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オイシイところが多々ある一台「コニカミノルタ DiMAGE A200」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


それなら買うわ、A200

コニカミノルタ「DiMAGE A200」。800万画素CCDを搭載。28~200mmまでをカバーするレンズを採用し、手ブレ補正機能を持つ。店頭価格は9万円を超える程度
 2004年の11月、確か27日だったと思うが、コニカミノルタのDiMAGE A200を予約購入した。思わずパッと買っちゃうヤツと思われがちな俺だが、拙者なりに一応考えたり吟味したりアレコレ悩んだりしてパッと買ってたりはする。のだが、A200に関してはさほど考えず、ある意味衝動的に[予約購入]ボタンを押下することができた。

 A200に惹かれた理由は多々ある。一に広角、二に手ブレ補正、三四がなくて五にバリアングル液晶モニターてな感じだが、実は三とか四にはボディサイズ・質量や撮影機能の豊富さが含まれている。ていうか、俺の欲望の多くをビシバシ満たしてくれるA200なのであって、とりあえずスペックを一通り見た時点で「それなら買うわ」とすんなりイッたわけである。

 でまあ、毎度おなじみイキナリ結論から言えば、A200、非常に嬉しい一台となった。実はDiMAGE A1とかDiMAGE A2を狙っていた俺なんスけど、結果的にA200にしたことで後腐れナシの強い満足感が得られた。

 てなわけで今回はコニカミノルタのDiMAGE A200について。なお、A200に関する詳細はコニカミノルタの製品紹介ページをご参照いただきたい。


オイシイところが多々ある一台

 俺におけるA200のハードウェア的魅力としては、まずそのレンズ関連性能がある。A200は35mmフィルム換算で28~200mm相当の焦点距離を持つ広角7倍ズームレンズを搭載している。のに加え、独自のCCDシフト方式手ブレ補正機構ことAnti-Shakeを採用してもいる。ついでに(!?)ズーム機構が手動式だったりする。で、このようなバランスが俺的にはスキスキ大好きと言えよう。

 広角性能だけ、ってんなら、もはやニコンのCOOLPIX8400が最強に強まってる感じである。35mm換算で24mmからイケますからな。またコレはレンズ性能そのものもかなりキてるんで、広角撮影を楽しみたい時に愛用中である。だが、A200の場合は広角側も望遠側も程よくイケるという点が嬉しい。

 広角側も望遠側も程よくイケてて嬉しい別機種としては、キヤノンのPowerShot Pro1もある。ズーム性能はA200と同じ(35mmフィルム換算で28~200mm相当の焦点距離)ですな。この機種も現在愛用中で、ソフトウェアインターフェイス的にも気に入れているゆえ、COOLPIX8400以上に使用頻度が高い。かなり良いカメラだと思うが、俺的には手ブレ補正機構がない点と今もなおそのズーム駆動機構に違和感を感じたりする点がプチ残念である。

 その点、A200には手ブレ補正機構があり、また、ズーム駆動機構は手動。ヘンな電動ではなくて、ユーザーの緻密な画角調整に十分対応できる手動という点はやっぱし実用的だと感じる。

 ってナ~ンでA200 vs COOLPIX8400 vs PowerShot Pro1みたいなコトを書いてるかと言うと、単に各機種持ってるからなんですけど、実は三台を並べてみるとCOOLPIX8400やPowerShot Pro1が微妙に悲しいっつーか使用頻度下がり気味になってるなぁと感じるから。COOLPIX8400さんにおかれましては追従を許さない広角性能があるんでまだ悲しさが薄いわけだが、PowerShot Pro1くんにおいては若干強めの悲しさがッ!! まあ描写傾向の違いがあるし、そもそも別物と言えばそうなんだが、カメラ持って出かけようかなってぇと、うーん、ついA200に手が出る俺なのだ。


 要はA200のレンズ画角とズーム機構の使いやすさ、それから手ブレ補正機構の実用性が何だかんだで便利っつーわけだ。が、これら便利さ、実はっていうかご存じのとおり、DiMAGE A1DiMAGE A2にもあった。広角ズームで手ブレ補正って点ですな。

