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使ってみてぇ!! アイ・オー・データ機器「iVDR-20」
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スタパ齋藤 1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。 |
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■ iVDR使ってみてぇ~!!
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iVDRファミリー。左が無印iVDR、中央がiVDR mini、右がiVDR micro。今回製品化されたのが、写真中央のiVDR secure mini規格だ
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発表当時からチョー興味深いゼこりゃと思い、実際の製品が発売される前から予約注文したモノがある。皆さんご存じのiVDRハードディスクドライブ製品だ。
……ええっ!? iVDRをご存じナイとなッ!! ダメだダメだダメだ!! 知っていなければならないッ!! このサイバネティックでありかつ汎用性が高いに違ぇねえHDDを知らずに何を知るッ!! ていうか個人的に、なんか、あの、えーと、燃えたり萌えたりする新規格HDDってだけではある。でも、けっこー良さげなんスよこのiVDR。なお、iVDRに関する詳細については、iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアムのウェブサイトをご参照いただきたい。
iVDRはInformation Versatile Disk for Removable usageの略で、これを強引に日本語化してみると“挿抜用多目的情報円盤”となって意味不明度を高めた俺はダメと言えるが、要はコレ、“PC用途以外にも多方面で使えるように”と設計された“リムーバブルHDD”でありその規格である。PCデータ保存等にも使えるが、さらにオーディオ機器やビデオ機器なんかにも使えるように、耐衝撃性やコネクタ部の耐久性までしっかり考えて作った規格だヨ、と。
ハードディスクドライブとしてのiVDRには、現在のところ3種類の仕様が策定されていて、具体的にはiVDR parallel、iVDR、iVDR miniとなっている。
iVDR parallelはパラレルATAインターフェースのドライブで、サイズは80×12.7×130ミリ。超薄型のポータブルHDDよりちょいと小さいって感じですな。
iVDRとiVDR miniは両方ともシリアルATAインターフェースのドライブだが、サイズが違う。iVDRは80×12.7×110ミリ。iVDR miniは80×10×67ミリ。で、俺が速攻予約購入したのは、iVDR mini規格に対応したもので、アイ・オー・データ機器のiVDR-20という製品だ。
ていうか現在のところ、iVDRハードディスクドライブ製品ってコレしか存在していない。ので選ぶも何も、iVDR使ってみてぇ~!! とか思ったらコレを買うしかないのであった。
■ ナゼにiVDR?
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iVDR mini規格に対応アイ・オー・データ機器の「iVDR-20」。標準価格25,200円
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iVDRのような規格&製品にナゼ燃えたり萌えたりするかと言えば、やっぱり結局リムーバブルHDDは非常に気分良く使えるからだ。現在では、例えば3.5インチや2.5インチのベアドライブをケースに入れ、リムーバブルHDD化して使うスタイルがあるが、アレは気持ちイイし便利である。
まず、HDDなので、他リムーバブルメディアと比べて読み書き速度が圧倒的に速い。加えて、今時のHDDはみーんなGBクラスの容量。速くて大容量となれば、何をしようにも非常に快適だ。
リムーバブルである点も非常に良く、要は“メディアを必要なだけ交換して使える”という合理性が気持ちイイ。まあリムーバブルHDDの場合、リムーバブルな部分はドライブ本体なわけで、ヘッドやモーターも内蔵されている。MOやDVD-RAM等と比べると、メディア毎にドライブやヘッドが必要で少々モッタイナイ感があるという点は否めないが、にしてもメディア交換感覚で手軽に複数のHDDを扱えるのはグレイト。
