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「日本は5Gで出遅れた」は本当か? クアルコムのキーパーソンに聞く

 日本では2020年春に始まった5G。高速大容量や低遅延などが特長とされるが、その一方で、グローバルで見ると商用サービスの開始は米国や韓国が先んじる格好となり、「日本は5Gで出遅れた」という声もある。

 そんな5Gサービスの開始から20カ月、実は5Gで「日本が世界初」と言える状態になっていることをご存知だろうか。それは「携帯電話事業者すべてで5Gのミリ波サービスが始まった」ことだ。

 おりしも世界の携帯電話事業者などで構成される国際団体「GSMA」がミリ波の普及や認知度向上を図る「5G mmWave Accelerator Initiative」を発表した。

 日本が先頭を走り、そしてこれから世界でも一気に広がりを見せようとする「5Gのミリ波」は、どんな体験や価値をわたしたちにもたらしてくれるのだろうか。

 クアルコムで、ミリ波の事業開発をリードする、バイスプレジデントのフィリップ・ポジアンティ(Philippe Poggianti)氏に、ミリ波をとりまく世界の動向を聞いた。聞き手は本誌「ケータイWatch」の関口 聖編集長。

フィリップ・ポジアンティ氏。クアルコム 事業開発部門のバイスプレジデント。通信業界で25年以上に渡り、ワイヤレス事業の製品管理、営業、事業開発などを担当。そのうち6年間は日本を含むアジアを拠点としていた。

「5Gの魅力」を究極まで高める、それが「ミリ波」

――日本では5Gで、Sub-6(6GHz帯より低い周波数帯)と28GHz帯のミリ波による5Gサービスが始まっています。Sub-6でより幅広いエリアをカバーし、ミリ波は「5Gの大容量と高速通信」を、さらにひとつ上のレベルで実現するものですよね。今の状況を、ポジアンティさんはどのように見ていますか?

ポジアンティ氏
 ミリ波は超高速通信、低遅延という特長があります。

 クアルコムが分析したフィールドでの測定では、ミリ波はSub-6と比較して19倍、4G LTEと比較すると38倍くらいの通信速度が出ます。一方、Sub-6は広いエリアをカバーするという特長があり、そこにミリ波を組み合わせることが重要なポイントだと思います。Sub-6とミリ波は互いに補完関係にあるのです。

 世界の状況を見ると、国内全ての携帯電話事業者がSub-6とミリ波の両方を、商用で提供しているのは日本が最初の国です。世界的にもユニークな状況で、日本にとって非常に大きなアドバンテージになると思います。

――「日本が最初の国」ということについて、どう思われますか?

ポジアンティ氏
 他の国が、今後、日本のやり方をフォローしていくと思います。

 たとえば米国においては、ミリ波は持っていたけども、いわゆるミッドバンドと呼ばれる周波数帯を使うことができなかった事業者があります。2021年末~2022年初めぐらいには、5Gでミッドバンドを使い始めることができますので、米国では、「ミリ波だけ」から、その後ミッドバンドを組み合わせて展開していくという流れになっています。

 欧州や中国は、米国とは逆に、5GはミッドバンドのSub-6から始まり、これからミリ波導入に向かって動いています。どちらのシチュエーションにしても、Sub-6とミリ波は互いに補完関係ですので、結果的には他の国も日本のやり方に追従する流れになるだろうと思っています。

――ミリ波はメリットがある一方で、活用が難しい周波数帯域だとも長らく考えられてきました。クアルコムとして、ミリ波の難しさをどう捉え、どう解決して来たのでしょうか。過去には新たなアンテナを開発してこられましたね。

ポジアンティ氏
 ミリ波は伝搬特性がSub-6とは違いますので、エリアは当然狭くなります。

 Sub-6の広いエリアと補完関係にあるというのは、先ほど申し上げた通りです。ただ、ミリ波は非常にキャパシティが大きいので、事業者にとっては経済的なメリットがあり、ユーザーにとっても、多くのデータを処理できるというメリットがあります。

2019年9月、米サンディエゴのクアルコム本社で披露されたミリ波通信のデモンストレーション。アンテナの死角となる場所でも通信できることが示された

 我々はミリ波対応の製品開発には、非常に長い期間をかけてきました。たとえばアンテナの技術ですね。そこはもう、常に改善し、毎年新しい世代、新しい技術を提供しています。

