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俺の外出時必携ツール ~LEATHERMAN TOOL~
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スタパ齋藤 1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。 |
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■いわゆる○徳ナイフが必須です
俺がいつも絶対必ず携帯するものは、携帯電話やPDAや時計やカメラではなく、ナイフだ。ナイフと言っても、刃渡り何センチとかいう本格的でワイルドなやつじゃなくて、いわゆる五徳ナイフとか十徳ナイフの類の、ツール的に使えるナイフである。
具体的には、ビクトリノックス(でしたっけ!?)の小指サイズ(とでも言いましょうか)のポケットナイフで、短いナイフと小型のハサミとヤスリ兼マイナスドライバーとトゥースピックとピンセットが収納されているもの。これを鍵束に付けて持ち歩いている。外出時はこれを必ず持っている。
ていうか皆さんも同じだと思うが、ちょっと尖ったものが必要とか、ちょいと切れ目を入れたいとか、そんな必要ってわりといつもあるものだ。が、前述のようなツールを持っていないと、外出先ではこの“尖ったもの”というのは案外どこにもなく、さらに“切れ目を入れるためのもの”なんざぁ確実になかったりする。う~この小さなツメを手前に引っ張りさえすれば……ゲゲッ!! と何かのカバーを壊してしまったりするのは、我々人間には尖ってて硬い部分がないからだ。くっそぉこのポテチの袋ぜんぜん開かないゼ……わわわっ!! というふうにポテチの舞をやってしまうのも、人間が何かを切る能力に限界があるからだ。
でも、その程度のツールじゃ用が足りないこともある。切ったり突っついたりするだけじゃ困難を乗り越えられない時……ってそれほど大袈裟なことでもないが、もーちょっとパワフルなツールがあるといいなーって時がある。そんな時のために俺が使っているのが、知る人ぞしるLEATHERMAN社のツールことLEATHERMAN TOOLだ。
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鍵束に小さな多機能ナイフツールを装着。このツールは連日のように役立つので手放せない存在だ。ちなみに右下に見えるのは白色LEDを使った超小型ライト。これも手放せない
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小さな多機能ナイフツールには、意外なほど多くのツールが内蔵されている。取り外したツールは、上がトゥースピック(爪楊枝)、下がピンセット
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■ベーシックなLEATHERMAN TOOL
LEATHERMAN TOOLは、折り畳みのペンチにナイフやハサミやドライバーや缶切りやヤスリなど各種の道具が内蔵されている多目的ツールだ。大きめの金物屋のナイフ関連コーナーとか、アウトドアショップなんかにはたいていある、わりと有名なシロモノ。
一見すると、なんつーか、欲張りな詰め込み型ツールっぽくて、あんまり使いやすそうには見えない。だが、その構造上、それぞれのツールが非常に使いやすくできている。釣りや登山などのアウトドアユースに非常に役立つと同時に、バッグに忍ばせておけばいろんな場面でちょこちょこ役立つ。広義でのモバイルユースに超オススメの多目的ツールだ。
まあ、便利なツールですよってことだけなのだが、今回はもう少々LEATHERMAN TOOLを掘り下げたりしたい。で、まず、いきなりだが、一般的なサイズのLEATHERMAN TOOLの弱点をひとつ。
LEATHERMAN TOOLはペンチにもナイフにもその他いろんなツールにもなる便利な道具なのだが、ねじ回し機能についてはあんまり強力ではない。マイナスドライバーとして使えるツールは何種類(サイズ)か内蔵されているが、プラスドライバーはたいてい1種類だけ。それも、デジタルガジェットをどうこうするには大きすぎるサイズだ。が、別売のアタッチメントを使うと、さまざまな種類のドライバーを使えるようになる。
そのアタッチメントというのは、ペンチタイプのLEATHERMAN TOOLにならおおよそどれでも取り付けられるLEATHERMAN TOOL ADAPTERという製品。ペンチタイプのLEATHERMAN TOOLのヒンジ(?)部に装着すると、一般的なドライバービット(断面が六角形のドライバーの先っちょ部分)類が使えるようになるものだ。使えるビットは、あー、ビットの規格よく知らないんですけどぉ、なんか六角形の対になる辺の幅が6.3ミリのものならどれでもOK。
なので、LEATHERMAN TOOLとこのLEATHERMAN TOOL ADAPTER、それから必要なビット(LEATHERMAN TOOL ADAPTERには数種類のビットが付属する)を持っていれば、切ったり削ったり挟んだりねじ曲げたりネジを回したりなど、たいていのコトができちゃうのであった。
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LEATHERMAN TOOLを閉じている状態。上に見えるのは付属の専用皮ケース
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LEATHERMAN TOOLを開いた状態。機種(?)によって内蔵されるツールの種類が異なるが、基本的にLEATHERMAN TOOLを開くとペンチとして使えるようになっている
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LEATHERMAN TOOLアタッチメントことLEATHERMAN TOOL ADAPTER。アタッチメント本体と数本のビットがセットになっている。専用皮ケース付き
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LEATHERMAN TOOL ADAPTERをLEATHERMAN TOOLに装着した状態。写真左側のドライバー先端部にビットが付く。また、ビットが付く部分は角度を付けられるので、力強くネジを締めたい時などに便利
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■LEATHERMAN TOOLは痛い!!
