■くわッ!! こここ、コレかも!!
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目を引いたのが店頭でもヤケに目立っていたCASSIOPEIA E-700の明るい液晶。鮮明さ、明るさで現在のPDAでトップクラスといえよう
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なーんとなくルーズな気持ちでショップへ出かけ、なーんかないかなぁてなことを思いつつ店内を歩いていたら、あ!! と思うモノ発見。ソニーのCLIEだ。
ははぁ~んコレがウワサのアレかぁ。どれどれ、なるほど、ふむふむ。へぇ~。この時期からPalm系いじくり出す人は楽しいのかもしんないなぁなるほどなぁ在庫切れかぁブームなんだなぁ、とか思ったりした。だが、さすがに「あ!!」と思ったものの、店頭で数分ソレをいじってたら興味消沈。再度、先程までの緩んだ気持ちになった。
夏の疲れを引きずったような気分で、「まあ今日はいいやぁ~」とか思って、展示品CLIEを置いて、視線をショップ出口に移そうとしたその瞬間だ。売り場のさほど目立たない場所に、ヤケに目立つ明るさの液晶画面を備えたPDAを発見。それが、カシオのCASSIOPEIA E-700だった。
E-700に対しても、最初は「あ!!」程度にしか思わなかったのだが、手にとって触っているうちに、「あ!!」が「あッ!!」に、さらには「あぁッ!!」になり、最終的には「あぁあぁあぁァッ!!」という状態になり、有り金はたいて即金で購入!!
「E-700は在庫ありますか……ある!! そうですか!! じゃあ下さいええ買いますE-700ですコレと同じのです!! えーとあとそれとあのあのPHS用のケーブルも!! あーそれとあーっとそうだアレだホレあのマ、マルチメディアカード!! 2枚ください2枚!! あーっとPCカードアダプタも!!」
目を血走らせて一気に必要なモノ一式を買い込み、速攻で帰宅し、バリバリバリバリーッと開封し、E-700をセットアップし、パソコンと接続し、アレコレ試しつついじくりまくって一段落したのは、帰宅してから約8時間後であった。
むふー。むひひひひ!! これはイカス!! E-700は、これは、ちょっとマジで、かなりイイんじゃありませんかぁ!? むひひひ!! 今後はコレかも!! にひひひひ!! そんな状態の(ある意味わりと気持ち悪く見える)俺なのであった。
■CASSIOPEIA E-700サイコー!!
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結論から言って、サイコー度の高いCEマシンであったCASSIOPEIA E-700
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結論から言って、CASSIOPEIA E-700は非常にサイコー度の高いPocket PCっていうか、俺がこれまで使ったCEマシンとしては最高と思える製品だ。いろんな意味で「買ってよかったァ!!」と思えている。
そう言えば、CASSIOPEIA、けっこう前に、E-55ってのを買ったなぁ。外見に惹かれ、内容にも惹かれ、うわッという勢いで飛びついたなぁ。満足はしたものの、データ入れれば入れるほど動作が遅くなったりして、結局はしばらく使って眠らせてしまった。
その後もいろんなCASSIOPEIA Palm-size PCシリーズが出てきたけど、俺には、あの最初のE-55の“どんどん遅くなっちゃう状態”が印象的だったので、全然手を出さなかったのだ。が、E-700は、とりあえず店頭で使ってみた感じが非常に良かったのと、あと、Palm-size PC→Pocket PCという移行でかなり良さげなイメージがあったので買った。で、結果、正解だった。
ところで、こないだまで出ていたCASSIOPEIA Palm-size PCシリーズは、いわゆるPalm-size PCの範疇になり、最新のE-700はPocket PCの範疇になるデバイスである。で、Palm-size PCとPocket PCの差だが、大雑把に言えば、操作性と処理速度と標準装備のソフトウェアが違う。Pocket PCには、Pocket Internet Explorer、Pocket Excel、Pocket Word、Windows Media Playerが標準で装備されており、Windows CEのバージョンが上がって操作性や処理速度が高まっている。同時に、Microsoft謹製の同期ソフトウェアのWindows CEサービスも新しくなり、名前もActive Sync 3.1になった。
それと、時期を同じくして、Windows Media Player 7がリリースされたが、コレとPocket PCとの相性もナイス!! ていうかそういう方向で作られたもので、例えば、Windows Media Player 7があると、デスクトップのWindows環境でも、Pocket PC環境でも、同じMP3ファイルやWMA(Windows Media Audio)ファイルがわりとシームレスに使える。これは便利でありかつ愉快な環境だったりする。
ともあれ、そういう周辺環境まで含め、E-700は「サイコー!!」だと思ったりした。E-700を手に入れてから(原稿執筆時点では)まだ1週間と経っていないわけだが、俺としては惚れ込み状態。以降、E-700の細かな使い勝手などを述べるが、書いてる奴(俺)がE-700大好きってモードに突入しているってことを頭の片隅に置いて読んでいただきたい。
■シンクロナイズ楽勝!! 操作性上々!!
