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ナナオの19インチ液晶とParheliaでトリプルディスプレイを構築!!
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スタパ齋藤 1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。 |
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■ おっ、音が……出ナイーッ!!
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ナナオFlexScan L767とMatrox Parheliaによって実現したトリプルディスプレイ環境。作業は非常に快適。もうシングルやデュアルには戻れない!! 格別の使い心地だが、トリプルディスプレイ環境だからこその悩みも……
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ちょいと前の俺は、MatroxのビデオカードG550/DUAL DVI/32MB AGPと2台の液晶ディスプレイを使って、デュアルディスプレイ環境下で仕事をしていた。使っていた液晶ディスプレイはナナオのFlexScan L461と、同じくナナオのFlexScan L465だ。G550 DUAL DVIは、2枚の液晶ディスプレイ両方とデジタル接続してデュアルディスプレイ環境が作れて、さらにビデオカード自体に冷却ファンがついていない = 静音なので、俺としてはかなり理想的なデュアルディスプレイ環境なのであった。
さておき。
液晶ディスプレイをチェックしまくりの方は既に超ご存じだと思うが、前述のFlexScan L465の不具合症状が発見された。そのリリースを見て「わぁ俺のディスプレイもだ!!」とビビった拙者であった。さらに、実は、近々トリプルディスプレイにするゼ!! と意気込んで、(不具合症状発表直前に)もう一台L465を買っちまっていた。すなわち「ぐわぁぁぁーっ俺のディスプレイは2台とも回収&修理だぁ!!」と深刻なほどビビっていた。
けど、L465を修理に出すと拙者の超快適デュアルディスプレイ環境も、さぁ構築するぜと意気込み中の近未来トリプルディスプレイ環境も、両方とも一時的に滅亡する。そしてシングルディスプレイ環境になっちまう。それは困るしイヤーン。
てなわけで、L465を騙し騙し使っていた。時々メニュー表示がオカシくなるけれど、L465の電源ケーブルを抜き差しすればどうにかなる。面倒臭いから修理なんか出さなくていいや~と気楽に構えていたのであった。
が、ついにその“騙し騙し作戦”も破綻。L465のボリューム調整が一切利かなくなってしまった。しかもボリュームがゼロの状態で固定。マジかよ!! これって激イヤーン!! ナンのためのスピーカー内蔵ディスプレイなんだよコンチクショーッ!! てなわけで修理に出すことにした。
■ うっ、美し……くナイーッ!!
前述の不具合症状が発覚してしばらく経ってから修理に出したので、交換修理は速攻で行なわれた。申し込みをしたら間もなく電話がかかってきて、すぐに代替え機が送られてきた。
で、この代替え機(FlexScan L465)を拙者の机上に設置して、修理すべきFlexScan L465をナナオに送る。……しばらくは新品のL465を気持ちよく使えるのであり、微妙に得したよーな気分。
さて、代替え機のFlexScan L465と、以前から使っているFlexScan L461を設置し、いつものように仕事を開始し……たらナンじゃこりゃぁぁぁ!! ぜ、ぜ、ぜっ、全然良くない!! いやむしろ、まったく完全にダメだ!! ダメだダメだダメ過ぎだ!! ふーざけんなふざけんなふざけんなふざけんな!! ナンだこのコキタネェ表示は!!
すなわち俺の使い古し(って言っても1年半だけどネ)のFlexScan L461の表示が思いっきり汚い。代替え機すなわち新品のFlexScan L465と比べると、これがもー説明する気さえなくすほど不鮮明であり非美麗。
色はどう調整しても黄色~緑に寄っている感じ。昔の写真かオマエは!! と突っ込みを入れたくなるほどヘボい発色だ。コントラストもショボく、高めると濃淡のグラデーションが吹っ飛んじゃって、低めると単に暗くなるという感じ。だいたい明るさを目一杯高めても、隣で煌々と光る新品FlexScan L465に全然及ばない。液晶ディスプレイってのは1年半くらい使うと(でも酷使しましたけどネ)こんなになっちゃうのか!? こーんなに劣化しちゃうんだっけか?
そんな悲しい新発見をすると同時に、もうひとつのことに気づいた。このFlexScan L461といっしょに使っていた現在修理中の中古FlexScan L465は、現在使用中の新品FlexScan L465ほど、キレイな表示でないように思えてき……いやキレイではないのだ。だって前述のL461と並べて使っていた時「あぁL461のほーが少々発色が悪いんだよなー」とは思っていたが、新品L465と比べて見ている現在ほど、画質に差がなかった。……てコトは、現在修理中のL465の表示もそーとーヘボくなってるっちゅーコト!!
