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ドコモ株主総会、“ツートップ”最新状況などが明らかに
(2013/6/18 13:49)
NTTドコモは、2013年6月18日午前10時から、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ東京で、第22回定時株主総会を開いた。会場には過去最高となる4415人(12時時点)の株主が来場した。
加藤薫代表取締役社長による開会宣言のあと、約15分間に渡るビデオで第22期の事業報告を行った。
事業報告では、企業ビジョン「HEART~スマートイノベーションへの挑戦」を掲げたほか、「中期ビジョン2015~スマートライフの実現に向けて~」のもと、モバイル領域のさらなる強化と、新領域の拡大に取り組み、スマートライフのパートナーとして一人ひとりの暮らしやビジネスを、より安心、安全、便利で快適になるようにサポートする、同社の事業姿勢などについて説明。ドコモならではのサービスを提供するドコモクラウドの取り組みを紹介したほか、Xiによる112.5Mbpsのサービス拡大や、地下鉄などでもXiサービスの利用が可能になるといった拡大戦略、災害時の安定的なネットワーク運用などへの取り組みなどにもついても触れた。
Xperia Aは64万台、GALAXY S4は32万台
2013年度の重点的な取り組みについては、加藤氏自らが説明を行った。
加藤氏は、「『中期ビジョン2015~スマートライフの実現に向けて~』への取り組みを通じて、これまでの総合サービス企業への進化から、お客様に寄り添う『スマートライフのパートナー』を新たなテーマに掲げ、中期ビジョンを実現していく」としたほか、「2013年度においては、スマートフォンユーザー基盤の拡大、ドコモクラウドを活用した新たな収益源の創出に向けて取り組み、構造改革による経営基盤の強化を推進していく」と語った。
モバイル領域の競争力拡大として、端末、ネットワーク、サービスを強化。端末では、「わかりやすく、選びやすい」をキーワードに、主力機種にリソースを集中し、夏モデルではドコモのツートップとしてXperia A、GALAXY S4を提案。「XPERIA Aは1カ月で約64万台を販売。GALAXY S4は、約32万台を販売した。年間で1600万台のスマートフォンの販売を目指す」とした。
また、ネットワークでは、2013年度にはXi基地局を5万局へと倍増させることや、国内最速となる150Mbpsのサービスを開始すること、サービスでは、提供開始1カ月であんしんパックが114万契約、おすすめパックが72万契約に達したことを示した。
そのほか、dマーケットの拡大、インテリジェントサービスの拡大などについても紹介。「健康」を今後の重点取り組みのひとつにすることも強調した。
一方で、メディア・コンテンツ、金融・決済など8つの新領域への取り組みについても触れ、すでに2012年度に5350億円の売り上げ実績を達成しており、2015年度には1兆円を目標にしていることなどを示しながら、新領域における収入拡大戦略に関して、株主に理解を求めた。
“3日持つ”バッテリーのスマホ、今冬投入を目指す
午前10時35分過ぎから、株主の質問を受け付けた。
2012年度の「9000億円の営業利益」という目標が未達となったことに関しては、「長期利用者向け優遇施策および家族向けセット割に伴う費用増、iPhone 5への対抗に関する費用増が影響した。だが、修正後の8200億円の営業利益目標については、構造改革の効果もあり達成した。早期に9000億円の営業利益を達成したい」と吉澤和弘取締役常務執行役員が回答した。
スマートフォンのバッテリー寿命が短いという点について問われると、岩崎文夫代表取締役副社長が、「スマートフォンで一番要望が多いのが電池の寿命を改善してほしいという点。スマートフォンは、従来の携帯電話端末よりも多くの電力を消費するが、ディスプレイのコントロールや、CPUを省エネモードで動かすといったことにより、夏モデルでは、全機種45時間以上と、約2日間利用できるようにした。これからも長時間利用については取り組んでいきたい」と語り、「今年の冬春モデルではシャープの『AQUOS PHONE ZETA SH-02E』を発売したが、これが、2日間利用できると好評だった。今年の冬モデルでは3日間に渡ってバッテリーが持つモデルを投入できないかと考えている」と加藤社長が補足した。
ツートップ戦略に関して
