レビュー

「Galaxy S26 Ultra」レビュー カメラ・AI・新機能――総合力で勝負する、その完成度をチェック

 毎年初旬に発表されるサムスン電子のGalaxy Sシリーズ。今年も例に違わず、「Galaxy S26」シリーズが3月に発売。主要4キャリアやIIJmio、同社公式オンラインストアで発売されるなど、販路が広く、だれでも手に取りやすい環境が整っているのも魅力だ。

 今回は、最上位モデルの「Galaxy S26 Ultra」をお借りし、プライバシーディスプレイやSペン、4眼カメラといった特徴を試していく。

約6.9インチの大画面ディスプレイと“世界初”のプライバシーディスプレイ

 ディスプレイは約6.9インチで、フォルダブルスマートフォンを除けば最大クラスのサイズとなる。細いベゼルやフラットなディスプレイなど、近年のフラッグシップモデルにおけるトレンドをしっかりと押さえている。

 ディスプレイ性能における大きなポイントが、「プライバシーディスプレイ」と呼ばれるものだ。

 端的に言えばのぞき見を防止する機能で、オンにすれば、上下左右から画面をのぞき込んでも、表示が見づらくなる。ハードウェアの制御でのぞき見防止機能を搭載するのは、スマートフォンとしては初。のぞき見防止フィルムと違い、任意のタイミングでオン/オフを切り替えられるのが特徴だ。

プライバシーディスプレイオンで斜めからのぞき込むと、画面が暗く見える

 オン/オフの切り替えは手動で行えるだけでなく、指定したアプリを開いたタイミングで自動的にオンにしたり、ポップアップ通知のみに適用することも可能。電車内や飲食店等、周囲に人がいる環境での安心感が強い機能となる。

ポップアップ通知のみ見づらく設定できる

 便利である一方、プライバシーディスプレイをオンにすると、正面から画面を見てもやや暗い印象になるのに加え、少しモヤがかかったような見え方になる。筆者の場合は、常にオンにして使っていると、画面酔いのような使いにくさを覚えることがあったため、ポップアップ通知にのみ適用して使用している。

手書き勢の強い味方となるSペンは踏襲

 本体サイズは163.6×78.1×7.9mm。Galaxy S Ultraシリーズとしては、角ばった四隅が刷新され、丸みを帯びたデザインとなったのが変更点。従来のデザインを気に入っていた人には残念かもしれないが、Galaxy S26シリーズとしての統一感が増している印象を受ける。

 本体デザインにおいても曲線が増えたことで、従来モデルよりもホールド感は向上している。ただし、サイズはかなり大きいため、手に小さい筆者には、片手での操作は難しい。質量は前モデルから4g軽量化された約214gで、見た目の印象よりは軽くなっているものの、スマートフォンとしてはヘビー級であることに変わりはない。

 本体下部には、Galaxy S Ultraシリーズではお馴染みとなったSペンが格納されている。かなり端に格納する恰好となったため、左右非対称となり、収納する際に方向を間違えがちなのが難点だが、滑らかで遅延の少ない書き心地は健在。画面をオンにしていなくても、Sペンを取り出せば手書き入力モードになるなど、使いやすさは維持されている。

 本体カラーは驚異の6色展開。フラッグシップモデルにおいて、ここまで豊富なカラーバリエーションを備えるモデルはなかなかお目にかかれないが、選択肢が用意されているのは素直にうれしいポイントだろう。今回はブラックを使用しており、シックにまとまったデザインは魅力だが、指紋の付着はやや気になった。また、4つのカメラを搭載していることもあり、カメラ部分の出っ張りはかなり大きく、本体を机に置くと強くぐらつく。

バランスのいい4眼構成のアウトカメラ

 アウトカメラは約2億画素のメインカメラ、約5000万画素の超広角、約5000万画素の望遠、約1000万画素の望遠という4眼構成。望遠カメラは光学3倍、5倍に対応する。前モデルから解像度は変わっていないが、メインカメラと光学5倍望遠カメラで、F値がより明るく進化した。

 近年は、カメラブランドと協業するメーカーが増え、チューニングに個性を出すフラッグシップモデルが増えているが、Galaxy Sシリーズは、スマートフォンカメラとして培ってきた扱いやすさ、AIによる画質の補正、バランスのよさといった体験を重視しているように感じる。

