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世界初のLi-ion充電式ドライバーっ!!
「BOSCH バッテリードライバーIXO」
スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(
http://www.alt-r.com/
)にて連載中。
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世界初の充電式ドライバーっ!!
IXO本体。写真にて本体単体を見ると一般的な電動工具のサイズに見えるが、実物はポケットサイズのコンパクト充電式ドライバーだったりする!! しかも世界初リチウムイオン二次電池採用ッ!!
何ぃッ!? い、いつの間にぃぃ~!! と思った約16秒後にググって調べて約32秒後に[購入ボタン]を押した4日後に手に入れた“絶対マジ欲しい物品”が、今回ご紹介する
BOSCH
謹製バッテリードライバーIXO(アイ・エックス・オー)である。なおIXOについての詳細は、ニュースリリースとして示されている
PDFファイル
をご参照いただきたい。
いやーコレ見つけた瞬間、俺の中に眠っていた電動工具魂が緊急起床でしたよホント。ていうか電動工具鬼軍曹が「今すぐ起きて目にこびりついた汚らわしい目ヤニ取って腕立て・腹筋4,096回やってIXO買え!! 朝メシはそれからだ!!」と言って魂を起こしたなぁと思った。
さて、このIXOの何にドキッとキて即買いしたかと言えば、“世界初のリチウムイオン電池搭載の充電式ドライバー”という点。ええっ!! ついにリチウムイオン!! と。
電圧の関係かコストの関係か知らないんスけど、電動工具の世界において、充電式工具には、ちょい前までニッケルカドミウム電池が採用されていたりした。そして最近になってニッケル水素電池が主流となってきた。良くも悪くも、デジタルガジェットと比べると古風な二次電池を採用していたという印象である。
で、IXOは、“電動工具としては初めてリチウムイオン二次電池を採用”したっつーわけで、電動工具も好きだし電池もかな~り好きな俺としては、もー速攻で飛びついた。……まあ別に電池の種類が違っても、目的はネジ回しや穴空けなんで、フツーは飛びつく必要性ナシなんですけどネ。でも、電動工具の世界におけるIXOは、ちょいとしたマイルストーン的存在。記念って感じで速攻買い。
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欲しくなるパッケージかも
注文したIXOが届き、まず嬉しかったのは、その入れ物。IXOって缶入りなんですな。丸い缶がパッケージで、その中にIXO本体・充電器・ドライバービット等がキレイに収まっている。実用性重視の他電動工具は専用樹脂ケース入りだったりして、なんかこー、いかにも職人気質なフィーリングだが、IXOの場合はどちらかというと少々ホビー感覚・グッズ感覚のあるパッケージだ。BOSCHというロゴにブランド性を感じたりするインダストリアル野郎なら、捨てるには忍びないデザインってのもチョイとイイ。
これがIXOのパッケージ。丸い缶入りなのダ!!
フタを開けるとIXO一式が詰まっている。こういうパッケージングは購入者の小さな気持ちよさにつながりますな!!
第二の喜びは、IXOの小ささと軽さ。“手のひらサイズで超軽量”てなPOPとともに売られているIXOだが、コレ、けっこー拍子抜けするほど小さくて軽い。大きさは、携帯電話とまでは行かないが、ポケットにスッポリ入ってしまう感覚。またマジで軽くて質量わずか300g。そのトルク(後述)のわりにはヤケに小型・軽量という印象である。
それから、充電台付属ってのが便利。わりと一般の充電式ドライバーの場合、本体にACアダプタを接続して充電するか、あるいは電池部を取り外して専用充電器で充電するというスタイルになる。が、IXOの場合、本体を充電器の上に置くだけで充電開始。使うときはソコから本体をスッと持ち上げる。携帯電話のよーな感覚でいつでも即使い始められるわけだ。また、メモリー効果がほとんどないリチウムイオン電池採用ってことで、使い終えたら充電器に置く=継ぎ足し充電をするスタイルでも問題が少ない。
付属のドライバービット類も実用性が高い。付属のビットは計12本で、+ビットが6本、-ビットが2本、トルクス2本、さらに±と六角(2種)が1本ずつとなる。これに加え、ビット長延長用ユニバーサルホルダーと木工用ドリルビット(木ねじの下穴空け用)が付属する。通常の用途なら新たにビットを買い足す必要はなさそうだ。
で、このIXO、電池で動く道具としてけっこー良さげで欲しげなブツなのだが、コレの実売価格がですね、5,000~6,000円あたりなんですよ!! 安くないスか!? 即買い価格っぽくないスか!? ていうか、かなりしっかりしたパッケージなのに、比較的に激安かもしんないと感じた。
IXOに付属するビット類。右側に見えるのはビット長延長用ユニバーサルホルダーだが、これはマグネット式!! ナイス!! PC組み立て用に便利かも~と思ったが、IXOのトルクはPC方面にとってやや強すぎ
IXO本体上部には、回転の向き(ネジが進む向き)を示すランプがある。赤は緩める方向で、締める時には緑色が点灯する。ほか、ロック機構など基本的な機構を持つが、クラッチはないようですな
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果たしてその実力は!?