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クレイドル同梱。当然USBケーブルも同梱。シンクロナイズの楽勝度高し!
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E-700についての詳細はココで見ていただくとして、さて、現在あるPDAのうち、パソコンとシンクロナイズさせた方がイイ率が高い方から並べると、Pocket PC(含各種CE機)、Palm系PDA、ザウルス、という順になると思う。ソフトウェアのインストールとか、単体でどこまでできるかとか、理由はいろいろあるが、ともあれ、E-700等のCE機は、単体でも使えるけど、単体だとちょっとしかその実力が発揮されない。で、E-700とパソコンとのシンクロナイズは、どんな感じか、と。
E-700(Pocket PC)とWindowsパソコンを同期させてデータをやり取りするには、Windowsマシン側にActive Syncをインストールする必要があると同時に、Outlook 2000等の個人情報管理ソフトを使っている必要がある。とか書くといきなり面倒そうな印象だが、そんなことはない。
E-700にはUSB対応(シリアルでもイケる)クレイドルが同梱されていて、Active Sync 3.1も同梱されている。なので、例えばOutlook 2000ユーザーの場合なら、クレイドルとパソコンをつなぎ、Active Sync 3.1をインストールし、パートナーシップ等の設定をし、後はクレイドル上にE-700を乗せればシンクロナイズは完了。俺がCASSIOPEIA E-55を使っていた頃や、あるいはザウルスのMI-C1でのシンクロナイズの手間に比べると、ウソみたいにスムーズに同期が完了する。すげーラク。クレイドルに乗せるだけで、後は勝手にE-700とパソコンが同期しまくってくれる。俺はUSB接続で使っているのだが、接続自体もラクだしデータ転送もわりかし速いしで実に快適。もうシリアル接続とかのPDAを使う気がなくなりそーっ!!
ほとんど数十秒以内という感じでシンクロナイズを済ませると、いつものOutlookのデータをE-700上で使えるようになる。受信トレイ(メール)、連絡先(アドレスデータ)、メモ(テキストのメモ)、仕事(ToDo)、予定表(スケジュール)まで全部をE-700上で閲覧・編集・追加・削除できるようになる。
Pocket PCになってからは、CEの操作性はググッと良くなった。これはE-700の処理性能が高いことにも関わるのだが、まず、非常にクイック。多数のアプリを同時に起動させるとかしなければ、どの標準装備ソフトも実に速く動いてくれる。例えば、俺は連絡先として500件前後のデータを入れているが、E-700上でのアドレスデータ検索・閲覧で待たされることはほぼない。スクロールも十二分に速い。それから、アプリの切替も十分に速い。
操作性の面で言えば、E-700のボタン類は、まあまあいい位置についていて、積極的に利用すれば便利な機能を持っているのだが、これらを使わなくなっちゃうほど、ペンでの画面タップが軽快に行える。前述のようにアプリ自体の動きも速いし、表示も速いし、OS自体のわかりやすさも大きく増している感じ。イラつくことなくCEを使えるのって、ちょっと不思議かも~、とか書いたら従来のCEユーザーおよびMicrosoft社から叱られそうだが、速度も内容もスッキリして使いやすくなっている。
あと、何につけてもイカシてるのが、液晶パネル。CASSIOPEIA FIVAにも使われていたりする精細・鮮明液晶のHyper Amorphous Silicon Thin Film Transistor Liquid Crystal DisplayすなわちHAST液晶ディスプレイ、コレがヒジョーにイイ。240×320ドット、3.8型、65536色表示のバックライトカラー液晶パネルなのだが、PDA(じゃなくてPocket PCですな)とは思えないほど鮮明で高精細!! 現在ある全てのPDAに勝るグレートな液晶パネルだと言えよう。ぜひ一度モノホンを見て「グレート!!」などと叫んでいただきたい。
■ネット系機能充実!!
