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辛抱たまらずカーナビ購入! 「HDDサイバーナビ AVIC-ZH900MD」 (前編)
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スタパ齋藤 1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。 |
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■ 辛抱たまらずカーナビ購入
久々にカーナビを買い換えた。今度のナビはパイオニアのカロッツェリアHDDサイバーナビAVIC-ZH900MDにしてみた。ちなみに前のナビはやはりパイオニア製で、機種はカロッツェリアHDDサイバーナビAVIC-H09である。
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2004年モデルのHDDサイバーナビの最上位機種AVIC-ZH900MD。HDDをメディアとするカーナビゲーションシステムで、MDやCD等を再生可能なカーオーディオのヘッドユニットとしても機能する。メーカー価格388,500円
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ていうかですね、買い替える気は特になかったんスよ。でもですね、知ってしまったんですよAVIC-ZH900MDを。
正直なところAVIC-H09で満足していた。3年前に出た機種だが、ナビとして正確・高速であり便利に使えており(重箱の隅をつつくようなマネをしなければ)コレで問題ナシと思えた。また音楽CDを録音してHDD上で再生しまくれるミュージックサーバ機能もすげー便利でナイスと思えた。
一方で、音楽CDもMP3やWMAも再生できるカーオーディオ欲しいかも~とか思ってイロイロと製品を物色していた。そんな時、俺的に耳よりな技術を知った。パイオニアのオート・インテグラルサウンドシステムである。
これ、要はクルマの中における音質・音場を補正する技術だ。詳細は例えばココに書かれているが、ホームシアターなんかの音場補正技術と近いモノだと思う。ともあれ、俺的には非常に興味津々なる技術であり、すなわちコレを使えばなーんかどーやってもウチのミニコンポとかよりシャキッorドスドス鳴ってはくれない愛車車内が良さげなリスニング空間になるかも!! とか少々興奮しはじめた2004年の春頃。
んーオート・インテグラルサウンドシステム使ってみたいナ~買おうかな~どうしよっかなぁ。そう思っていたら、一方で新型のHDDサイバーナビがリリースされた。この新型には前述のオート・インテグラルサウンドシステムが搭載されていた。
む!! と思ってさらに調べると、なんかナビの心臓部を取り外して室内で使ったりもできるらしい。むむ!! 知らない間にナビにCFデータ通信カードが挿せるように。むむむ!! あっインダッシュだ。むむむむ!! タッチパネルかぁ。むむむむむ!! ネット経由でオービスロムをダウンロードできるらしい。むむむむむッ!! むむむむむむむ~ッ!!
でも我慢した。先立つものが全然ないのであった。後悔先に立たず……って全然違うが、後悔先に立たず状態を立たせるのが先立つものがない状態であってってどーでもいい!! 今回は我慢!!
しかし、我慢が続いたのは3カ月程度であった。結局、2004年の夏頃、思わずカロッツェリアHDDサイバーナビAVIC-ZH900MDを購入。待望のオート・インテグラルサウンドシステムやHDDナビとしての各種機能を堪能して4カ月程度経ったってコトで、今回はAVIC-ZH900MDについてアレコレと。
なお、ハードウェア詳細等はパイオニアの製品紹介ページをご覧いただきたい。
■ インなのかオンなのか!?