欲しさ誘発系のパッケージ&価格だと感じるIXOだが、電動工具はあくまでも道具。しっかり使えなきゃぁ安物買いの銭失いで終了となる。てなわけで、早速IXOを使用開始。
まず、電動ドライバーとしてIXOの性能をザッと見てみると、定格電圧DC3.6ボルトで動き、回転数は毎分180回転、最大締め付けトルクは2.75N・mとなっている。大雑把に“IXOでどーゆー作業ができるのか”を言えば、家庭でのネジ締め全般はコレでイケる感じ。組み立て家具のネジ締めや、木ねじを使って壁にフック等を取り付けたり、自転車等のメンテナンスあたりまで、かなり広い用途に使えそうだ。
実際、IXOだけを使って柱に穴空けて、留め金や非常用懐中電灯を取り付けてみた。付属の木工用ドリルビットで下穴を空け、次いで木ねじを留める。回転数がそーんなに速くないので、下穴空けは少々タルいものの、十分なトルクがあるので穴開けも木ねじ留めもビシッと決まった。本体を回して木ねじ等の増し締め(つまり電動ドライバーとして使わずに手動ドライバーとしてIXO使用)ができるが、その必要がないくらいのトルクで木ねじを締めることができた。
ていうかこのトルク、作業によっては非常にありがたい。例えばガッチリと組み立てた組み立て家具の分解時、ネジに少々サビが入っていてもIXOだけでネジを緩められる。また、自転車や原付バイクあたりのネジ締め・緩め作業でも、トルク不足を感じることはさほどない。
が、自動車方面の作業にはあんまり向かないかも。車内メンテ・加工なんかならイケるが、ボンネット開けてどーこーする作業になると明らかに力不足だ。人間の生命にかかわるよーな箇所に使われる“そーとー強く留める必要があるネジ類”には、IXO使えないし、使わないほーが吉と言える。
それと、場合によっては強すぎるトルクとなるかもしれない。例えば組み立て家具のネジ締めや、壁等への木ねじ締めなど。ネジやネジ穴の材質によっては、IXOのトルクがネジや穴を痛めてしまうかもしれない。けっこー強力なトルクなんすよ。また、IXOにはどーもクラッチ機構がないらしく、くわッ!! と気合入れてネジ押さえて回し続けちゃうと、IXOの最大パワーでネジを締めることになる。ので、ねじ山が切れちゃうとか、壁のベニヤ板がメリメリっと割れちゃうとか、そういう問題も起きそうだ。
でもまあ、そのあたりは使う人のさじ加減や判断。適材適所ってことを心得ればいい。汎用的に使う電動工具としては、本体サイズ・質量や充電器の使い心地はかなり良いし、トルクも十分ある───多くのケースで電動工具のトルクは“大は小を兼ねると”感じる俺。価格も手ごろなんで、非常にイイんじゃないでしょうか、IXO。
……などと淡々と書いているが、実は、IXOを買った日から連日のように大活躍で重宝中。回さないで良いネジまで回したくなるIXOであり、人が来るとついつい見せびらかしたくなったりするIXOゆえ、なんかミョーな物欲が発生して追加で1個またIXO買っちゃいました!! あぁIXOでネジ回してぇッ!! 回させろッ!! こちとらダブルIXOだこんにゃろォ!!
