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わりと俺に合う2枚の英語キーボード
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


わりと俺に合う2枚の英語キーボード

 ちょっと気を抜くとキーボードのことばっかり考えちゃう俺。あ、キーボードっつっても楽器じゃなく(ソレも興味があるが)、コンピュータに入力するほーですな。

 拙者のキーボード話になると毎度登場する(既に作られていない)IBM SpaceSaverなわけで、現在もコレでこの原稿を書いているわけで、しかし世の中にはコレとは別に良いキーボードが多々あるわけで、いつまでもこのキーボードに固執するのもどうかと思うわけで。とかキーボードについて考えちまうんですな。

 本連載記事にてキーボードについて書いたのは、最近ではコレとかコレとかコレとかコレ。記事としては2006年末でキーボード探求の旅は終わったようになっているが、実はまだ、次期主力キーボード発掘意欲は粘着的に保持している。

 今年に入って試したキーボード──あ、拙者の場合は指の記憶がどうしてもアレなんで、基本的に英語キーボードのみとして探し続けているのだが、試した英語キーボードは、確か6枚。そのうち4枚がテンキーレスで非常にコンパクトなタイプだが、これらは全滅であった。キーが引っ掛かる、ごく一部のキーが異端的配列、イイ感じだがナゼか腱鞘炎を起こしがち等々、なかなか自分に合う英語キーボードがない……のは、いつものことかもしれない。

 しかし、この6枚のうち2枚は、コレになら乗り換えてもいいかもしれない、と思えるものとなった。具体的には、1枚はダイヤテックのMajestouch 英語キーボードで、もう1枚はLogitechのdiNovo Cordless Desktopである。


ダイヤテックはFILCOブランドのMajestouch 英語キーボード。色はブラックとホワイトがある。しっかりした作りで良い打ち心地のわりには安価と言えそうな一枚 LogitechのdiNovo Cordless Desktop。英語キーボードですな。マウスとテンキーが付属する。全部ワイヤレスでPCに接続される。Logitechの日本支社(!?)であるLogicoolからは、これと同じ日本語配列キーボードが発売されている

 てなわけで、今回はこれら2枚のキーボードについてレポートしてみたい。


FILCO Majestouch 英語キーボード

 まずはダイヤテックはFILCOブランドのMajestouch(マジェスタッチ)英語キーボード(以下、Majestouch)から。なお、以降の原稿は、このキーボードで書いている。


ベーシックなUS配列のフルキーボードで、キー周囲に余分な贅肉がないあたりもステキ


 このキーボード、その名の通り、標準的なUS配列なんですな。キーボードとしてはテンキーまで含んだフルキーボードだが、サイズ的には前述のSpaceSaverより横が4センチ長い程度。フルキーボードとしては非常にコンパクトな類になる。PCとの接続はUSBもしくはPS/2(付属のアダプタを使用)となる。


普通よりも微妙に大きいIBM SpaceSaver(テンキーレスキーボード)と比べると、こんな大きさ。フルキーボードなのにコンパクトですな。PCとはUSB接続だが、付属のアダプタを使えばPS/2接続することもできる


 肝心の打鍵感は、軽くスムーズでクリック感がほとんどナイのだが、しかし、指先にはかすかに「今、入力した」という感覚が伝わってくるというイメージ。メーカーによれば“ドイツCherry社のMX tactile feelキースイッチを採用”とのこと。

 キーボードのコトばっかり考えてる人たちにとって、Cherry社のMXシリーズキースイッチはよく知られるところ。MXシリーズキースイッチのキートップ側の色から、黒軸、白軸、茶軸、青軸がある。で、押下した時の感触としては、黒軸がなんかこうゴムを押したように「今、入力した」という感触がつかめない。白軸や茶軸は、キー押下の途中で「あっ今、入った」と認識できるクリック感が(多かれ少なかれ)あるもの。青軸は、このクリック感に加えて「カシッ」という音があるので、よりハッキリと入力の瞬間を認識できるタイプだ。


