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斬新!! 斬新過ぎかもっ!! 「リコー RDC-i700」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。



■画像をメールでポスト

RDC-i700
リコー「RDC-i700」。標準価格15万8000円。334万画素、光学3倍ズームレンズ搭載とデジカメ部分の性能も十分。これにWebブラウザ、メーラー、FAXソフトなんかを搭載し、ハード的にもPCカード/CFスロットを搭載した欲張りデジカメ

 ここしばらくの間、ある種の実験サイトであるオルトアール総合雑談中心でいろいろやっている。で、そのサイトの中でちょっと盛り上がり中なのが、写団Zというデジタル画像ギャラリー。6人のデジカメ野郎がサイバーな写真を撮って公開するというコトなのだが、全体的には仲良し写真クラブといった感じで、まあ、おもしろそーな写真をページに貼っているという状況だ。

 ページ内容はさておき、このサイトのページの作られ方がユニーク。普通、Webページを公開する場合は、HTMLでページ内容を記述して、それに付随する画像等データ類と合わせてサーバにアップロードする。だが、写団Zを含めてオルトアールの(ほとんどの)ページの場合、メールで文章や写真をポストすると、それが自動的にウェブページとなる(HTML化される)。

 例えば、俺の日記風コラムページのスタパライフの場合、コラム本文をメールに書き、掲載したい写真をそのメールに添付し、オルトアールのサーバーに対してメールすると、瞬時にメール本文と添付写真がHTML化されてページになって公開される。一般のウェブページに比べ、オルトアール内のほとんどのページは、そのレイアウトが非常に単純だ。また、基本的にはテキストのみのページになるので、ウェブページとしてのバリエーションにも欠ける。が、メールをポストするだけでどんどんページができるので、日常的にページを更新していく方向でのページ作りにはヒジョーにラクなのである。


 で、話は戻って、写団Z。ココもやはり同じく、メールに写真のキャプション(簡単な説明文)を書き、掲載したい写真を添付し、それをポストするとギャラリーが1ページできるというシクミ。また、写団Z内では、最近は“ライブ感”というのがちょっと話題というか何となくのテーマになっていたりして、「撮って速攻で掲載しよう」みたいな雰囲気がある。なので、例えば、デジカメで写真を撮ったら、撮った画像を即サブノートに読み込んで、速攻でメール(写団Zに掲載)するってのが、“ライブ感”というテーマにバッチリ合った方法だ。

 でも、デジカメ持って、さらにサブノートとか持って、撮影しに行って、外で通信して……というのは、ちょっと、いや、かなり面倒。だいたいそこまで気合を入れてないのである、写団Zは。おっさんたちの趣味の写真クラブだし。

 しかし、ラクにできるならば、ライブ感のある投稿をやってみたいなぁと思っていた俺の目にとまったのがコレ、リコーのデジカメ……じゃなくてイメージキャプチャーRDC-i700だ。



■斬新!! 斬新過ぎかもっ!!

 かなり古くからデジカメを作っていたリコーだが、その独特のフォルムっていうか、板型のスタイル・操作性に惹かれ、俺も過去に2台のリコー製デジカメを買った。具体的には、ブラックボディのクールなやつことDC-1と、DC-1をさらに進化させ低価格化したDC-2Lだ。ってかなり古いモデルなので今さら挙げてもしょうがないが。

 最近のリコーはと言えば、やはりあの板型の形状・操作性の印象が強い。なんと言うか、デジカメ界におけるロータリーエンジンスポーツカーRX-7みたいな存在だと感じられる。ってちょっと違うか。ともあれ、最近ではRDC-7という3メガピクセル機や、そのマイナーチェンジ版のRDC-7sという最新機種も出た。板型デジカメがカムバックしたという感じ。で、これらデジカメ、どちらもけっこうイイ感じの性能・機能で、デザインもかなりイカシてると思うのだが、注目度はどうやらいまひとつ。

 この注目度イマイチのデジカメ(ていうかイメージキャプチャーって名前のデバイスなんダ!!)のラインナップの中で、さらに目立たない存在が、RDC-i700である。

 目立たない、とは言ったが、たぶん多くの人に知られているハズ。なんせ、このRDC-i700、パソコン雑誌等のネタとしてはもう絶対確実に扱われるという内容の製品。モノとしてヒジョーにユニークでヒキが強いのだ。具体的にはココを参照していただければ一発把握可能だが、つまり、通信端末としてもデジカメとしても使えるという製品なのであった。

