|
「830CA」レビュー
|
|
「美撮り」カメラとスリムボディのワンセグ対応端末
|
|
|
ソフトバンクモバイルから発売された「830CA」は、カシオ計算機製の折りたたみ型端末。カシオ計算機として初めてソフトバンクに供給する端末となる。ソフトバンクの基本的な機能・サービスに対応しながら、ワンセグ、520万画素カメラ、おサイフケータイなどポイントを絞って強化されている。「830CA」のデザインや基本機能、特徴的なポイントについて実機のレビューをお届けする。
■ 外観・デザイン
830CAはカシオが初めてソフトバンク向けに供給する端末。全体的なシルエットに加え、特にオレンジなどはボディ内側の色分けなどauのW41CAを彷彿とさせるイメージだ。一方で、側面にメッキのラインを配置するなどの見た目に印象的な意匠も追加されている。
手にすると平たく薄いイメージだが、カメラモジュールは520万画素ということもあってか、最薄部と最厚部は1.7mmの差がある。このためカメラモジュールの部分を頂点としてなだらかな傾斜が付いている格好だが、いびつな厚みを感じることもなく、周辺に丸みが付けられていることもあって手に馴染みやすい形状だと感じた。
テンキーはフラットな仕上がりに見えるが、指先ではっきりと分かるよう階段状に段差が付けられたステップキーが採用され、操作のしやすさに配慮されている。
外観のうち、ヒンジ形状、赤外線ポート、左側面のサイドキー、microSDカードスロット、右側面の外部接続端子、照度センサー、受話口、イルミネーションパネルなど各要素の位置はいずれもNEC製の「820N」と同様で、ソフトウェアだけでなく本体内部の一部もNEC製の端末と共通している部分があると思われる。その一方で、前述の520万画素カメラやおサイフケータイへの対応など「820N」以上の機能を搭載しており、それらがカシオデザインのボディにうまく包み込まれているといった印象だ。
|
|
カメラ側が厚いものの、全体は自然な傾斜と丸みで処理されている
|
段差のあるステップキーを採用
|
■ 基本機能
メール機能はデコレメールや新絵文字など基本的な機能に対応する。保存件数は受信が最大1000件、送信が最大400件。日本語入力は予測変換に対応しており、文字入力方式としてかな方式、2タッチ方式、T9入力方式の3つが用意されている。アドレス帳は最大1000件で、スケジュールは最大500件となっている。
Webブラウザは通常のYahoo!ケータイのブラウザに加えてフルブラウザも搭載。S!速報ニュースがサポートされ、ビューワーアプリのダウンロードで電子コミックが利用できる。端末にインカメラは搭載されていないが、TVコールも利用できる。
スクリーンフィルターとしてのぞき見防止機能が搭載されており、周囲からは画面が見にくくなるようになっている。
ワンセグは予約録画や視聴しながらの録画に対応。予約録画は最大100件の予約を登録できる。連続視聴時間は最大約4時間40分。アンテナは本体内蔵式を採用している。
|
|
ワンセグの全画面表示。アンテナは内蔵式
|
メール本文の日本語入力画面
|
■ 特徴的な機能
|
カメラのファインダー画面
|
|
美撮りモードを搭載
|
カメラはオートフォーカス対応の520万画素CMOSカメラで、「美撮りモード」「ダブルブレ補正」「顔検出オートフォーカス/オート露出」「ベストショット機能」「記憶色再現機能」「高感度撮影」など、トレンドとなっている機能を一通り搭載している。
「美撮りモード」はこの端末の特徴的な機能で、女性を美しく撮影するというところから一歩進め、肌のきれいさに加えて目元の存在感も強調するという撮影モードだ。このモードで撮影すると、肌はフラットでキレイ(ツルツル?)に仕上がり、目は気持ち大きくなったような印象になる。コントラストが高くなり顔周辺の暗部が一段と落ちることで、撮影シーンによっては小顔効果も期待できるのではないだろうか。
ベストショット機能はカシオ製端末でおなじみとなっている撮影シーン別の最適設定。ベストショット機能をオフにした場合、ホワイトバランスを手動で設定できるようになる。
オートフォーカスは、シャッターボタン押下後にピントを合わせるシングルポイントオートフォーカスと、撮影前から常にピントを合わせ続けるコンテニュアスオートフォーカスの2種類が用意されている。コンテニュアスオートフォーカスは被写体が連続して動いている場合に有効だが、フォーカス追従後にピントが合ったサインが無く、シャッターを押してよいタイミングが分かりにくい。人物撮影であれば顔検出機能の枠の動作でおおよそのタイミングはつかめるが、人物撮影以外(動物など)では使いどころが難しいかもしれない。普段はシングルポイントオートフォーカスやフォーカスロックを組み合わせて使うのがいいだろう。なお、顔検出機能は基本的にオンの状態のみで、VGA以下の解像度やベストショット機能でシーンを選んだ場合はオフとなる。
カシオ製端末で好評を博している画面デザインは、Flashを利用した待受画面、アイコンメニュー画面に独自のものを用意している。3羽の子ペンギンや親子が登場し、ユーモラスな場面が幾通りも用意されている。ペンギン以外にも、モダンな幾何学模様やシンプルな波模様など、待受画面・アイコンメニュー画面のプリセットコンテンツはいずれもデザイン性の高いミニマムなものが用意されている。
|
|
待受画面には子ペンギンが登場
|
アイコンメニュー画面にも子ペンギンが
|
■ 位置付け
|
第2階層以降はNEC製端末に近いUIとなっている
|
基本的なソフトウェアのユーザーインターフェース(UI)、使い勝手はソフトバンクにおけるNEC製の端末に近い印象。待受画面やアイコンメニューはauのカシオ製端末に通じる仕上がりだが、auのカシオ製端末の使い勝手がそのままソフトバンクに、という内容にはなっていない。そのため、auのカシオ製端末のユーザーが乗り換える場合には留意する必要があるだろう。ただし、この端末自体の使い勝手が悪いわけではなく、カメラ機能の設定メニューなどは縦横のアイコンで設定状況や設定項目を一覧でき、使いやすい。カーソル操作は、アイコンメニューから第2階層以下のリスト表示における部分まで、全体的にキビキビとはいかず、連続した入力ではややもたつくことがあった。
女性をターゲットに開発されたとのことで、ボディカラーのホワイトはゴールドのラインとの組み合わせが女性向けと感じたが、それ以外はいずれのボディカラーも男性が持てる内容という印象だ。ウィジェットやGPS、Bluetoothなど先進的な機能には対応しないが、基本機能を充実させ、カメラ、ワンセグにフォーカスし、女性のみならず長くつきあえる端末ではないだろうか。
■ URL
製品情報(ソフトバンクモバイル)
http://mb.softbank.jp/mb/product/3G/830ca/
製品情報(カシオ計算機)
http://k-tai.casio.jp/products/830ca/
■ 関連記事
・ ソフトバンク、930SH/830CA/730SCを発売
・ カシオが初のソフトバンク端末で狙うところ
・ ソフトバンク初参入となるカシオ製端末「830CA」
・ ソフトバンク、カシオ製携帯電話を年内にも発売
(太田 亮三)
2008/12/02 16:19
|
ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.
|
|
|
|
|
|