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ドコモ、研究開発をお披露目「R&D Open House」を開催
アドホック通信による「まちあわせアプリ」など
(2013/11/21 22:24)
NTTドコモは、神奈川県横須賀市にある同社の研究開発拠点「ドコモR&Dセンター」において、次世代通信技術の開発やNTT関連研究所での研究成果などを公開する「R&D Open House」を開催した。ウェアラブル、ネットワーク仮想化、5Gなど、ドコモの取り組みについて、展示およびデモンストレーションが行われた。また、21日に発表されたドコモが開発中の近距離通信「アドホックモード」や、マルチバンド対応の屋内基地局装置についても説明があった。
近距離通信「アドホックモード」
ドコモは、携帯電話ネットワークを介さずに、Androidスマートフォン同士での通信が可能な新たなコミュニケーション手段「アドホックモード」を開発し、イベントや災害時などに活用できる新たなサービス実現に向け、検証を行っているという。
この技術はNTTコムウェアが開発した近距離通信技術で、端末に搭載されているBluetoothを使って通信する。大勢の人が集まるイベント会場で情報交換したり、災害時など携帯通信網が機能しない状況での一斉情報伝達など、新たなコミュニケーション手段としての活用が期待される。
ドコモでは、この技術を用いたサービスとして「まちあわせアプリ」を開発し、会場内で披露された。同アプリは、待ち合わせする人同士で共通の合言葉を決めておき、アプリ内で入力すると、相手が近づいたタイミングでフラッシュやバイブレーターが作動し、電話回線を介さずに通知が届くというもの。
災害時には安否情報などを共有するなど、発展性のあるサービスとして、現在開発を進めている。
マルチバンド対応の、新しい屋内基地局装置と屋内アンテナ
ドコモは、同社の高速通信LTEサービス「Xi」を含むマルチバンド対応の屋内基地局装置および屋内アンテナを新たに開発した。
既に対応している2GHz帯に加え、新たに1.7GHz帯と1.5GHz帯の周波数帯に対応する。これにより屋内エリアでの通信容量を大幅に増やし、受信時最大150Mbpsの高速通信にも対応できるようになる。
マルチバンドでありながらも、屋内であることから小型化が求められる。今回発表された基地局装置とアンテナは、これまでと同等サイズのもので、3つの周波数帯の対応を実現した。新たな設置場所を用意することなく、既に設置済の屋内アンテナと置き換えるだけとなる。
さらに、W-CDMA方式とLTE方式に加え、LTE-Advanced方式における広帯域化技術「キャリアアグリケーション」にも対応するため、将来的にはLTE-Advancedのサービスに必要な装置と組み合わせることも可能になるという。
同装置およびアンテナは、全国の屋内エリアにて11月21日より順次設置されていく。
LTE-Advancedで1Gbps以上を実現する「Smart Vertical MIMO」の伝送実験
同研究所では、次世代通信5G「LTE-Advanced」の標準化に向けて研究開発を行っている。敷地内の駐車場を1セルとし移動局を積んだ自動車2台に向けて、研究所の屋上に設置されたアンテナから電波を飛ばす屋外伝送実験のデモンストレーションを行った。同社では、相模原市街地においても同実験を実施している。