 要するに、俺の場合、RDC-i700で写真を撮って、撮った画像をそのままRDC-i700から写団Zに投稿したかったのであって、俺にとってはまったくベストマッチの製品だったのだ!! だから買った!! ていうか嘘!! 記事中で嘘つくなよ>俺!! 実は、RDC-i700を使えば写団Zに速攻で写真を投稿できるからっていうよりもむしろ、RDC-i700の類い希なる斬新さに惹かれてしまったのであった!! 写団Z云々は単なる理由付け!! 俺に対する説得材料!! 俺はこの変態的なほど重装備で多機能なハードウェアが欲しかったんだよぉわかってくれよぉアニキぃ~!! いや、マジでこんな装置、ちょっと他にはないですよ。


 RDC-i700の機能としては、まず3メガピクセル級のデジカメになる。レンズは光学3倍ズームで、1センチまでのマクロ撮影可能。このあたりはリコーのデジカメが古くからこだわってきたスペックですな。文字撮影用のモノクロモードも健在。それから動画や音声のキャプチャーも可能。今時のデジカメとしてはわりと万全な感じ。

 それから、通信機能。電子メールの送受信が可能で、ウェブブラウザも内蔵。画像をサーバへFTPアップロードすることもでき、LANに接続(LANカードが別途必要)することもできる。パソコンとUSB接続やLAN接続した時は、パソコン側からはRDC-i700がウェブサーバとして存在して見えるという気合の入りよう。

 しかも、メモリや通信カードを挿すためのスロットとして、CFスロットとPCカードスロット(どちらもType II)を備えている。すなわち、P-in comp@ctとかカードエッジが使えちゃうのである。もちろん、両方のスロットにフラッシュメモリカードを挿してもいいし、片方だけメモリカードで片方は通信カードってのもアリ。PCカードスロットに各種PCカードアダプタを挿せば、現在あるほぼ全てのデジカメ用のメモリカードが使えてしまう!! スゴい!! 最強!!

 さらに、リコーお得意のクルリと回る液晶ディスプレイはタップ対応!! ペン操作可能!! もちろんペンは本体に内蔵!! PDAみたいに扱えるんだゼぇ~!!

 というわけで、もうこのおもしろみというか可能性というか、ギラつくほどの斬新さ・ユニークさからくる魅力を、俺はどうしても否定できずに、買ってしまったのであった。ちなみに、結論から申しますと、趣味的にこのデジタル機器を遊ぼうってコトなら買っても問題ありません。おもしろいっス。それから、現在かなりの高値引率で売られているので、お得感も!! つまり、俺と同様、RDC-i700自体を気に入っちゃって、ああアレは絶対にいじくり倒してぇよなぁと思うなら、愉快この上ないハードウェアだと言えよう。ついでに、この機種、フツーのショップじゃあんまり扱っていないので、もう今すぐ速攻で欲しいって人はリコーの直販サイトのNetRicohでポチッとボタンを押しましょう。

RDC-i700 RDC-i700
ボディ側面にCF TYPE IIスロットと、PCカードスロットが。LANカードを使ってLAN接続すると、画像サーバーとしても利用可能。インターフェイスはほかに、RS232C、USBに対応 これひとつで、メール、FAX、Web閲覧、FTPもできてしまう。Watchの取材なんかではかなり便利そうな感じである

RDC-i700 RDC-i700
URLの入力など、文字入力は本体内蔵のスタイラスで 3メガピクセルクラス、3倍光学ズームなど、いまどきのデジカメとしての性能も十分



■だがしかし、やはり結局……


RDC-i700とCOOLPIX950。かなり大きいと言われているCOOLPIX950よりもさらに大きいボディ。なので「撮ったら絶対即送りたい!」というわけではなく、送るかもしれないけど送らないかも程度の気合では、大きさと重量が持ち歩きに負担になりそうな気が
 RDC-i700、前述のように、その多機能ぶりをいじくり回して遊ぶにはヒジョーにおもしろい。特にふたつのスロットがあって、サーバとして振る舞うあたりを考えると、アレもできるしコレもできるしと、ユーザーをニンマリさせてくれる。

 また、写真を撮ったら即メールに添付して送れるという点もかなり実用的。実際お外で写真を撮り、そのままメールに添付して送ってみたが、スムーズに操作できた。メール機能を持つデジカメって他にもいくつかあるが、やはり携帯電話等の端末とケーブル接続せずに(PHS内蔵型通信カード等使用時)通信できる点は、場所を問わず立ったまま画像を送信できて便利だ。

