【CEATEC JAPAN 2017】
シャープ、スマホ・家電向けサービス「COCORO+」ブランド統一~「ガラパゴス」ブランドは消滅
2017年10月2日 16:08
国内最大のエレクトロニクス展示会「CEATEC JAPAN 2017」を3日に控え、シャープは報道関係者向けの説明会を実施した。
今年のシャープブースのテーマは、「8K World & AIoT World」。「AIoT」に関しては、スマートフォンや家電、ロボホン向けに提供しているサービスブランドの統一が発表されたほか、スマートスピーカーの投入計画も明かされた。
人に寄り添う新ブランド「COCORO+」~「ガラパゴス」は消滅
「AIoT」は、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)を組み合わせたシャープ独自の造語だ。
AIoTサービスとして、AQUOSスマートフォンの話しかけるAI「EMOPA(エモパー)」をはじめ、テレビのAQUOSやキッチン家電のヘルシオなどで、ユーザーの生活をアシストするサービスを提供している。
今回、「COCORO+(ココロプラス)」ブランドへ、スマートフォン、家電向けのAIoTサービスを統合。会員サービス「SHARP i CLUB」は「COCORO MEMBER」となる。
また、電子書籍サービスの「GALAPAGOS STORE」は、「COCORO BOOKS」に名称変更される。シャープ製スマートフォンの名称にもなった「GALAPAGOS(ガラパゴス)」というブランドは、この名称変更により消滅することになる。
これにより「COCORO+」ブランドは、5つのIT機器・家電連携サービスと、電子書籍や映像配信などの4つのクラウドサービス、そして会員サービスのCOCORO MEMBERが含まれるサービス群となる。
「COCORO+」ブランドは、“人に寄り添う”サービスという共通のコンセプトを持つサービス群。例えばエモパーではユーザーの興味のありそうなニュースを届けたり、COCORO KITCHENでは、キッチン家電がおすすめのレシピを提案したりといった形で、ユーザーそれぞれの好みに応じたサービスを提供する。
これまでそれぞれの独立したサービスとして展開されていたが、ブランド統合により、各サービス間の連携を深めていくという。
AIoTプラットフォームを外販、外部連携も強化
COCORO+ブランドの核となるAIoTプラットフォームを、外部企業向けに提供することも発表された。ユーザーと会話の中で、好みを学習する機能を特徴としており、提携企業が伝えたい情報を自然な形でユーザーに伝えることができるという。
「ホームアシスタント」はスマートスピーカーへ進化
発表会の中で、2016年のCEATECにて発表された音声アシスタントロボット「ホームアシスタント」の動向が明らかにされた。
「ホームアシスタント」は、赤外線リモコン機能を備えたロボット。対話型のインターフェイスを搭載し、話しかけて家電などを操作できる。
2017年初より法人向けの提供が開始されたが、一般向けには未発売となっている。質疑応答の中でホームアシスタントの一般提供について、シャープの長谷川祥典氏が答え「商品企画を見直している状況」と明らかにした。
その理由として「AIスピーカー製品が市場に出てきている状況で、ホームアシスタントにも対話機能だけでなく、音楽再生にも対応する必要がある」(同氏)と語った。
スマートフォンに搭載されるエモパーについては、会見の中では多くは言及されなかったが、囲み取材に応じた長谷川氏は「当然、エモパーと家電やその他のサービスとの連携も進めておく。Googleアシスタントなど、その他のAIアシスタントとも上手く棲み分けながら独自の価値を提供していたい」と語られた。
8Kテレビを12月発売「8Kのすごさを実感していただきたい」
CEATECのシャープブース、もう1つの目玉の「8K World」では、初の民生用8Kテレビ「8K AQUOS」が展示される。日本での発売日は12月1日で、価格は100万円前後。
シャープの執行役員で8Kエコシステム戦略推進室長の西山博一氏は、「8Kのすごさを実感していただきたい」と強調。フルHDの16倍相当のある8K解像度の映像表現の強みを紹介した。
また、これまで主に放送分野向けに開発が進められてきた8K技術がだ、医療分野向けへの応用が発表された。手術の現場で、8K内視鏡で撮影した患部の映像をシャープの8Kディスプレイで表示、拡大鏡では見えない微細な血管や神経を見ながら処置できるというソリューションで、正確な手術を短い時間で行えるようになるとしている。
シャープは外部との連携で8K向けサービスを充実させていく方針で、西山氏は次世代のモバイル通信技術「5G」との連携も模索していくと紹介した。