俺の場合は、ふぅぅぅぅん、そうなんスか、そしてeggyの電源OFF、みたいなケースが多かったってコトですな。

 とか言いつつも、実際は懲りずにコンテンツを観ている俺なのであった。やはり期待しているのである。この世界初のワイヤレスで本格的な映像配信サービスが、どう変わっていくのか。そしてどうおもしろくなっていくのか。これに期待し、また、その変貌の過程を見ていきたい気持ちで、何となく連日のようにコンテンツを見たりしている。


強力な通信端末としてのeggy

eggy

 P-in Comp@ctと一緒に利用すれば、強力な画像・動画携帯通信端末に
 M-stage visualについては、これから成長していく新しいサービスってことで暖かい眼差しで見守ることにした俺だが、ところで、このeggyというハードウェアが、かなーりイケてるんじゃないかと感じている。

 eggyはM-stage visualのためにある端末、という印象が強いが、実はeggyからM-stage visualを切り離しても、かなり強力な通信端末だったりする。というのは、まず、eggyにはかなりマトモなメーラーとウェブブラウザが搭載されている点。常用のプロバイダーやメールサーバーを利用し、フツーにメールを送受信できて、フツーな感じのウェブページを表示させられる。例えばP-in Comp@ctを挿して使えば、本体だけを持ち歩く感覚で、だいたい1時間程度連続通信できるネット端末を使えるわけだ。コレってけっこう他のPDAとかと張り合っちゃう感じじゃないスか!? とか思ってしまう。

 それと、eggyはデジカメとしてもMPEG4動画ビデオカメラとしても使える。機能的にはシャープのインターネットビューカムVN-EZ1に非常に近いものを持っている。外見的にはなーんかオモチャみたいな感じがするeggyだが、デジカメとして見ると、他のトイカメラよりも1~2段上の性能を持っているのだ。ちなみに、撮影できる画像は、静止画が640×480ドット、MPEG4動画が320×240ドットか160×120ドットのもの。本体に6MBのメモリを内蔵しているので、実用的な量の静止画や動画が撮れる。また、CFカードスロットに挿したCFメモリカードへ動画等を記録することもでき、CFカードにMPEG4動画記録しまくれるって点では、もしかしたらインターネットビューカムよりも便利かも~なんて思ったりもする。


 ところで、CFカードにMPEG4動画と言えば、思い浮かぶのがザウルスの最新機種ことMI-E1だと言えよう。eggyで撮ったMPEG4動画をCFに蓄え、そのままMI-E1のCFカードスロットに挿したら、もしかしたらMPEG4動画をザウルス上で再生できるかも!! と思って試したが、そのままじゃダメだった。MI-E1でCFメモリカード上のMPEG4動画を再生する場合、そのMPEG4動画がCFメモリカードの特定のディレクトリに入っている必要がある。でも、eggyが作ったディレクトリは、MI-E1が認識してくれないのだ。なので、ファイル移動用のMOREソフトなどを利用するか、あるいはパソコン上でCFメモリカードのMPEG4動画を別のディレクトリに移動するかしないと、MI-E1でeggyの動画を再生することはできない。

 でもMOREソフト入れればできるわけなので、実際はMI-E1とeggyの連携使用はイージーだと言えよう。なお、eggyで撮った静止画も同様、ファイルを別のディレクトリに移動すれば(パソコンデータとして読み込んでから)表示させることができる。

 ああ、ちょっと話が逸れましたな。さて、eggyはインターネットビューカムっぽく(JPEGやMPEG4などのファイルを作り出すデジカメとして)使えるわけだが、これらの画像ファイルは、もちろん、前述のメーラーで送信することができる。当然、JPEGやMPEG4動画などが添付されたメールを受信し、画像を再生することも可能。すなわちインターネットビューカムに通信機能が備わったよーなモンなのであって、これはヒジョーにおもしろい端末だと言えよう。

 で、ここまで見ると、eggyってすげーお買い得感の高い端末なのかもしれないっ!! と思える。俺は2万3800円で買ったわけだが、この値段で、メーラーとウェブブラウザとインターネットビューカムが入った端末って、ちょっとeggy以外じゃ無理なんじゃなかろうか? さらにM-stage visualで遊ぶこともできる。ん~、なんかいろんな切り口から楽しめるハードウェアという感じだ。


使い勝手など

 eggyの使い勝手だが、意外にイイ感じ。ハードウェアとしては、見た目よりもずっとよく手にフィットし、重量・サイズとも持ち歩くのに苦にならない。ボタン類の位置もナイスで、両手で持っての操作がスムーズに行なえる。使い慣れると、ボタン長押しのショートカット機能も便利だ。デジカメとして使った時は、レンズ部を外に向けると記録モードとなり、しまうと再生モードとなるという、インターネットビューカム的な使いやすさを感じる。

 ソフトウェア的なインターフェースも上々。メニュー類には回りくどさ・わかりにくさはあまりなく、テキトーにいじくって何となく使いこなせてしまうというイージーさがある。

 あ、それと、意外も意外、かなりイイと言えるのが、液晶画面。液晶はTFT低温ポリシリコンカラー液晶で、その画素は557×234ドット。バックライト付きでタップ対応(付属のペンのようなもので画面をタッチして操作できる)。で、この液晶が非常に鮮やかで明るくて見やすい。静止画や動画を観た場合でも、物理的な画面サイズが小さい点以外、液晶については特に不満はない。画素も十分にある感じで、メールやウェブページの文字も克明に表示される。ウェブページは左右幅が収まりきらないページが多かったりするのだが、それでもこの本体サイズでここまでしっかりウェブサイトを閲覧できちゃうのには驚く。

 実は、eggyを見た当初、「またこーゆーチープなオモチャみたいなデジタルグッズ出しやがって~」みたいな、比較的にネガティブな印象を持った俺だったりする。が、意外にもすげー強まった通信端末でありかつ、意外にも使いやすいガジェットであることを知り、「ん!! なかなかイイじゃんコレ!!」と、eggyに対するイメージが大きく変わったのであった。


eggy eggy
 小さいながら557×234ドットと高解像度のタッチパネル付きポリシリコンTFT液晶は明るく鮮やか  レンズは、35万画素プログレッシブCCD搭載。P-in Comp@ctを装着すれば、撮影してすぐに静止画やMPEG4動画が送れて愉快。M-stage visualはそんなに見なかったとしても、2万3000円はお得感あり


URL
  M-stage visualとeggyのニュースリリース
  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/00/whatnew1129b.html
  eggy製品情報
  http://www.nttdocomo.co.jp/products/phs/lineup/eggy/index.html

2001/01/22 00:00

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