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手っ取り早くて便利!! センチュリー「これdo台」
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スタパ齋藤 1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。 |
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俺的用途に最適そーな『これdo台』
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CENTURYのこれdo台。あの是do台がUSB 2.0に対応して台が取れちゃって色が白くなって付属ソフトも充実して再登場!! といった感じの製品なのだ
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2002年8月26日掲載のスタパトロニクスMobileでご紹介したNOVACのHDDもっとはい~るKIT、コレが何かといろいろ便利なので、かなりこき使っていた拙者であった。俺の使い方は非一般的で、フタの部分を外しておいて、HDDのベアドライブを取っ替え引っ替えつなげ、バックアップを取ったりデータのコピーをしたり、てな感じ。
HDDもっとはい~るKITは、基本的には外付けHDDを自分で作るためのキットだ。このキットに手持ちのHDDをセットし、フタをネジ止めし、単体の外付けドライブとして使い続けるのが普通だ。だが拙者の場合はフタ開けっ放しにして内部のHDDだけ差し替えて面倒なリムーバブルHDDとして使っていたというわけだ。
しかし、そのよーな邪道(!?)な使い方をしていたら、いくつか心配な点が出てきた。まず第一に、HDDもっとはい~るKITのインターフェイス部の基盤がむき出しなのが怖い。そこにピンでも落としたら、場合によっては電気的な故障となり、もしかしたらHDDがイッちゃうかもしれない。また、IDEコネクタを何度も付けたり外したりするので、これによってインターフェイス部の基盤を痛めてしまわないかも心配──IDEコネクタ部自体はヘーキそうだが、このケーブルが非常に短いゆえ、抜き差し時にはインターフェイス部の基盤からケーブルをいったん外さないといけない。こーゆーコトを繰り返していると、基盤側のコネクタが弱っちゃいそうで怖いっつーわけだ。
ん~とても心配。非常に心配。危ない橋を渡りまくっている心境。てなわけで、俺のよーな使い方をするのに向いた製品はないかと探したところ、CENTURYの「これdo台」を見つけた。……なるほどこりゃ良さそう。実売価格は1万円少々ってこともあって、早速購入して使用開始した。俺が買ったこれdo台はIEEE1394およびUSB 2.0のデュアルインターフェイスの製品で、型番はKD-1/FU-2。その詳細についてはCENTURYの製品紹介ページをご覧いただきたい。
「是do台」の次世代機器なのダ
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これdo台のUSB 2.0・IEEE1394両対応モデルのKD-1/FU2。ポケットに入るくらいのコンパクトさ。付属のACアダプタもだいたい同じ大きさだ
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これdo台に付属する緩衝シート。HDDの下に敷いて使う。頼りないよーなスポンジシートなのだが、HDDの振動をビシッと吸収してくれて十分に役立つ
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これdo台は、USB 2.0やIEEE1394経由でHDDのベアドライブをPCに接続する機器だ。外見からおわかりいただけるように、外付けHDDケースでも、リムーバブルHDDドライブでもなく、単なるインターフェイス部分“だけ”の製品である。
CENTURYからは、これdo台の前身として、「是do台」という製品が出ていた。是do台はUSB 1.1とIEEE1394に対応したIDE HDD用インターフェイスで、インターフェイス部横にHDDを置く緩衝剤付きの台が付いていた。だから“台”を含んだネーミングとなるのはナルホドと言えるが、そこに“是”や“do”などを合体さえて消費者を脱力させたり笑わせたりするあたりCENTURYって好きだよとか思った俺だが、さておき、この“是do台”の新型が今回紹介する“これdo台”である。
新型の、これdo台の特徴は、外見的にはまずHDDを置くための緩衝剤付きの台がなくなったところ。モノとしては3.5インチHDDよりも小さなインターフェイス部+短いケーブル、というだけのコンパクトな製品となった。また、旧機種のインターフェイス部に描かれていた胡散臭い中華風イラストが消え、色もアイボリーホワイトとなって、何となくマトモ度が高まっているよーな印象がある。細かなところでは、インターフェイス部のケーブル引き出し口などもキッチリと作り込まれ、何というか、危なっかしい見栄えではなくなっている。
内容的には、従来機のインターフェイスがUSB 1.1とIEEE1394であったのに対し、新型はUSB 2.0に対応し、機種ごとにインターフェイスを選べるようになっている。具体的には、USB 2.0のみに対応したKD-1/U2、IEEE1394のみに対応したKD-1/FW、USB 2.0とIEEE1394の両方に対応したKD-1/FU2の3機種がある。ちなみに、ブートドライブとして利用できるUSB接続タイプ(KD-1/U2とKD-1/FU2)にはWindows用バックアップソフトの(Symantecの)EASY GHOSTが付属し、IEEE1394接続タイプ(KD-1/FU2とKD-1/FW)にはMacintoshコンピュータ用フォーマッタのB’s Crew miniが付属する。なお、USB 2.0にもIEEE1394にも対応するKD-1/FU2には両ソフトウェアが付属する。
手っ取り早くて便利だゼ!!