日本の企業のスマートフォンをもっと取り扱って欲しいという要望に対しては、岩崎副社長が、「今年の夏モデルでは、選びやすくするということから、全体の機種数を3~4割絞り、さらにおすすめのツートップとして、ソニー製とサムスン製を厳選した。だが、国内、海外問わずに公平に調達することをベースとしており、これはベンダーを選別したという意味ではない。今後も国内外のメーカーを問わずに、商品力の高いものが提案されることを期待している」と語った。
スマホで2in1は? 通話品質にも触れる
スマートフォンでも2in1を投入してほしいという要望に関しては、「スマートフォンではAndroidを搭載しており、そのためにこれまでと同じように2in1ができない。ほかの方法で、複数の電話番号やメールアドレスをどう扱うかといったことを検討している」と、永田清人取締役執行役員が答えた。
通話品質に関する質問については、岩崎副社長が「スマートフォン時代でも通話品質は重要なファクターとして取り組んでいく。通話していても、途中で切れないということに取り組んでいる。ドコモには6000人のネットワーク要員がおり、日々の状況を監視し、問題が発生すれば、すぐに回復するということを実現している」と回答した。
“ながらスマホ”は危険、啓発にも注力
一方で、スマートフォンを見ながら歩いている利用者が多く危険であるという指摘には、坪内和人代表取締役副社長が回答。「安心、安全で携帯を利用するということは、ドコモが目指しているものであり、利用者は、周りの方々にも迷惑をかけないというマナーが必要。ドコモでは、2011年からラジオや雑誌広告でマナーについても啓蒙している。新聞広告でも『ながらスマホ』の危険性を指摘している。啓発活動にも力を入れていく」と述べた。
さらに、加藤社長が「今年2月から新たにマナーロゴを作っている。これをメーカーにも使ってもらうなど、地道に活動を行っていく」とコメントした。
“犯罪に利用されている携帯電話の98%がドコモである”という一部報道に関する質問に対しては、田中隆取締役常務執行役員が回答。「不正使用防止法で疑わしいものは契約しておらず、審査は適切である。だが、ドコモと契約したレンタル事業者のなかに、不正使用防止法にきっちりと対応していない事業者がいた。他社では、事業規模に応じて契約回線数の制限をしているが、ドコモではこれをやっていなかった。これを検討したい。レンタル事業者に対して確認を徹底するなど、厳格な基準を設ける準備をしている」とした。
旅行業への取り組みなど
第2号議案の定款一部変更において、旅行業を含めていることについて、岩崎副社長が回答。「dマーケットにおいて、ストア数、アイテム数の拡大策として、デジタルコンテンツ、Eコマース、生活サービスという3つのステップを踏んでいく。生活サービスでは、学習、健康、旅行に取り組んでいく。旅行では、JTBと提携して、スマートフォンがガイド役となるような新たな旅行サービスで共同で検討していく」としたほか、加藤社長が、「スマートフォンが、行程表の時間管理や、レコメンデーションを含めた新たな旅行の提案を目指していく。今後も要望を反映して、戦略的提携を含めて発展させていきたい」と語った。
なお質問のなかでは、ドコモダケの引退を含めたテレビCMの改善についての要望も出され、これに対して、坪内和人代表取締役副社長が回答。「白い犬に食われているところはあるが、がんばっていく。ドコモは、通信事業者であり、人と人のつながりに絞り、家族で意思を通じ合えることに的に絞った展開をしてきた。ドコモダケが人間になったが、それなりに楽しんでいただけているかと思う。広告関連の賞も受賞しており、クオリティも評価されている」とした。
加藤社長は、「長くドコモのCMをやっていただいている方、新たな風を吹き込んでいただく方がおり、スマートフォンになりきった渡辺謙さんも楽しんでいただきたい」と回答した。
2008年にロゴを変えた効果については、「小文字で、赤としたのは、お客様に満足していただくことを考え、ファンになっていただくこと、親しみやすいことを狙った。これはますます目指していくことになる。ドコモショップでも、赤にはパッションを感じていただけ、明るいイメージ、親しみやすいイメージができた。効果があったと考えている」(永田取締役執行役員)とした。
なお、第1号議案の剰余金の処分の件、第2号議案の株式会社NTTドコモへの商号変更(従来は株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ)など定款一部変更の件、第3号議案の取締役3名選任の件、第4号議案の監査役2名選任の件は、いずれも可決され、12時4分に株主総会は終了した。