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「南海トラフ地震臨時情報」発表、災害に備えて知っておきたい「スマホの設定」と「デマ対策」

 8日夜、政府が「南海トラフ地震臨時情報」で「巨大地震に注意」と発表した。その内容は「普段よりも大規模な地震の発生の可能性が高いため、注意してほしい」というもの。

 臨時情報に対して、どう対応すべきかという点については、気象庁や行政の案内を見ていただきたいが、基本的にはいますぐ避難すべきというものではなく、災害への備えを確認しようという呼びかけだ。

 「大規模災害への備えとして注意したい点」として、今回は、情報のライフラインとなるスマートフォンで、あらかじめ知っていただきたい内容をまとめた。

スマホの節電設定を知っておこう

 大規模災害が起きると、その影響で停電することがある。本誌でも過去、ご紹介しているが、スマートフォンで電力を使うのは「通信」と「ディスプレイ」だ。

 まず通信については、iPhoneの場合「低電力モード」をONにすると、アプリなどの通信が減る。「設定」→「バッテリー」から選べる。

 一方、Androidは「バッテリーセーバー」を使おう。通知バー、あるいは「設定」→「バッテリー」でON/OFFできる。

ディスプレイは明るさを調節

 iPhoneでは、コントロールセンターでディスプレイの明るさを変更できる。「設定」→「画面表示と明るさ」でも調整できる。消灯までの時間を短くするのもオススメだ。

 Androidも通知バー上、あるいは「設定」→「ディスプレイ」で明るさを変えられる。画面消灯までの時間も変更できるのでチェックしておこう。

ポータブル電源があれば安心も

 いざというときに備えて、手頃な価格帯のモバイルバッテリーは筆者個人としてもオススメしたいアイテムだ。

 さらに扇風機なども動かしたい場合、駆動できる時間の限界はあれど、いわゆるポータブル電源の購入を検討してもいいかもしれない。決して安くはないが、あれば安心できる機器であることは間違いない。

避難関連の情報をアプリで

 防災・避難関連の情報は、ヤフーやNHKのアプリがオススメだ。

 たとえばYahoo!防災速報では、どんな準備をすればいいかがわかる。備蓄品もどれだけ準備できているか、足りないものがないか、第三者の視点として活用したい。

 旅行先で避難場所を探す場合は、「Yahoo!防災速報」や、国土地理院のWebサイト、Yahoo!検索が役立つ。

 「NHKニュース・防災」は、災害関連の番組を同時配信することが多い。映像で観たい場合は、こうしたアプリも役立つ。

 ここまで紹介したアプリのほか、Yahoo!天気などのアプリでは、河川の水位情報を見ることもできる。地震以外の災害にも役立つ情報として、利用するかどうか検討したい。

 避難して落ち着いた場合は、災害用伝言板などを使って、身近な人へ報告してもいいだろう。携帯各社のWebサイトや防災アプリ、災害用伝言板(web171)、GoogleパーソンファインダーといったWebサービスがある。

 また、LINEで安否確認を伝えることもできる。アプリを起動し、プロフィール画面で入力できるので、こちらも知っておきたい。

無料Wi-Fi「00000JAPAN」

 大規模災害時には、通信サービスも滞る可能性がある。これは、基地局やバックボーン回線が被災して通信エリアがダウンすることだけではなく、可能性のひとつには、繁華街などで一斉に通信する人が増え、繋がりにくい状況に陥ることもある。

 そうした場合、携帯各社では「00000JAPAN」という名前のWi-Fiアクセスポイント(SSID)を無料で開放することがある。パスワードなし、接続時間の制限なしで利用できるが、暗号化は施されておらず、情報収集などに使うのがオススメ。

 WebサービスのログインでIDやパスワードなどを入力する場合は、HTTPSで保護されたサイトへ接続する場合にしたほうがいいだろう。

デマに注意

 地震発生時などに気をつけたいのが、SNSなどにおけるデマ情報だ。今年1月の能登半島地震でも、怪しむべき投稿が確認された。

令和6年能登半島地震のあと、総務省が発表した真偽の不確かな投稿
  • 二次元コードを添付して寄付金・募金等を求める投稿
  • 公的機関による支援や施設利用に関する情報を記載した投稿
  • 被災住宅について、不要なはずの住宅改修工事を勧める投稿
  • 不審者・不審車両への注意を促す投稿
  • 過去の別場面に酷似した画像を添付して被害状況を報告する投稿
  • 存在しない住所を記載して救助を呼びかける投稿

 情報の真偽を確認する方法としては、「検索や本、新聞などで複数の情報を読み比べる」「情報の発信元とその信頼性を確かめる」「その情報はいつ頃書かれたものか確かめる」「一次情報を確かめる」といったものが紹介されており、正しいかどうかわからない情報は、ひとまず拡散しないよう気をつけたい。

 このほか、SNSには、ミュートやブロックという機能が用意されていることが多い。たとえば「X」(旧Twitter)ではミュートとブロックがあり、アカウント単位だけではなく、キーワードで見えなくすることもできる。災害や防災関連、ライフラインの情報は追いかけたいものの、デマに触れたくない場合は使ってみていいだろう。