むむむ!! む!! 俺は愛用していたL465をもう愛せない!! 俺の液晶ディスプレイなんかもうダメだ!! もうイヤだ!! あぁあぁあぁ~イヤだイヤだイヤだーッ!!
てなところから、ひとつの物欲が芽生えた。液晶ディスプレイの買い換えである。
■ むっ、昔ほど健全じゃナイーッ!!
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やりました!! ついにトリプルディスプレイ環境完成っス!! 比較的に安価な19インチディスプレイことナナオFlexScan L767と、やはり比較的に安価なトリプルディスプレイ対応ビデオカードことMatrox Parheliaの組み合わせなのだ
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どうせ買うなら3枚同じ液晶ディスプレイを買うのダ!! 何しろトリプルディスプレイを構築しようと考え、そのためのビデオカードであるMatrox Parheliaまで購入済(128MBのヤツだけど)。せっかくの俺史上初トリプルディスプレイ環境において、各液晶のサイズもデザインも発色もまちまちなのはイヤだと言えよう。
それと、どうせ買うなら18インチ以上のものが欲しい。できれば19インチクラス。
……というのは、最近どーも微妙に目が悪くなってきたからだ。視力はほとんど落ちていないのだが、目ん玉自体のタフさがなくなってきたようで、16インチ液晶をデスクトップで使っていると、8時間を過ぎた頃からピントが合わなくなり、9時間を過ぎると後頭部が痛くなり、10時間を過ぎるとついに吐き気をもよおすように。以前は20時間くらい楽勝だったのに……寄る年波には勝てないというわけだ(悲)。
なので、表示解像度は落とさず、ドットのサイズだけを上げて、つまりは18~19インチの液晶にして、要するに老化をテクノロジーでバックアップしていきたい!! と。
そう思い立った瞬間、俺はもう即座に通販サイトを巡回した。デカい液晶を3台買うぜぇ~はぁはぁ、てな心意気。しかし、まだまだデカい液晶は高価。1台なら手が出るが、2台以上はキツく、3台ともなるとシャレにならないお値段。プラズマディスプレイ買えちゃう金額じゃん。
あぁやはりまだ手が出ないから諦めるしか……てなところへ、渡りに船。素晴らしく魅力的な液晶ディスプレイが登場。ナナオはEIZOブランドのFlexScan L767である。
L767は、19インチの液晶ディスプレイで、狭額縁で、多数便利な機能を備えたMultiEdgeシリーズで、デジタル入力にもアナログ入力にも対応できる2系統入力で、と、いろいろ魅力的な液晶ディスプレイだ。が!! 俺にとっての魅力はただひとつ!! 価格ッ!! 安いんだよアニキ!! 10万円とかで買えちゃうんだよアネキ!! トリプルディスプレイのために3台買っても30万円くらい!! どうにかギリギリ手を出せる範疇!!
くわッ!! コレだ!! これぞ俺にとっての救世主に違いないッ!! てなわけで、L767をドガッと3台買ってみたんですけど、FlexScan L767に関しての詳細はナナオの製品紹介ページをご覧いただきたい。
■ きっ、気が狂うほど気持ちイイ19インチトリプル!!
結局、安いところを探して1台9万4,627円でFlexScan L767を購入した。3台合計で28万3,881円。消費税込みで29万8,075円!! よっしゃ30万円切った!! これならオッケーとしておこう!! ちなみに、現在だと多くのショップで1台10万円を切り、安いショップだと9万円チョイで買える感じ。19インチ液晶がこの値段、ナイスな時代がやってきたフィーリングである。
さておき、早速前述のMatrox Parheliaと3台のL767を接続し、トリプルディスプレイ環境を構築……してみたらキャーッ!! これはイイ!! 非常にイイ!! 物凄い勢いでイイゆえ180度回転しちまって逆に全然良くないと思ったら、その勢いはまだまだ衰えていなかったためにさらに180度回転して元の向き戻ってやっぱり最強にイイ!! ていうか回転とか向き180度とかナンのコトだよ>俺。
何がイイかって、もう超広いデスクトップ空間。これに尽きる。とにかく、まずはその表示をご覧いただきたい。
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SXGA×3のトリプルディスプレイ環境だと、ウェブページを資料として見つつ、写真や表などの資料も見つつ、さらに余裕を持ちまくりで原稿を書くことができる。一度コレに慣れてしまうと、他の表示環境がどれも狭く、仕事をしにくく感じてしまったりする(リンク先の画像容量は約1.26MB)
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フォトレタッチ作業などにも超便利。画像を比較しつつ加工したり、邪魔にならないところにツールバーをどけたり、画像ブラウザとの同時使用ができたり。2D表示をわりと高速に行えるParheliaと、鮮明な表示を行うL767の組み合わせは非常に快適だ(リンク先の画像容量は約1.15MB)
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マルチメディア系の処理にもグレイトなパフォーマンスを発揮する。サウンドやビデオのトラックの全体像を見つつ、一部のデータを拡大・編集などしつつ、さらに別画面へファイル一覧やツールバーをまとめて置くこともできる(リンク先の画像容量は約1.22MB)
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ヒジョーに(カジョーに!?)広大なデスクトップ空間なのである。横にズビャーッと広いのである。L767の最大表示画素数は1,280×1,024ドットすなわちSXGAなので、最大ではこれを横3枚に並べた状態になる(Parheliaの設定によってはこの限りではない)。すなわち3,840×1,024ドット!!