CherryのMXキースイッチの茶軸が使われている。静かで軽いが、最小限のクリック感があるという現代的な打鍵感ですな キートップ等の作りもキレイ。キー上のフォントもシンプルで美しい。安っぽさチャチさは感じられない NumLock、CapsLock、ScrollLock時は、青色LEDが点灯する

 なお、クリック感とか書いているが、クリック感丸出しIBM SpaceSaver(バックリングスプリング機構のメンブレンキースイッチ)のようなクリック感とはまるで違う。Majestouchのキーのクリック感は、指先に意識を集中していてやっと「あ、なるほど、この瞬間に入力されたのか」とわかる程度の小さなクリック感だ。

 それとこのMajestouch、メーカー曰く“キーストロークは約4mmと一般的なキーボードと比較して深く、接点は約2mm押し下げた位置にあり、動作に余裕のある設計です。そのためキーを最後まで押し下げる必要がなく、さまざまな要素からくる打鍵力の違いが原因となるミスタイプを防ぎ、高速にタイピングしやすいというメリットがあります”とのコトだが、なるほど、確かに。

 Majestouchのキーストロークには十分な深さがあって、拙者的観点から言えば「ビシッと深くまで押し込めて痛快」だと感じる。が、深くまで押し込まないと入力できないタイプのキーだと、高速にてキー入力する時にソレナリの力が必要になり、疲れたりして、また、打鍵音がヤカマシくなりがちだ。Majestouchの場合、深くまで押下してもいいし、高速で浅めにタイプしても力を必要としない。

 ちょっとヘンな言い方ではあるが、パコパコと弾むように入力した時にも手応えがあるし、逆にキー表面を指が流れるようにタイプしてもしっかり入力される、と感じる。さらにヘンな言い方をすれば、MajestouchにはIBM SpaceSaverの「打ち込んだゼ!!」感がありつつ、最小限の力&ストレスで多量のキー入力ができると感じる。個人的にはキースイッチとしてCherryの青軸を採用したバージョンが欲しい気がするが、最近使ったコンパクトな英語キーボードの中ではマジで常用する気にさせるナイスな一枚となった。

 でも現在ちょっと考え中。後述の、やはりナイスな1枚があることと、それからMajestouchに小さなイマイチ点があること──ユーザーに合う合わない好き嫌いで、俺におけるMajestouchのイマイチ点を書くと、ひとつはキーボード手前部分がすこーし高い&絶壁状態であること。パームレストかなんか置けば済むことだが、そうせずに使っていて、ちょっと気を抜くとスペースキー左側のWindowsキーあたりを(小指の付け根の下あたりで)押してしまう。


MajestouchとIBM SpaceSaverのキー手前部分を比べてみた。スペースバー手前が絶壁になっているMajestouchの場合、人によっては手首を若干浮かせて打鍵する必要があるかも。SpaceSaverの場合もスペースバーの高さがあるが、スペースバー手前に少しパームレスト(とまでは行かないが)的な出っ張りがあるので、手首を浮かさずに打てる。僅かな差だが、拙者的には一番気にかかった点だ


 ま、でも、Majestouchを使い続ければ慣れて誤押下しなくなると思うんで些細な問題なんスけどね。実際、前の章はIBM SpaceSaverで書き、この章の頭からMajestouchで書いたら最初は前述の誤押下があったものの、このあたりになると全然誤押下しなくなっている。この程度の違和感なので、Majestouchに慣れる自信も出てきたりする。

 他には大きな違和感を感じなかった。購入当初から気分よくタッチタイプできたし、サイズもコンパクトだし、キーボード全体の作りもイイしで、なかなか気に入っている一枚である。


Logitech diNovo Cordless Desktop

 お次はLogitechのdiNovo Cordless Desktop。ここからはこのコードレスキーボードで書いている。なお、Logitech diNovo Cordless Desktopは、日本のLogicoolが出しているdiNovo Cordless Desktop(日本語配列)の英語配列版となる。日本国内では輸入品として購入することができる。


diNovoのキーボード本体部とテンキー部は個別。PCとはワイヤレス接続なので、これらがバラバラでも使用時の煩雑さはあまりない 配列はこんな感じ。全体的にはベーシックなUS配列だが、Deleteキーが縦長だったり、TABキーが妙に小さかったりして、使用開始当初はプチ違和感が残ったりした