Outlook 2000のデータをほぼ全部飲み込んでくれて、もちろん使えるわけなので、E-700のPDAとしての機能はバッチシだと感じる。が、これだけじゃ今時のPDAとは言えない。メールとかもちゃんとできなきゃネ。
というわけで、おもむろにE-700とPHS(DDIポケットのエッジ)を接続し、通信系機能を試してみた。ら、これまた快適。実は、最初の設定の時、俺のミス(ダイヤルアップ時に不要なドメインを入力してしまったんダ!!)で1時間ほどハマったが、ミスに気づいてみたら、結局、フツーのWindowsマシンと同様、ラクに設定ができた。メールの送受信も楽勝で、特に何か引っかかるという点もナシ。
メール本文の入力に関しては、E-700のわりと利口感の高い手書き文字入力が一役買ってくれて、200~300文字程度のメールならわりとラクに書ける。多少、認識のクセのようなものがあって、誤認識もあるわけだが、その修正作業(ペンでタップするだけ)も効率的に行なえた。まあ、パソコンのある環境で積極的にE-700でメール、という気にはならないものの、外出先でE-700しかない時でも「ん~メールすんの面倒だな~」というふうには感じない。実際E-700でメールを受信したり返信したりしているわけだが、かなり実用的だと感じる。
Pocket PCとなって新しく加わったPocket IEだが、これも十分便利な印象。フツーのIEとは違って、お気に入り(ブックマーク)をあらかじめパソコンから転送しておく必要があるが、それさえ済ませておけば、好きなときにウェブにアクセスし、常用のページをブラウズできる。画面が240×320なので、ウェブページの閲覧には狭いだろうなぁいや狭いよ絶対狭いに決まってると思っていたところ、やはり狭かったのだが、でも「使えねーよ」と匙を投げてしまう狭さではない。ちょっと横スクロールが必要って程度。わりとクイックにスクロールさせられるので、まずまず快適にページを読める。
■動画と音楽を快適かつ愉快に!!
最近のCASSIOPEIA Palm-size PCシリーズの売りである、マルチメディアな機能もやはり健在。標準装備ソフトのWindows Media Playerを使うと、MP3やWMAなどのサウンドファイルを再生しまくれる。また、カシオ独自のアプリであるモバイルビデオプレイヤーを使うと、動画ファイル(.cmf型式)を再生することもできる。
サウンドファイルの利用については、Microsoft Windows Media Player 7との併用がかなり愉快だ。Microsoft Windows Media Player 7(書くのが面倒なので以下WMP7)は、パソコン上での動画や音楽やラジオ放送など、いわゆるマルチメディアを一手に引き受けるという新しい統合ソフト(?)だ。例えば、WMP7が入ったマシンに音楽CDを入れると、自動的に再生してくれたりもするし、クリック数発で曲をWMA(Windows Media Audio)型式にエンコードしてくれたりする。さらには、WMAファイルをチョチョイのチョイでE-700等のPocket PCに転送する機能まで備えている。
実際どーんな感じなのかと思って試してみた。まず手持ちの音楽CDを入れ、ネット(CDDB?)からCDのアーティスト名や曲名をダウンロード(数クリックで可能)し、そのままWMA形式にエンコードし、ついでにE-700に転送。エンコードや転送にはそれなりの時間がかかるものの、おもむろにスムーズであり手順も超少ない。この楽勝さを実現するソフトすなわちWMP7がウィンドウズ標準のプレイヤーであり、Pocket PCをもサポートしている!! ナイス!! ウィンドウズ、ナイーッス!! そしてPocket PCもナイス!! とにかく、かなりの簡単さなのであった。
E-700には、WAV形式ファイルやMP3形式ファイルも転送できる。なので、とりあえず手持ちのMP3ファイルを転送してみた。これも非常に楽勝。Active Sync 3.1を使い、E-700とパソコンのパートナーシップを作ると、Windows98とかのエクスプローラ上に、新たに“モバイルデバイス”という項目が現われる。その中のMy Documentフォルダ(以下のフォルダ)にテキトーにMP3ファイルをドロップしてやれば、E-700に転送されて、再生できるようになる。ちなみに、転送したMP3ファイルやWMAファイルをE-700上で聴く時は、E-700上のWindows Media Playerを使う。再生リスト(いわゆるプレイリスト)を作り、再生する曲順を指定すれば、あとはフツーのソリッドオーディオプレイヤーのような簡単さで音楽を聴ける。
動画ファイルの再生に関しては、まだあんまりイロイロ試していないのだが、前述のモバイルビデオプレイヤー(およびWindowsパソコン用関係アプリ:同梱)を使えば難なくこなせる。実際、手持ちのMPEGファイルやASFファイル(いったんAVIファイルに変換した)を(付属のモバイルビデオコンバーターで.cmf型式に)変換し、サウンドファイルと同じ手順でE-700に転送したら、E-700上でいろんなムービーを再生することができた。あ、あと、jpeg等の静止画ファイルも、E-700に転送するだけで閲覧できるようになる。
んーっ!! んんんーっ!! 愉快。ラクにシンクロできるPDAであり、高速で快適であり、しかも静止画も動画も音楽も(労せずに)再生できるってのは、これは実用的であってヒジョーに面白いのであってすげぇスプレンディド!! ハマり過ぎて疲れて爆睡して起きたけどまだまだE-700で遊ぶゼ!! という気になって(ていうかこのような日々を送ってます)しまうほど、イケてるPocket PCおよびその周辺環境だと言えよう。
■何でどうしてどういうわけでっ!?