IXOと二つ折り携帯電話端末を比較。IXOは非常に小さな電動工具なのであった
専用充電器にIXOを置いた図。これが充電中ですな。充電器(クレイドル!?)も小さめで、そこから延びるケーブルは直接コンセントにつながる(ACアダプタ等はナイ、というか充電器に内蔵)。ケーブルは比較的にしなやかで扱いやすい
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繊細なネジ回しならこっち!!
松下電工のEZ6120。IXOよりもさらに小型・軽量の充電式ドライバーなのだ
IXOは便利なのだ。軽いし小さいしトルキーで常時机上に置いておける。が、前述のように、かなりパワーが要るようなネジ回し作業には使えないし、繊細なねじ回し作業における使いにくさもある。例えば、IXOでアルミ製PCケースのネジなんか締めた場合、注意してないとケース側のネジ山が切れちゃいますよIXOってトルクある&クラッチなしなんで。
でまあ、要パワーのねじ回し作業は、よりトルキーな電動工具もしくは腕力に任せるとして、より繊細に締める必要のあるネジをどうするか? である。ていうか手でやりゃぁイイんですけどね。でもPCケースのネジとかって数多かったりして締めるのけっこー面倒。かったりぃのだ。
で、俺の場合、数年前から松下電工の小さな電動工具を使用中。電動工具っつーか、充電式ドライバーっていうか、電池で動くネジ回しという感覚だが、
充電ドライバー・ミニ EZ6120
という製品だ。
松下電工の電動工具ページ
を見ていると、工具野郎としては欲しい電動工具続出で大変な出費が現実化してしまいそうな予感なわけだが、さておき、それら多数の松下電工謹製電動工具中で“いちばん小さなネジを締めるための製品”が、このEZ6120となる。要は最も非力なわけですな。
しかしこのEZ6120、俺などにおいては前述のIXOに負けず劣らず高使用頻度だったりする。例えば自作PCのメンテ・グレードアップ時には絶対にコレを使う感じ。PCケースのネジ締め・緩めをしたり、HDDをリムーバブルケースに取り付けたり。
そんな時、手とドライバーの手動ネジ締め・緩めだと面倒だし、IXOあたりまでいっちゃうとねじ山切っちゃったりするのが心配。また、IXOだと、あまり狭い箇所のネジ締めなんかには向かない。十分小型軽量なIXOだが、PCケース等自作関連のネジ締めには、やっぱり少々大きい。
てなわけでEZ6120が大活躍している。
EZ6120携帯時のスタイル。ビット装着部にカバー(というかキャップ)が取り付けられる
EZ6120使用時にはカバーを本体後部(バッテリー部)に装着できる
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汎用性は低めだが、ハマれば超便利なEZ6120
EZ6120の性能を見てみると、定格電圧DC2.4ボルトで、回転数は毎分360回転、最大締め付けトルクは0.15N・mとなっている。また、
マグネットクラッチ
を内蔵する───ある程度ネジを締めたら空回りするシクミですな。
サイズはまさにポケットサイズで、全長177mm・質量170g。常時携帯可能な小ささ軽さである。電源は専用のニッケルカドミウム二次電池パックで、専用充電器により充電する。
でですね、コレがPC自作派にとってはすげー重宝するんですよ。ホントは電工さん用の工具らしいんですけど、サイズ・ボリューム・トルクとも、パソコンいじりに最適だ。
まず、サイズは前述のように全長177mmで、太さは24.5~28.5mm。フツーサイズのドライバーの柄の部分のような感じで、ちょうど持ちやすい。またIXO等の小型電動ドライバーと比べると非常に細身なので、PCケース内部などやや狭めなところでも実用的に使える。全体のボリュームとしても、引き出しやペン立てにちょいと入れておける感じなので、常に手近に置いておく電動工具としてナイスだ。
実際に使ってグレイトなのは、EZ6120のトルクとマグネットクラッチである。0.15N・mという最大トルクは、コンセント等の屋内配線工事にちょうど良い締め付け力らしいが、PC自作方面においてもちょうどいい感じ。例えばHDDをマウンタにネジ止めするでしょ、そん時にEZ6120を使うと、強すぎず適度な力でネジが締まる。また、EZ6120はもちろん手の力での増し締めもできるので、より強く締めたい時は単なるドライバーとして使える。