 特長としては、モデムからアンテナまでのトータルソリューション、システムとしてのソリューション開発です。これによって最適化された高い性能を提供できます。我々の5Gモデム・RFシステムは、すでに4世代目になっていまして、2021年2月に「Snapdragon X65 5G Modem-RF System」を発表しています。

Snapdragon X65 5G Modem-RF System

 モデム~アンテナまでのトータルソリューションのメリットとして、スマートフォンに最適化されることで性能が高くなるのはもちろん、電池持ちが良くなります。

 また、自宅のような場所で使うFWA(固定ワイヤレスアクセス)では、屋外にアンテナが置かれた場合、基地局と6km~10kmほど距離があっても、ミリ波で1Gbpsを超えるスピードが出ることを検証しました。実際に、イタリアや米国、豪州でいくつかの事業者とそのような距離でのパフォーマンスを測定するテストをしています。

 これによって、FTTH(宅内向け光回線)がないような郊外のエリアにおいてもブロードバンドが実現され、いわゆるデジタルデバイドの解消も期待できます。ミリ波は色んな使い方があるだろうと思っています。

――6km~10kmとはかなり広いエリアですね。実際に商用環境で実装するには、まだ大きな課題があるのでしょうか。それともまもなくコンシューマが使えるような状況が近づいているのでしょうか。

ポジアンティ氏
 ミリ波によるFWAの商用化がすでに始まっているところがあります。イタリアのFastweb(ファストウェブ)という事業者です。

 FastwebはもともとFTTHの事業者ですが、そこが200MHzの周波数を得て、2020年12月からFTTHを補完するような形でミリ波を使って約50都市でサービスを提供しています。今後も提供地域は増えていくことになってます。

 米国ではVerizon(ベライゾン)が「5G Home」というサービスを提供していることをご存じかと思います。米国政府はデジタルデバイドの解消ということで、ミリ波やミッドバンドの展開や、FWAのサービス拡大に対する資金的なサポートもしています。

 豪州においては、Telstra(テルストラ)やOptus(オプタス)もミリ波のFWA商用サービスを提供している状況です。

世界でのミリ波

――ミリ波はFWA、固定ワイヤレスアクセスとして使われる用途が、グローバルでは主流なのでしょうか。スマートフォンでの活用も進んでいるのでしょうか。

ポジアンティ氏
 やはりモバイル、いわゆるスマートフォンでの活用が非常に重要になっていると思います。

 コロナ禍の影響もあって、働き方が変わってきていますね。オフィスでしか仕事をしないという状況ではなく、家で仕事することもあれば、屋外で仕事することもある。

 私が日本に住んでいたころ、飯田橋から大崎まで通っていましたが(笑)、その当時、効率よく仕事できたのは、オフィスだけでした。

 最近では、1日の行動を考えると、たとえば家にいる時にはFWAで高速通信を使ったり、あるいは電車を待っている時に非常に重たいファイルをクラウドにアップしたりする。

 このように、高速大容量通信が必要になるようなシチュエーションが実際増えているので、通信事業者が非常に高速で高品質な通信を提供する際には、ミリ波が重要な技術になると思っています。

――日本の環境に当てはまる事例は非常に分かりやすいです。日本以外の国では、どんな地域で使われているのでしょうか。

ポジアンティ氏
 我々はBell Labs Consultingと一緒に、そういった調査もしています。欧州でも、国によっては、日本と同じように電車や地下鉄、バスが多く使われているところがありますよね。そういった地域は日本に近いと思います。

 たとえばパリのシャンゼリゼ通りは、多くの人がショッピングしたりカフェに入ったりしていて、時間帯によっては非常にネットワークが混み合ってくる環境です。

 通信事業者は、こういった状況にミッドバンドで対応しようとすると、基地局の数を現在の2~3倍に増やさないとトラフィックを処理できない状況になるわけです。

 一方、ミリ波は非常にキャパシティが大きい。シャンゼリゼ通りのような混雑する環境にミリ波の基地局を展開することで、ユーザーは非常に快適な通信ができます。

 通信事業者にとっても、我々の調査では、最大75%のTCO(Total Cost of Ownership)削減につながると計算されています。キャパシティが大きいが故に処理できるデータ量が増えることから、ユーザーにとっても通信事業者にとってもメリットがあると思っています。

――75%は大きな数字ですね。

ポジアンティ氏
 もちろん、実際にはいろんな条件がありますが、Sub-6では基地局が4つ必要なところに対して、ミリ波だと1つの基地局で十分処理できるという実験結果があります。

