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コンピュータで気持ちよく絵を描いていきたい!! ワコム「Cintiq C-1700SX」「FAVO WIRELESS FW-300」
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スタパ齋藤 1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。 |
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ソソる新型液晶タブレット
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ワコム「Cintiq C-1700SX」。17インチで1,280×1,024ドット表示の液晶タブレット。ワコムダイレクト価格は27万8,000円
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去年の梅雨頃に発売された劇的物欲タブレットことワコムのCintiqシリーズ。液晶ディスプレイでありかつその表面がタブレットになっているっちゅー製品である。つまり、画面上をペンでなぞれば、なぞった軌道をなぞった強さで入力できる=筆や鉛筆のような画材感覚で描けるというハードウェア。デジタル画材でありデジタルキャンバスと言える製品だ。
去年登場したCintiqシリーズに関しては、本連載バックナンバー『こ、これだッ!! 欲しェェぇーッ!! ワコム「Cintiq C-1800SX」』をお読みいただきたいが、さて、これまであったCintiqシリーズは2機種。C-1500X(G)とC-1800SXがある。結論から言ってしまうと、この2機種のうち、絵を描くための液晶タブレットとしてより魅力的なのはC-1800SXのほうだ。
C-1500X(G)は、液晶サイズが15型でXGA(1,024×768ドット)表示。ワコムダイレクトでの実売価格は16万3,000円と、まあまあ手が出せる価格ではあるものの、画面をキャンバスとして自由に描くには微妙に解像度が低い。ちょいと狭い。物足りない。
一方、C-1800SXは、液晶サイズが18型と大きめで、表示もSXGA(1,280×1,024ドット)と高解像度。広い画面(=キャンバス)を使ってダイナミックにも繊細にも描ける実用性の高さを持つ。……が、実売価格が39万8,000円!! ハイエンドなPCとデカい液晶ディスプレイを楽勝で買えちゃう価格!! 高ッ!! ハードウェアとしてはグレイトだが、価格的にガッデムっていうか手が出やがらねえ製品なのであった。
でも、Cintiq、欲しい。実に欲しい。コンピュータで絵を描きたいなァとか思う人がCintiqの使い勝手の良さを知ったら、もうマウスにも普通のタブレットにも戻れないのである。効率の良さが全然違う。快適さがまるで違う。もちろん、描ける絵だってかな~り違ってくる。それを知った俺は、時々「んむむむ!! やっぱコンピュータで気持ちよく絵を描いていきたい!!」と思い、その度にCintiq購入を考え、どーせ買うならやっぱり結局大画面・高解像度のC-1800SXだろう!! と思った瞬間39万8,000円という高くそびえるぶ厚い壁に突き当たって諦めていたのであった。
そんなところへ新型Cintiq登場。サイズは17型、解像度はSXGA(1,280×1,024ドット)、そしてあの39万8,000円Cintiqと比べると10万円以上安いモデルことC-1700SXが登場した。なお、C-1700SXについての詳細はワコムの製品紹介ページをご覧いただきたい。
グンと高まった実用性
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C-1800SXよりも画面サイズが1インチ小さくなり、「巨大っ!!」というイメージではなくなった
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てなわけで早速C-1700SXを試用。そして早速結論から言えば、俺が最強に欲していたC-1800SXの代替えになりまくりの製品であった。いや、価格や全体的な使用感や性能など、コストパフォーマンス的には魅惑のC-1800SXをずいぶん凌ぐ、超魅惑のC-1700SX。
C-1700SXは、前述のとおり17型の液晶タブレットで、解像度はSXGA(1,280×1,024ドット)。デジタルなキャンバスとして使うには、物理的な画面サイズも原寸で扱えるドキュメントサイズも、十分に大きい。お絵描きからアートワークまでイケるハードウェアだと言えよう。タブレットとしての感度はC-1800SXと同等で、PainterやPhotoshopなど筆圧入力対応アプリと併せて使えば、微妙な筆のタッチや鉛筆でドローイングした時の細かなニュアンス・質感までバッチリ出せる。たぶん、手描きのためのデジタルキャンバスとしては、市場最高性能製品だと思う。
でまあ、つまり、性能面ではヒジョーに魅力のある製品。これに加え新型としての機能的魅力もいくつかある。ひとつはサイズだ。C-1800SXと比べると画面サイズが1インチ小さいってこともあり、C-1800SXのように「巨大っ!!」というイメージはなくなった。また、ディスプレイを支えるスタンド部がスリムになり、比較的に手軽に角度調整を行なえるようになっている。一般の液晶ディスプレイと比べると、ベゼル部は広めだが、机上に立てて置いた場合はフツーの液晶とさほど変わらないボリュームとなった。要するにコンパクト&シンプルになったってことですな。
