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触ったら好印象で即購入!「東芝 gigabeat F40」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


触ったら好印象で即購入

デジカメなどで撮影した画像表示にも対応した「gigabeat F40」。HDD容量は40GB、店頭価格は5万円を切る程度
 春先に拙宅に来た友人Mさんが持ってたHDDオーディオプレーヤーを触らしてもらい嗅がしてもらい舐めさしてもらったら物欲増幅。すなわち東芝のgigabeatFシリーズであり、思わず購入。買ったのは、現在プチ旧機種になってしまったgigabeat F40である。ちなみに、現在のFシリーズ最新機種は、垂直磁気記録方式HDDを搭載したモデルとなる。

 さておき、買った理由はgigabeat Fシリーズが実は拙者の好み・要望にかなりマッチしたプレーヤーであったから。具体的には、主に再生可能なオーディオ形式と画面表示だ。

 俺の手持ちのオーディオファイルはMP3とWMA、それからWAV。まあフツーのオーディオファイルなんですけど、MP3とWMAは高ビットレートのものが多い。例えばMP3なら320kbps、WMAなら192kbpsが多い。で、普通一般のオーディオプレーヤーって、特にMP3のビットレートで320kbpsまで対応している製品はさほど多くなかったりする。

 同時に、液晶画面。プレーヤー自体が十分に小型・軽量なら話は別だが、ある程度のサイズがあるならばシッカリした液晶画面が欲しい。それが高精細&カラーなら、本体がやや大きくても重くてもいいと考えている。もちろん小型軽量で高精細なカラー液晶搭載、ってのがいちばん嬉しいわけだが。

 ともあれ、WAVおよび高ビットレート圧縮オーディオファイル対応、高精細カラー液晶搭載、という要素を満たしていたgigabeat F40。コレいいかも!! と思いつつ触らせてもらったら、俺的には快適に操作でき、また音質も良好だと感じ、購入に至ったわけだ。

 てなわけで、今回はgigabeat F40(以下、F40)について。なお、F40の詳細に関しては東芝の製品紹介ページをご参照いただきたい。


基本スペックはこんな感じ

 F40は、記憶メディアとして内蔵HDDを使うHDDオーディオプレーヤーだ。曲の転送はWindows PCおよび専用アプリのTOSHIBA gigabeat roomを用いて行ない、PCとの接続はUSB 2.0もしくはLANとなる。また、F40本体のみでの録音はできない。転送・再生できるオーディオファイルは、MP3、WMA、WAVとなる。なお、転送・再生可能なオーディオファイルのビットレート等は以下のとおりだ。

MP3(ステレオ) サンプリング周波数22.05 / 44.1 / 48 kHz
ビットレート32~320 kbps
MP3(モノラル) サンプリング周波数22.05 / 44.1 / 48 kHz
ビットレート16~64 kbps
WMA(ステレオ) サンプリング周波数22.05 / 44.1 kHz
ビットレート32kbps、48kbps~192kbps
WMA(モノラル) サンプリング周波数44.1 kHz
ビットレート32kbps
WAV(ステレオ/モノラル) サンプリング周波数22.05 / 44.1 / 48 kHz
ビットデプス16ビット


 そんな基本スペックだが、俺的には満足。前述のように320kbpsまでのMP3ファイルの再生ができ、また一般的なWAVファイルも再生可能だ。欲を言えば24ビットのWAVファイルも再生できて欲しかった気持ちであるが、再生専用のプレーヤーにそれを求めても何だかなぁって感じかもしれない。でもフツーに音楽CDをリッピングしたノンリニアPCMファイルを再生できる時点でオッケーとしていきたい。

 それからF40、液晶画面がスゲくキレイ。モノとしては、2.2型QVGA(240×320ドット)表示の低温ポリシリコンTFTカラー液晶を実装している。音楽系機能に関しては非常に鮮明な表示ができ、表示スタイルを縦位置・横位置に自由に変えられたり、表示パターン(ジャケットの有無や文字の大きさ等)も好みに応じて変更できる。

 でまあ、拙者的には、非常に美しい表示なんで、その時点でとりあえず嬉しい。また、一部表示(HDDからのジャケット画像読み出しとか)にプチ時間かかるコトもあるが、全体的にはクイックに表示が完了するので快適に使えている。

 ほか、主に使うボタンが4個+プラス型タッチセンサーだったり、本体は思ったよりスリムで軽量だったりと、F40の特徴的な部分は多々あるが、以降はそれら要素を含めた実使用感について書いてみたい。


期待のフォトビューア

付属アプリの「gigabeat room」でPCから転送した画像を再生可能。画像の一覧表示もできる

付属アプリの「gigabeat room」画面
 iPoナンとかphoナンとかには負けてらんねーよコチトラ東京芝浦だゼって意気込みがあったかどうかは定かでないが、老舗的日本製オーディオプレーヤーも画像の表示に対応した。F40にはフォトビューアモードが搭載され、これを使うことで液晶画面上に静止画を表示することができる。ちなみにこの新機能、他のFシリーズでもファームウェアアップデートにて使えるよーになる。