 実際こういった機能が求められるシーンも多いだろう。例えば俺の身近なところでは、コンピュータ関連の展示会取材に行き、新製品の写真を撮り、すぐ編集部に画像をメール。即時性が求められる媒体での利用価値は高そうだ。その他、現場の状況を手早く本部へ知らせる必要がある職種には利用価値が高い。例えば保険業とか広告関連とか、あるいはロケーションハンティングだとか、建設関連とか、けっこうイロイロありそう。

 てなわけで、趣味的にRDC-i700を楽しみたい人や、仕事柄デジカメとメーラーが合体してたら超助かる人などには、かなりオモシロイ・便利な存在だと言えよう。

 だがしかし、コレを単にデジカメとして考えた場合、正直言ってあーんまりオススメできないっていうか、他に選択肢がいっぱいあったりする。また、メールの送受信やウェブページ閲覧ができる端末として考えた場合も、他に多くの選択肢がある。デジカメと通信端末として考えた場合、まあこれは好みにもよるが、どーしても合体してなきゃイヤって場合じゃなけりゃ、フツーのデジカメとフツーの通信端末を持った方がいいような気がする。


 べつにRDC-i700がデジカメとしてダメってわけじゃないのだ。RDC-i700のデジカメ部分の機能は、前述のRDC-7と同等。スッキリと鮮明な画質や、1センチまで寄れるマクロには定評がある。実際俺はRDC-i700で撮った写真(ハードウェア写真)を雑誌に掲載したりしたが、仕上がりも上々でシャープな印刷になった。それから、ペン操作で各種設定ができたり、画像を整理するフォルダを複数作成できるあたりは、RDC-i700ならではの便利機能だと感じる。

 もちろん多少はイマイチな点があって、例えばシャッターボタンの半押し・押下の判断がつけにくいとか、液晶画面が大きいわりには鮮明さに欠けるとか、些細な残念点はいくつかある。が、大雑把にデジカメとして見れば、十分イケてるし高性能だと感じられる。

 一方、メール送受信やウェブページ閲覧はどーなのかと言えば、これはこれでオッケーだと感じる。ソフトウェアキーボードによる文字入力は、まあ多少面倒ではあるが、PDAライクに操作できるので数十文字から百数十文字程度のメールなら書く気になれる。受信したメールを読むのは他のPDAと同様、まずまず快適。実用的な範疇だと言える。出先で一時的にウェブサイトをチェックする点も同様、小さい画面なのでスクロールするのが面倒ということ以外は、とりわけ問題なく使える。

 しかし、結局のところ、RDC-i700は、ちょっとデカいのである。馬鹿デカいわけじゃないのだが、同社の同等性能のデジカメであるRDC-7と比べると「うわっ」てほど大きく感じる。それを考えると、デジカメとしては、まずRDC-7の方がいいかな~などと日和ってしまう。また、通信端末としても、デカい。ザウルスとかPocket PCとかに比べても、ふたまわりほどデカい感じ。

 そりゃしょうがないよデジカメ+通信端末だもん、とも思えるのだが、実際、どちらの機能を使うにしても、常にこのデカさがある。両機能を常用するならば納得できるサイズではある。が、時にはデジカメとして使う、また別の時には通信端末として使う、というふうなフツーの使い方を考えると、やはりこのサイズがネックになってしまう。と同時に、もっとコンパクトで軽快にヤレるハードウェアがいっぱいあったりするのだ。

 って、なんか俺は当たり前のコトを言ってるような気がしてきたのだが、とにかく、デジカメとしても使えるし通信端末としても使えて良さそうだなぁ、とは考えない方がいいと言えよう。デジカメを使いつつ通信端末を使うための装置なのだ、RDC-i700は。あるいは趣味的に堪能するための、異端的ガジェット。単にデジカメを使いたいならRDC-7等の他のデジカメを選ぶが吉だ。単に通信端末を使いたい場合も同様。どっちも欲しいなら別々に買うが吉。両機能をシームレスに使う必要がある時に限ってなら、RDC-i700は便利だと感じた。





URL
  RDC-i700製品情報
  http://www.ricoh.co.jp/dc/product/rdci700/
  スタパ齋藤常時更新中!サイト 「オルトアール総合雑談中心」
  http://www.alt-r.com/

2000/11/27 00:00

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