特集:ケータイ Watch20周年

【今日は何の日?】「プッシュトーク」対応の「D902i」「F902i」が発売された日

2020年4月10日、本誌「ケータイ Watch」は、創刊20周年を迎えることができました。20周年となる2020年度、本誌では、日々「これまでの20年」を振り返ってまいります。

 今から15年前の2005年11月11日、NTTドコモはFOMA 902iシリーズの第1弾として、三菱電機製の「D902i」と富士通製の「F902i」を発売しました。

 902iシリーズは、パケット通信網を利用した片方向の通話(PTT)サービス「プッシュトーク」や、クーポン券や店舗案内などの情報を取得できる「トルカ」に対応したハイエンドFOMAシリーズ。D902i、F902i、N902i、P902i、SH902i、SO902iの合計6機種がラインアップされました。

FOMA 902iシリーズ

 D902i、F902iはいずれも、カメラにオートフォーカス対応の200万画素スーパーCCDハニカムを搭載しており、当時としては驚異的な400万画素の記録画素数を実現しました。スーパーCCDハニカムは、富士写真フイルム(現在は富士フイルムが事業を継承)が開発したCCDイメージセンサーで、受光素子を大型化し、斜めに配置されているのが特徴。同じサイズ・画素数の通常のCCDセンサーと比較して、高感度・高解像度を実現させられるというものでした。

 D902iはスライド型のボディ形状+ワンプッシュオープンボタンを採用し、F902iは指紋認証機能を搭載するという、いずれも当時の伝統を引き継いだものに仕上げられていました。

D902i
F902i

 F902iの背面には、特徴的な丸形のサブディスプレイが搭載され、デザインを活かしたアナログ時計が表示されるようになっていました。本体カラーは4色展開で、カラーごとに異なる質感に仕上げられているのも面白いところです。

 ちなみにこの2機種、メニュー構成など機能面でも似ている部分が多いのですが、これは富士通と三菱電機がSymbian OSベースのFOMA端末の共同開発を行っていたため。富士通にはSymbian OSを採用したFOMA端末の開発実績があり、両社はこれを利用したアーキテクチャの共同開発を進めていました。なお、共同開発は2008年に三菱電機が携帯電話事業から撤退するまで続いていました。