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KDDI木村氏に聞く、Customer Experience向上に向けたauの取り組み

「auスマートフォン講座×達人と行く、春の京都ツアー」の一場面

 KDDIは4月15日、auの長期利用者とauスマートサポートの会員向けのイベント「auスマートフォン講座×達人と行く、春の京都ツアー」を京都市内で実施した。同イベントを企画したKDDI カスタマーサービス企画部長の木村奈津子氏に、同社がこうしたイベントに取り組む理由を聞いた。

――京都ではバスツアーなども実施されていたかと思うのですが、カメラへのニーズが高いということでしょうか?

木村氏
 今までの体験型講座でもカメラが題材としてはあったのですが、ここまでカメラの撮り方に徹底的にこだわったのは初めてです。カメラマンの先生や「まいまい京都」事務局の方とご縁があったものですから、今回のような形にまとめてみました。

――ツアーを拝見していると、普通にパッケージとしてお金を取る形で成立するのではないかという風にも思えるのですが(笑)。

木村氏
 でしょう?(笑) 自分たちでやっていても、そう思います。

 募集をかけたところ、12名の枠に200名の応募がありました。京都周辺に在住のお客様で、フィーチャーフォンをお使いで、auを長期にわたって使われている方に絞り込んでご案内をしました。変な話、フィーチャーフォンのお客様というと、キャリアメールを見ないんじゃないか、ご案内してもEメールのお知らせ自体届かないんじゃないかという危惧もあったのですが、反応が良かったということは、スマートフォンに触れてみるということに興味がおありなのだなということが分かりました。

 今日お話を聞いていても、お一人はスマートフォンに興味があって、auショップに行ったら、スマートフォン講座というのは月に一回しかやっていなくて、先週終ったと言われ、また1カ月待つの? と思っていたところに、たまたまイベントの案内メールが来て、あ、これだ、と思って参加されたとおっしゃる方もいらっしゃいました。

KDDI カスタマーサービス企画部長の木村奈津子氏

――最近始められた自宅訪問によるサポートへの反響はいかがでしょう?

木村氏
 数はあまり多くはありません。なぜなら表立ってPRしていないからです。お店とのバランスもありますし、Webに少し載せているだけなので、BASIOのホームページに載っているところからたどり着かれて、お子さんがお母様とかお父様のためにお電話してこられるというパターンが多いです。このあたりのお客様に(情報を)届けるやり方というのも、もう少し工夫ができるのかもしれません。

――今後はどういったところに注力されていかれるのでしょう?

木村氏
 自分の中では、とにかくお客様に会ってリアルなコミュニケーションを図る、というものが確立してきたと思っています。ただ、大規模に会場を借りてやれるコミュニケーションではなく、少しずつ丁寧にやっていく内容になります。「スマホもっと活用講座」なんていうのは、イベントに参加できなくても、ご自宅でいつでも講座としてできるというものを積み重ねていっているつもりです。来られない方向けのバーチャルのそういった講座的なものですとか、それをどうやってショップに伝えていくかということを、立体的に組み立てていく必要があると考えています。

 スマートフォンを買って3カ月目ぐらいのお客様に、あなたが買った機種にはこんな良い使い方があるのよ、というサポート情報をお送りさせていただいております。そういうネタも増やしていっています。カタログだけを見ていたのでは、何が良いの? というところがなかなか伝わりづらいですから、もう少し目線を下げた日々の使い方のヒントみたいなものも増やしています。

 とにかく、良い買い物をしたな、と思ってもらいたいんです。決して安くはないので、後悔してほしくないですし、せっかく買ったなら使いこなしてもらいたいですから。買う時とか、困った時とかにお店に行くというコミュニケーションというのは当然なんですが、それ以外の機会をどう使っていくか。

――たしかにクレーム対応ばかりではショップ側も滅入ってきますから、もっと笑顔が見えるコミュニケーションが理想的ですね。

木村氏
 おっしゃる通りです。お客様もそれを求めていらっしゃるんですが、それをつなぐものを今までできていなかったな、と思っています。お客様体験(CX:Customer Experience)となった時に、お店だけじゃない体験の接点をいかにたくさん作って、その一つ一つがいいねと言われるようなことを積み重ねていくことで、長くたくさん使ってもらえる関係だと考えています。

――今後にも期待しています。ありがとうございました。

湯野 康隆