巨大だったC-1800SXは太股の上に乗せても使えた。が、しかし、そうするとデスクトップリプレイスメント系全部入りハイエンドノートパソコンをラップトップとして使っているような感じで、つまり「やや無理すれば太股に乗せられないこともない」という印象になった。この点についても、C-1700SXはより好ましいサイズになっている。
C-1700SXも、太股の上に本体全部を乗せるとなるとまだちょっと大きく重い印象がある。が、液晶上部を机の縁に乗せ、液晶下部を太股の上に乗せて描く、というなら現実的なサイズ・重量だ。もっと軽量化して欲しいってのはあるものの、描くための液晶タブレットとしての実用性が高まったと感じる。
他、C-1800SXと比べてコントラストや輝度が高まったことで、液晶ディスプレイとしてより使いやすく……というか見やすくなった。ちなみに、アナログ入力時の画質は良好で、液晶タブレットとして使うにもいいが、常用の液晶ディスプレイとして考えても高品位な表示をしてくれると思う。
パーソナルユース向けの本体サイズでありかつ、快適なデジタルキャンバスとして使える解像度があるC-1700SX。タブレットとしての感度はC-1800SXと同様に非常にセンシティブでグレイト!! ツールとしてはC-1800SXと同等だが、液晶ディスプレイ的性能やトータルの使用感ではこっちのほーが上かも!? しかも価格はC-1800SX(39万8,000円)よりも12万円安い27万8,000円!! こここコレは買……んーむ、ぶっちゃけた話、俺にとってはまだまだ高価な品であった。
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本気でコンピュータお絵描きにのめりこみたい人などには吟味しがいがある製品だろう。画面に直接描く方が快適に決まっているわけで、毎日毎晩使うような人にはけっこー安いと思えるのかも
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ていうか27万8,000円あるとですね、いちばんでっかいタブレットことintuos2のi-1820USB(11万9,000円)と17インチの液晶ディスプレイを余裕で買えちゃうわけですよ。これに加えてPhotoshopとかPainterも買えちゃうわけなんですよ。んぬぬ~。フツーのタブレットよりも液晶タブレットのほーがずーっと使いやすいってコトを実感してはいるものの、30万円弱は……そーとー「描くぜ描くぜコンピュータ上で気持ちよく絵を描くゼ!!」と気合入ってないと出せない金額ですな。
ただ、本気でコンピュータお絵描きにのめり込みたい人、繊細&快適なフォトレタッチ環境が欲しい人、あるいは3Dグラフィックやベクターグラフィックをスムーズに作成したい人にとっては吟味しがいがある製品だとも言える。マウスあるいはペンを画面以外のところで動かしつつ画面上のカーソルの動きを目で追いながら描くスタイルよりも、画面に直接描くほーが直感的・快適・スムーズなのは誰もが知るところ。その利便や快適さをどの程度求めるかで、Cintiq C-1700SXのコストパフォーマンスが決まるのだ。グラフィックしまくりの人にとっては、けっこー安い製品と思えるかもしれない、と。
ワイヤレスタブレット登場!!
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ワコム「FAVO WIRELESS FW-300」標準価格22,500円(ワコムダイレクト価格は18,300円)
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んぐぅ~やっぱり20万円とか切らないと手ぇ出せねえよーん!! と羨望の眼差しでC-1700SXを見つつ、箱にしまい、返却準備を整え、次に開けた箱がFAVO WIRELESS FW-300である。タブレットとしては非常に珍しい無線式。
フツーによくあるタブレットからは、最低2本のケーブルが延びていたりする。1本はタブレットに電力を供給する電源ケーブル、もう1本はタブレットとコンピュータを接続するケーブルだ。さらにタブレットと専用入力機器を接続するケーブルを必要とする場合もある。で、これらケーブルを全て排除したのがFAVO WIRELESS FW-300だ。
FAVO WIRELESS FW-300は、まずコンピュータ・タブレット間がワイヤレス。コンピュータ──(USB接続)──レシーバ……(無線)……タブレット、てな感じでつながる。また、FAVO WIRELESSは専用リチウムイオンバッテリーを内蔵しているので、電源ケーブルも不要になる。さらに、ワコム製タブレットってことで、入力用のペンとタブレットの間も無結線(一般向けワコム製タブレットはみんなそうだヨ!!)。なので、完全にワイヤレスな状態でタブレットからの入力が可能となっている。
ちなみに、ワイヤレスはデジタル無線方式で、有効範囲は約1メートル。レシーバとタブレットを約1メートル離せるわけですな。それと、内蔵のリチウムイオンバッテリーは、約8時間でフル充電(付属ACアダプタ使用)となり、フル充電後は約20時間の連続使用が可能。もちろん、付属ACアダプタをつなげた状態でも使える。
で、その使用感としては、まあ、フツーのワコム製タブレットという印象。筆圧感知感度も良く、追従性も高い。ワイヤレスだから追従性が……てな心配も無用で、使用感はワイヤードなタブレットと同様の感覚となった。また本体左上にはドキュメント等を上下左右斜め方向にスクロールできるスクロールスティックがあり、これを使うと例えば絵をスクロールさせつつ描くというようなことができる。他は……とりわけ目立ったギミックはない。
