ゼンマイを廻さずに普通に鉛筆を廻す「クロックワーク シャープナー」


シンプルでパワフルなパッケージングが最高だ

 鉛筆を削るには鉛筆削り、芯ホルダーの芯だけ削るには芯削り、クレヨンを削るにはクレヨン削り、と様々だが、万年筆やボールペンと違ってリフィルという概念がなく、本体を削っていき、最後はほぼ何もかもがなくなってしまう筆記具には、削るための専用の道具が必須だ。

 職業的に来る日も来る日も、毎日多くの鉛筆を使う専門職は別にして、日常に、必要な道具として鉛筆を使うことの多かった小学生の頃なら鉛筆削りといえば、モーターによる電動鉛筆削りや、手回しの据え置き型の鉛筆削りが一般的だったはずだ。

 大人になって使う鉛筆には、小学生の頃とは多少異なるこだわりや思い入れのあることが多い。そういう大人が選ぶ“こだわりのブランド鉛筆削り”は、高級文具店やウェブ上のステーショナリー専門店で扱われているが今回の商品はそれとは対極にあるプチ・パロディ商品だ。

 「クロックワーク シャープナー」は、パロディ文具やパロイディ・ライフスタイル商品を数多く生み出している英suckuk社による、ゼンマイをモチーフとした鉛筆削りだ。ステーショナリーにゼンマイ型のモチーフが採用されることは珍しくいないが、suckukのゼンマイ鉛筆削りはその大きさとリアルな雰囲気を醸し出す総金属製がクールだ。

単体で見ると大きさがわかりにくいが、かなり大きな時計のゼンマイ巻きキーだカッターの精度はなかなか。くるくると削りかすが溢れてくる

 鉛筆を削るための単純な道具として発売されている一般的な鉛筆削りの多くは、鉛筆削り全体を手のひらで握るという、安心かつきわめて自然な操作を前提として開発されている。

 鉛筆は芯先がデリケートな道具で、片手に「クロックワーク シャープナー」、もう一方の手に鉛筆を持ってくるくると削っている最中に、少しでも芯から鉛筆削りの中心に向かう軸線が歪んだりすると芯の先端が容易に折れてしまう。

 特に質量が大きく、ジョーク的なデザイン優先で持ちにくいsuckukのクロックワーク シャープナーは、鉛筆削りを持つ側の手や指先でしっかりとホールドする必要性があるだろう。機能的な鉛筆削りとして使うには多少の慣れが必要だが、この特殊な鉛筆削りを持つメリットも大きい。

 ひとつは、まず話題になること。そしてもうひとつは、かなり雑然とした筆者のデスク周りでも、滅多なことでは行方不明にならない大きさだ。suckusの「クロックワークシャープナー」は、ごく実用的な鉛筆削りをおさえた上で、趣味として持っておきたい目立ち度ナンバーワンの一品だ。

鉛筆削りのサイズは千差万別だ。高級なものは金属製が比較的多い基本的に鉛筆削りは手のひらでくるんで持つ形式が一般的だ
大きくて、手のひらでカバーしきれない。普通の鉛筆がきわめてスリムに見える見かけによらず相当鋭角に芯先は削れる。慣れると手放せないかもしれない

商品名実売価格購入場所
クロックワーク シャープナー2100円分度器ドットコム


(ゼロ・ハリ)

2012/11/8 12:11