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夏は“ツートップ”、ドコモ加藤社長の狙いとは
(2013/5/15 19:09)
NTTドコモは15日、都内で2013年夏モデルの発表会を開催した。プレゼンテーションを行った同社代表取締役社長の加藤薫氏からは、今夏モデルの特徴、新サービスの取り組み、Xiネットワークの強化などが語られた。
さらにスマートフォン向けアプリ「LINE」との提携も発表され、LINE代表取締役社長の森川亮氏も挨拶した。
Xiのサービス強化、LINEとの提携については別記事をご覧いただきたい。
会見後半には、CMキャラクターの渡辺謙、松坂桃李、橋本愛、そしてドコモとLINEのCMどちらにも登場する石原さとみが登場した。
夏は“ツートップ”で勝負
冒頭、加藤氏は、ドコモのスマートフォン利用数が2011年度には約1000万だったところ、2012年には約1870万と、倍近くに膨れあがったと紹介。今年度はさらに多くのユーザーに利用して欲しいとして、夏モデルには「全てのユーザーが安心して便利で、楽しいと感じられるものを用意した」と胸を張る。その上で、夏モデルの中でも「GALAXY S4」「Xperia A」の2機種を「ツートップ」と位置付けて、ドコモの顔とも言える機種として積極的に売り出す方針を明らかにした。
ドコモでは、既に実施中のキャンペーンで、iモード端末やらくらくホン、キッズケータイからの機種変更を対象にした「はじめてスマホ割」と、ドコモの利用期間が10年以上というユーザーを対象にした「ありがとう10年スマホ割」において、今回、ツートップに挙げられた2機種のみ、割引額を増額する。その割引額は、「はじめてスマホ割」「ありがとう10年スマホ割」各1万80円で、24カ月に渡って月々サポートの割引額を420円増額する形で適用する。
2つの割引が適用されることで、「Xperia A」の価格(割引適用後の実質負担額)は5000円程度、「GALAXY S4」は1万円台半ばという価格帯になるとのこと。それらを含む夏モデルの価格帯は以下の通り。
機種名 | 価格帯(割引適用後の実質負担額) |
---|---|
Xperia A SO-04E | 5000円程度 |
GALAXY S4 SC-04E | 1万円台半ば |
AQUOS PHONE ZETA SH-06E | 4万円台前半 |
ARROWS NX F-06E | 4万円台前半 |
AQUOS PHONE si SH-07E | 3万円台後半 |
Disney Mobile on docomo F-07E | 3万円台後半 |
ELUGA P P-03E | 3万円台後半 |
MEDIAS X N-06E | 3万円台後半 |
Optimus it L-05E | 3万円台後半 |
AQUOS PAD SH-08E | 2万円台半ば |
らくらくスマートフォン2(F-08E) | 2万円台後半 |
「はじめてスマホ割」「ありがとう10年スマホ割」の対象機種は限定されており、今回発表された夏モデルでは、「GALAXY S4」「Xperia A」の2機種だけが対象となる。この2機種は、先述した通り、割引額が増額されており、価格面でもユーザーへ強力にプッシュする形だ。
こうした“推奨機種”を掲げる理由は何か。加藤氏は競争環境が激化していることを挙げたほか、「これまでは20機種ほど用意して、選択肢を多く用意していたが、最近はスペックが向上し、日本で求められる機能も揃ってきた。そうなると、ユーザーにとって選びやすい環境にすべくラインナップを絞ることにした。そして、店頭では『一番良いのはどれか』『オススメは何か』と聞かれることが多い。これまで数だけ並べていた感もあって、今回はできるだけ特徴のある大画面、そして持ちやすさという観点で2機種を選んだ。他の機種にもそれぞれ特徴があるが、まずはこの2機種には“こうした特徴がある”と打ち出していきたい」と述べた。
囲み取材でツートップである「GALAXY S4」「Xperia A」の販売目標を尋ねられると、1機種あたり100万台程度を目指すと説明。さらに「それ以外の機種とは販売数量は大分違うだろう」とした。推奨機種に選ばれなかったメーカーへの影響として、「これまでドコモファミリーとも呼ばれていた国内メーカーとの関係が崩れても良いと考えたのか」という問いに対して、加藤氏は「誤解のないようにお願いしたい。ドコモでは、国内メーカーと特別なことをやってきたわけではない。特にスマートフォンでは、国内外から良い商品を提供するメーカーから調達してきた。これまでの結果があるなかで、今回は、これが強そうだとして選定した。結果として売れるものと売れないものは出てくる。それは甘受しなければならない」とコメントした。
加藤氏によれば、ドコモでは、社内のアンケート調査などを通じてツートップを選定したとのこと。冬モデルでも、そうした推奨機種を用意する方針だが、販売数など夏モデルの成績、あるいはメーカーで判断するのではなく、冬モデル候補の中から良い商品を見出してプッシュしていくという。