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「F-01A」レビュー
機能満載の防水タッチパネル端末

 NTTドコモから発売された「F-01A」は、タッチパネル対応のフルワイドVGA液晶やワンセグ、5.2メガのカメラなどハイスペックな機能を備え、なおかつ防水性能を備えた富士通製のFOMA端末。ドコモでは、従来の906iシリーズなどハイスペックモデルにおいて防水性能を備えたモデルはラインナップしていなかったので、待望の高機能防水モデルということもできる。「F-01A」のデザインや基本機能、特徴的なポイントについて実機のレビューをお届けする。


外観・デザイン

F-01A シアン

外部接続端子カバーにはパッキン。端子そのものは奥まった位置にある
 富士通製の端末では、「F903i」から前モデルとなる「F906i」まで、開いた状態で画面が90度回転する「ヨコ・モーション」スタイルを採用してきたが、ドコモのラインナップの刷新に合わせてF-01Aでは2軸ヒンジを採用している。ちなみに同じPRIMEシリーズに属する「F-03A」はスライド式で、こちらも富士通としては珍しい形状を採用している。

 本体デザインは、ボディの4隅以外は平面の組み合わせを基調としたデザインで、手にすると固くしっかりとした作りのボディであると感じられる。2軸ヒンジ部分の剛性感は高く、カッチリと動作する印象だ。ボディサイズはやや大きく、前モデルにあたる「F906i」と比べると、閉じた状態で長辺の長さが約3mm長くなっている。重量は142gで、PRIMEシリーズとして平均的な重さとなっているが、ドコモが揃える多様なラインナップの中では比較的重い部類に入る。サイズや重さは、防水対応に加え、搭載されたハイスペックな機能とトレードオフになる部分と考えるべきだろう。

 テンキー側本体はつや消し塗装で、キー面にはクリアパーツがあしらわれる。背面の指紋センサーは防水のため特殊な保護膜で覆われているが、感度は従来以上で、逆に強度が向上しているという。テンキー部分はひとつひとつが独立した標準的なもので、クリック感は軽く、軽快に操作できる。一方の液晶側ボディは背面がクリアパーツで、大型のサブディスプレイと側面、ヒンジ周りにハーフミラー仕上げが施される。ディスプレイ面は一体型のクリアパーツで構成されている。

 側面のボタンは、右側面に4つ搭載されるのみで、左側面は外部接続端子のみとなる。外部接続端子にはACアダプタなどを接続するが、カバーには防水のためのパッキンが取り付けられており、端子自体も本体のやや奥まった場所に設置されている。このためACアダプタ側のプラグの形状によっては端子に届かず接続できない場合がある。純正のACアダプタは問題なく利用できるが、サードパーティ製の製品を利用している場合は注意する必要があるだろう。本体側面には外部接続端子以外に開口部は無く、microSDカードスロットは電池パックを外した場所に設置されている。

 なお、F-01Aだけではなく、一部の906iシリーズからは、平型コネクタのイヤホンマイク端子を廃止し、イヤホンマイクの信号を外部接続端子に統合したモデルが増えている。これらのモデルで平型コネクタのイヤホンマイクなどを使うには、別途変換アダプタを入手する必要がある。ドコモからは、これらの機種の外部接続端子に直接接続するタイプのイヤホンマイクも発売されている。


基本機能

本体の裏側。指紋センサーは保護膜で覆われ、その上には外部マイク
 通話機能では、らくらくホンなどにも搭載されている、自分の声をはっきり伝えられる「スーパーダブルマイク」が大きな特徴。周囲の騒音を感知する専用マイクがボディ外側のカメラ脇に搭載されており、送話口のマイクと合わせて処理し、声以外の騒音を低減して相手に届ける。送話口のマイクは方向キーとヒンジの間に搭載されており、「ビューアスタイル」での通話も実現されている。

 メール機能では、受信メールの最大保存件数は1000件でF906iから変わらないものの、送信メールの最大保存件数はF906iの200件からF-01Aでは500件に拡大されている。日本語入力は予測変換に対応したATOKで、本文の中で文字の入力・変換表示を行うインライン入力に新たに対応している。メールのプレビュー画面や詳細表示画面で[1][3]を押すことにより文字を15段階で拡大・縮小できる「クイックズーム」機能も前モデルから踏襲されている。

 Webブラウザでは、ビューアスタイルでのフルブラウザの利用にさまざまな機能が用意されている。タッチパネルを利用するビューアスタイルでは、なにもないところをタップするとメニューアイコンが現れるほか、ダブルタップで2段階の拡大が行える。ユニークな機能はモーションセンサーを利用したスクロール機能で、ビューアスタイル時には上部にある端末側面のプッシュトークキーを押しながら手前か奥に傾けることで、サイトを上下左右にスクロールできる。検索のためのテキスト入力ボックスをタップすると、ビューアスタイル時専用の文字入力画面が現れ、端末を開き直すことなく文字を入力できる。テキストボックスを指先で正確に指定するのは少々難しいので、ダブルタップによるズーム機能を併用したいところだ。