こういうデスクトップの利便は、例えば……というか上のキャプチャ画像およびコメントが示すとおりだが、コンピュータを中心に仕事をする人ならきっと喜べる“超余裕の作業スペース”が得られるのだ。
■ 意外なところで疲れるトリプルディスプレイ環境
まあ、「そりゃそーだろ広いんだから」と、トリプルディスプレイ環境の快適さは誰もが容易に想像するところ。なので次は、俺が感じたトリプルディスプレイ環境のデメリットについて少々書いてみたい。
まず、場所を取るということ。薄い液晶ディスプレイゆえ前後の空間には問題がないが、左右はけっこー大問題かも。単に左右に広いスペースが必要ってのもある。が、それ以上に、フツーの使い方をする場合は“自分の真正面に一台置いて、左右に一台ずつ置く”というカタチになりがち───机上にディスプレイを3台置けるだけじゃ不便で、3台のディスプレイの真ん真ん中に自分が位置する必要がある。
デュアルディスプレイの場合、メインのディスプレイを自分の前に置いて、サブを右か左にしてもいい。メインもサブも自分から等距離に置いても使いやすい。が、トリプルディスプレイの場合、真ん中のディスプレイが自分の真ん前に来ないと、左右どちらかのディスプレイが遠いのであり、そもそも非常に中途半端な視野を強いられて疲れる。
トリプルディスプレイにするとデスクトップ上の自由度は大きく増し、ダイアログ表示がディスプレイをまたいじゃうよーな問題も激減するが、その代わりにディスプレイを置く位置および自分が座る位置をけっこー限定されてしまうのであった。
それから、マウス(カーソル)の使用感が若干悪くなる。要は、横に大きめのマウスパッドが必要でありかつ、腕のストロークも左右方向へと広がってしまう。疲れるってほどではないが、慣れるまでちょいと戸惑う。ちなみに拙者は慣れるまでに2週間かかりました。
もうひとつマウス絡みで、カーソルの行方不明がけっこー起きる。右の画面にカーソルがあったよーな気が……てな態度でマウスを操作すると、どこにもカーソルが見当たらなかったりする。左端にあったりする。右の画面を見ていて、視野の外れにカーソルがあるモンだから、マウスをグリグリ動かしつつ「あれ? あれっ?」とカーソル探しをしてしまう。まあこれも慣れの問題で、慣れてくると画面全体をぼんやり見つつカーソルを即座に探し出すという“ヘンな技”が身に付いたりして。また、OS上で、キーボードショートカットによりマウス位置を示すようにしておけばいいだけの話でもある。
他、ビデオカードおよびドライバの設定にもよるが、使うアプリケーションによってはどー設定しても異常なサイズで初期ウィンドウが開いてしまうとか、ウィンドウ位置が記憶されないとか、トリプル(デュアルも似たようなモンですな)独特の不都合も(時々ですけど)生じたりする。同じ環境(とりわけビデオカードおよびドライバに関して)を使っているユーザーが身近にいないことが多いマルチディスプレイ環境ゆえ、そういう問題を解消するのは結局自分。問題解決までにけっこー試行錯誤することになる。
■ L767とParhelia
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Matrox Parheliaはけっこー高速で快適。現代的なモンスタービデオカードと比較すると、3D表示系などは少々か弱い印象だが、2Dはバッチグーで高速&美麗
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今度は環境ではなく、ハードウェア的な面からの実使用感などを。
まずL767だが、かな~り安い19インチ液晶ディスプレイということで、実際に使ってみるまで少々心配だった。要は、この値段でナナオ画質なのか!? と。
結局、使ってみたら一安心。明るく、クリアで、階調も十分によく出ていると感じる。また、機能的にも他のMultiEdgeシリーズと同様、多彩な設定機能や特殊表示機能を持つほか、MultiEdgeシリーズに共通する利便───液晶がチルト(迎角が変わる)のはもちろん、高さを自由に調節できる点も非常に便利だ。そういった可動性に加え、狭額縁ということもあって、マルチディスプレイ環境を作るには非常に適したディスプレイだと感じる。
ぶっちゃけた話、10万円を切ってるっちゅー安さがあり、かつ、クラス最安値方面なのに画質的には高級機に肉薄、というコストパフォーマンスの高さ。何はともあれ“使える19インチ液晶ディスプレイが身近になった”ってコトこそがFlexScan L767の最大の魅力ですな。