俺の場合、ラトックのリムーバブルケース製品を多用しているが、HDD毎に保存するデータ種類等を変えてライブラリ化していたりする。エンコードしまくったMP3はこのリムーバブルHDDに、動画はこっちに、バックアップはコレに、デジカメ画像はソレに、てな感じでデータをHDD毎に整理中。データが必要になったら、そのリムーバブルHDDをPCに接続して(スコッと挿して)利用。てなことをやっちまうと、手軽に抜き差し交換できて、しかも読み書き高速&大容量のリムーバブルHDDは手放せなくなる。
で、iVDRに目を付けたのは、やはりそのサイズだ。前述のようにiVDR miniなら80×10×67ミリ。MDメディア2~3枚って感じの容積しかない。これより大きいiVDRにしても80×12.7×110ミリ。3.5インチHDDをリムーバブルHDD化しつつ使っている俺にとっては、もう非常に小さくて、それだけでソソるハードウェアだと言える。
また、iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアムは、iVDR製品をPCはもちろんAV機器方面にも使わせようとしている。ついでに、コンソーシアムに参加する企業は、三洋にキヤノンに富士通に日立やパイオニアやシャープやビクターや……とヤル気ありそーなところが多かったりして、これは普及するのかもッ普及して欲しいそしてウチのストレージ環境は全部同じiVDRで揃えてスッキリしていきたいのでスッキリさせてくれよコンソーシアム!! とかいう希望も若干。
例えばiVDR miniがすげぇ普及したりすると、現在の気持ち悪さがかな~り解消されると思うのだ。今あるリムーバブルHDDは便利だけど互換性がないしデッカイし、当然AV機器には接続できないし、みたいな。こーゆー問題の多くが解消されるよーな気がし、iVDRに飛びついてみた拙者である。
■ 早速使用開始してサイバー感堪能!?
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USB 2.0対応アダプタとのセット「USB2-iVDR/20」。標準価格35,700円
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とにもかくにもiVDR-20を早速使用開始。
iVDR-20の箱を開けると、USB2.0接続のアダプタと、iVDR本体であるiVDR miniカートリッジ、それからACアダプタにUSB延長ケーブルにマニュアルにCD-ROM等々が出てきた。Windows XPユーザーである俺の場合、恐らくWindows XPさんがどーにかしてくれるであろーってことで、USB2.0接続アダプタにiVDR miniカートリッジを装着した直後、何も考えずにPCとUSB接続した。
ら、フツーに認識され、フツーに使えるようになった。一般的なUSB接続のポータブルHDDと同様な感じですな。
次に、おもむろに読み書き速度的使用感を試す。
俺の最強に強まってるかどうかよくわかんないけど動いてくれているPentium 4 3.20GHz駆動の自作PCから、iVDR-20へ、約2GBのファイル(ファイル数合計は49個)をコピーしたところ、約2分21秒かかった。また、同自作PC内にある別HDDへ、同じファイルをコピーしたら約1分7秒かかった。ちなみに、PC上のコピー元データがあるHDDはSeagateのBarracuda 7200.7 SATA。PC上でのコピー先は、同型の別HDDである。
で、まあ、こんなモンじゃないでしょうか? 速度的には。USB2.0だし。
使用中、こりゃけっこーイイかもとプチ思ったのは、まずiVDR-20がパスパワーで動作する点。ACアダプタ等が不要で、USBポートから給電される。ので、iVDR-20をPCに接続しさえすれば動くわけですな(ただし一部環境では付属のACアダプタを接続する必要が出るとのこと)。
それと、接続したUSBポートのデータ転送速度、つまりUSB1.1なのかUSB2.0なのかによって、iVDR-20アダプタ部のランプの色が変わる点。USB1.1接続だと緑に、USB2.0接続だと青く光る。キレイ&わかりやすくて良い。
加えて、iVDR miniカートリッジが出す音=ディスク回転音や読み書き時のヘッドシーク音も非常に静かで快適。熱に関しては、外気温30度弱の環境で3時間程度連続使用(連続読み書きってことではなくてたまに読み書きの連続通電)すると、iVDR-20アダプタ部下側が若干熱くなるものの、iVDR miniカートリッジ自体はほんのり暖かい程度。熱によるHDDダメージってのもなさそーな雰囲気だ。
……けっこーイイかもiVDR mini!! 今はまだiVDR miniカートリッジ一個しか持ってないけど、この小さなカートリッジを、今後、ビシバシと買い増して、クールかつスッキリかつスマートにデータをライブラリ化し、サクサク抜き差しして文書や静止画や動画や音声をテキパキと扱いまくったうえ、PC以外のデジタル機器ともデータ的連携を取って!! とか思ったが、「……けっこーイイかもiVDR mini!!」以降の内容は単なる空想でしかない現在なのだ。
■ USB接続のポータブルHDDに、勝て……るのか!?
