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基地局ダウンでもスマホ同士を繋げて情報伝達、ドコモが技術開発

 NTTドコモは、大規模災害などで携帯電話のネットワークが利用できない状況でも、近くにいるユーザーのスマートフォン同士が、たとえ異なるOSであっても、Bluetooth Low Energy(BLE)を使って接続、データを伝達できる技術を開発した。

 ドコモでは2013年11月、NTTコムウェアの近距離通信技術を使って、携帯電話同士が繋がって、データをやり取りできる仕組みを開発。今回はコンセプトはそのままに、NTTコムウェアの技術ではなく、新たに自社開発の技術を使って、基地局を介さずともデータを送れる技術を開発した。端末同士が個々に繋がって形成するネットワークは“アドホックネットワーク”“自律分散型ネットワーク”などとも呼ばれる。

 ドコモの新技術では、低消費電力が特徴のBLEを使って、同じくBLE対応機種が近くに存在しないかスキャン。おおよそ20m程度の範囲にいるスマートフォンと接続可能で、電波強度の強い相手から優先的に接続して、データを伝送する。対応OSはAndroid 5.0以上、iOS 7.1以上。

 この技術を使った具体的なアプリケーションとして、安否情報をGoogleパーソンファインダーへ登録できるアプリを製作。これにより停電などで携帯電話の基地局が機能せず、圏外にいたとしても、周囲のスマートフォンを経由して、最終的にはサービスエリア内にいるスマートフォンまでメッセージを届け、そのスマートフォンから携帯電話のネットワーク→インターネットに接続して、安否情報を登録するようにした。

 ドコモでは、3月14日~18日に仙台で開催される「防災産業展in仙台」で披露するほか、SDK(ソフトウェア開発キット)を公開する。また安否情報登録サービスの実用化も目指す。

関口 聖