AVIC-ZH900MD(以下ZH900MD)は、2DIN・インダッシュモニタータイプのカーナビゲーションシステムで、カーオーディオのヘッドユニットも兼ねている。要するに、ZH900MD(とハイダウェイユニットとアンテナやリモコン類)だけで、カーナビにもカーオーディオにも使えるというわけだ。
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AVIC-ZH900MDはカーオーディオとカーナビが一体化した2DINサイズのユニットだ。2DINの本体に加え、ハイダウェイユニット(付属)やアンテナ類を取り付けて使用する
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AVIC-ZH900MDのモニタ部はインダッシュモニタで、不使用時は本体内に格納できる
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2004年度版のHDDサイバーナビは全4機種あるが、このうちからAVIC-ZH900MDを選んだ理由はインダッシュモニターを使いたかったからだ。前はオンダッシュ(ダッシュボード上にモニタを外付け)だったが、結論から言えばインダッシュとオンダッシュは双方一長一短がある。
インダッシュの場合、1DINや2DINのユニットにモニターが格納されるので、どーしてもモニターのサイズに上限がある。また、画面位置や画面の向き等はユニット取り付け位置に依存するので、車種によってはすげー見にくい位置に画面が来るってのもある。だが、不使用時は画面がユニット内に格納されるのでスッキリ。またクルマから降りる際、一工夫すれば“ナビ搭載車かどうか一見わからない”ので盗難にも遭いにくい……ような気がする。
オンダッシュの場合、大画面のモニタを選べたり、取り付け位置の自由度が高いのでモニターを見やすい位置・向きにもってこられる。けど、不使用時にも(フツーは)定位置に鎮座しっぱななし。時には邪魔にもなる。また常に「このクルマにはカーナビが付いてますぅ~」とアピールしちゃう感じも、なんかこう悪人多発の現在において怖い……ような気がする。
インダッシュタイプのZH900MDを選んだ俺だが、結論から言えば、やはり画面サイズ的に悲しい部分があった。画面は7インチのワイドだが、ここ数年間8インチワイドモニターを使っていた者としては正直見づらい。信号待ちなどで画面をチョイ見するナビだけに、単純にデカいほーが見やすい。
ZH900MDのモニタにはチルト機構があるので、上下方向に若干傾けらて、つまり見やすい向きにできる。が、スウィーベル機構がない(左右には向きが変わらない)ので、モニタ面をビシッとドライバーに向けることは(ふつーは)できない。
こっちのほーが絶対サイバーだし安全だし!! などとチョー期待して選んだインダッシュタイプだが、画面小さめで見にくいし完全にはこっち向いてくれないし……で若干悲しんだ俺であった。でもまあ、慣れですな。2カ月程度(←そんなにかよ!!)使ったら画面サイズにも向きにもさほど大きな違和感を感じなくはなった。
■ 相変わらず正確、使いやすさ大増量
さて、ZH900MDは非常に多機能なナビでありオーディオであるが、まずカーナビゲーションシステムとしてどーなのか、てなところを。
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従来モデルは5Hz測位のマップマッチングを行なっていたが、AVIC-ZH900MDでは10Hz測位になった……のだそうだ。言われてみれば事細かにマップマッチングしているようには思うが、でも、なんかこう、明らかな体感差ってのは薄い。ともあれ、カロナビの自車位置測位精度は2004年モデルでも超健在なのであった
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最新型ってコトで自車位置表示やマップマッチングの精度は上がっている感じ。まあ俺の場合3年前のナビと比較するカタチになるんで、当然と言えば当然かもしれないが、ビルの多い都市部を走り回っても裏道細道をグイグイ走っても、実際の自車位置と表示上の自車位置がズレることはほとんどない。高速道路走ってんのに一般道走ってることになるよーなケースはあるが、3カ月程度使っても、そーゆーケースになるのはかなりに希。そのよーなケースを見るドライバーこと俺は「わぁ間違った自車位置だぁ」と珍しいモン見た気になるわけであり、ある種のレアケースと言えよう。
ただ、3年前のナビことAVIC-H09と比べても、「明らかに凄く正確になった」とか「自車位置追従性がすげー高まった」とは感じなかった。カロッツェリアナビ(カロナビとも言う……んですよね!?)の場合、DVD-ROMベース時代から正確だったし、前述のAVIC-H09も驚くほど正確だった。それらを上回る性能を持つって話のZH900MDだが、その性能の凄さは明らかな体感差としては感じにくいよーに思う。
他、ナビとしての良さ・便利さはイロイロあるが、俺的にヒジョーに嬉しかったのはメニューおよびタッチパネルの利便である。ZH900MDはリモコン操作でも使えるが、タッチパネル操作でも使える。で、タッチパネルを使うと、何から何まですげーラクして行なえるのだ……って同然っちゃあ当然スか!?