回転数がまあわりと高め(こーゆーサイズの充電式ドライバーにおいては)なのも便利だ。要は手でネジ回しするよりずっと速いので、PCケース等何本もネジを回さなきゃいけない作業はめちゃラクになる。加えて、適度なトルク&クラッチ機構があるので、ネジの締めすぎやそれによるネジorシャーシ等の破損もない。実際、EZ6120を使っていてケース等のねじ山を切ってしまうようなコトは一度も経験していない。
率直な話、PC自作野郎はコレ買うといいですよ。ネジ回しに関する作業がかな~りラクになりますマジで。
EZ6120とIXOのサイズを比べてみた。IXOがポケットサイズなら、EZ6120は胸ポケットサイズですな。ただし、胸ポケットに入れるには重くて太いと言えるけど、でもフツーの電動工具と比べたらすげー小さいっす両方とも
EZ6120から電池パックを取り外したところ。左から、EZ6120本体、中央上がカバー、中央下が電池パック、右が電池パックを装着した専用充電器となる
専用充電器はコンセント直づけ式。15分での高速充電ってのも便利。充電器本体もコンパクトだ
標準で付属するビット。フツーに使うにはまあいいが、PCに使うには短いのであった
しかし、少々の難点と汎用性のなさってのはある。例えば、付属のビットが短いので、実際にPC自作にEZ6120を活用しようと思ったら、柄の部分が長いビットを別途買いたくなったりする。拙者は長い+のビットを買って使い始めた。そうしないと狭い部分にビットの先が入っていかないのだ。ちなみに、単に長いビットなら便利かといえばそーでもなく、長くて、しかもマグネットになってるビットがナイス。それなら片手で快適にネジ締めとかできますヨ。
それから充電がやや面倒なこと。電池パックを一度満充電にすればPCの1台や2台の分解&組み立てができるタフさはある。また充電も15分で済んだりする。が、ニッケルカドミウム電池って自然放電しまくりますな。なんで、先週満充電しておいて本日使う、てなことになると、たいてー再充電が必要。この製品こそリチウムイオン電池&クレイドルなんかを採用して欲しいとか思ったりする俺である。
あと、汎用性の面で、家庭内で幅広く使えるという製品でもない。やっぱり電工用&PC用な感じ。また、電工用とは言っても、プロの電工さんの場合はネジ締めだけじゃなくて壁に穴空けとかもするわけで、そーゆー人はもっとトルクのある製品使ってますな。なんで、電工系メンテナンス用って感じだろうか、EZ6120は。
ともかく、電気製品内部のネジ締めには便利だが、他の用途にはあんまり向かないかも。柱に下穴ナシで木ねじ締めなんてできないのだEZ6120には。非力なんで。自転車だのバイクだのも無理。か弱いんで。でもPC方面とかにはかなりジャストマッチ。ユーザーの用途を選ぶ製品だと言えよう。
あと、EZ6120、高いっス。電池パックと充電器がセットになってるEZ6120A15が、メーカー価格14,700円。実勢価格で10,000~12,000円くらいする。価格面でも低汎用性かもしれないが、ジャストマッチする人にとっては「もう1本欲しいかも」と思える便利さではあるのだ。
マグネット式でありかつ長いビットを別途購入した。これでも時々まだ短いことがあったりして。さらに長いマグネット式ビットを買わなきゃ!!
ビット交換も容易なEZ6120。ただし、上のようにビット部にへこみのあるものでないとうまく装着できない
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URL
BOSCH製「バッテリードライバーIXO」ニュースリリース(PDF)
http://www.bosch.co.jp/jp/press/pdf/rbjp_031120.pdf
BOSCH製品情報
http://www.bosch.co.jp/jp/start/index.html
松下電工「充電ドライバー・ミニ EZ6120」製品情報
http://www.mew.co.jp/powertool/spc/ez6120a.html
松下電工の電動工具情報
http://www.mew.co.jp/powertool/use/youto.html
2004/05/17 15:19
ケータイ Watchホームページ
ケータイWatch編集部
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