 特に混み合った状況になると、Sub-6ではアップリンクが非常に厳しくなるということが分かってきています。そういったところではミリ波が非常に効率的です。データ通信をより多く使うヘビーユーザーだけではなく、一般的な使い方をする人であっても、動画のような大容量コンテンツをソーシャルメディアで送るといった場面がありますよね。

 そうした利用が増えるとアップリンクのトラフィック全体が大きくなります。そうした時に、ミリ波の大容量は非常に効きます。

 別の観点としては、産業用途もミリ波の非常に大きなポイントです。プライベート5G(ローカル5G)ネットワークもあれば、プライベート5Gと公衆5Gのハイブリッド型もあるかもしれません。コンシューマーに加えて、産業用途でもミリ波は重要な技術だと思っています。

――なるほど、ミリ波のメリットは、非常にインパクトが大きいものだと思います。海外での成功例にはどんなものがありますか?

ポジアンティ氏
 グローバル・モバイル・サプライヤー協会(GSA)の状況を見ると、世界中で100社以上の事業者がミリ波の導入を検討中だったり、導入に向けて具体的に進んでいたりしますので、世界的にミリ波が広がっている状況と思います。

 商用展開という意味では、米国と日本が進んでいることは間違いありませんが、アジアにおいては韓国や台湾、香港、シンガポール、豪州といったところが本格的な動きを見せています。我々としてはミリ波の展開がもっと加速していくようにサポートしたいと思っています。

 また、すでにご案内の通り、世界最大の通信業界の団体であるGSMAが最近「5G mmWave Accelerator Initiative」を設立しました。

 NTTドコモ、Verizon、Telstra、TIM(テレコム・イタリア)、それからチャイナ・ユニコム(中国聯合通信)……TIMは中南米でもサービス提供していますので、世界中の主要な国・地域を代表する事業者がここに入っています。これによって、ミリ波の世界的な加速拡大が、さらに進んでいくと思っています。

日本でのミリ波サービス

――なるほど。そうした中で、日本が全通信事業者揃ってSub-6とミリ波両方を、世界に先駆けて提供できているのが、個人的には意外な印象を持っています。日本の5Gサービスそのものは、海外よりも少し遅れて始まったと思っていましたので。

ポジアンティ氏
 日本がリードをして、ミリ波とSub-6を使うとこうなるんだということを世界に示すようになると思っています。

 総務省によれば、現時点で日本において、4事業者合わせて、ミリ波の免許を受けた基地局が1万2000局を超えています。1年前と比べると約6倍になっていて、急速に増えています。

 当然、今後も増えていくと思います。ミリ波の基地局が増えていき、それを使ったらどんなことができるか、まさに最良の選択を日本の通信事業者が世界のみなさんに示すような状況になっていると思っています。

――ミリ波のサービスが始まる前、あるいは始まってからでも、日本の事業者からのフィードバックや質問、相談などがクアルコムに対してありましたか?

ポジアンティ氏
 日本の事業者は非常に迅速に動かれているので、正直、そういったことはありません。私は、日本の通信事業者の戦略、Sub-6とミリ波を補完的な形で展開しているやり方や、先ほど申し上げたBell Labs Consultingとの調査などの事例を、欧州や中国などの事業者に説明しています。

 ミリ波の帯域幅は、日本では400MHzですが、国によっては800MHz、1GHzが使えるところもあり、非常に広い帯域が利用可能で、スループットとキャパシティに効いてきます。そういったことを説明する際に、日本の戦略が非常に良い実例だと思って、取り上げています。

――そういった説明に対して、海外の事業者からはどんな反応が返ってくるんですか?