 カメラは520万画素のCMOSカメラで、オートフォーカスをはじめ、ISO1600までの高感度撮影、手ぶれ・ゆがみ補正などさまざまな機能を搭載する。インカメラは搭載されていない。またカメラ機能でも、ビューアスタイルにおけるタッチパネルを利用したさまざまな機能が用意されている。「シャッター」と画面上に表示されたボタンをタッチすることでシャッターが切れるほか、任意の場所をタッチしてピントを合わせフォーカスポイントを指定できる。「フルオート」モードでは任意の場所をタッチ後、ピントが合うと即座にシャッターが切れる。「フルオート」モードを解除するとピントが合ったフォーカスロックの状態で止まり、シャッターは任意のタイミングとなる。顔認識機能にも対応しており、一度に最大10人までの顔を認識できる。モーションセンサーとも連動し、天地を正しく認識して画像を保存できるが、例えば机の上に置かれた物を真上から撮影するような場合のように、端末を地面と水平にしている場合には機能しない。


 端末全体で、操作に対するレスポンスは良好だと感じた。メニューのカーソル操作はサクサクと動作し、連打にもしっかりと追従する。タッチパネルのレスポンスは、専用メニュー「ビューアメニュー」のスライド操作でややゆったりとしている印象だが、タップなどに対する反応は良好で、慣れればスムーズに操作できるようになる。タッチパネルは感圧方式ではなく静電方式なので、ツメの先やスタイラスペンなどでタップしても反応しない。指紋の跡は気になるが、指先をしっかりと画面に押しつけるのがポイントだ。


特徴的な機能

 防水性能はIPX5/IPX7準拠で、防水端末としておなじみの基準をクリアしている。複雑な構造の2軸ヒンジ部分は浸水しても問題無いように設計されているが、水にぬれた後は取扱説明書の内容に従って水抜きをしっかりと行いたい。また、ユーザーが開ける場所が外部接続端子カバーと電池カバーの2カ所だが、どちらも閉め忘れたりしっかりと閉じていなかった、ということが無いように注意したい。特に外部接続端子は有線式イヤホンマイクの使用や充電の度に開け閉めをすることになるので、別売りとなっているが、卓上ホルダで充電を行うと、端子カバーやパッキンの早期の劣化、閉め忘れといったリスクを減らせる。


ビューアスタイルで利用するビューアメニュー

ワンセグ画面をタップするとタッチ操作用のボタンが表示

カメラでは右上のシャッターボタンでシャッターを切る。任意の場所をタッチしてフォーカスポイントを指定できる
 タッチパネル操作は、基本的に画面を外側にして閉じる「ビューアスタイル」で利用するもので、端末を開いた状態では利用できない。待受画面を表示した状態で端末をビューアスタイルにすると画面には「ビューアメニュー」が表示され、基本的にここで選択できる9つの機能がタッチパネル操作に対応する。画像フォルダの写真を表示した場合なら、スライド操作で写真を切り替えたり、ダブルタップで拡大したりできる。なお、ビューアスタイルで利用中、通話の着信と応答、メールの受信と確認はビューアスタイルのままでも利用できる。

 モーションセンサーは幅広く活用され、フルブラウザのスクロールやカメラ撮影時の天地認識、オートキーロック、画像閲覧時の縦横を自動的に切り替えるといった機能が用意されている。歩数計機能も用意されるほか、iアプリでの利用にも対応している。また、サブディスプレイの表示は向きを認識して上下が入れ替わるようになっている。新サービスとして対応しているiウィジェットでは、歩数計と連動した「ウォーキングチェッカー」ウィジェットがプリインストールされている。

 指紋センサーはF-01Aをはじめ富士通製端末が継続して搭載しているデバイス。指紋のみで認証操作を行えるほか、フルブラウザではポインティングデバイスとしても利用できる。

 セキュリティ機能が充実しているのも特徴で、指紋認証と連携した機能やプライバシーモードのほか、今回はモーションセンサーが搭載されていることもあり、一定時間端末に動きが無い場合にキーロックをかけるというオートキーロック機能も用意されている。

 テンキーの[0]キーの下に用意されたサーチキーは、各種の検索機能にすばやくアクセスできる機能。iモードコンテンツの検索をはじめ、フルブラウザでのGoogle検索、地図、辞典、アドレス帳、端末内のメールの本文検索が行える。


位置付け

 タッチパネルの操作はビューアスタイル時に限定されており、ビューアスタイルは基本的に「ビューアメニュー」からスタートすることもあり、タッチパネルの操作が行える場面と行えない場面の切り分けがはっきりしている。とはいっても、「ビューアメニュー」にはアドレス帳やメール以外の、タッチパネルを活かせるような機能がそろっている。すべての操作をタッチパネルに対応させるにはUIの大幅な変更が必要になるとと思われるので、現実的な解としてF-01Aの仕様は潔いと感じている。一方、フルブラウザが利用できるのなら、iモードサイトもビューアスタイルで閲覧できるとより自然だったのではないだろうか。

 F-01Aは、上記で解説した以外にも、ワンセグ、おサイフケータイ、GPS、Bluetoothなど機能が満載の端末だ。ドコモのハイスペック端末では希少な、防水性能を備えている点も大きなアドバンテージだろう。先進的な機能を使い、周囲に少し自慢したくなるような、まさにPRIMEシリーズのコンセプトを具現化した端末といえる。



URL
  製品情報(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/prime/f01a/
  製品情報(富士通)
  http://www.fmworld.net/product/phone/f-01a/

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(太田 亮三)
2008/11/26 17:48

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