ぶっちゃけた話、iVDR-20、しばらくの間は多用しないと思う。
前述のように、とりあえず一通り試してみたが、俺的にイイ!! と思ったのはiVDR miniカートリッジのサイズくらいのモンだ。しかも「こんなに小さい上に●●」とか「●●であるにも関わらずここまでコンパクト」という感触ではなく、単に「小さいHDDモジュールって何かカッコイイよね」ってだけである。
つまり、まだまだ、これからのメディアですな、iVDR。多くの人が使うようになんないと、また、多くのハードウェアが対応するようになんないと、別に大した魅力はナイのである、今のところ。
何しろ、iVDR miniカートリッジを持っていても、現状、ソレを挿して使えるのはiVDR-20のUSBアダプタだけなのだ。すなわち、使うときはiVDR miniカートリッジ+USBアダプタ状態。ソレってUSBの外付けHDDと同じでは!? と。
例えば使用感である。一般のUSB接続ポータブルHDD等とiVDR-20を比べると、USBケーブルを毎回抜き差しするか、カートリッジ部だけを抜き差しするかの差しかない。速度も同じ感じで、動作音なんかも同じ感じ。ところが、iVDR-20(のアダプタ・iVDR miniカートリッジのセット)は安いショップでも3万円弱はする。iVDR miniカートリッジのみだと2万円弱って感じ。
3万円出すとですね、ラクに80GBクラスのUSB接続ポータブルHDDが楽勝で買えるわけですな。120GBの3.5インチベアドライブなら3台買えちゃいますな……4台イケるかも。とにかく、20GBのHDDおよびそれを接続するための機器のセットが、いくらリムーバブルでありかつ非常に小型でありかつ耐衝撃性もあって将来的な汎用性も高そうとは言っても、3万円くらいしちゃうってのは……。フツーはUSB接続ポータブルHDDを買いますな。
あ、ちなみに、拙者、同じアイ・オー・データ機器のHDPX-U80というUSB接続のポータブルHDDも使ってんですけど、iVDR-20とHDPX-U80を比較すると、もー思いっきりiVDR-20はド高ぇついでに残念感も高ぇなぁコンチクショーとか思ったりしがちである。
外付けHDDとして考えると、iVDR-20とHDPX-U80は同様の利便を発揮する。USBのバスパワーで動くし、接続インターフェースに応じてランプの色変わるし、静音性は両機とも高いし、値段もだいだい同じレンジですな。
しかし、iVDRは20GBであり、HDPX-U80の四分の一のHDD容量しかない。小容量なのに高ぇなァ、と。さらに、iVDRはせっかくリムーバブルなのに、そのリムーバブル性を生かすにはやっぱりド高いiVDR miniカートリッジを買い増さなきゃならなくてヤだなぁっていうか、どーせなら同じ程度のお金出してHDPX-U40(40GB版のポータブルHDDだヨ!!)を買うでしょ、てな感じで、iVDR-20の魅力がどんどん遠ざかってしまうのであった。
■ でも期待
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規格仕様策定中でまだ製品化されていないiVDR secure microはこのくらいのサイズとなる見込み
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てなわけで、どー考えてもコストパフォーマンスが高いと思えないiVDR-20……っていうかiVDR規格に対応した初めての製品は、とりあえず使うけど多用しないであろー俺だ。
しかし、iVDR規格にはすげー強く期待している。
例えば、1GBの容量があれば、44.1khz・16bitのステレオサウンドが100分くらい保存できる。5GBあれば、30分弱のAVIファイルを保存できる。20GBあれば、俺がこれまで撮って取捨選択して残しているお気に入りデジカメ画像5,000枚弱が全部入ったうえまだまだ容量が余る。
