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キーボードを探して三千里 【後編】
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


CHRRY G81-1800LPMUS

 前回の続き。US配列の小さめキーボードを探求する拙者が巡り逢った良さげなキーボード類の話ですな。キーボードなんかにゼッンゼン興味ない方、ごめんなさい。

 前回はSpaceSaverよりも小さいキーボードを採り上げた。今回はSpaceSaverとまあ同じくらいの小ささで、イケてる感アリのコンパクトキーボードをいくつか挙げてみたい。

 で、まずはCHERRYのG81-1800LPMUSというコンパクトキーボード。CHERRYのWebサイトにはコレとクリソツなG81-1800 Vollwertige und kompakte 19 Zoll Tastaturというキーボードが紹介されているが、G81-1800LPMUSとは微妙に違うようだ。


CHRRYのG81-1800LPMUS。市場でもポチポチと見掛けられるキーボードで、コンパクトながらもフルキーボードと同様のキーを実装している点が特徴


 さておき、このG81-1800LPMUS、これねー、かなりねー、イイ感じなんすよ~。俺の打鍵的嗜好の間口がもう少し固着しておらず間口が広かったら、これ選んでますな速攻で。しかも買いだめ。強めの魅力を多々持つ一枚である。が、結論から言えば、現在は積極的に使う気になれない。というのは、その打鍵感が慣れ親しんでいるSpaceSaverと大きく異なるからだ。


SpaceSaver(上)とG81-1800LPMUSを比べると、横幅はほぼ同じサイズであることがわかる。素直だが合理的なキー配列のG81-1800LPMUSは、フルキーボード派が乗り換えるコンパクトキーボードとしても良さそうだ G81-1800LPMUSのキー配列詳細。Windows仕様キーボードとなっており、[Alt]キーの横幅が短いが、スペースキーが十分広く、カーソルキーも良い位置に配置されており、キー配列における使用感は非常に良い

 G81-1800LPMUSは独自のメンブレンスイッチ式のUS配列キーボードで、その打鍵感は押し始めから押し終わりまで徐々に抵抗が増えていくがクリック感はない。拙者としては、この“ホントにリニア”な打鍵感に馴染みにくい。打ちにくいとかって話ではなく、これまで慣れまくっているのがSpaceSaver=押し始めから押し終わへの途中で“カチッ”という音とともに“いま、入ったヨ”というフィードバックが指先に伝わるタイプなので、これが全くない打鍵感のG81-1800LPMUSには、馴染めないし、積極的に馴染もうとも思わない。

 のだが、自分の嗜好を置いといて言えば、こういう打鍵感は多くの(現代的な)ユーザーに好まれるように思う。第一に静かなんですな。また、慣れれば指先をキーボード上で弾ませるような感覚で、リズミカルに打っていける。

 ただ、日本人好みかどうかは……どうなんだろうか? 例えば、有名なUS配列のフルキーボードとしてTopreRealforceシリーズの、Realforce101がある。その打鍵感は非常に軽く滑らかで静かなものの、押し終わり付近で指先がキーに吸い込まれるような小さな押下感がある。これは独特の快感でもある。


TopreのRealforce101。拙者的観点からは非常に現代的でありかつ繊細な打鍵感を持つ逸品だと感じられる。純日本製ということもあって比較的に高価なキーボードだが、価格分の品質は十分にあると思う Realforce101のキー配列詳細。俺的見地からすれば非常に硬派なUS配列だと思う。残念なのは、RealforceシリーズのUS配列キーボードはこのモデルしかなく、例えばSpaceSaverのようなサイズでUS配列のRealforceは存在しない。日本語表記なしの日本語配列省スペースキーボードとして、先頃Realforce 91UBKが発売されたが、コレのUS配列バージョン(非Windows仕様)を出してくださいよお願いしますよ!! と激しく思った

 そんなRealforce101と前述のG81-1800LPMUSを比べると、ん~どうだろう? 打鍵感において若干アクのあるG81-1800LPMUSよりも、Realforce101のほーが、“現代的なキーボード”と言えるよーな気がする。ま、何をもって現代的とするのか、ではあるが、なんかこう、Realforce101とG81-1800LPMUSの打鍵感を比べると、キーボードを通して国民性の違いが見えてくるようでおもしろい。

 俺におけるG81-1800LPMUSは、その打鍵感以外はおおむねジョリーグッドを大きく上回る一台だ。横幅も十分短いし、やっぱ何だかんだ言ってテンキーあると便利だし、キー配列も良好(だけどWindowsキー要らないと思ったり……)だし、非常に合理的にできていると思う。


Kensington Slim Type Keyboard

 あるいは? と思って買ってみたKensingtonSlimType Keyboardが、わりとイイ感触であった。


トラックボールやケンジントンロックでおなじみのKensingtonから発売されているKensington Slim Type Keyboard。個性的なデザインの省スペースキーボードだが、意外に使いやすかった。