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KD-1/FU2には、BタイプのUSBポートがひとつ、6Pinタイプ(デカいほーですな)のIEEE1394ポートがふたつ搭載されている。IEEE1394ポートがふたつあるので、他のIEEE1394機器を数珠つなぎにして利用できる。左端は電源スイッチ。このスイッチでHDDの動作をオンオフできる
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IEEE1394とUSB 2.0に両対応のこれdo台KD-1/FU2に対する第一印象はと言えば「怪しい!!」であった。インターフェイス部とそこから飛び出した電源ケーブルとIDEケーブル。付属品はソフトウェアとACアダプタとHDDを置くためのスポンジのような緩衝剤(シート)。これでIDE HDDをPCに接続なのかーっ!? HDDの発熱とかはどーすんのか? 薄い緩衝剤以外にHDDを保護する機構はないのかーっ!? HDDの熱対策も保護機構も何もないのであり、実にヤバげで秋葉原チックなこの製品に、使う前から少々ビビってしまった。
しかし、よくよく考えてみると、前述のようなやり方でNOVACのHDDもっとはい~るKITを使うよりは安全そうだ。HDDの発熱に関する心配は少々残ったが、まあそれさえクリアすればもしかしたら便利かもしれない。そう思って使ってみることに。
使い方は簡単で、これdo台本体から出た電源ケーブルとIDEケーブルを用意したHDDに接続し、電源を入れ、IEEE1394もしくはUSB 2.0でPCにつなぐだけ。Windows 98/98SEでUSB接続する場合は付属のドライバをインストールする必要があるが、Windows Me/2000/XPの場合は接続するだけでHDDが使えるようになる。
で、しばらく利用。……問題なし。フツーに使える。ヤバそーなコトは起きていない。ていうか普通に快適。
そして、HDDを差し替えてみる。Windows上でドライブの使用停止操作をし、ケーブルを抜き、これdo台の電源を切り、別のHDDと取り替えて……てな感じで再度PCに接続。って当然だが、この場合でも問題なしであってフツーであって快適であった。
使用したHDDはSeagate Barracuda ATA IVで、このHDDは流体軸受けタイプの7200rpm。非常に静かに動作するHDDなので、ムキ出しのHDDを使っていても音は気にならない。これdo台自体に排熱ファンが存在しないので、ヘタな外付けHDDよりもずーっと静かに使えるのであった。……けれど、むき出しHDDがすぐそばで動作しているとミョーにキンチョーしますな。これdo台から15センチ離れたところにコーヒーカップを置くだけでもドキドキしたりして。
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これdo台(KD-1/FU2)に3.5インチIDE HDDを接続したところ。ヒジョーにわかりやすくシンプルですな
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それからHDDの熱に関して。Seagate Barracuda ATA IVは、静かではあるが、比較的に発熱しやすいHDDだと思う。PCへ内蔵する場合は、PCの冷却効率や内蔵方法によってけっこーアチチのチーといったフィーリングにもなりがちだ。これを冷却機構一切ナッシングの机上へベタ置きで、どーなるのか? と最初は心配したのだが、1時間程度連続して使ってもそーんなに問題なかった。フォーマットしてデータ読み書きしてベンチマーク取って、てな感じの1時間程度だったが、HDD自体は少しホットかな……という程度。大丈夫じゃん、と。
まあ、これが何時間も続いたらどうなるかはわからないが、俺のような使い方──HDDに十数GB程度のバックアップを行なったり、デカくて多量のファイルを他のマシンに移行するような使い方であれば、すなわち、長時間使いっぱなしにはならない使い方ならば、熱のことは心配せずに使える製品だと言えよう。
それから、細かいことだが、これdo台自体が小さく軽いことと、IDEケーブルのコネクタ部に取り外し用のフィルム(グイッと引っ張るとIDEコネクタが抜けるアレですな)が付いているので、頻繁なHDD取り付け・取り外しもスムーズにできた。そこらに転がっているHDDをちょいとPCに接続して一時利用、てな使い方をするなら、非常に手っ取り早いのであって面倒もなくてグレイトだと感じた俺であった。
ベンチマークってみた