iVDR miniの20GBカートリッジ1本で、そーとーいろんなデータを小さく保存できてライブラリ化できるのだ。しかも、必要な時にそのカートリッジをスコッとアダプタなりベイなりに挿せば、即、データを活用できる。PCのみならず、AV機器でもデータ流用OK!! そんなカートリッジが引き出しにズラリと!! あぁまったくコレは非常に理想的なリムーバブルHDD環境ではなかろうかッ!! とか思うわけだ。
願わくは、iVDR miniの80GBカートリッジとかが出て、ソレが1万円を切ったり5,000円チョイトだったりする価格で買えるよーになること。しかも、iVDR miniカートリッジに対応した、例えば3.5インチベイ用のアダプタ(っつーかスロット)があったり、あるいはノート側が最初からiVDR mini対応だったり(iVDR miniよりさらに小さいiVDR microって仕様も策定予定中だそうなんで、ノート用ならソッチのほーがステキですな)、そーゆー周辺機器も続々登場して欲しい。
PC関連だけでなく、iVDR対応のビデオカメラなんか出ると非常に興奮して即買いしてしまいそうだ。DVテープとかの代わりに、iVDRかなんか挿すわけですよ。HDD容量とかは200GBとか!? で、録画するとHDD上に映像が記録される。MPEG2とかMPEG4とかいう録画モードも使えるが、何と!! AVIで録画可能!! 200GBなので、楽勝で10時間以上録画可能!! 圧縮率チョー低いからチョー美麗動画!! その美麗動画が入ったiVDRカートリッジをPCに挿したらアラ不思議、取り込み時間ナシで編集を始められてノンリニア編集派の人は大喜び!! みたいな。
ていうか単純にiVDR対応ビデオレコーダーがあれば激嬉しい。ディスクに焼くだの何だのとゆー手間をかける必要なし!! 録ってiVDRに残す!! iVDRで映像ライブラリを作る!! コピーワンス時代も問題ナシ!! とか。
さらにはiVDR対応家屋!! iVDRカートリッジを家の中央かなんかどっかにあるコンソールかなんかに挿しとくと、いつどの部屋の温度が何度で、どのドアがいつ開けられて、いつどこに誰が居たのかも全部記録されてデータ自体が日常生活の記録になるけどそのデータが流出してプライバシー大流出事件であり社会問題まで起こすぞ凄いぞiVDR!! ていうかソレは困ると思った。
ともかく、規格が統一されることのメリット、リムーバブルであって多種多様な機器間でデータをやりとりできること、またHDDを使うということで読み書き速度や容量も十二分に実用的であるiVDR。やっぱり今後のチョー普及をチョー願わずにはチョー居られない拙者である。
まずは対応機器増やしまくりつつカートリッジの値段をガシガシ下げてゴーインに普及させちゃって欲しいとか思うのだ。
余談だが、かつて書いた記事───スタパトロニクス外伝『超小型リムーバブルドライブAVATAR社Shark250はグレートかつナイス!!』で、やはりリムーバブルなHDD系ドライブがあった。アレは単一メーカーの独自規格だとは思うが、決してあのよーな末路(メーカーごとなくなっちゃったからドライバソフトウェアもメディアも全然供給されなくなっちゃったのダ!!)は辿らないで欲しい>iVDR。
■ URL
iVDR ハードディスクドライブ・コンソーシアム
http://www.ivdr.org/
iVDR-20製品情報(アイ・オー・データ機器)
http://www.iodata.jp/prod/storage/hdd/2004/ivdr-mini/
2004/06/14 19:27
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