 しかし、A200にはA1やA2にない大きな魅力を感じる。まずバリアングルモニターが搭載されたこと。俺の使い方ではやっぱどー考えても上下チルトだけの液晶よりもバリアングルのほーが便利なのである。A1やA2には角度が変えられるビューファインダーやふたつのダイヤル、あるいはシンクロターミナルなんかもあり、それはそれで魅力的なのだが、それら以上に俺はバリアングルモニターに魅力を感じまくる。

 それと、例えば同じ8メガピクセル機であるA2と比べると、軽くて小さいという印象が強いこと。サイズについては、実際はそーんなに大きな差ではないと思うが、ゴツさがないんですなA200。カサバリ感が少ない感じ。質量は片手で持ち歩いていても苦にならない程度。A2実機を触った時もさほど重いとは感じなかったが、まあそれは置いといて、8メガピクセル・光学7倍ズーム・手ブレ補正機構搭載・バリアングルモニター採用のハイエンド系デジカメとしてはずいぶんコンパクトであり気軽感の強いボリューム・質量だと思う。


抑えめ発色&ノイズも少なめ

 んで、ここしばらくA200を愛用中だが、肝心要の画質に関してもまずまず満足している。

 拙者的感覚からすれば、ハッキリ言って冬の風景を撮るならニコンのCOOLPIX8400が好きと言えよう。なんつーか深く禁欲的な青がシャキーンと出るから。また解像感も高く、気温も心も寒い感じが写る。あるいは、目で見てるよりクリアなイメージの画像を得たいって場合はPowerShot Pro1が好きと言える。ノイズが超少なくて解像感も非常に高くて色のメリハリも良く出ると思うからだ。

 A200はと言えば、そういう強い個性はあまり感じなかった。デフォルトの設定で撮ると、微妙に抑えめだけど素直な発色で、ノイズも(過去のミノルタ製デジカメ等から比べると)非常に少ないと感じた。見た光景とだいたい同じ画像が記録できるって点では印象が良いが、あるいは見た画像をデジカメがどう写し取ってくれるのかに期待すると微妙に物足りない!? みたいな。

 もちろん、画質・発色の設定を変えれば描写や発色をかなり幅広くコントロールできるA200。デフォルトは至ってナチュラルで、そこから好みの画質・発色へとチューンできるってコトでは、ユーザー色に染めやすい機種とも言えよう。

 ともあれ、ご参考までにいくつかA200による画像を提示しておきたい。


全体的に扱いやすいインターフェイス

 広角から中望遠まで撮れて、手ブレ補正機構も使えて、バリアングル液晶が便利で、画質も好印象って感じのA200だが、ハードウェアとしても扱いやすいと感じる。

 前述のように比較的に小型・軽量ってのもあるが、デジカメとして十分快適に使えるのが嬉しい。例えばコンパクトだがホールド感が非常に良い。グリップ部が縦に短めのため、(俺の場合は)右手の小指が外れてのホールドになるが、グリップ部の奥行きが十分あるのでしっかり握れる。また、重量バランスも良いようで、片手で持った場合でも(A200の重みを少し感じはするが)、不安定という印象はない。両手でホールドすると、当然安定し、また程よい重量感となる───軽すぎてシャッター押下時のブレが心配になる程でもなく、重すぎて疲れるほどでもない。28~200mmまでのレンズ使ってんのにホールド感的にはミドルレンジなコンパクト機って感じである。

 ボタン類の位置も、ハイエンド系デジカメとしては平易でわかりやすいと思う。ていうかまあボタンを見て、いじって、試せば、ああこういう機能かってコトがだいたい理解できる。多機能なデジカメなので説明書開かずに全機能を……ってのは無理だと思うが、敷居の低いハードウェアインターフェイスだと感じる。