 このキーボード、テンキーがあるUS配列キーボード(の風変わり&Windows仕様版)だが、その幅はSpaceSaverとほぼ同じ。省スペースキーボードである。で、試してみたら打鍵感が意外なほど好感触だったので、これは備蓄かも!! とか思って予備を速攻で買おうと考えたが、もう少し使ってみたら、んーんーんー備蓄を急ぐ一枚でもないような気がしてきたりして。


SpaceSaver(上)とKensington Slim Type Keyboardの比較。十分なキーサイズ・キーピッチ・キー数を持ちながら、SpaceSaverとほぼ同じ横幅となっている Kensington Slim Type Keyboardのキー配列詳細。マルチメディア系ボタンやWindows専用キーを備えた、今時的なUS配列キーボードだ

 まずそのキーフィーリングだが、デスクトップリプレイスメントクラスのサイズがあるノートPCのキーボード──十分な耐久性を持ちつつ打鍵感もまずまず良好なキーボードよりも、1~2ランク高品位、という印象だ。キーサイズはほぼフルキーボードと同じで、キーストロークにも(浅めではあるが)十分な手応えがある。打鍵感はややしっかりとしたクリック感があり、押下時の音はノートPCのそれと似て静かだ。

 この打鍵感がこのようであり、このキー配列がこうであるから使いやすい!! ということは感じないのだが、ぶっちゃけ、無難に使えて短時間で慣れられ、また強いアクがあるわけでもないという使用感。平凡ではあるが、大きな難点もなく、ユーザーとして受け入れやすいという印象である。

 てなわけで、こーゆーフツーでソコソコのアベレージを持つキーボードもイイかも、と考えた。また、ハードウェアとして現代的で、もちろんUSB接続でありいくつかのマルチメディア系ボタンも備わっている。Kensingtonが作ってるんだし、そこそこ永くは供給されそうでもあるし……これは乗り換える価値があるかも!! と思ったのだが。

 その気になって使い始めてみたら、そのキー配列に若干の違和感を感じるようになった。例えば、[バックスラッシュ]キーがふたつもあるわりには[Alt]キーが狭かったり、[~]キーと[Esc]が妙に接近していたり(ファンクションキーと数字キーも同様)、あるいは[Delete]や[Home]や[PgUp]等のキーが[Backspace]や[Enter]といったキーに近づきすぎている等々。

 ん~、ビミョー。というわけで、どうするかは保留。でも、ノートパソコンライクな打鍵感が歓迎であり、かつ、テンキー付きのコンパクトなUS配列キーボードを探しているってんなら、このキーボードはちょいとイイかもしれません。


ViewSonic KU709

 お次はViewSonicKU709。これ、キーボードのカテゴリとしては前述のKensington Slim Type Keyboardと同様な感じ。US配列のコンパクト・テンキー付きでUSB接続であってマルチメディア系ボタンも実装している。USBハブになったりもしますな。


ViewSonic KU709。Kensington Slim Type Keyboardと良く似ているが、一部キーの位置やマルチメディア系ボタンの数が異なる。打鍵感はKensington Slim Type Keyboardよりも重めで硬め


 使ってみたら、拙者的にはKensington Slim Type KeyboardよりもこちらのViewSonic KU709のほーが好みであった。キー配列やキー類の間隔に違和感・難点を感じるところが少ないし、何よりViewSonic KU709のほーが打鍵感が気に入れた。

 ViewSonic KU709も、まあ、ノートパソコン風な打鍵感だが、Kensington Slim Type Keyboardのそれよりも強めのクリック感と押し応えを持つ。要はKensington Slim Type Keyboardよりも硬めでコリッとした打鍵感であり、SpaceSaver慣れした拙者にとっては、より受け入れやすかった。


SpaceSaver(上)とViewSonic KU709の比較。ViewSonic KU709も非常に省スペースだが、SpaceSaverと同等の横幅であるキーボードの中では、とりわけボタン数が多い。マルチメディア系ボタンを多用するユーザーにとっては重宝するキーボードとなりそうだ ViewSonic KU709のキー配列詳細。ボタン数が多いキーボードのわりには、スペースキー周辺のキーサイズに余裕があったりする。本体上部左右端にUSBポートがあったりもする。でもキーボード角度を調節する脚はなかったりする。のだが適当な台座を挟めば快適に使える角度になったりする。わりとオススメかも!?

 ただ、最初から大きめの違和感を感じた。ひとつは、キーが平坦に並んでいるということ。これはKensington Slim Type Keyboardや、本連載前回分で紹介したミニキーボードも同様だが、キートップが同じ角度に向かって並んでいるということ。キーボードの上下・左右幅が狭いミニキーボードの場合はさほど大きな違和感を感じずに打てるが、フルキーボードと同様のキーサイズを持つキーボードの場合、(ステップでもステップ・スカルプチャーでもない)平坦なキーの並びだと、打鍵時にちょいと手首が疲れたりする。

 もうひとつ、キーが平坦に並んでいるのに加え、キーボードの高さ(角度)調整ができないこと。Kensington Slim Type Keyboardの背面には“高さ調節用の2本の脚”があるので、若干は(手首の疲れを抑えるための)調節ができる。が、ViewSonic KU709の場合、そーゆーコトが一切できない。

 けれど、単純に、キーボード背面にゴム脚付けたり何か台になるものを置けばいい。で、手近の接着テープ付きスポンジを装着してみたら、これがなかなかイイ!! いい感じの角度で、けっこー快適に打てる!! またそうしてみると、なんか急激にViewSonic KU709が手に馴染んできましたよ!!