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AVIC-ZH900MDでの地図表示例。画面左側の“ビュー”や“100m”をタッチすると、表示スタイルや表示スケールの変更を行なえる。リモコンを使用しての変更も可能だが、指先でパパパッと設定を変えられるのはラクチン
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いや当然じゃないかもしれない。画面上のユーザーインターフェイスが、タッチパネル操作でもリモコン操作でもスムーズに扱えるのは偉いかもしんない。もちろん機能によってはリモコンの方が快適、タッチパネルの方がスムーズって違いは少々ある。例えば縮尺変更や遠方までのスクロールはリモコンが便利だし、文字入力や深い階層へのメニュー移行はは圧倒的にタッチパネルが便利だ。しかし、どちらの操作でもおおむねストレスなく使えるってコトは、つまりメニューや操作方法がわかりやすいってコトだし、画面上の各種ユーザーインターフェイスも直感的なんだと思う。コレってやっぱ、実は凄いんとちゃいますのん、と思う。
AVIC-ZH900MDに付属するリモコンとステアリングリモコン。AVIC-ZH900MDはタッチパネル操作とリモコン操作に加え、発話による音声操作も可能だ
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ホレ、こーゆーハードウェアのインターフェイスって、わりとお仕着せがましかったりするっしょ? 例えばメーカー側が「この製品はタッチ操作が基本ですのでインターフェイスもそういった仕様になっております」的な横柄感を漂わしがちな製品って多いっしょ? ZH900MDからはそういうヤな印象を受けなかった。タッチパネルやリモコンでの使用感もそうだし、メニュー・機能等へのアクセスも、ユーザーが好き勝手に使えるようにデザインされていると感じる。
大雑把なイメージとしては、機能へアクセスするための入り口が多めって感じですな。玄関からでも裏口からでも窓からでも入れる、みたいな。テキトーにいじってても目的の機能にありつける度が高い、みたいな。一方で、こういうインターフェイスだとマニュアルがわかりにくかったりはする。こーもあーもそーもデキるんでお好きなように、ってコトで説明書の項目数が多くなる。そういう観点からは決して初心者向けとは言えないZH900MDだが、でも、実際使ってみると(ある程度の機能的知識は必須だが)初めてZH900MDに触れる人でもススッと使いこなせるカモと思う。
■ 地図表示について
3カ月間使ってみて、基本的に文句はナイんですよZH900MDには。高速だし賢いし使える機能が豊富だし。モノとして実用的だが、それ以上に嬉々として使いたくなるハードウェアであり、買ってからずいぶん経つのにまだニヤつきつつ利用しまくり中である。
だが、カーナビとしてマジメに考え、俺としてはな~んか若干違和感を覚える点もある。例えば地図表示だ。
例えば立体的な地図表示について。リアルな街並みを再現するソリッドシティマップやスカイシティマップ、あるいはドライバーズビューは、どうなのか? と。自車位置精度が超高くてジャイロも正確で表示も高速なZH900MDなんで、これらの立体的な地図表示は使っていて愉快である。都市部の一般道や有名なランドマークがあるエリアで使うと、なんつーかこー、航空写真を見るのと似た楽しさがある。
AVIC-ZH900MDで表示可能な3Dマップ。左がソリッドシティマップで、右がスカイシティマップとなる。見ていて楽しいリアル表示ですな
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しかし、こういった立体表示、拙者は運転をサポートさせるために使おうとは思わない。例えばソリッドシティマップで都内とか走ったりするとですね、俺の場合は焦ったり疲れたり事故りそうになったりするのだ。結局、画面上の情報量が多すぎると感じる。パッと見で現在どういう状況・状態なのかを掴みにくい。もちろん、これらのリアルな表示モードでも、必要に応じて2D地図の小窓が表示されたりするんスけど、あのですね、やっぱですね、立体感ある表示のほーに目を奪われがちなわけですよ。でも、その立体感やリアルさが、ドライバーへ道のつながりや方向等々を的確に伝えているかというと、それは疑問だ。
ソリッドシティマップ表示時、ナビゲート中には適宜2Dマップも表示される。ドライバーに見えているのは、外の風景と、画面上のリアルな3D地図と、やはり画面上の2D地図だ。俺の場合、外の風景と、画面上の2Dマップの関連はスッと把握できるが、外の風景と3D地図の関連を把握するのに時間がかかる。外の風景と3D地図は、その全体像こそ似ているが、どの地点をどう曲がる等のピンポイントの情報を掴むためには(3D地図の)情報量が多すぎると感じる