 ただ個人的には、使い始めるとけっこー便利だったりする本体左側のふたつのボタン(AF/MとSHIFT)を、もーちょっと“指先の感覚ですぐ見つけられる形状”にして欲しかったかも。慣れれば位置覚えるんスけど、平坦過ぎで指先がかじかむ季節だといちいち見て探そうとしちゃう俺である。あと、手動のズームリングはいいと思うが、広角周辺と望遠周辺が若干重めで、中間がスカッと軽めという操作感はミョーであり何となく安っぽい感触。人によって重めがいい軽めがいいと意見が分かれるとは思うが、どちらにせよ均等な手応えで回せるようにして欲しい。

 あ。あともうひとつ。A200ではマニュアルフォーカスが使える。ピントはビューファインダーや液晶モニターで確認し、ピントの山を掴みやすいようにとフォーカス位置を自動拡大してくれる機能も備わっている。のだが、各液晶の画素数が少々貧弱なので、どーしてもピントの山がつかみにくく、気持ちよくマニュアルフォーカス機能を利用できないと感じた。マニュアルフォーカス機構自体は扱いやすいので、これをさらに快適にすべく、ぜひ液晶の高画素化をお願いしていきたい!! バリアングルモニターは大型化と高画素化を同時にお願いしていきたい!!


 ソフトウェアインターフェイスについて、個々の表示等は理解しやすく、またハードウェアインターフェイスっていうかボタン類との連携も好ましいと思う。

 例えば、FUNCボタンではISO感度、描写傾向、フラッシュ動作モード、測光方式を設定できる。ドライブモード切替ボタンで連写やAEBやセルフタイマー等を設定できる。四方向ボタンの上で露出補正とフラッシュ調光、下でホワイトバランス設定ができる。またメニューボタンから呼び出せるメニューからは、その他の細かな設定項目にアクセスできる。機能的なカテゴリや使用頻度ごとに機能・ボタンが割り振られているので、わりあい把握しやすく、四方向ボタンおよびその中央の決定ボタンによる操作もスムーズに行なえる。

 非常に多機能であり、また機能や挙動をけっこー細かくカスタマイズしたり登録したりできるA200ゆえで、使ったら即日手になじむってほどのわかりやすさではない。前述のとおり、ある程度はマニュアルを読む必要があると思う。が、背反しがちな多機能さとわかりやすさをうまく摺り合わせている。ハイエンド機なのに気楽に扱える機種と言えそうだ。


ラクさせてくれるハイエンド

 以降、A200ユーザーとしての雑感等々を。

 A200を使っていて便利なのは、やはり結局、レンズと手ブレ補正機構。他も良くできたデジカメだと思うが、このふたつの良さでA200についつい手が出る俺だ。

 まずレンズのズームレンジ。35mm換算で28~200mmの画角を扱える。被写体周辺までダイナミックに写し込んだ風景写真から、アノコの瞳にジャストピントなポートレイトあたりまで楽しめる、コンパクト系デジカメにおいては実用性の高いズームレンジだと思う。またズームを手動で行なう点も非常に良い。画角が段階的に変化してしまいがちな電動ズームとは違い、非常に繊細な画角調整=微妙なトリミング・フレーミングをスムーズに行なえるからだ。

 朝夕等の若干暗め=シャッタースピードを落とす必要が出てくるような状況下、思いっきり役立つ手ブレ補正機構だが、コレ、精神衛生上でもかな~り役立ってる気がする。てのは、撮影時の心配事やストレスがちょいと減るからだ。何を撮るにしても、カメラを使うときにきっと思う「手ブレしないよ~に」という緊張感から少々解き放たれる。瞬間的なシャッターチャンスが訪れた時に、手ブレしない努力よりも良いフレーミング等に集中できる。もちろん、手ブレを起こさない努力を怠れば、いかに手ブレ補正機構とは言え、手ブレする確率は高まる。が、これまで撮影者が負ってきた手ブレ回避への集中力・努力を、少しだけカメラが肩代わりしてくれるというプチ開放感が心地よい。


 手ブレ補正関連で言えば、A200、テレマクロ撮影ができる。A200は他のわりと一般的なデジカメと違い、一部のズームレンジでしかマクロモード撮影が行なえない。具体的には広角側と望遠側のみとなる(ズーム中間あたりのレンジではマクロモード撮影ができない)。でまあ、広角側でのマクロモード撮影は、これ以上後ろに引けない(被写体から遠ざかれない)って場合に使う感じだが、望遠側でのマクロモード撮影(テレマクロ撮影)が非常に実用的だ。

