レビュー

フォースとともにあるスマホ「STAR WARS mobile」をさっそくチェック

レギュレーション外のパッケージにフィギュア同梱、ライブ壁紙などこだわりを聞く

 初のスピンオフ映像作品、そしてシリーズ最新作である「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が公開される中、ソフトバンクからスター・ウォーズ本編の世界観をじっくり楽しめる新機種「STAR WARS mobile」が発売された。

 一般的な教養として「スター・ウォーズ」に親しんできた筆者は今回、「STAR WARS mobile」の企画を担当したソフトバンク山田聖人氏と丹羽貴子氏を直撃。そこで得たこだわりポイントを織り交ぜながら、「STAR WARS mobile」をご紹介したい。ちなみに山田氏は、ウィルコム時代から何度も本誌に登場した人物で、過去手がけた製品は「ストラップフォン」「迷惑電話チェッカー」など尖ったものが多かった。いろんな意味で期待できそうだ。

「ハン・ソロが好き」と小さな声で語った丹羽氏(左)と、エピソード3などのマスター・ヨーダのスピーディな体術にしびれたという山田氏(右)

 そのパッケージは、「ソフトバンク社内のレギュレーションから大いに踏み外している」(山田氏)という大胆なサイズであり、重厚な仕上がり。いざ開封してみるとフィギュアセット(4体)と、STAR WARS mobile本体のお出ましだ。フィギュアのうち4体は市販されているものと同一だがパッケージは「STAR WARS mobile」オリジナルデザイン。さらにダース・ベイダー卿のガンメタルバージョンは「STAR WARS mobile」でしか入手できない逸品という。

サイドにあわせた刻印
いざ開封
フタの裏にもクッション。コレクターを狙い打ちするつもりのようだ
まずはダークサイド
同梱フィギュアはどちらのサイドでも同じ
凛々しい姿の暗黒卿。一度くらい、フォースで少し首を絞められてみたいと思ったのは筆者だけではないはず。ただガンメタの仕上がりは、どちらかといえばカーボン冷凍に似た雰囲気のような。

 パッケージを開けると、このSTAR WARS mobile、背面がまず目に入る形で封入されている。しかも「防水なので側面のカバーの閉め忘れなどはご注意くだされ」といった、一般的なスマートフォンでは必ず貼付されている注意書きがない(初回起動時に画面上で案内される)。箱から取り出し、光の当たり方で色味が変わる背面をまず味わう。この仕掛けを実現するためには、どうやら相当なコストがかかっているようだ。

ライブ壁紙だけでも味わい尽くせるのか

 プレスリリースで、さらりと触れられていたライブ壁紙、実は「STAR WARS mobile」のなかでも凝りに凝った仕上がり。ダークサイド、ライトサイド、どちらも劇中に登場する戦闘機(タイファイターとXウィング)のコクピットを模したものだというが、山田氏と丹羽氏によれば、タイファイターはベイダー卿の、Xウィングはルーク・スカイウォーカーの乗機という。タイファイターの視点で描かれる風景は、劇中でベイダー卿が訪れた場所ばかりであり、ルークの視点となるXウィングの窓越しの風景もまたしかり。

タイファイターのコクピット
こちらはXウィング
ライブ壁紙から横へスワイプすると、ウィジェット的な使い方をするパネル画面になる
こちらは時刻だけを表示するパネル
メニューとアプリランチャー
サイドによって色が異なる

 わかりやすい違いが「ルークがヨーダを訪ねた星」の風景。Xウィングは、ルークの乗機ということで、惑星ダゴバが登場するものの、タイファイターのコックピット越しの風景では出てこないのだという。

 ちなみにダークサイド版、ライトサイド版のどちらを買っても、ホーム画面のテーマを変更できる。つまりダークサイド版であってもライトサイドのホームを使えるので、あえて切り替えてみて、違いを見つけ出す……というのも一興だ。

 コクピット内部は、かつての作品で用いられた設定資料を元に描かれたもの。また窓越しの風景は、作品フィルムのデータをそのまま用いているため、初期の作品(エピソード4~6)は荒いイラストのように見えるだろう。ただ、そこに見える風景は映画館のスクリーンに映し出されたものと全く同じなのだ。

 ライブ壁紙だけではなく、イラストのオリジナル壁紙も数多く収録されている。作品ポスターから用意されたものや、STAR WARSを題材にしたオリジナル作品まで多彩なラインアップであり、これもまたじっくり楽しめるコンテンツだ。

辞書、絵文字、アラーム……

 コレクターアイテムにもなりそうだが、単品では販売されない「STAR WARS mobile」だが、普段使いを意識した仕様もそこかしこに見られる。

 たとえば、操作時の効果音。筆者は、最初どんな音かわからず、エンドアの森に住むあの小さな種族の声かと思い込んでしまったが、実はドロイドの「R2-D2」が劇中で発したサウンドで「とあるシーンで、ドロイドなのにまるでくすりと笑っているかのようなときに発した音」(山田氏)だというが、筆者はどんな場面か思い出せないため、あらためて各エピソードを見返す必要がありそうだ。それはともかく、日常生活で毎回、ベイダー卿が喋る声にするよりも、さりげない音にすることで、日常生活のなかであってもユーザーの意識を邪魔せず、スマートフォンとしてのバランスを考えたカスタマイズだという。

 このほか独特のデザイン・操作感のアラームはSTAR WARS mobileオリジナルアプリとして搭載されている。メールなどで使える絵文字にはデフォルメされたスター・ウォーズシリーズのキャラクターが登場。もちろん変換辞書の内容には、セリフやキャラクター名、マシン名などが収録されており、普段からスター・ウォーズ作品を語り合っている諸兄にぴったりと言える。

 1年前の「フォースの覚醒」が特典映像付きでまるまる収録されている「STARWARS mobile」。その「フォースの覚醒」封切のタイミングでなぜこれが発売されなかったのですか、という筆者の問いに苦笑いを浮かべられたものの、山田氏と丹羽氏は、もともとディズニー社とは、「ディズニー・モバイル」シリーズで縁があり、両社の間で盛り上がって企画がスタートしたと説明。もちろん日本だけで話が進んだのではなく、そのクオリティチェックでは、米ルーカスフィルムの担当部署の鑑定もあった。「SW0001SH」という型番になった「STAR WARS mobile」は、一部店舗に設置されている展示用スペース(什器)もまたこだわった仕上がりで「スター・ウォーズ」シリーズに親しんだ方は、「ローグ・ワン」鑑賞後にでも手にとってみるのもいいかもしれない。