 Logitech diNovo Cordless Desktop(以下、diNovo)を買ったのは、US配列のワイヤレスキーボードを見つけていて偶然発見したから。実はdiNovoなどとゆーキーボードは、その存在すら知らなかった。が、発見直後、「あ、そー言えばロジクールの無線マウスとかってイイ感じだし、試しに」と思うと同時に、diNovoはテンキーレスだけれど専用テンキーも付属するという点に惹かれて(高かったけど)購入した。ま、要は、斬新っぽいUS配列キーボードだったし無線接続式なんで、興味本位で買ったわけですな。

 ところが!! コレ使った途端、非常にイイ感触だったんですよ。打鍵感自体は、パンタグラフ構造のキーってことでノートパソコンな感じである。軽く打てるものの、意識せずとも伝わってくるクリック感があり、大雑把に言えばちょいとコシのあるノートパソコン内蔵キーボードというイメージだ。すなわち、IBM SpaceSaverとも、前述のMajestouchとも全然性格が違うキーとなる。

 サイズ的には、文字キー部分はIBM SpaceSaverと同じくらい。だが超薄。キー手前部分には拙者においてちょうど良い高さのパームレスト部があり、これも使いやすい──IBM SpaceSaverやMajestouchと比べると、あるいはこのキーボードが最も手首への負担が少ないカモと感じたりする。


サイズはこんな感じ。パースの関係上、diNovoのキー並びが狭く見えるが、実際はIBM SpaceSaverとほぼ同じだ パンタグラフ機構のキー。まあまあ高級気味なノートパソコンの打鍵感って感じでしょうか? 剛性もあり、たわむ感じはあまりしない。ていうかフツーですフツー パームレストを含めて本体は超薄。机上から手首を浮かす必要はほぼないので、あるいはキーボードが原因で腱鞘炎になっちゃったりしてる人に向くかも

 キーボードとしての打鍵感等使用感から言えば、「ココに惚れた!!」という強い魅力はない、ま、言っちゃえばフツーに違和感なく使える一枚ではあるが、俺にとってプラスαとなる魅力が多々あったりする。例えば無線接続であること。付属のUSBレシーバにより、キーボード本体部、テンキー部、さらに付属のマウスをひとまとめにしてPCと無線接続できる。全部コードレスで快適ってわけだ。無線というコトでの安定性だが、現在、Logicoolの無線マウス2機種と同時使用しているが、特に問題は起きていない。

 それからテンキー部。単純にテンキーとして使えるのはもちろん、電卓としても使える。また、温度や日付・時刻を表示させておくこともできる。単独で電卓として使えて、さらに計算結果をクリップボード上に転送=PC上の各種アプリにペーストすることができる。けっこう多機能なテンキーがコードレス=配置が自由ってところで満足できた。


マルチメディアキーボードとしてのdiNovo

 diNovoを常用キーボードにしちゃおうかしら? とかマジで思う。その理由は、前述のようにキーボードとしては可もなく不可もしという優等生なのに加え、無線接続式であったり、テンキーも使えるけど常時は省スペースキーボードだったりするところ。さらに、diNovoはマルチメディアキーボードとしても便利感が強いのだ。

 diNovoのキーボード本体部分およびテンキー部分には、各種のマルチメディア系ボタンが実装されている。メディアプレイヤーを起動したり、音量調整やミュートができたり、音楽や映像の再生・送り戻し・停止等ができたりする、何かと便利なボタンですな。


キーボード本体部左右には、アプリケーション起動用のホットキーやボリューム調整関連のキーが並ぶ。カーソルキーの下側にメディアプレイヤー制御用のボタンもある


左に見える[F-Lock]キーを押すと、ファンクションキーが拡張ファンクションキーとして機能する。機能は刻印の通りだが、ユーザーがカスタマイズすることもできる テンキー部にもメディアプレイヤー制御用のボタンやボリューム調整関連のボタンがある