IDE HDDをUSB 2.0やIEEE1394経由でPCに接続するインターフェイス的製品は、製品によって転送速度の速い遅いがある。内部のインターフェイス変換部分、つまり、IDE←→他インターフェイス、という変換をしているブリッジの善し悪しで、微妙に転送速度の差が生まれるのだそうだ。このあたりを考察すべく、早速ベンチマークテストを取ってみた。比較対照として、NOVACのHDDもっとはい~るKIT NV-HD350Wを引き合いに出してみた。なお、使用したHDDは全てSeagate Barracuda ATA IV(ST360021A)で、ベンチマークテストに使用したソフトウェアはEP82改/かず氏謹製、HDBENCH Ver 3.30で行なった。
| Read | Write | Copy |
Barracuda ATA IV | 40187 | 38081 | 2985 |
KD-1/FU2 IEEE1394 | 20349 | 19914 | 7169 |
NV-HD350W IEEE1394 | 17707 | 17473 | 6046 |
KD-1/FU2 USB2.0 | 13567 | 15942 | 6309 |
NV-HD350W USB1.1 | 897 | 895 | 699 |
(単位:1秒間の転送バイト数=KB/秒)
どうだろう? ていうかどうなんですか? USB 2.0やIEEE1394のインターフェイス製品の使用経験が少ない拙者はどーなのか良くわかりません。俺の環境でのベンチマークであり、しかも対象機種が少ないのであんまり参考にならないが、一応の指針ってことでひとつ。
ただ、IEEE1394接続の時、これdo台とHDDもっとはい~るKITで2MB/s以上の転送速度差が出ているのが意外。IEEE1394のブリッジってのはどれも十分こなれているモンかと思っていたら、実際はそうでもないんですな。17~20MB/秒での3MB/秒の差といえば、けっこーデカいよーな気がする。
細かな難点など
外見の印象よりもずっと快適に使えるこれdo台だが、使っていて、やはり少々扱いにくいという部分もあった。
例えば、ケーブルの長さ。本体とHDDを結ぶケーブルが2系統、電源ケーブルとIDEケーブルがあるのだが、その長さは両方とも約8cm。邪魔にならずスッキリするという点ではナイスな長さだが、やや頻繁にHDDを繋ぎかえるには少々短い。もう少しだけ長さがあると有り難いと感じた。また、電源ケーブルは赤黒黄の3本で、IDEケーブルはATA100準拠と思われるフラットケーブルが10本に裂かれたものだ。扱いやすいっちゃぁ扱いやすいのだが、これらがスマートケーブルみたいに、さらにスッキリしたケーブルだったらより便利であろー。
あと、ACアダプタ。ACアダプタ自体はコンパクトだが、これdo台本体も十分コンパクト。ACアダプタと本体は同じくらいのサイズなのだ。思うに、これdo台のこのコンパクトさって、さほど重要ではないよーな気もする。頻繁に持ち歩く人はあまり多くないような気がするし、頻繁に持ち歩くにはACアダプタがデカ過ぎるし……。個人的な希望としては、これdo台内部にACアダプタ部が内蔵されていればナイスなのになぁ、と。ついでに、これdo台自体に簡素な冷却機構を持たせ、その上に3.5インチHDDを置けて、HDDの底面もある程度冷却できればよりいっそうナイスかも、と。3.5インチHDDサイズで電源内蔵で冷却機構付きでファンも付いてて……とか言うならオマエが製品開発しろ>俺!! ですな。
でもまあ、1万円チョイの製品で、非常に手軽にIDE HDDをUSB2.0やIEEE1394の(簡易な)外付けHDDとして使えるよーになるってのは便利だ。いや非常に便利と言えよう。実際、最初は、これdo台に対して胡散臭くて眉唾モンという眼差しを向けていた俺だが、最近ではこれdo台の使用頻度は高まりっぱなし。実にお手軽であり、手っ取り早くIDE HDDを活用できる製品なのだ。
余っちゃったHDDのベアドライブを見るたびに「んーこのHDDもそのうち活用しないともったいないなぁ」とは思うけれど面倒なのでそのままにしっぱなし、てな人にならば、かな~り気に入れる製品だと思う。
・ これdo台製品情報
http://www.century.co.jp/products/koredhodai.html
・ do台KD-1/FU2製品情報
http://www.century.co.jp/products/kd1fu2.html
・ 突然のシステムダウン! バックアップに「HDDもっとはい~るKIT」
2002/09/25 11:23
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