レビュー
モトローラの新エントリースマートフォン「moto g13」、その仕上がりをチェック
2023年6月1日 00:01
モトローラから2万円台前半で購入できるエントリーモデルのスマートフォン「moto g13」。約5000万画素のメインカメラやディスプレーのリフレッシュレートは90Hzなど、低価格ながら、ミッドレンジにも匹敵する性能を搭載したモデルに仕上がっている。
moto g13のプロセッサーにMediaTek製の「Helio G85」を採用。メモリは4GBで内蔵ストレージは128GBとなっている。実際に操作してみると、アプリの起動や切り替え、Webブラウザでの画面表示などで写真の読み込みなどに若干もたつくことはあるものの、画面のスクロールはリフレッシュレートが90Hzということもあり滑らかだ。
ディスプレーは、約6.5インチ(720×1600ドット)の液晶パネルを採用。ピクセル密度は約270ppiとなるので、ハイエンドの高密度なディスプレーと比較するとドットの荒さを感じるが、実用性という面では問題はないレベル。
エントリーモデルはスピーカーがモノラルというケースが多かったが、moto g13はディスプレー上部にあるスピーカーも動画などのコンテンツ再生時に利用可能で、ステレオでの再生が可能。Dolby Atmosにも対応しており、再生コンテンツに合わせたチューニングも用意されているので、本体スピーカーのみで臨場感のあるバランスの良いサウンドが楽しめた。
さらにイヤホンジャックも装備しており、「インテリジェントイコライザー」機能により、接続した機器にあわせた調整もしてくれるため、非常に聞きやすい。サウンド関連の機能はかなり充実しているモデルと言える。
バッテリーは約5000mAhを搭載。テストとしてディスプレーを最大輝度にし、YouTubeアプリで4K動画をWi-Fi接続で再生し続けたところ、約6時間30分の連続再生が行えた。充電は本体下部のType-C端子(USB 2.0)からで、ワイヤレス充電には非対応となっている。また充電器やケーブルは製品に同梱されていないので、別途用意が必要。
本体サイズは約74.66×162.7×8.19mmで、重量は約184g。グリップしやすいサイズではあるものの、手に持ってみると思ったより重く感じる。本体カラーはマットチャコール、ラベンダーブルーの2色展開で、今回のレポート用の貸し出し機はマットチャコール。素材は樹脂だが金属感のある仕上げになっているのでチープさはない。
ボタン類は本体右側面に配置。電源ボタンは指紋認証センサー一体型となっている。指紋認証のスピードはかなり速く、指を添えるとすぐにロック解除が行えた。また電源ボタンを2回タップすると、登録したアプリを起動できる「パワータッチ」機能を装備。カメラアプリなどを素早く呼び出したいといった使い方ができる。
本体左側面にはSIMカードスロットを装備。分で押し出すトレー型で、nanoSIMが2枚とmicroSDカードをそれぞれセットできる。そのためmicroSDカードを使用していても、物理SIMのデュアル運用が可能なので、複数キャリアを使いたいユーザーにはありがたい。
ただし5G通信には非対応。さらにeSIMやWi-Fi6にも非対応となっているので、最新の通信技術で高速アクセスを期待しているユーザーには物足りない。2万円台前半という価格なので、このあたりを許容できるかどうかが、このモデルを選ぶポイントとなりそうだ。
カメラは、背面がメインカメラ(約50メガピクセル、F/1.8)と、マクロカメラ(約2メガピクセル、F/2.4)、深度センサー(約2メガピクセル、F/2.4)の組み合わせ。一見すると3眼カメラのように見えるが、基本的にはメインカメラだけで撮影する。
またメインカメラのセンサーは約50メガピクセルだが、ピクセルビニングをしているため、書き出される写真は4080×3072と約12メガピクセル相当となる。ただし約50メガピクセルとして書き出せる「Ultra-Res」モードも用意されているので、明るさなど撮影環境が整っていれば、高解像度での写真撮影も可能だ。
インカメラは約8メガピクセルでF2.0。インカメラとアウトカメラを同時に使って写真や動画が撮影可能な「デュアル撮影」モードも用意されている。動画撮影はメインカメラのみ最大FHD(30fps)で、マクロカメラとインカメラはHD(30fps)となっている。
以下はmoto g13で撮影した作例。いずれもレンズを向けたらそのまま撮影して、明るさやピントは調節していない。ピクセルビニングのおかげで、明暗差もしっかりでており、最新のスマートフォンでしかも2万円台前半という価格なら合格点以上のクオリティーといえる。
防水防じんはIP52なので生活防水レベル。またおサイフケータイ機能も搭載していないため、これまで水気のある場所でガンガン使っていたり、モバイルSuicaなどを利用していたユーザーは注意が必要だ。
エントリーモデルということで、ハイエンドモデルのようにあれもこれもと機能や性能があるわけではないが、そのぶん音楽再生機能やカメラ性能などにメリハリがつけられており、そこに魅力を感じられるなら、コスパの高いモデルと言える。