|
「W64SH」レビュー
|
|
スライド型のAQUOSケータイは機能満載
|
|
|
auから発売されたシャープ製の「AQUOSケータイ W64SH」は、3.5インチのフルワイドVGA液晶やステレオスピーカーを搭載し、BluetoothやFMトランスミッターに対応するなど、メディアプレーヤーとしての機能が満載だ。そんな「W64SH」の特徴や機能を紹介しよう。
■ 一体型外部接続端子を初採用
W64SHは、3.5インチのフルワイドVGA(480×854ドット)液晶を搭載したスライド型のCDMA 1X WIN端末だ。下り最大3.1Mbpsで通信可能なEV-DO Rev.Aに対応しており、スライド型の端末としては初めて「AQUOSケータイ」の名称が使われている。
液晶の下には、決定キーを兼ねた光学センサー「光TOUCH CRUISER」とクリアキーを装備しており、スライドさせずに“クローズポジション”で各種操作が行えるようになっている。クリアキーについては、マナーモードの呼出機能も兼ねている。ドコモとソフトバンクの冬モデルではタッチ操作対応のモデルも見られるが、残念ながらW64SHはタッチ操作には対応していない。
端末の右側面には、クローズポジションで電話を受けるための「サイド受話キー」、マルチタスク機能を呼び出す「マルチキー」、待受状態から長押しでau Media Tunerを起動できる「サイドキー上」、クローズポジションでの通話時に電話を切る「サイドキー下」、カメラ機能の起動やシャッターボタンとして使用する「シャッターキー」を装備。サイド受話キーはのぞき見を防止する「新ベールビュー」のオン・オフ、マルチキーは「モバイルライト」のオン・オフ、サイドキー下はLISMO Playerの起動にも使用できる。このほか、右側面にはワンセグ用のアンテナが収納されている。
左側面には、外部接続端子と卓上ホルダ用の充電端子を装備している。外部接続端子は、ACアダプター経由での充電やパソコンとのUSB接続のほか、イヤホン変換アダプターを装着してイヤホンマイクの使用にも利用する。こうした一体型端子は、最近のNTTドコモの端末でも採用されているが、auでは初採用となる。
背面には、5.2メガピクセルのCMOSカメラを装備しており、その脇にIrSimple対応の赤外線通信ポートとモバイルライトが搭載されている。また、おサイフケータイはこちら側をリーダーにタッチする形で利用する。microSDカードスロットは、電池カバーの内側に搭載されているが、電池を脱着しなくてもmicroSDカードの抜き差しは行える。
液晶側のボディの上下にはスピーカーが搭載されており、端末を横にして利用する際にはステレオ音声で音楽や動画を楽しめる。
サイズとしては53.4×116×16.5(最厚部17.9)mmとかなり大ぶりで、重さも144gとauの冬モデルの中では最重量級。冬モデルの中では最も多機能なW64SHだが、購入にあたっては、このサイズ感・重量感が気になるかもしれない。
■ 基本機能
電話を受ける操作は、クローズポジションでもサイドキーを利用することで問題なく行える。初期設定ではオフになっているが、スライド操作に連動する形で「オープン通話」「クローズ終話」を設定することも可能だ。平型のイヤホンマイク端子を装備しておらず、イヤホンマイクを利用する際には、変換アダプターを使う必要がある。W64SHはBluetoothに対応しているため、ハンズフリーで通話したいなら、Bluetoothヘッドセットを利用するのがスマートだ。
メールの入力にあたっては、フルスライダーという端末の構造上、テンキーが上下に詰まってレイアウトされていることもあり、指が慣れるまでは押し間違いに注意が必要だ。画面の視認性については、3.5インチのフルワイドVGAを搭載しているということもあるが、アウトラインフォントが採用されたことで大幅に見やすくなっている。のぞき見を防止する「新ベールビュー」機能も利用できる。
ウェブサイトの利用については、とりわけ横画面でのPCサイトビューアーの利用は画面も広く快適だ。ただ、これだけディスプレイが大きいと、画面をタッチしたくなってくるのも事実。今後の進化に期待したいところだ。また、クローズポジションでも光TOUCH CRUISERでブラウザを利用できるが、片手持ちの場合はややバランスが悪いため、両手で持って利用するか、オープンポジションで利用するようにしたい。
他キャリア向けには8メガピクセルのCCDカメラも投入しているシャープだが、W64SHのカメラは5.2メガピクセルのCMOSセンサーとなっている。静止画の撮影時には6軸手ブレ補正ならびに被写体ブレ補正に対応するほか、最近は携帯電話でも普及してきた顔検出機能もサポート。シャープならではの機能として、高い認識率を誇る「名刺リーダー」も搭載されている。
なお、カメラでの撮影時には、搭載された加速度センサーを利用し、天地を自動認識して写真データが保存される。ブログなどにメールで写真をアップロードする際には手間がかからず、非常に便利な機能だ。