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てなわけで、数年前ならオモシロがって使っていた表示だと思うが、最近の拙者はこういった表示モードに必要性を全然感じなくなり、ほとんど使わなくなっている。まあ、他にも表示モードいろいろあるんで、そちらを使えばいいだけの話なんスけどね。
ちなみに俺が愛用中の表示モードはツインビュー。画面が左右に2分割され、それぞれ違ったスケールの地図が表示されるモードだ。このモードで、右を50メートルスケール、左を500メートルスケールにし、両方とも2D表示として使っている。前述のAVIC-H09の時もこれとほぼ同様の表示で使用していた。
ツインビューの表示例。画面左側の見下ろし角度は自由に設定できる───立体的にも平面的にも表示可能だ
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ところで、AVIC-H09とZH900MDの2D表示を比べると、ていうかもうAVIC-H09は取り外しちゃったんでキッチリとした比較はできないのだが、ZH900MD、なんか表示に装飾が多くなったような気がする。基本的にはパッと見で見やすく、またキレイでもある装飾なんでOK感が高い。
しかし、一部の表示に関して、地図としてのZH900MDの表現力をちょいと邪魔してるかも? と思うことも。例えば、ウェイポイントの名前や距離の表示、あるいはスケール等の表示、すなわちけっこー常時表示されている各種のオーバーラップ表示である。
ノーマルビューでナビゲート中、各種のオーバーラップ表示が出ているところ。画面一杯に使う表示モードならさほど問題はないが、ツインビュー表示時はオーバーラップ表示が邪魔になって地図が見づらいケースが少なくない
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おそらく、ツインビューでない表示ならば、さほど問題にならないオーバーラップ表示だと思う。例えば全画面を1枚の2D表示とするノーマルビューなら、まあ横の空間をうまく使ったオーバーラップ表示と感じる。が、ツインビューでもこれと同様のオーバーラップ表示が出ちゃうと、けっこー狭ぇんスよ地図自体の表示が。でもツインビューって便利なんで使いてぇんスよ俺的には!! だからビューとかスケールとか時間とかETCカードの有無とかそれぞれ細々したオーバーラップ表示をもっとスッキリ小さく整理して欲しぇ~と思った。ついでに、夜間色の表示だとETCカードの有無表示が見えにくいんで色を変えて欲しいと思った。あとどうせ地域や道路名の表示をするなら都道府県等と道路名等を同時に表示しちゃってくれと思った。ていうか細かいコトをいろいろ思ってる俺だなぁと思った。
などと、表示に関して小さく細かいナンクセを付ける俺だが、基本的には非常に見やすいんスよZH900MDの地図表示。ナビゲートさせてない時も見やすいが、特にナビゲート中は役立つ&助かる表示が多くあって嬉しい。例えば、あらかじめどの車線に移っておくべきか、この先の分岐はどういうカタチで行なわれているのか、入り口とか出口ってどんなふうなイメージなのか、みたいなコトをサクッと一発の表示で伝えてくれる。
左:ナビゲート中に曲がる方向を示し、同時に適切な車線を案内している表示。緑地に白の矢印の車線に入ると、最もスムーズに目的地へ向かえる
右:一般道から高速道路への入り口を案内する表示。実際の入り口をシンプルに描いたイラストは非常にわかりやすい。ただ、これ以上描写がリアルになると、ユーザー(っていうか俺)は情報量過多で迷うかもしれない
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高速道路の分岐や出口での表示。どの車線を走れば良いのか、分岐はどのようなカタチなのかを的確に表示する
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このよーな表示により、県人である俺などでも、恐怖の首都高速道路をスイスイと移動であって、ナビ画面凝視で危険運転でクラクション鳴らされるなどとゆーことはナイのであって、どこに行ってもジモティ(死語!?)ドライバーって感じでスムーズに運転できているのであり、ZH900MDに感謝と言えよう。
他にも、さらに良い点が多々あり、若干の疑問点なんかもあったりするZH900MDだが、そろそろ文章量マキシマムなフィーリングゆえ、以降は本連載次回に書いていきたい。
(来週の後編に続く)
■ URL
パイオニアのカロッツェリアHDDサイバーナビ「AVIC-ZH900MD」製品情報
http://www.hdd-cybernavi.com/
2004/12/13 16:29
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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