 フォトビューアモードはどーゆーモノかと言えば、付属アプリのgigabeat roomでPCから転送したJPEG/BMP画像をF40上で再生できるという機能だ。お好みの写真をF40に入れて、F40を音楽プレーヤーとしてのみならず、画像ブラウザとしても楽しもうってな感じ。

 で、使ってみた感じだが、まず画像の転送等はラク。gigabeat room上で指定したフォルダに画像をコピーし、gigabeat room上で“同期”を行なうだけで良い。もしくは、gigabeat roomのgigabeatアイコンに画像をドラッグ&ドロップすれば、その時点でF40に画像が転送される。

 そうして転送した画像は、F40上でサムネイル一覧表示(4×3)や全画面表示、あるいはスライドショー表示にして再生できる。フォトビューア機能は音楽再生中にも機能するが、これ、けっこー楽しいっスね。特にスライドショー表示にすると、なんかこー写真と音楽がソレナリにマッチして意味を持ってくれたよーな感覚で愉快だ。

 ただ、そのよーに“写真を表示させて楽しむ”には良いが、“写真をジックリと鑑賞する”には向かないと感じる。液晶画面が2.2型と小さいってのもあるが、この液晶ったら最大3万2768色までしか表示してくれない。ので、写真によっては違和感のある縞模様なんかが出ちゃったりして。例えば、青~濃い青のグラデーションを持つ空、同様に夕焼け等のグラデーション、明暗の少ない人の肌、そんなふーな写真を再生すると、明らかに中間調が欠落した縞模様写真となってしまう。

 それから、F40で再生できる画像は“gigabeat roomを使ってF40に転送した画像だけ”という点も残念。F40には、マスストレージクラスに対応したデジカメ内の画像を“吸い上げる”機能がある。デジカメ→F40へと画像をコピーできるわけですな。また、F40はUSB接続のポータブルHDDとしても機能する。F40内に画像や文書等のファイルを入れて持ち歩けるわけですな。じゃあそれらのファイルも表示させたいじゃん!! と思うが、できない。

 スペック的には高汎用性なのに、F40上で再生できる画像およびその転送方法に制限があるのはモッタイナイ。ファームウェアアップデートでどうにかして欲しい感じ。テキストファイルやPDFも再生させれ~とまでは言わないが、せっかくの液晶を生かすために、ぜひ、JPEGあたりだけでも、無制限で再生できるよーにして欲しい。

 てなわけで、期待していたフォトビューア機能だが、まあ楽しめることは確かだ。けど、その機能を使うにつれ、もっともっとイロイロとデキて欲しいと思いまくっちゃった俺である。


本体の操作感

画像表示は回転可能なので、ヨコに持ってもタテに持っても文字が正しい向きで読める
 F40の使い勝手だが、俺的にはかなりスムーズに使えると感じた。っていうかイキナリ断り書きをしておくと、gigabeatのFシリーズでおなじみのプラス型タッチセンサーは、ユーザーにより好みが大きく分かれる操作ボタンだと思う。

 プラス型タッチセンサーは、タッチセンサーだけれども、触れるというよりも、ほ~んの少し軽くポッと叩くと反応するという操作感。ノートPC等のタッチパッドとは微妙にフィーリングが異なるのだ。このちょっぴり独特なプラス型タッチセンサー、俺の場合は触り初めてスグに慣れることができたっつーか好めたが、その使用感に戸惑ったりイラついたりする人もあるようだ。

 このプラス型タッチセンサーで項目選択や再生時の各種操作を行なうが、それ以外の操作──メニュー表示等は本体右側のボタンを使って行なう。あ、あとヘッドホンリモコンもありますけど、わりかし単機能な感じなんで俺は使っとりません。てなわけで、F40をバリバリ使おうとすると、本体前面のプラス型タッチセンサーと本体右側面の(4つの)ボタンを使うことになる。

 でまあ、デフォルトだとシンプルに操作できてイイ感じだと思う。メニュー階層や表示やカテゴリは、F40(というかgigabeatシリーズ!?)独特味が少々あり、ある程度このテのオーディオプレーヤーに慣れていないと戸惑うかもしれないが、まあ一通り説明書を読めば理解できるレベルだ。

 F40のウリのひとつに“多彩な画面表示”がある。画面のデザインや文字・ジャケットサイズをさまざまな組み合わせ(テーマ)から選べたり、ジャケットや表示背景をユーザーのオリジナル画像にすることもデキまくり。また表示の向き自体を(縦向きから横向き)に変えることもできる。表示の向きを変えると、前述のプラス型タッチセンサーの反応方向も変わる。要は、さまざまな表示を行なえるうえに、縦向きでも横(左右とも)向きでも、いつものよーに扱えるというカスタマイズ性の高さを持っている。