実は俺は工具マニアであると同時にナイフ大好き野郎でもあるのだが、LEATHERMAN TOOLの話になると、賛否両論いろいろあったりする。LEATHERMAN TOOLのようなペンチ型の多目的ツールを作っているメーカーは他にもいろいろあって、例えばSOG社やGERBER社がそうだ。
ツール野郎の中でペンチ型多目的ツール談義が起きると、いつも出てくるのが、ペンチとしての使いやすさの話。で、結論は、LEATHERMAN TOOLはあんまし良くないというコトだ。というのは、LEATHERMAN TOOLの構造上(SOG社のペンチ型ツールも同様)、ペンチとして使う状態にすると、握りの部分が凹型になり、力を入れて握るとその凹型が手のひらに食い込んで痛いというのである。LEATHERMAN TOOL愛用歴10年の俺も、ハッキリ言ってその点はまったくそうだと同感する。
痛いんだよLEATHERMAN TOOL!! 手が切れちゃうよLEATHERMAN TOOL!! という状況だったのだが、しかし、このたび(と言っても去年とかだが)、ペンチモードで思いっきり握って使っても全然手が痛くならない新型LEATHERMAN TOOLが登場。その名もLEATHERMAN WAVE。どこが“WAVE”かいまひとつわからない新型だが、前述の凹型部分にアールがついて、非常に使いやすくなり、またその感触も良くなった。
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LEATHERMAN WAVEを閉じた状態。LEATHERMAN TOOLに比べて曲面が増えて高級感がある。が、少々お高い。上に見えるのが付属の専用皮ケース
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LEATHERMAN WAVEをペンチとして使う場合の取っ手部分。適度にアールが付いているので強く握っても痛くない
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それからLEATHERMAN WAVEには、新たなギミックもいくつか取り入れられた。その中で特に便利なのが、非常にナイフが出しやすくなったこと。ちょっとマニアックな話になってしまうが、結論から言えば、SPYDERCOのナイフに代表されるような“片手でナイフを出せるギミック”が採用されたのだ。具体的には、片手でLEATHERMAN WAVEを握り、その手の親指だけでナイフをグイッと開けるのだ。
この使い勝手の差は、一見大したコトないように見えるかも知れない。が、出先でナイフを使うときには非常に便利だ。ってどこでナイフなんか出すんだよって感じだが、例えば釣りに行って、片手にロッドを持っていて、片手で引っかかったラインを切るような時にはものすごーく便利なのである。そう言えばシルベスタ・スタローンが映画の中で、このギミックと同じなナイフ(確かSPYDERCOのナイフ)でロープかなんか切って危機を脱出したりなんかしてましたな。
ともあれ、最新型LEATHERMAN TOOLことLEATHERMAN WAVEは、使い勝手もすげえ向上し、また前述のギミックが加わったことで実用性も格段にアップ。超オススメの多目的ツールなのである。
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ナイフ部分が片手で出せる機構になった。ヒンジもさほど固くないので、親指だけでスムーズにナイフを出せる
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SPYDERCOのナイフ。ナイフの背の部分に丸い穴が開いている。ここに親指を当てて力を入れることで、ナイフの刃を開くことができる
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このように開く。片手で一瞬のうちにナイフを開けるので、アウトドアでの使用には非常に便利。クライミングなどをする人には必須のタイプのナイフだという
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■携帯に便利なサイズのもある