ポジアンティ氏
 欧州や中国の事業者は、ユースケースの多様化を実現して、Sub-6を補完するという観点から、ミリ波をあらためて考えるようです。

 デバイスとして、スマートフォンもあればFWAもあるし、常時接続PC(Always Connected PC:ACPC)もあります。

 もしストアマネージャーの方が1日に10カ所の店舗を回ってレポートを作成する場合、お店の状況を動画に撮ってアップロードして、次の店に行って、それをすぐ本社に送って……となると、Wi-Fiだけに頼っていると、なかなか仕事がはかどらない。やはり5G、特にミリ波でAlways Connectedという環境がある方がいい。

 日本のSub-6とミリ波が補完関係にあること、そして、さまざまなビジネスやユースケース、いろいろな端末メーカーやブランドが揃っているということを説明すると、欧州や中国の事業者も多くのことを検討する。そんな状況です。

――エリア整備について1つ教えてください。先ほど、日本のミリ波の基地局数が1万2000局という数字がありました。これも驚くべき数字だと理解しているつもりですが、一方で、日本の通信事業者の中には、Sub-6とミリ波だけで5Gエリアを整備している事業者もあれば、700MHz帯や800MHz帯、あるいは1.7GHz帯といったミッドバンドの周波数帯を使って5Gのサービスエリアを整備しているところもあります。ミリ波を活用する上で、より上手なやり方、ポジアンティさんの印象に残るような手法があれば教えてください。

ポジアンティ氏
 5Gのエリア整備は、3つの階層(レイヤー)へのアプローチがポイントだと思っています。

 ローバンドは帯域が非常に狭いのですが、プロパゲーション(伝搬)という意味では広いエリアをカバーできます。逆に、キャパシティやスループットは限られています。基礎的で、5Gを広いエリアで提供するには、ローバンドは適しています。

 ミッドバンドはミリ波とローバンドのちょうど真ん中くらいで、キャパシティもスループットもある程度ある。エリアカバレッジも広めなので、都市部に非常に適している周波数帯だと思います。

 そして、ミリ波は駅やオフィス、ショッピングモールなど、非常に人の密度が高い地域に適しています。

 これら、ローバンド、ミッドバンド、ミリ波の3つのレイヤーをいかに提供していくか。これが、通信事業者が一貫した通信品質をユーザーに提供するために重要です。

 ミリ波は、3つのレイヤーで言えば、高密度な環境に一番適しています。高密度な環境であっても、ユーザーに高品質なサービスを提供できる技術という位置づけになると思います。

――先ほどCPE(据え置き型端末)のお話がありましたが、ミリ波は届きにくい周波数帯だけに、家の中で本当に使えるのかという懸念を抱いている日本のユーザーが多いようです。クアルコムとしては、どのような解決策を提供されているのでしょうか。

ポジアンティ氏
 屋外にアンテナを置くといった手法は先ほどご紹介した通りですが、CPEを家の中に置く場合は、ミリ波の伝搬特性が他の周波数帯と違いますので、基地局からの見通しが重要なポイントになってくると思います。

 ただ、オフィスビルですと、窓のガラスが非常に厚かったり、鉄線が入っていたりと、電波が浸透しにくい条件になることもありますが、個人宅は大抵、普通のガラスなので、CPEを家の中に置いても十分使えると思います。

 クアルコムの中には、製品開発とは別のエンジニアリングサービスグループ(ESG)があり、RFのプランニングに際してシミュレーションや評価を行って、屋内でのCPE利用に関するサポートをさせていただいています。

ミリ波の将来

――最後に、これから2030年を見据え、ミリ波の果たす役割をお伺いしたいです。合わせて、11月11日にGSMAから発表された5G mmWave Accelerator Initiativeの意義や、今後、どのような効果がもたらされるのかを教えていただけますでしょうか。

ポジアンティ氏
 ミリ波の果たす役割として、ユースケースという観点ですと、まさにこれからどんどん開発、開拓されてくると思います。

 もし交通事故のようなアクシデントが発生したとしても、ミリ波の高速大容量を使えば、病院に行く前にその現場の状況を映像でアップロードできます。また、医師が病院から離れていたとしても、医師が移動している間に情報を提供し、病院に到着後、すに対処することができます。そういったものを含めて、これから3年、5年と時が経つにつれて、いろんなユースケースが開拓されていくだろうと思います。

ポジアンティ氏
 5G mmWave Accelerator Initiativeは、通信事業者5社に加え、エリクソンと我々クアルコムが参加しています。こういった場を通じて、学んだこと、分かったことなどを情報交換したりディスカッションしたりして、新しい事業者がミリ波を導入するときには情報提供やサポートを行います。

 5GはこれからRelease16、17、18と進化していきます。

 5Gの進化の中で、GSMAの活動を通じて、ミリ波がどう進化をしていくか、どんな役割を果たすかが重要になってくると思います。1つの例として、Integrated Access and Backhaul(IAB)があります。