|
|
5メガピクセルのカメラは、顔検出機能も搭載している。加速度センサーにより天地も自動判別してくれる
|
リンク先に5メガピクセル・ファイン画質の撮影サンプル(約1MB)
|
KCP+端末ということで気になる操作時のレスポンスだが、夏モデルと比較しても大幅に改善されているように感じる。まだまだ画面の切替にワンテンポ空きがあるのも事実だが、基本的な操作はほとんどストレスなく行えると言って差し支えないだろう。
■ 特徴的な機能
|
アウトラインフォントの採用でメール利用時の視認性は高い
|
機能面では、まさにフルスペックといった端末で、ワンセグ、BluetoothやFMトランスミッター、EZ・FM、おサイフケータイ、グローバルパスポート CDMA、PCサイトビューアー、PCドキュメントビューアー、GPSなどがしっかりサポートされている。加速度センサーを搭載しており、カロリーカウンター(歩数計)機能も利用できる。
W64SHは、メディアプレーヤーとしての機能満載で、横画面で利用できる機能も多い。横にしてスライドを閉じた状態で光TOUCH CRUISERボタンを押すと、AVメニューが表示され、ワンセグやカメラ、LISMO、PCサイトビューアー、PCドキュメントビューアーといった機能を呼び出して、横画面で利用できる。データフォルダの参照も可能で、写真ならタイル状に最大50枚をサムネイル表示させることができる。
また、パッケージ同梱の卓上ホルダは、端末を横画面にしてセットするタイプで、充電中は時計を表示させたり、写真を表示させたりできる。
|
日英翻訳機能では、必要に応じて別の単語に差し替えて英語の文章を音声で読み上げさせられる
|
前モデルから引き続き搭載されている電子辞書機能「スマートリンク辞書」では、本体メモリ内蔵の国語・英和・和英の簡易辞書が利用できるほか、ネット経由で本格的な辞書検索を行うことも可能だ。日英翻訳機能では、キーワードとなる単語を打ち込むと、例文を検索できるようになっており、例文の一部の単語を別の単語に差し替えて音声で読み上げさせることもできる。
ワンセグは、大画面の迫力満点で、16:9のフルワイド表示にも対応。15fpsを30fpsに補間する「なめらかモード」や、320×240ドット、320×180ドットのワンセグの映像ソースをVGAサイズに補間しながら拡大表示する「画素補間拡大」機能、周囲の明るさに合わせてコントラストを自動調整する機能も搭載されている。ダビング10に対応しているので、本体メモリに録画した番組をmicroSDカードにコピーして友人に渡すことも可能だ。
ちなみに、auでは今回の冬モデルの一部(W64SH/W63CA/W63H)を対象に、USBやBluetooth経由でパソコンからインターネットを利用した場合のパケット通信料の上限を1万3650円とする「モバイルデータ通信定額」を導入している。料金的なメリットはあまり無いようにも思えるが、新たにデータ通信カードを購入しなくてもよいところや、一人暮らしのユーザーなら自宅のネット環境も携帯電話一つにまとめられるというところに魅力を感じるかもしれない。ネット対応のカーナビで使う場合にも便利だ。
■ 電池の持ちは気になるが機能面では最強
|
ディスプレイ照明の設定画面。設定を見直して、電池の持ちをよくしたい
|
そんなW64SHだが、しばらく使っていて気になるのは、電池の持ちだ。液晶ディスプレイは携帯電話に搭載されているデバイスの中でも最も電力を消費する類だが、サイズが3.5インチともなると、かなり電池を食うようだ。筆者の場合、満充電の状態で出社し、帰宅すると電池残量が一目盛りということが多い。ディスプレイ周りの設定を見直すことで、電池の消耗を改善できる場合があるので、気になるユーザーは設定を変更しておこう。
そのほか、スライドクローズ時にキー操作無効を設定していると、一旦その無効解除を行わないとマナーモードのON/OFFが行えない点なども気になるが、逆に言えば、それ以外の機能面で不満を感じることはほとんどない。
購入するにあたって最終的に気になるのはサイズ感だろう。大きく、重いのも確かだが、それに比例して多機能なので、満足度は高い。一つの端末を長く使うことを前提とするなら、機能満載のW64SHは魅力的な端末と言える。
■ URL
製品情報(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/products/w64sh/
製品情報(au)
http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/cdma1x_win/w64sh/
■ 関連記事
・ au、「W63CA」「W64SH」「W65T」を発売
・ 3.5インチフルワイドVGA、スライド型のAQUOSケータイ「W64SH」
(湯野 康隆)
2008/12/05 20:13
|
ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.
|
|
|
|
|
|