FAVO WIRELESS FW-300を使ってみて感じるのは、まあワコム製タブレットってことで描きやすい・使いやすいってこともあるが、それ以上に、タブレットからケーブルが延びないことの気持ちよさだ。液晶タブレットではないタブレット製品を使う場合は、そーとー使い慣れないと、マウスやキーボードと取っ替え引っ替え使うことになる。線などを描くのはタブレットで行ない、メニュー操作や設定操作などはマウスやキーボードで行なう。そうした方がスムーズに作業できるからだ(十分に慣れないうちは)。
そのよーな使い方をしていると、結局のところタブレットから延びるケーブルってのがヒジョーにウザい。キーボードやマウスをタブレットに持ち替えるたびに、タブレットのケーブルをさばいたり、逆にキーボードやマウスのケーブルを片づけたりすることになる。その点、FAVO WIRELESS FW-300は、これらケーブル処理をほとんど考えなくても良いのが快適。タブレットは自由な位置に置いておけるし、キーボードの直前やマウスのすぐ横に置いても、ケーブルが干渉するってことがナイのだ。加えてマウスもワイヤレスだったりするとさらに快適。さらにキーボードもワイヤレスだったりしたら……やはり入力機器はワイヤレスが気持ちイイ。
ちなみに、拙者、FAVO WIRELESS FW-300とLogitechのMX-700を併用しているが、無線電波が干渉するようなことは一切起きていない。また、FAVO WIRELESS FW-300のレシーバとMX-700のレシーバを隣り合わせにしても問題なかった。ついでに、FAVO WIRELESS FW-300のレシーバを液晶画面の直前に置いたりしても電波的な障害は出ていない。イイ感じに使える無線式タブレットなのであった。
が、使い方によっては少々問題というか違和感というか使い勝手の悪さもある。てのはFAVO WIRELESS FW-300、サイズ的に非常に小さいのだ。本体が小さいってのは便利でイイのだが、タブレットの読み取り可能範囲(タブレット面)が104.4×78.8ミリ。タバコの箱を二回り大きくしたくらいの面積しかない。この面積でも、例えば大きなドキュメント上にダイナミックな手書きメッセージを入れるとか、800×600ドットくらいの解像度で精密でない絵を描くなどなら差し支えない。が、1,280×1,024などある程度高解像度のディスプレイ上に描くとなると、繊細な入力ができづらい。
要は、タブレット面の四角いエリアは、画面全体の四角いエリアに対称関係にあるということ(設定がペンモードの場合)。タブレット面の端から端までペンを走らせると、画面上では端から端までカーソルが動く。なので、ディスプレイの解像度が高ければ高いほど、タブレット面上でのペン操作を微細に行なう必要が出てくる。例えば1,280×1,024ドットの画面上で10ドット分だけカーソルを移動する場合、実際にペン先を動かす距離は数ミリもない程度になる。ペン先をほんの少し動かしたつもりが、画面上ではビャッと長い線が引かれちゃうようなことが起きるのだ。
ちなみに、タブレットドライバの設定をマウスモードにすれば、マウス操作と同様、ペンを動かした分だけカーソルが動くようになり、画面とタブレット面の関係はまた違ってくる。が、絵を描くことを考えると、ペン先とタブレット面およびカーソル位置の関係は、ペンと紙の位置関係であるのが自然だし快適だ。
てなわけで、FAVO WIRELESS FW-300は、どちらかと言えば低い解像度のディスプレイ向きのタブレットだと言えよう(あくまでもペンモードで絵を描く目的で使ったときのコトですけど)。絵を描くにおいては、XGA以下あるいは未満のノートパソコンなんかで使うには実用的だが、SXGA以上の解像度でドローイングするというような用途には……んーやはり向かない。しかし、マウス代わりに使うなら、上記のタブレット面のサイズは、さほど気にならないかもしれない。まあSXGA以上など高い解像度でGUIを操作するとなると、例えば小さなアイコンをクリックしにくいなどあるが、絵を描くのと違ってポイントできさえすればイイわけなので、慣れである程度克服していけると思う。
ともあれ、FAVO WIRELESS FW-300、タブレットがワイヤレスでありかつ電源内蔵というメリットは非常に大きい。やっぱりですねぇ、タブレットの使いやすさが増しますな、ワイヤレスだと。そしてその使いやすさが、タブレットっちゅーモンをより身近な入力機器として感じさせる。
なお、FAVO WIRELESS FW-300、台数限定発売ということもあって、そろそろ店頭から姿を消しそうな状態だそうだ。しかし、1万台の限定製品としてほんの2カ月前に登場したと思ったら、もう完売御礼なのかーッ!? このあたり、ワイヤレスタブレットの需要があるっつーことですな。
・ Cintiq C-1700SX(製品情報)
http://tablet.wacom.co.jp/products/pl/contents/c1700sx.html
・ FAVO WIRELESS FW-300(製品情報)
http://tablet.wacom.co.jp/products/favo2/wireless/
2003/01/27 17:53
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