トリプルディスプレイを構築するためのビデオカードとしてParheliaを使っているわけだが、コレ、けっこー高速で快適。現代的なモンスタービデオカードと比較すると、3D表示系などは少々か弱い印象はあるが、2Dはバッチグーで高速&美麗。以前、デュアルディスプレイ環境ではMatrox G550を使っていたが、2Dに関してはParheliaのほーがずいぶん速いと感じる。液晶ディスプレイでの表示ってことを無視して、厳しい目で見ると、再表示にほーんの一瞬間があったりもするが、実用上「遅い」と感じることはない。
Parheliaのドライバもけっこー良くできていて、ヤリたい設定はだいたいできた。マルチディスプレイ環境に微妙にありがちな“ドライバが悪さして深刻なトラブルを招く”というようなコトも、今のところ皆無。ていうか恐らくこの快調ぶりは続くのであろーという予感がある。素性の良いドライバという気がする。
が、物足りない点も少々ある。例えばトリプルディスプレイで使うと、ビデオカードを複数枚使ったときのように画面毎に違う解像度を出したり、プライマリディスプレイとして1台のディスプレイを特別扱いすることができない。なので、具体的にはタスクバーが3画面全部にわたって表示されて、横にたくさん表示されるのは便利なんですけど、横長過ぎで目的のタスク見つけるのがタイヘンなんスよ。
それからParhelia、トリプルディスプレイ用途で使うと、残念なことに真ん中に来るディスプレイだけしかデジタル接続できない。他の2枚はアナログ接続。なので、画質的に微妙にちぐはぐになったり……すると思っていたのだが、思ったほどでもなかった。すなわち、デジタル接続でもアナログ接続でも、しっかりと美麗な2D表示を実現している。さっすがMatrox!! だから好きだゼ!! ……まあこの2D表示の良さは、ナナオの回路技術も加わってのことだと思う。
と、一応は喜んだものの、デジタル接続とアナログ接続を見比べると、つまり真ん中のディスプレイと、左右のディスプレイを見比べると、表示の差はあるのだ。
使用開始直後、VGAのアナログ接続ケーブルに“あまり高品位でないケーブル”を使っていた。ら、画面が微妙に滲む。ドットレベルでじ~っくり見ると、デジタル接続とアナログ接続の違いはハッキリわかる。真ん中のディスプレイは超鮮明表示なのに、左右のディスプレイは微妙に濁った解像感・発色だったのだ、最初は。
その後、手持ちのケーブルを取っ替え引っ替え試した結果、最終的に“超高品位”と評判のモンスターケーブル社のMONSTER COMPUTERケーブルを使ったら、だいたい問題は解消。ケーブルの取り回しや周辺ノイズ等によって若干滲みが出ることがあるような気もするが、前述ほどのデジタル接続とアナログ接続の違いは見えなくなった。パッと見、どのディスプレイも同じクオリティに見える。……でもやっぱり3台ともデジタル接続にしたかったよーん。
てなわけで、FlexScan L767を3台と、Matrox Parheliaにより、大きく広くて気持ちよくて美麗なトリプルディスプレイ環境を得た俺。正直言って、もうデュアルディスプレイ環境には戻れない。また、16インチサイズにも戻れない。やはりインターフェース、とりわけパソコン使用中には常に使うインターフェイスであるディスプレイは、大きく鮮明でありかつ余裕があるほーが快適なのであった。
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ウワサのモンスターケーブル社の、モンスターコンピュータケーブル。キッチリと配線すれば───つまりノイズの影響などを考慮して効率よく配線・接続すれば、そんじょそこらのケーブルにはない高品位なアナログVGA出力が可能なのだ
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ケーブルはやや太めだがしなやか。コネクタ部はネジが太めで回しやすい。物理的にも快適に扱える一品だ
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■ URL
FlexScan L767製品情報
http://www.nanao.co.jp/products/lcd/l767/index.html
Matrox Parhelia製品情報
http://www.infomagic.co.jp/main/products/index.cgi?I_compname=Matrox&I_groupname=Parhelia
モンスターケーブル
http://www.monstercable.com/
2003/04/28 15:54
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