 テーマ等を変えて楽しめるのはナイスだが、しかし、表示・操作の向きを変える機能は……。結論から言えば、F40って縦向き使用専用のプレーヤーって気がする。てのは、プラス型タッチセンサー以外のボタンが本体右側面に並んでいるからだ。これらボタン類、本体を左倒しにした場合は上に、右倒しにした場合は下に来る。けっこー使いがちなこれらボタンなので、本体を右倒しにしたらスゲく不便であり、左倒しの場合も結局は片手で操作しづらく(というかデキなく)なるので、実用的じゃないフィーリング。

 多彩な画面表示は楽しいが、その実用性を高めるなら、本体右側面のボタン類を本体前面に持ってくるなどして欲しいところである。つーか画面下の十字架を目立たせるためだけのボタン配置だったのか~>F40!! とか思ったりして。考えてみれば、プラス型タッチセンサー以外のボタンも本体前面にあったほーが便利かも、とか。

 まあ、縦位置で片手で使うにおいて、俺的には右手でも左手でもフツー的スムーズさで使えてはおります。が、やっぱりgigabeat Fシリーズ的クセがあったりもするんで、狙ってる人は実機に一度触れるが吉ですな。


音質とかgigabeat

オプションのUSBクレードル。標準ではUSBケーブルが付属する
 F40の音質に関しては、どちらかと言えば高ビットレート派の拙者思うに非常に透明感がありかつナチュラルでイイ音なんじゃないかと。

 例えば、十分に高ビットレートな圧縮音楽や、リニアPCMファイルを再生すると、お手頃ヘッドホンと高級ヘッドホンの違いがよ~くわかる気がする──クセのあるプレーヤーだとヘッドホンの微妙な音質の違いを掴みにくかったりするが、F40はそういう若干マニアックな聴き方にも応えてくれるように思う。また、ユーザー設定を含めて全29種類あるイコライザーの効きもおだやか。ともするとモトの音を違法改造級に改竄しちゃうイコライザーを搭載したプレーヤーが多い中、F40のソレは原音を大切にした設定かもしんないなぁと感じる。

 まあ、音質のコトなんで、結局は聴く人次第ですな。常用のヘッドホンと曲を使って、誰かユーザーさんにF40の音質を試させてもらうのが吉かも。けっこー高価なプレーヤーなんで。

 ちなみに、HDD式プレーヤーってことで、HDD動作時には、ほぉ~んの少し、ノイズが出るようだ。例えば再生中に次のアルバムに飛んで再生する場合、ジリビジビッてな感じの小さな小さなノイズが聞こえる。気になりまくりってほどのノイズではなく、よーく聴かないとわからない程度のノイズだが、音がクリアに出るプレーヤーだけにちょっとだけ残念であった。

 F40に楽曲等を転送したりするのに使うアプリことgigabeat roomだが、全体的には迷わず使えるという印象。しかし、ソフトウェアとしてF40の方ばかり見ていて汎用性がない───例えば音楽CDのリッピング用やファイル形式変換のために使おうとするとデキないコト多々って感じではある。でも、圧縮オーディオファイルのタグ情報等を容易に編集できたり、あるいはGracenote CDDB対応(で音楽CDからリッピングした曲でなくてもタグ情報等を収集可能)だったりするあたりは、十分実用性の高いアプリとなっている。ま、“F40で音楽を楽しむためのソフト”ってことで、納得できる仕様だ。

 付属のクレイドルも好印象であった。このクレイドルったらけっこー多機能・高機能なんですな。充電台にもなるし、もちろんUSB接続時のインターフェースにもなる。また、LINE OUT端子を持つのでアクティブスピーカー等と接続すればコンパクトな音楽再生環境ができあがる。USB接続のLANアダプタ(ただしUSB1.1)にも対応し、F40とPCを無線LAN接続することも可能。ついでに、本体前面には同期ボタンやRipRecボタンがあり、F40とPCの連携動作をより手っ取り早く済ますことができる。

 てな感じで、人に見せられて思わず魅せられたF40、使ってみたら結果オーライ。外国製HDDオーディオプレーヤー的マニアさ怪しさはないが、その分(!?)不都合も違和感もなくラクして使えるという印象。ちょいと高価というイメージがあり、また恐らく操作性や仕様においてユーザーとの相性もあると思うが、拙者としては満足できたHDDオーディオプレーヤーとなった。



URL
  東芝「gigabeat F40」製品情報
  http://www.gigabeat.net/mobileav/audio/product/newlineup.html
  東芝「gigabeat」専用サイト
  http://www.gigabeat.net/

2005/06/06 14:58

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