レビュー

「HUAWEI P30」クイックインプレッション

“ほぼハイエンド”なSIMフリー、その実力は

 5月24日に発売された「HUAWEI P30」は、2019年夏モデルとして登場するファーウェイ製Androidスマートフォンの中では、中上位機種に位置づけられるモデルだ。

 P30シリーズでは、3万円台の「P30 lite」、そしてドコモから発売予定の「P30 Pro」の間に入る格好となる「P30」だが、チップセットやメモリ、カメラのセンサーはハイエンドの「P30 Pro」と同じ。「P30 lite」と「P30 Pro」の中間というよりも、ハイスペックな印象が強く残る機種だ。

 実際に触ってみると、たとえばLeicaブランドを冠するトリプルカメラはさすがの実力。夜景もかなり美しく撮影できるし、光学3倍、デジタル30倍というズーム機能も楽しい。

標準画角で撮影
広角で撮影
3倍光学ズームで撮影
5倍ハイブリッドズーム
30倍デジタルズーム
ガラス越しに夜景を撮影
夜の屋外で撮影

 そうした面だけではなく、独自のカスタマイズを施した「EMUI 9.1.0」も好印象。これまでの機種でも搭載されてきた「ナックルジェスチャー」と呼ばれる機能では、たとえば指の関節で、画面中央付近で指の関節を曲げて横方向へなぞると画面を分割表示してくれる。2回ノックするとスクリーンショットを記録してくれるし、慣れるとなかなか便利。

ナックルジェスチャーの利用イメージ

 通常のジェスチャー機能もまた独自の操作方法で、左右へのフリックで「戻る」、上へのフリックで「ホーム」、上へフリックして指を止めるとアプリ切り替えという形。最近は通常のAndroid 9の操作に慣れていた筆者にとって、上へのフリックはアプリ切り替えのつもりだったので、最初は少し戸惑った。しかしコツをつかむと、格段に操作しやすくなり、最初の戸惑いをすっかり忘れてしまった。

 迷惑電話/メッセージをすぐブロックしたりストレージ容量のクリーンアップをしたりするなど、使い方の最適化を図る「オプティマイザ」というアプリもある。顔認証でのロック解除も本当に速い。

 今回手にしたボディカラーはブリージングクリスタルで、上部~下部にかけて、白、青、紫というグラデーションが美しい。手にしたときの質感も高い。

 米中関係の緊張が高まる中だが、製品単体で見ると、高い評価を得るモデルであろうことは間違いない。今夏発売予定とされる「P30 Pro」の価格と比べそうになるところだが、ドコモ以外のユーザーで、長きにわたり、しっかりと良いものを使いたい人にとっては、購入する候補に十分名を連ねる一台だろう。