 スモールセルを密度高く打っている場所で、それらをすべてファイバーでつないでいくのは大変です。そこで、バックホールと無線アクセスの両方にミリ波を使うとワイヤレスでスモールセルの配置が可能になってきます。

 GSMAの業界団体という枠組みも通じながら、いろんな形でミリ波の進化、展開を加速していくことになると思います。

 最後に、今から5年、10年という長期的な視点では、ミリ波云々という議論は、もうなくなっているんじゃないかと思います。ローバンドとミッドバンド、ミリ波という3階層の戦略が前提となり、5Gのフルポテンシャルを発揮する基本的なアプローチになると思います。

 さらに、具体的にはまだこれからの議論ですが、6Gになると今よりもさらに高い周波数帯を使うと言われています。

 60GHzもしくはそれよりも高いテラヘルツ帯と呼ばれるような周波数帯を使うことになります。

 そういった将来を考えても、今の時代にミリ波に取り組み、使いこなすこと、まさに日本の通信事業者が今されていることが、その先の6Gに向かう最大の準備になると思います。まさに今のミリ波への取り組みが6Gへつながる道だと思っています。

――3Gが始まる時、2GHz帯が高い周波数だと言われていたことを思い出しました。今日は本当にありがとうございました!

日本国内で提供されているミリ波対応エリア、主な端末まとめ

 日本の通信事業者各社は5Gのエリア拡大に注力しており、スマートフォンで「5G」のピクトを見る機会も増えてきた。

 多くはSub-6や4Gの周波数を転用して構築している5Gエリアだが、ミリ波の5Gが利用できるエリアも、駅や公共施設など人の多いスポットを中心にじわじわと増えている。全ての通信事業者のWebサイトではエリアマップを確認できる。超高速通信と低遅延を体感してみてほしい。

サービスエリアマップの見方

 NTTドコモの5Gエリアマップでは、5Gサービスを利用できるエリアを面で示すほか、特定の場所で使えるスポットが緑色のピンでも示されている。ピンに「m」とあるのがミリ波対応の5Gスポットだ。

 auのミリ波対応5Gエリアを表示するには、「電波の種類選択」で「5G」を選択し、「ミリ波」を表示にチェック。地図をズームすると「ミリ波」のピンで場所を確認できる。

 そして、ソフトバンクのミリ波対応5Gエリアは、やや薄い紫色でスポット的に配置されている。

 第4の携帯電話事業者である楽天モバイルのミリ波対応エリアは、マップの「5G」タブを選び、地図をズームすると確認できる。Sub-6はクリーム色で、ミリ波はブルーで示されている。

ミリ波対応機種、2021年発売の主なスマホ・ルーター

Galaxy Z Fold3 5G

 本のようにディスプレイを開閉できるフォルダブルスマートフォンの最新モデル。開いた状態では7.6インチになる大型ディスプレイで、複数のアプリを同時に使える。おサイフケータイ、IPX8相当の防水性能を備え、スタイラスペン「Sペン」も利用できる。

Galaxy S21 Ultra 5G

 約1億800万画素カメラを搭載し、8K解像度、フレームレート24fpsの動画撮影が可能。また、光学10倍の望遠カメラとAI超解像技術により100倍ズームを実現している。Galaxy Sシリーズで始めてSペンに対応し、紙にペンで書くように手書きができる。

Xperia 1 III

 6.5インチ 21:9のシネマワイドディスプレイを搭載する、Xperiaのフラッグシップモデル。リアルタイム瞳AFやツァイスレンズを引き続き搭載したことに加え、可変式望遠レンズや4K 120Hz HDR対応有機ELディスプレイを採用した。スピーカーの構造を見直し、ヘッドホン出力での音圧なども改善している。

AQUOS zero6(ソフトバンク版と楽天モバイル版)

 軽さを追求する「AQUOS zero」シリーズの最新モデル。マグネシウム合金フレームや薄型バックパネルの採用で、重さわずか146gに抑えた。最大240Hzのリフレッシュレートや10億色表示に対応する6.4インチのOLEDディスプレイ、4010mAhのバッテリーを備える。

Rakuten BIG s

 6.4インチの有機ELディスプレイ備える楽天モバイルオリジナルのAndroidスマートフォン。光学2倍ズーム対応の8MP望遠レンズや超広角8MPレンズ、広角48MPレンズに加えて、2MPの深度センサーの4眼カメラを搭載。おサイフケータイ、IP67相当の防止防塵機能を有する。