 ということで、ViewSonic KU709をSpaceSaverの代替えにしてゆく方向で。たぶんSpaceSaverほどの耐久性はないだろうから、とりあえず予備を購入。あと接着テープ付きのスポンジも購入。ま、SpaceSaverとはキーフィーリング自体が大きく異なるが、ちょっとコレに本腰入れて試してみたい!!


結局、SpaceSaverに

 ViewSonic KU709にトライし始めて備蓄まで用意した結果、どうなったかと言えば……ある程度快適に打てて、頭痛になることもなくて、徐々にキー配列にも慣れてきて([Delete]キーの遠さには慣れにくいけど)、あとマルチメディア系ボタンってやっぱ何かと便利だったりもして、イイんですけど、6時間以上とかキーボード打ちまくりモードに入ると、若干、右手首が痛んできたり。

 恐らくそれは腱鞘炎が始まる痛みなのである。文字入力し過ぎで腱鞘炎に何度もなった俺なのであり、その感覚&痛みをよーく知っているのである。すなわち、これは、いわば、要は、ViewSonic KU709でガンバリ始めたら腱鞘炎になりそーな感触であり、この感触はSpaceSaver使用時には感じたことがなかった感触なり。

 ViewSonic KU709って腱鞘炎が起きやすいキーボード? とか一瞬思ったが、んー、どうなんだろうか? 自分で自分を観察してみると、あらま、ちょいと右手を浮かせつつキー入力している感じ。コレって無理してるってこと? ViewSonic KU709が俺の肉体にマッチしてないってことかも。

 てなわけで、ViewSonic KU709メインキーボード化計画は、ちょっと保留。と同時に、常用キーボードをSpaceSaverに戻した。そしたら!! なんて素晴らしく最強にキモチイイのだろうかSpaceSaverちゃんたら!! この流れるような文字入力(←約32%くらい気のせい)!! そしてこの痛快なる打鍵音!! しかもさっき痛み始めていた腱鞘炎開始手首が一瞬で治癒(←約64%くらい思い込み)!! あぁやっぱし長年使い慣れたキーボードは極楽だわ~!!

 そんな俺に、さらなる朗報!! ななな、何と、SpaceSaverと相性の良いPS/2・USB変換アダプタを発見!! デジタルストリーム社のPS/2 to USB Active Adapterだゼ!! 他のアダプタ使ってもUSB化できなかったSpaceSaver(IBM 841393278)が、しっかりUSB接続できるよーになったヨ(俺の環境において)!! というわけで、結局、SpaceSaverに戻った拙者なのであった。


SpaceSaver84Key(モデル/841393278)のUSB接続が可能だったPS/2 to USB Active Adapter(他のキーボードでうまく動くかどーかは知りません)。SpaceSaverがUSBキーボードとして使えるようになるアダプタはプチ珍しかったりする。PS/2マウスとPS/2キーボードを1本のUSBケーブルでUSB接続することもできる


 ちなみに、このPS/2 to USB Active Adapterだが、デジタルストリーム社のWebサイトのWhat's Newに「PS2.ADP_USB_Adapter、PS2_USB_Adapter、Mac_Stick_3D関係の記載とサポートを終了しました」とあった。つまり、コレって生産終了ってコト? ま、時流的にはそーゆーコトでも頷けちゃったりはする。

 生産終了のSpaceSaverと生産終了のPS/2 to USB Active Adapter。またもや拙者のキーボード環境は、未来のない危うい状態になったのであった。西暦2000年から、ほぼ進歩ナシ。でもまあ、SpaceSaverをPS/2ポートのないPCでも使えるようになっただけで御の字としよう。……わしのキーボード探求の道は、茨の道ですのう。


PS/2 to USB Active Adapterのおかげで、SpaceSaverの寿命が延びた。SpaceSaverの備蓄は3枚あるので、とりあえず今すぐPS/2インターフェイスが滅亡しても、この先10年以上はキーボードに困ることはなくなった。……んですけど、新しいキーボードを探すのって楽しいんで、今後も探求していきたい所存



URL
  CHERRY「G81-1800LPMUS」製品情報(独文)
  http://www.cherry.de/deutsch/
  Topre「Realforce101」製品情報
  http://www.topre.co.jp/products/comp/key_list.html
  Kensington「SlimType Keyboard」製品情報(英文)
  http://us.kensington.com/html/4826.html
  ViewSonic 「KU709」製品情報(英文)
  http://www.viewsonic.com/products/desktopdisplays/keyboards/ku709/

2005/12/26 11:20

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