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LGが「Optimus G Pro L-04E」を解説、最新の海外モデルも披露

LGが「Optimus G Pro L-04E」を解説、最新の海外モデルも披露

 LGエレクトロニクス・ジャパンは、NTTドコモから4月4日に発売される予定のAndroidスマートフォン「Optimus G Pro L-04E」の記者向けの説明会を開催した。合わせて、2月末にスペインで開催された「Mobile World Congless 2013」で展示した、最新のグローバル市場向け端末も紹介された。

LGエレクトロニクス・ジャパン モバイルコミュニケーション セールス&マーケティング 統括部長の首藤晃氏

 挨拶に登壇したLGエレクトロニクス・ジャパン モバイルコミュニケーション セールス&マーケティング 統括部長の首藤晃氏は、「日本では細々と営業しているが、米国のコンシューマー・リポート誌ではOptimus Gが(2012年の)顧客満足度ナンバー1に選ばれた。米国では12月に販売台数が何年かぶりに2位にもなった。新しいOptimus G Proも、いろいろなメディアで取り上げられ、メディアの力を感じている」と述べ、日本でのアピールが活発でないことを認めつつ、端末の内容には手応えを感じている様子を語った。

「最新モデルを日本市場にいち早く投入」

ピーアール&デジタルマーケティング 次長の金東建(キム・ドンゴン)氏
グローバルで展開する4つのシリーズ

 続いて「Mobile World Congless 2013」でも展示された最新のグローバル市場向けモデルが、同社 ピーアール&デジタルマーケティング 次長の金東建(キム・ドンゴン)氏から解説された。キム・ドンゴン氏は、LGのモバイル端末の実績や、世界7カ所に研究開発施設、世界6カ所にデザインセンターを設けてグローバル市場に対応していることを説明。また、家電やホーム・エンターテイメント、エネルギー分野など垂直統合でさまざまな事業を抱えていることもLGの強みであるとした。

 「Mobile World Congless 2013」でも展示されたように、現在のLGのグローバル市場向けのOptimusシリーズは、ハイエンドの「G」、タブレットのような使い方を訴求する「Vu:」、LTEを広める戦略的なミドルクラス製品の「F」、新興市場向けの「L(L II)」の大きく4つに分けられている。

 同氏は、「以前とは変わった点は、日本市場にいち早く投入する姿勢になっているところ。MWCでも日本で発売された端末が並んでいた。日本市場に対し力を入れている姿勢が、読み取れるのではないか」と説明し、「Optimus G」(L-01E)がグローバル市場に先駆けて日本市場に投入されており、グローバル市場では今後本格的に展開される点や、今回解説される「Optimus G Pro」についても同様であることがアピールされた。

 同氏はこのほか、LGの保有しているLTE関連の特許のシェアが1位とする調査結果を示したほか、家電との連携機能、モバイルプリンタ、Windows 8搭載のタブレット端末といった、新しい取り組みが展示されたことを紹介した。

 なお、MWCのLGブースでは、Googleのブランドによる端末でLGが製造する「Nexus 4」も紹介されていたが、26日の説明会では詳細は説明されなかった。

5インチのディスプレイは日本市場に最適化した結果

プロダクトチーム 課長の金希哲(キム・ヒチョル)氏。会場には向井理の仮面を被って登場した

 同社 モバイルコミュニケーション プロダクトチーム 課長の金希哲(キム・ヒチョル)氏からは、「Optimus G Pro L-04E」の解説が行われた。

 グローバルモデルとして発表され、韓国ではすでに発売され好評を得ているという「Optimus G Pro」だが、グローバル版はディスプレイが5.5インチ、日本版は5インチという大きな違いがある。キム・ヒチョル氏は、この違いについて、ユーザーの傾向の違いを指摘する。例えばすでに同端末が発売されている韓国市場では、5.5~6インチという大画面のスマートフォンがいくつも登場しており、人気を博しているとのこと。こうした大型の端末がヒットする背景には、文字入力の際に端末を両手で持つスタイルが一般的で、両手で操作しやすいキーボードが広まっている点や、通話の際に端末を持たずヘッドセットやイヤホンマイクを使うユーザーが多く、片手で持ちやすいサイズという点はあまり重要視されないため、と分析する。

 日本市場向けの端末は「現時点ではまだ、片手で扱えるサイズが重要。おサイフケータイや赤外線通信も加えているが、ディスプレイのサイズも5インチにカスタムして投入した」と説明。一方で、ドコモの春モデルとしては最後発となる4月の発売になった遠因も、こうした日本市場向けの仕様にこだわった点にあることを認めている。

展示会でも評価の高かった「Optimus G Pro」
「Optimus G Pro」のグローバル版と日本版の違い
画面が5.5インチのグローバル版(左)、5インチの日本版(右)を手にするキム・ヒチョル氏
すでに発売された韓国では、両手で文字入力、ハンズフリー通話が普及、片手で持てるサイズは重要視されないとした

 ディスプレイはサイズが変更されているが、基本コンセプトである大容量バッテリーによる長時間駆動、IPS方式を採用した高画質なフルHD液晶ディスプレイ、使い勝手を進化させている点などは、世界中で共通の部分。キム・ヒチョル氏は、「防水だけは対応していないが、防水に対応して端末サイズが大きくなったり、バッテリー容量を犠牲にしたりする点を考えると、今回は最大のバッテリー容量にこだわった」と経緯を説明したほか、同社が「Zerogap touch」(ゼロギャップ・タッチ)と呼ぶ、タッチセンサーとカバーガラスを一体化した液晶パネルの新工法を示し、ディスプレイがさらに見やすく臨場感が高くなっている様子を紹介した。

 CPUはドコモの春モデルでは唯一という1.7GHz駆動のSnapdragon S4 Proを採用。動作クロックを引き上げられた点については、「クアルコムとの関係やLGのチューニング力もある。こうした端末の基幹部品をコントロールできるのがLGの強み」とアピール。メインカメラとインカメラと同時に録画できる機能は「ニューヨークで発表された端末より先に搭載している」(※同様の機能が「GALAXY S 4」の発表会で披露された)としたほか、小さいウィンドウでLG製アプリのマルチタスクを実現した「Qスライド 2.0」では、2つまでアプリを追加できるようになり、合計で3つの機能をマルチタスクで利用できる点を紹介、「春モデルでは、スペックはどこをとっても負けているところはない」と自信を見せた。

 なお、「Optimus G Pro L-04E」では、ホームボタンが実際に押下できるボタンとして搭載されているが、この変更点については「調査は継続して行っており、この端末の企画段階では物理ボタンがあったほうが分かりやすいのではないかと判断した」と説明されている。

Optimus G Pro L-04E

透明なボタンに見える部分は赤外線通信ポート。白いポートは珍しい
背面カバーは取り外せないタイプなので、SIMスロットは側面に用意。microSDとの2階建てスロットを採用する

Optimus G Pro グローバル版

日本版(左)との比較

Optimus G グローバル版

Optimus F7(グローバル版、日本市場への投入は未定)

Optimus L II 7 Dual(グローバル版、日本市場への投入は未定)

2枚のSIMカードを装着できるモデル

太田 亮三