なんか話がナイフ野郎のこだわりっぽくなってきてしまったが、ところで、一般的なLEATHERMAN TOOLは、常時携帯するには少々デカいかもしれない。ポケットに入るサイズではあるが、少々重いし、嵩張るし、それと、いかにも多目的ツールですって感じの存在なので、フツーの人が手軽に持ち歩くというのには抵抗があるかもしれない。そういう人向けに、より小さなLEATHERMAN TOOLも用意されている。例えば、LEATHERMAN MINI TOOLだ。
LEATHERMAN MINI TOOLは、ベーシックなサイズのLEATHERMAN TOOLよりもツール数は少ないが、実用的なペンチとして使えて、サイズも非常に小さい。ライター程度のサイズ。ツールとしては、ペンチ、ナイフ、ヤスリ兼マイナスドライバー、缶切り、栓抜きを内蔵する。で、ユニークなのが、ペンチとして使うときは、柄の部分を伸ばせること。ベーシックなサイズのLEATHERMAN TOOLと同じ長さの柄でペンチを使えるのだ。さほどツール数は要らないけどペンチは必要、しかもコンパクトな方がいい、という人にはLEATHERMAN MINI TOOLがオススメだ。なおこの製品には、前述のLEATHERMAN TOOL ADAPTERを装着することができる。
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LEATHERMAN MINI TOOLを閉じたところ。上は専用ケース。非常に小さいのでバッグ等に入れて置いても邪魔にならない
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LEATHERMAN MINI TOOLのペンチの柄の部分は、2段階に展開できるので、ペンチとして使用する時でも十分に力を入れられる。ペンチ状態にした時はLEATHERMAN TOOLと同様の感覚で使えるのだ
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さらに小さい、LEATHERMAN micra(マイクラ)もある。わりとメジャーな製品だが、コレにはペンチがない。そのかわり、ハサミが付いている。その他のツールとしては、ナイフ、ヤスリ、マイナスドライバー、栓抜き、ピンセットなどが内蔵されている。いちばん最初に紹介したビクトリノックスのミニナイフよりも個々のツールが頑丈でパワフルなので、常時携帯するツールとしてはかなりナイスなのではないだろうか。ちなみに、LEATHERMAN TOOLはどれもバネがないペンチツールなので、LEATHERMAN micraのハサミ部分にもバネがない(つまりハサミを閉じた状態から手の力で開かないといけない)と思う人が多いようだが、LEATHERMAN micraのハサミはバネの力で勝手に開く。ハサミとしてはかなり使いやすくできている。
ところで、LEATHERMAN TOOL類、日本でもフツーに手に入るし、最近では雑誌通販でもよく見かける存在になってきたが、なーんか値段がメチャクチャっぽい感じがする。結論から言えば、わりと高い値段で売ってるトコロが多い。中には、ヤケクソに吹っ掛けて売ってるトコロもある……ふざけんな!! ってほどに。なので俺は信頼のおけるウェブ通販サイトで買っている。具体的にはREI(http://japan.rei.com/index.html)というショップだ。最近では日本(東京・町田市)にジャパンフラッグシップストアが進出したことでも多少知られているが、ここのウェブ通販はかなり安い。非常に良心的だと言えよう。なので、買おうと思われる方は、通販で買うかどうか以前に、REIでLEATHERMAN TOOLの値段というものを知っておいたほうがいいような気がする。
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ハサミがメインツールとなっているLEATHERMAN micra。写真は閉じたところだが、ほとんどキーホルダーサイズ。鍵束に付けるような使い方にも向くが、そうするにはやや重いかもしれない
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LEATHERMAN micraを開いたところ。ハサミは非常に鋭利でよく切れる。LEATHERMAN MINI TOOLに比べると、内蔵されているツール類も豊富。小型だが実用性の高いツールだ
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2000/06/19 00:00
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