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唯一、残念感が非常に高い! のが、ココにMMCとかSDとかでなく、コンパクトフラッシュが入ったらなあ、というコト
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おおよそ全体的に大満足であると同時に現在のところイチオシのPocket PCことCASSIOPEIA E-700なのだが、ちょいと残念な点もある。
いや、数秒考えたら“ちょいと残念”どころの話ではないことが判明。えらく残念。すんげぇ残念。残念過ぎて死ぬゼーッてほど残念。それは、使える増設メモリが、マルチメディアカード(とSDメモリカード)だけだだという点。つまり、あの切手サイズのすげー薄くて小さいフラッシュメモリカード以外は、挿すことができない。
E-700には、多くのCEユーザーおよびPDAユーザーが「むむっ!!」と感じると思われる処理性能とマルチメディア系機能がある。わーこんなに速いならいろんなアプリ入れちゃおー、こんなコトができるんならMP3ファイルとか動画とか静止画とかもいっぱい持ち歩いちゃおー、などと思えたりするデバイスだ。ついでに、メール等の通信機能もナイスなデバイスだ。がッ!! 挿さるのはマルチメディアカードのみ!! 32MBまでのメモリカードだけ!! これが残念。
どーしてCFカードが挿さるよーにしなかったのか!? その理由も根拠も経緯も全然わからない。CFカードが挿さるようにすれば、メモリだってアータ、200MBとかそーゆー広大さで増設できるわけで、データを携帯しまくれる。さらに、ちょっと厚いカードが挿せるならばドコモのP-inコンパクトとか、あるいは他のモデムカードとか、あるいはもしかしたらマイクロドライブとか、いろんな既存のCF系周辺機器が使えるという(まあ使えるようにしてくんなかったかもしれないけど)希望がある!! でもマルチメディアカードじゃダメじゃん容量小さいじゃん拡張性ないじゃん、というのがE-700の現状。E-700というすげーイカシてるし実用的なハードウェアに、「なんか……」という印象のメモリカードしか挿さんないんじゃすげーもったいないと言えよう。
でももしかしたら、これから、マルチメディアカードやSDカードのスタイルで、新たな機器がいろいろ出てくるのかもしれない。IMT2000とかに絡んで、新世代の携帯電話と絡んで、なーんか出てくるってことなのかもしれん。そしてE-700で使えるってことなのかもしれん!! そうだ!! そうに違いない!! と思っておかないと、やっぱ悲しいっス、マルチメディアカードスロットオンリーは。
あと、非常に細かい点がふたつ。
ひとつは、E-700付属の専用ケース、硬過ぎ。ケースの質感が硬いんじゃなくて、E-700をこのケースに出し入れするとき、ケースの入口がギチギチにキツ過ぎて、出し入れのスムーズさが全然ないって点。まあ、強引にケースをギュッと広げたり、あるいはケースを使い続けたりすればある程度柔らかくなるので、些細な問題ですが。
それと、この付属ケースにもE-700本体にも、ストラップを通せるような穴がない点。ストラップなりベルトなりヒモなりを通しておかないと、E-700をスルッと落としそうで怖いんですけど……。慎重に扱うしかないですな。ちなみに、E-700を購入したら、個数限定早い者勝ちと思われる、専用皮ケースをいただいた。ネックストラップのようなヒモが付いていて、E-700をしっかり保護してくれるケースなのだが、ちょーっとヤボったい(失礼)感じで、積極的に使う気になれなかったりする。
でも、E-700、在庫があんまりないようで、けっこう売れてる感じなので、きっとまた、オプションのケースとか、落下防止のアイデアとかが出てくるだろう。そしたらそーゆーのを利用しよう。
てなわけで、マルチメディアカードのみって点以外は、おおよそだいたい大満足してE-700を使っている拙者であった。
■ URL
CASSIOPEIA E-700製品情報
http://www.casio.co.jp/pocketpc/e700/
カシオのホームページ
http://www.casio.co.jp/
2000/10/10 00:00
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