等倍
超広角
3倍光学ズーム
5倍光学ズーム
10倍光学相当ズーム
30倍ズーム
100倍ズーム

 色補正はやや強めではあるものの、やりすぎ感はなく、あくまでリアルな色彩を補強する程度になっている。4カメラのどれを使って撮影しても、チューニングの方向性は一貫しており、「これがGalaxyで撮影した写真」とわかりやすくまとまった写真に仕上がるのがいい。シャッターラグの少なさ、カメラアプリのわかりやすいUIなども含め、目の前の景色を瞬時に、Galaxyらしい完成度で収められるのが魅力だ。

 超広角カメラは、周囲の歪みが若干気になるものの、破綻しているというほどではなく、きれいに収められていると言っていい範疇だろう。

 望遠カメラも優秀だ。5倍光学ズーム、10倍光学相当ズームは、他メーカーのフラッグシップモデルを見ても、そこまで搭載機種が多くないが、近年需要を増す“推し活ニーズ”などを考えても重宝するカメラとなる。メインカメラと同様、暗所での撮影にも強く、シーンを選ばずに使いやすいカメラとなっている。

 光学3倍、光学5倍と2つの望遠カメラを搭載するのが強みとなるGalaxy S26 Ultraだが、解像度約1000万画素の「3倍望遠カメラ」は、果たして本当に必要なのかという疑問がある。解像度が高く、より遠いところを撮影できる「5倍望遠カメラ」のほうが利用頻度は圧倒的に多いのに加え、メインカメラにて「2倍光学相当ズーム」ができるため、「光学3倍ズーム」で撮影する機会はかなり少なかった。

 カメラ機能で面白いのが、動画撮影時に利用できる「水平ロック」機能。動画撮影中に本体を90度、180度と傾けても水平が維持できるという機能で、ほとんどブレが見られない。実際に90度、180度も本体が傾くことは考えにくいが、ブレずに水平の動画が撮れる恩恵はかなり大きい。

横向きで動画撮影をスタートし、端末を倒しても水平が維持される

「先回りするAI」の実力は未知数

 チップセットは「Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy」で、メモリは12GBまたは16GBを搭載する。。処理能力は“折り紙付き”で、ヘビーなゲームアプリでも快適に動作する。Galaxy史上最大のベイパーチャンバーを搭載しているものの、長時間のゲームプレイ時には本体の熱さがやや気になった。

 バッテリー容量は5000mAh。本体の大きさに加え、近年はシリコンカーボンバッテリーを搭載する機種が増えている関係から、相対的に容量はやや少ないと言える。実際、カメラ機能やゲームプレイをしながら過ごしていると、1日ギリギリ持つか、持たないかというレベルまでバッテリーを消耗する。急速充電には対応しているので、隙間時間に充電できる環境が欲しいところだ。

 サムスンは、Galaxy S24シリーズ以降のモデルを「AIフォン」と呼び、グーグルのGeminiだけでなく、自社のGalaxy AIを搭載している。Galaxy S26 Ultraでは、新たなGalaxy AIの機能として「Now Nudge」が搭載された。

 Now Nudgeは「先回りするAI」という名の通り、ユーザーが次に行うアクションを、先に提示してくれるというもの。具体的には、メッセージアプリの会話内容を読み取り、返信内容としてふさわしい項目を表示してくれる。

 便利な機能ではあるが、Now Nudgeからの提案は、現時点では完ぺきとは言えない。そもそも提案が出るケース、出ないケースがあるようで、「いつでもAIが返事を出してくれる」という形に至るには、もう少し時間がかかる印象だ。もちろん、年単位でGalaxy S26 Ultraを使っていけば、どんどん情報が蓄積していき、便利になっていく期待感はある。

 Galaxy S26 Ultraにおいてもう1つ触れておきたいのが、アップルデバイスで使えるAirDropへの対応。3月26日時点で日本でも対応を開始しており、写真といったデータをシームレスにアップルデバイスへと送ることができるようになっている。

 期待していた、先回りするAI機能に関しては、より長期的な使用が求められる状態だが、プライバシーディスプレイやSペンといったわかりやすい魅力に加え、完成度の高いカメラ機能など、全体的な完成度が非常に高い端末となっている。

 Galaxy Sシリーズではもはや当たり前となっているが、おサイフケータイ機能や防塵防水性能も有しており、総合力はピカイチのスマートフォンに仕上がっている。