 小さな花や小物を、画面一杯に入れ、かつ、花や小物の形状をゆがめないように撮るには、やや焦点距離の長いレンズを使うのが普通だ。例えば35mmカメラなら、100~200mmあたりのマクロレンズを使うことが多い。さておき、A200には、180~200mmあたりのズームレンジでマクロモード撮影を行なえるテレマクロ撮影機能が備わっている。大雑把に言えば、小さいモンを画面一杯に入れつつ自然に撮るためのモードだ。

 こういうモードを持つデジカメは他にもあるが、そういう焦点距離で撮る場合、手ブレしやすいというケースが少なくない。また、小物ならまだしも、自然の植物を撮る場合は無理な撮影姿勢を強いられることが多い。A200の場合、前者を手ブレ補正機構がサポートし、後者をバリアングル液晶モニタがサポートする。まあ特定の被写体撮影時にだけ役立つ要素かもしれないが、野山に花を撮りに行く人なんかをかなりラクにしてくれるA200と言えよう。

 てなわけでA200だが、これは誰にでもお勧めできるという機種ではない。だいたいけっこー高価だし。比較的に手軽に使えるとは言え、初心者では容易に使いこなせない機種と思われるし。だが、ある程度デジカメを使ってきて「こんな機構が欲しかった」とか「こういう機能を求める」って人にはドハマりする一台のような気がする。それは、それらの機構・機能が目的ありきで生まれてきたように感じるからだ。超スゲぇ最新機構搭載!! てな華はない。しかし、ツボにクる性能と使い勝手が所々にあるので、試しに一度実機に触れてみて欲しい。


作例

【編集部より】
デジカメの解像度が数百万画素レベルとなり、HTMLページで撮影元画像を掲載するのが難しくなりました。そこで、元画像をご覧になりたい方のために、撮影例データをまとめてダウンロードする圧縮ファイル(ZIP圧縮、22.3MB)をご用意しました。こちらからダウンロードしてください。


東京・浅草の浅草寺。階調は明部から暗部まで滑らかに出ている感じ。発色の個性はあまり感じられず、素直な色がでるデジカメという印象だ 同じく浅草寺。広角側いっぱいでは若干の歪みが出るが、解像感自体は高く、細部まで緻密に描写されている

晴天の冬空。見たまま、とまでは言わないが、デフォルトで撮ると至って素直な発色になるようだ 野良なねこ様を200mm相当望遠でシュート。A200を地面に置いて撮影したが、バリアングルモニターはそーゆー時にも便利である。ノイズ感が少なくて良好ですな

動物園シリーズ。この像のシワをキレイに出すデジカメはそう多くなかったりしつつ、この孔雀の羽毛を克明に描写するでじかめもさほど多くなかったりして、A200、かなりイケてるかもしれない


内蔵フラッシュで撮影。ちなみに、このねこ、フラッシュのプリ発光(赤目防止じゃなくて露出等決定用のプリ)に敏感に反応する。ので、プリ発光→本発光までの間が微妙に長めのA200で撮ると、見開いていた目が若干閉じて写ってしまう。にしても、細かい毛までキッチリ描写していてグレイト 別売の外付けフラッシュ(プログラムフラッシュ2500D)を使ってバウンス撮影をしてみた。室内照明(白熱球色蛍光灯)の光に邪魔され、若干赤みがかってしまってトホホ。にしても、やはり、十二分な解像力を持つデジカメと言えよう


URL
  「コニカミノルタ DiMAGE A200」ニュースリリース
  http://konicaminolta.jp/about/release/kmhd/2004/0915_01_01.html
  「コニカミノルタ DiMAGE
  http://konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/dimage-a200/
  【実写速報】コニカミノルタ DiMAGE A200(デジカメWatch)
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/review/2004/12/20/650.html

2005/01/24 17:29

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