レビュー

「M Z-01K」ミニレビュー(編集部石井)

時代が追いついた2画面スマホ、マルチタスクをどう使う?

 「M Z-01K」は、ZTE製のAndoridスマートフォン。NTTドコモから2月9日に発売された。2つの画面を搭載した折りたたみ型で、閉じた状態では5.2インチ、開くと左右のディスプレイを並べて6.8インチ相当になる。Android標準のマルチタスク機能もサポートし、2つのアプリを並べて利用できるのも特徴だ。「M Z-01K」を編集部員それぞれの視点から紹介する。

編集部・石井

 2013年に発売された「MEDIAS W N-05E」を覚えておいでだろうか。2画面を備えていて、アプリを大画面で開いたり、異なるアプリを別々に表示したりできる……そう、今回の「M Z-01K」とほぼ同じ発想で作られた端末だ。

左が2013年発売の「MEDIAS W N-05E」。「M Z-01K」は一回りこれより大きい。

 しかしながら、当時のAndoridにはマルチタスク機能は標準仕様ではなく、同時に使えるアプリはごくわずかしかなかった。発想は面白いが、時代を先取りしすぎていた印象だ。この機種を最後にNECはスマートフォン製造から撤退している。

 それから5年経って登場したZTE製の「M Z-01K」。MEDIAS Wとの直接のつながりはないということだが、そのコンセプトは後継機と思ってしまいそうなくらい似ている。

閉じると5.2インチに。サブディスプレイの分、一般的なスマートフォンよりは厚みがある
ヒンジ部で存在感を示すドコモロゴ

 MEDIAS Wとの違いで最も重要なのが、Andorid標準となったマルチタスク機能を採用していることだ。つまり、アプリの対応数が段違いに多い。

 一般的な(1画面の)スマホを利用していると、マルチタスクが実用的なシーンはどうしても限られてきてしまうが、「M」であれば、縦画面を左右に並べるか、横画面を上下に並べて開くことができる。TwitterとFacebookを並べて開いてひらすら追いかけたり、Abema TVの動画を見ながらメールを打ったり、“デレステ”をプレイしながら“スクフェス”のスタミナ回復を待ったりと、発想次第で使い方を追求できる。

左でTwitter、右でFacebook、SNSジャンキーな貴方へ(もちろんInstagramやLINEもOK!)
AbemaTVを見ながらTwitterで“実況”。横画面にしっかり対応したアプリを組み合わせたい
上下にゲームアプリを表示できる。ただし、操作していない方はサスペンド(待機)状態になるようだ

 1画面だけを使うアプリ、例えばTwitterでも、ブラウザーに飛んで記事を開きたい場面がある。そんな時、タイムラインはそのまま残し、右画面でChromeが開いて記事を読めるという使い勝手は、ほかにはない便利さだろう。

MEDIAS Wにはなかったミラー表示も。向かいの人と同じ動画を観る時に便利?

 MEDIAS Wで2画面を使っていたときは、動作にやや不安があるシーンもあったが、基本スペックもMEDIAS Wの時代から飛躍的に向上しており、試用した限りではメモリ不足でアプリが落ちるようなシーンはなかった。

 一方で不満が残るのは、1つのアプリを大画面で開くとき。縦2画面に並べていると、どうしても真ん中のベゼルが気になってしまう。電子書籍ならそこは気にならないが、雑誌を表示するにはやや画面が小さい。そして、個体差なのかもしれないが、2つのディスプレイで同じ白色を表示すると、左側だけ黄色味が強いように見える。電子書籍で小説などを表示するときに気になった点だ。

 どのメーカーのスマートフォンでも同じような特徴をアピールするようになってきたなか、意欲的な機能を搭載した端末は久しぶりだ。細かいところで改善してほしい部分はあるが、「普通のスマホじゃ我慢できない!」というガジェット好きはぜひ試してもらえればと思う。

dマガジンで電子雑誌を表示。拡大せずに読むのはやや辛い文字サイズ
Kindleで小説を表示。フォントサイズによってはベゼルをまたいでしまう
左側のメインディスプレイがやや黄色味がかっているのが気になる