 またキーボード本体部には、カスタマイズ可能な多目的ボタンが豊富に実装されている。一発押下でウェブサイトのポータルを表示できたり、メーラを起動できたりする専用ボタンの他、ファンクションキーの拡張機能として、12種類のショートカットを登録することができる。このショートカット、デフォルトでは[新規作成]や[返信]や[保存]等、多用しそーなものになっているが、ユーザーが使いやすいようにカスタマイズすることができる。

 で、そのカスタマイズだが、Logitech(Logicool)製品ゆえ、キーボードやマウス等の統合ドライバであるSetPointから行なえる。Logicool製のマウスを使ったことのある方なら話が早いが、要はSetPoint、デバイスのボタン機能を高い自由度にて設定できるのだ。また、diNovoのみでなく、MX1000とかMX Revolutionとかを一括して管理・カスタマイズできるのも便利。


diNovoの設定やカスタマイズにはSetPointを使う。マイキーボード、というタブからdiNovoの設定等を行なえる diNovoの各種ホットキーは様々にカスタマイズできる。ま、一般的なマルチメディアキーボードのホットキーと同様ですけど、使い始めるとやっぱり便利スね

拡張ファンクションキーにも、ホットキーと同様のカスタマイズを適用できる。キーストロークの登録も可能だが、ナゼか[Alt]+[`]が登録できないのであった(悲)。ホットキーも同様に[Alt]+[`]はダメであった(泣)。わしの環境だけなんでしょうか(悩) テンキー部のホットキーも個別にカスタマイズできる

 でまあ、Logicool製のマウスを常用している拙者において、キーボードもLogicool系にしちゃうと何かと便利だゼ、と。diNovoは最高に使いやすいキーボード!! ってほどでもないが、前述のとおり可もなく不可もなしで、まあ違和感なく使えるキーボードだ。キーボード自体の良さ使いやすさを追求したら、他にもっと自分に合うものがあるかもしれないが、diNovoはコードレスでありマルチメディアキーボードとしても扱いやすく、その設定にあたって使い慣れたドライバを利用できる、という大きなプラスαで、現在diNovo方向に揺れている俺なのであった。

 ただし、日本語ではなく英語配列のdiNovoをWindows XPの日本語環境で使おうとすると、問題が起きるのかも知れない!? ていうか拙者の環境では問題発生中なのである。

 具体的には、現在の俺環境で何ら対処を行なわないと、(英語版の)diNovoから日本語入力への切替が行なえない。つまり、通常の英語キーボード環境では[Alt]+[`]で行なえるハズの入力モード切替が、効かない。英語入力モード→日本語入力モードの切り替えを、マウスでIMEトレイをクリックして行なわなければならくなる。……何でかしら? アレコレ試しているのだが、設定やドライバを変える程度では解決しなかった。

 いくつかのキーリマップユーティリティも試したが、なーんか解決できなくて、結局、“くわわっ氏のフリーソフトであるAltAlt”(http://www.forest.impress.co.jp/article/2003/11/05/altalt.html)によって一応の解決となっている。ていうかAltAltすげー便利!! 英語キーボード派には超オススメっす。

 てなわけで、気に入った系の英語キーボード2枚のうち、付加的魅力においてdiNovoが気に入り中の拙者である。けど、diNovo、ちょっと高価いんすよねぇ。拙者的経験では、このタイプといかパンタグラフのキーってそれほど耐久性がナイように思えるし、予備購入を考えるとビミョーにキツいような気もする。



URL
  ダイヤテックの「Majestouch 英語キーボード」製品情報
  http://www.diatec.co.jp/products/det.php?prod_c=371
  Logitechの「diNovo Cordless Desktop」製品情報
  http://www.logitech.com/index.cfm/products/details/US/EN,CRID=2162,CONTENTID=9575

2006/09/11 14:31

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