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スマホで「参議院選挙の不在者投票」を申し込んでみた

 日本の選挙制度では、投票日に住民票記載の住所近くの投票所に出向き投票する方法をとっている。投票日に用事がある人などには、各選挙管理委員会が設置する期日前投票所で、事前に投票することができるが、なんらかの事情で現在の居住地と投票所が離れてしまっているユーザーもいる。

 筆者もその一人だ。筆者も今春引っ越しを行い違う都道府県へ移ったが、選挙人名簿は転入転出後一定期間経たないと反映されないため、今回の参議院選挙では「前居住地の選挙区」で投票することになる。

 このような状況の場合には

  • 「前居住地の選挙区」で投票できる期日前投票所に行く(投票日前日まで)
  • 入場券記載の投票所に行く(投票日当日)
  • 居住地最寄りの期日前投票所などで「不在者投票(滞在地投票)」を行う

などの方法で投票できる。

 3つめの不在者投票は、今回のケースでは「前居住地の選挙区」を管理する選挙管理委員会に郵送などで申請書を送付し、投票用紙を請求する必要があるが、一部の市町村では「マイナンバーカード」活用した電子申請を受け付けている。筆者の「前居住地」でも、この電子申請が利用できたので、早速試してみることにした。

スマートフォンやパソコンから申請可能

 不在者投票の流れは、前述のようにまず「投票用紙の請求」を行い、郵送などで「投票用紙を受け取り」、それを持って期日前投票所など投票する市町村の選挙管理委員会指定の場所で投票する流れになっている。

 今回は、このうち「投票用紙の請求」をスマートフォンで電子申請した。

自治体の電子申請メニューを確認

 自治体がどのような電子申請に対応しているかは、自治体のホームページで確認できる。筆者の前住居地では、マイナポータルの「ぴったりサービス」ページから検索と申請ができた。

 ぴったりサービスで市町村を選択すると、手続きできるサービスの種類が表示される。不在者投票の電子申請をサポートしている市町村であれば、選挙の項目から「不在者投票の投票用紙請求」が表示される。

 申請する際は、そのまま「詳しく見る」から申請できる。

 電子申請には、署名用電子証明書が付与されているマイナンバーカードと、マイナンバーカードが読み取れるスマートフォンやICカードリーダー(パソコンからの申請時)、マイナポータルアプリのインストールが必要になる。

 なお、筆者はiPhoneで申請したが、デフォルトのブラウザをSafari以外に設定しているとマイナンバーカード読み取り時にうまく遷移しなかったので、設定を変更したりパソコンから申請するとよいだろう。なお、ここから先のスクリーンショットは、ブラウザがまちまちのものになってしまっている。

申請ページの入力事項の一部は、マイナンバーカードの情報を読み取って記入できる

 申請ページからは、案内に従って住民票記載の住所や氏名など必要事項を入力していき、最後にマイナンバーカードで認証と電子署名の手続きをすれば申請が完了する。

自治体によって電子申請の方法は異なる

 なお、自治体によっては、今回の方法以外での電子申請を受け付けている。

 たとえばケータイ Watch編集部員のひとりが住む埼玉県では、埼玉県の「スマート自治体推進会議」が用意した専用サイトを使う。その際には、ユーザー登録をして、手続きを進めるかたち。この際、スマートフォン側に必要なアプリとしては「JPKI利用者ソフト」も求められた。

 専用サイトでは、不在者投票をする選挙、不在者投票をする理由を選び、氏名や連絡先などを入力した。

請求した投票用紙などは「未開封で」投票所に

請求した投票用紙などはそのまま投票所へ

 申請完了後は、特に不備がなければ速達やレターパックなどですぐにユーザーの元に届けられる。

 気をつけておきたいのは、 投票用紙が入った封筒は、未開封のまま最寄りの選挙管理委員会指定の期日前投票所などに持参する ことだ。

 投票用紙への記入などは、すべて投票所で行わないといけないため、不在者投票証明書などの封筒は開封してしまうと、せっかく請求した投票用紙が無駄になってしまう。

 送付された投票用紙の多くは、ひとつにまとめられて「開封しないよう」案内されていると思うので、くれぐれも開封しないようにしていただきたい。

 不在者投票で投票された用紙は、最寄りの選挙管理委員会から投票先の選挙管理委員会に送付されるので、ユーザーが別途郵送する必要はない。ただし、用紙を郵送する日数もあるので、自分の票を無駄にしないためにも、投票日から余裕を持って不在者投票をしておきたいところだ。

 なお、不在者投票の電子申請をサポートしていない自治体もある。まずは、自治体のホームページの参議院選挙ページや不在者投票ページを確認してみよう。